脱走と追跡のサンバ

脱走と追跡のサンバ

660円 (税込)

3pt

4.4

どんなことがあっても脱走してやる。このいやらしい世界から逃げ出してやる。こんなところに閉じこめられてたまるものか。汚物の墓場の下水管を通り抜けもとの世界からこっちの世界へ入り込んでしまったおれは……。情報による呪縛、時間による束縛、空間による圧迫にあえぐ現代をパロディ化し、境界のゆらぎはじめた現実と虚構の「世界」を疾走する傑作SF長編。

...続きを読む

脱走と追跡のサンバ のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月29日

    実験的な小説であるものの、最後まで読み通せるほどのおかしさや面白さに満ち溢れていて、今でも新鮮な、読み応えのある作品だった。
    「虚人たち」は小説という形式のなかでもがく話だが、今作は世界そのものから脱出しようとするわけで、筒井康隆ならではの世界把握があまりにも独特で、かつ的確。現代社会と適応しすぎた...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2013年10月20日

    筒井康隆の傑作の1つである。登場人物の自我からの脱出の顛末。自我同士の絡まり合いとぶつかり合いによる、時空がねじれ合うドタバタなのに、不思議と最後までするすると読めてしまうのはタイトルにも有るサンバをはじめとした音楽的リズムの賜である。20年ぶりに再読したが相変わらず新鮮。自我により世界が想いのまま...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2010年06月24日

    あれ? 単行本はもうないのか。

    何度か読もうとして途中で挫折。たいくつだったので。
    でも、途中まで読むとあとは一気。
    暗くて切ない
    あのころの日本のSFって、こんな雰囲気のが多かったような気が、いました

    0

    Posted by ブクログ 2011年06月15日

    筒井さん本人もエッセイでドグラ・マグラから文体など影響を受けたことを語っているが、俺の中でドグラ・マグラと並ぶ小説の最高峰。読み終えて気がつけば自分の中のいくつもの人格がサンバを踊っているのです。

    0

    Posted by ブクログ 2017年10月10日

    たぶん初めて買った筒井康隆の本で、『筒井順慶』に続いて読んだ二冊目の本。中学生でこれ読んでわかった/面白かったのかなぁ。
    今読んでみると『同時代ゲーム』以降の大江健三郎に通じるような自己参照を含むメタフィクションといった趣もあって興味深い。

    0

    Posted by ブクログ 2012年04月27日

    とにかくすべてに必然性があって、一切の無駄がない。あるいはすべての要素が、まったく無駄に浪費されているように見える。それが筒井康隆の小説であり、エンターテインメントと純文学の融合ということである。特にこの作品は、その次元が高い。

    すべてに意識的であるということは、なんて精度と密度が高く、息苦しいも...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2020年12月18日

    この世界は以前自分がいた世界ではない――抑えようのない異和感に押され、「この世界」からの脱出を試みる主人公。情報、時間、空間からの束縛を断ち切って逃げ出すことはできるのか? …という大まかなストーリーはありながら、その脱出劇の解決が作品的ゴールかと言えば、そうではなく。スラップスティック的不条理世界...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2009年10月07日

    父親からもらって読んだのはリバイバル前の作品でした。他にも同じように読んだ作品は結構あります。
    これは奇妙なストーリー展開でしたが、最後の「母」を感じる場面が印象に残っています。

    0

脱走と追跡のサンバ の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

角川文庫 の最新刊

無料で読める SF・ファンタジー

SF・ファンタジー ランキング

筒井康隆 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す