家族八景(新潮文庫)

家族八景(新潮文庫)

484円 (税込)

2pt

幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。人間心理の深層に容赦なく光を当て、平凡な日常生活を営む小市民の猥雑な心の裏面を、コミカルな筆致で、ペーソスにまで昇華させた、恐ろしくも哀しい短編集。

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家族八景(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    著者の卓越したというか達観したというか、その人間観が現れた描写に舌を巻いた。テレパスによっていかにまありそうな家族模様が如実に表現されていて、とても面白かった。

    0
    2024年03月14日

    Posted by ブクログ

    ほぼ10年ぶり三読目。気づけば10年に1回読んでいる。今さら言うまでもないことだけど、文章がうますぎる。変化をもたせた最小限の文の連なりで、正確に内容が伝わるように書かれている。{}を使った、同時複数の感情表現方法は、50年後の現在も見かけないような斬新な表現。内容的には、ヒヤヒヤはするものの、いず

    0
    2023年11月07日

    Posted by ブクログ


    筒井康隆の作品はナンセンス加減で割と個人的な評価が分かれてしまう。
    本作はとても面白い。
    今でこそテレパシーモノに新鮮みはないが、作者のブラックなアイデアと表題通りの面白い構造でページが進んだ。
    テレパシーを持つ人間から浮き彫りにされる人間の汚さ、誇張こそあれ真実味のある内容だった。

    0
    2023年07月28日

    Posted by ブクログ

    テレパスを持つ少女がお手伝いとして、8つの家族を渡り歩く話。
    人間の生々しい感情、肉欲、恨み、嫉妬を主人公を通してべったりと張り付くような感情を体験できる良本。
    主人公も決して善人ではなく、主人公の行動によって次々と家族は崩壊していくが、悪人にも見えない不思議。

    0
    2023年06月26日

    Posted by ブクログ

    表と裏の顔を他人に見透かされてたとしたら。
    ぞっとするシチュレーションである。

    登場する家族はそれぞれ問題を抱えているが、倫理に反すると建前では言ってしまえるが、ある程度想像に難くない範囲にあるとも言える。
    それぞれ個人的な秘密をして抱えるべきものが七瀬の視点によって白日のもとに晒されているだけで

    0
    2023年06月24日

    Posted by ブクログ

    読心術、という本当にあるかどうかわからないものが世の中には存在しているが、それが本当にできるのが、この物語の主人公である、七瀬である。

    「掛け金」という彼女独特の捉え方で、自分に流れてくる相手の感情をコントロールして、なるべく影響されないようにしながら生きてはいるが、そうはいってもどうしても影響さ

    0
    2022年11月27日

    Posted by ブクログ

    生まれながら、人の心を読むことができてしまう七瀬さん、その能力をひた隠しながら、家政婦として働いている。雇われた家庭の悲喜交々を受け取ることになる。心が健全な家庭には雇われることはあまりない。人間の、できれば人に知られたくない心の動きが七瀬を通して詳らかになる。
    続編もあるようだ。是非読んでみたい。

    0
    2022年10月23日

    Posted by ブクログ

    40年以上前に書かれたとは思えないほどの斬新さ。関係性の中に現れる人の心の歪さ、醜悪さ、そしてそれ故の動物的な美しさは、今の時代も差程変わっていないように思う。
    普遍的であるが故の真新しさをここに見た。面白い。

    0
    2022年06月10日

    購入済み

    読了

    始めて筒井康孝を読んでみました。
    こういう人の心理や感情を描いた小説は面白いですね。
    読んでて辛くなりますけど...。

    0
    2012年04月17日

    Posted by ブクログ

    家族ってなんだろう。主人公が心の内を読めるという能力故、人の狂気的な面が強烈に描かれていて胸焼けがしそうなくらい。
    意外と家族ってこんなもんなんかなって感じ。

    0
    2024年05月15日

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