フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • 時は乱れて
    「我々が見ているこの世界は、本当に現実なんだろうか?」というテーマを、映画のマトリックスが仮想現実を描いたような表現方法で描いているかと思ったら、1959年に発刊された本書で描いた方法は、正直ぶっ飛んでいて驚きました。また、ジャンルはSFですが、まるで良質なミステリー小説を読んでいるようで、とても楽...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    人間と機械の境界線は今後未来の人類が抱える問題になるだろうと予想されるが、60年前に出された本書により既に答えが出ていると感じた。
  • 流れよわが涙、と警官は言った
    ジョン・タウランドの『流れよ、わが涙』(涙のパヴァーヌ)をタイトルに持つ本作。作中にも触れられていて、ディックはクラシック音楽が好きなんですね。

    ある朝、男が目を覚ましたら誰も自分を覚えていない…国家データバンクからも記録が消失した”存在しない男”になっていた。男の名は、ジェイスン・タヴァナー。一...続きを読む
  • ユービック
    凄まじい…
    文字の羅列だけ見れば、スラスラと入ってくる類いの文章ではないのに
    あっという間にディックの世界に惹き込まれて、引き返せなくなる。
    一気に読み終えてしまった…

    生涯のベスト5に入るんじゃないかくらい衝撃的。
    ありがとう!!!(誰)
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    読後もこの世界に浸っている。

    物語の深い意味を知れば知るほど、この作品が名作といわれる理由がわかる。

    現実世界もAIと共存していくうえで、人間の尊厳、感情などはどのように変化していくのかな。
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    アンドロイドと人間の違いは見分けにくいほど、とても似ている。しかし、物事に対する考え方や人間とは相容れない部分も微細に表現していて面白かった。
  • 火星のタイム・スリップ
    電気羊だけがディックじゃない!と思わせる一作。

    1964年発刊。その30年後の1994年の火星が舞台。そこには人類が植民していますが、まだ社会基盤が脆弱なために水不足に悩まされていたり、闇取引が横行している世界。他に、人類と共通の祖先である原住民のブリークマンがいたり、ある種の精神疾患を持つ人間は...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    とても面白かった。世界観が好き。

    以下メモ
    ・ギップルという言葉が愛おしい。ギップルとは、ダイレクト・メールとか、からっぽのマッチ箱とか、ガムの包み紙とか、きのうの新聞とか、そういう役に立たないもののこと。
    ・特殊者と書いてスペシャルと読む。俗にいうピンボケ。この呼び方も好き。
    ・情調(ムード)オ...続きを読む
  • トータル・リコール
    2024年になっても新鮮な読み心地と生々しい迫力を備えている。時代を超えて読み継がれるとともに、実現可能な時代になりつつあることの恐怖も沸き起こる短編集。以下は個々の作品の備忘録


    ・トータルリコール
    経験の記憶を販売する会社で記憶の植え付け施術失敗と思いきや、政府の要人というか機密を持っている重...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    大好きな映画「ブレードランナー」の原作本。ようやく着手。

    最初は読み進めるのに苦労したけど、半分もいかないうちにどんどんのめり込んでしまった。
    映画とは結構展開も違うし、終始ハラハラドキドキ。
    そして人間としての在り方を大いに考えさせられる。
    とにかく衝撃を受けた……

    ここ数年で読んだ作品で一番...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

    人間とは

    独特な世界観で語られ始める本作。
    慣れてきたと思い始めた矢先に怒涛の展開が待ち受けていて最後まで飽きさせない。

    アンドロイドと人間の境界が曖昧になっていく中で、人間足りうるものが何なのか考えさせられた。

    訳者あとがきでは、この難解な作品を紐解くための手助けをしてもらえているようだった。
    作者の意...続きを読む
  • 変種第二号
    いやいや、表題作「変種第二号」が傑作過ぎ。久々にやられましたわ。これだからディック読みはやめられないのよ。

    「戦争」をテーマとした作品をまとめた、日本オリジナル短編集。戦争テーマと言ってもかなり広義に捉えられていて、収録作はそれなりにバリエーションがあって読み応えがあります。(ただし、本邦初訳らし...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    ソラリスからSFにハマり読んでみました。人間を人間たらしめるものはなんなのかがテーマの作品でSF要素も哲学要素もあり考えさせられる面白い作品でした。また暗い雰囲気が好きな自分にとってはこのどんよりとした雰囲気はとても心地よくどんどん読み入ってしまった。またいろいろなSF小説読みたいな〜
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    人間とアンドロイド、生きている動物と電気動物、健常者と特殊者、レイチェルとプリス、レッシュとリック、作中で垣間見える二項対立を産むものは何か?という点が本作の主題なのかな、と感じました。

    著者であるディックの結論は感情移入度なのだと思います。ただ、人間とアンドロイドといった対比は非常にわかりやすく...続きを読む
  • トータル・リコール
    本書はフィリップ・K・ディック短編傑作集ですが、有名なところではトータル・リコール、そしてマイノリティ・レポートが掲載されています。もちろんこれらの有名な話も面白いですが、私はむしろそれ以外の短編を堪能しました。

    ネタバレになりますので深く書きませんが、「地球防衛軍」「訪問者」は立場の逆転という視...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    アンドロイドと人間は何が違うの?が最大のテーマと感じた。本書では感情移入度検査法という、質問に対する感情の判定度合いを測る分度器を使用しており、感情が人間を人間たらしてる重要なファクターになっている。

    アンドロイドが感情を後天的に学習可能であるなら、感情豊かなアンドロイドと感情が欠落した人間とでは...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    名前が素敵過ぎる作品。
    表紙もオシャレで、いよいよ手に入ったので読んでみた。
    核兵器を使った世界大戦以降の世界という設定の雰囲気がどんよりと重くてびっくりした。
    自然の動物(機械でない)を買うことが社会的ステータスとなっていたり、火星移住のためにアンドロイドが働かされていたり、設定一つ一つがそれいい...続きを読む
  • ユービック
    ディック2周目の3作目(1作目電気羊、2作目はヴァリス)
    初めて読んだ時はディック作品の中でも最初の方に読んだので改めて読むとディックの好きな部分がかなりバランス良く詰め込まれててこれは人気投票1位になるだけある…となった
  • ユービック
    ディック2冊目。
    アンドロイドより面白い。
    amzonのレビューにジョジョっぽいと矢鱈と書いてあるが、確かにジョジョっぽかった。
  • いたずらの問題
    ディック初心者にもオススメできるストーリー展開で読みやすい。本作にあるモレク的な風潮がいまだに蔓延していて時代を経ても色褪せない一冊だなとも思いました…!(無意識に銅像の頭部を持ち帰ってくるところは笑いました)