フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • 偶然世界
    SFらしいSF!ディックは初めて読んだけど、他のも読んでみたいと思った。後半の方の駆け引きが面白かった。
  • 火星のタイム・スリップ
    何でこのタイトルにしたんだろう?
    確かに火星だし、目的はタイムスリップなのだが、あくまでも副次的な要素でしかないように思う。

    まず第一に、全然火星らしくないw
    火星的な火星ではなく、完全にもう一つのアメリカ(西部開拓時代の)。
    地球からの移民だから当たり前と言えば当たり前かもしれないが、
    彼らの関...続きを読む
  • トータル・リコール
    「トータル・リコール」・・・クウェールがリコール社を訪ねて、架空の記憶パターン(火星に行った記憶)を植え付けようとする→事実であって、彼はインタープランの秘密捜査官として火星に行き、プロの殺し屋として一人の男を殺していたことを思い出す。
    →記憶の上書きしようと再びリコール社へ。強烈な願望を満たすため...続きを読む
  • 時は乱れて
    久しぶりのディック.今は亡きサンリオ文庫から出ていたものらしい.
    ディックお得意の「模造記憶」「泥沼化した戦争」「並行世界(ちょっと違うか?)」がキーワードだが,比較的前期の作品であるために,作者自身がパラノイア化したともいえる後期作品とは異なり,短編の延長のようで読みやすい.
    「なぜ彼らの側につい...続きを読む
  • ユービック
    PKディックを久しぶりに読んで、この作者の特徴がこの現実なのか仮想なのかどっちつかずな何とも言えない読後感だと思い出した。
    ストーリーは反超能力者11人が超能力者に立ち向かうために月に向かっていくというところまでが序盤。そこからのストーリーは破綻しているとしか思えないが、実は全部伏線でした。
    面白か...続きを読む
  • ヴァリス〔新訳版〕
    神学モチーフは確かに難しいし、わかりづらい。
    だけども、ヴァリスのわかりにくさは作品の善し悪しというよりも読んでいてそのわからなさも魅力だ。
    新訳での残り二作が出るのを楽しみに待つ。
  • 時は乱れて
    初期の作品ではあるがディックのパラノイアの予兆のようなものを感じる。
    得意の現実崩壊系の作品で、プロットが面白く・破綻も無くしっかりしていて珍しく綺麗にまとまっている。
    良く言えばまとも、悪く言えばディックの良さが足りないかなと言ったところ。

    でもこういう話はすごく好きですw
  • アジャストメント ディック短篇傑作選
    「にせもの」のスリル、
    「おお!ブローベルとなりて」「ぶざまなオルフェウス」の黒い失笑、
    「さよなら、ヴィンセント」の切なさが、特にも印象的だった。
    小説ではなく、著者の論考である「人間とアンドロイドと機械」も収録されていて
    SFを通じて著者が何を熟考し、表現したかったのかが、ひしひし伝わる。
    書く...続きを読む
  • トータル・リコール
     ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫で引用されている著作を探しているときにたまたま偶然手に取る。あとはまぁ二回ほど映画化されていますし、ね。

     ≪トータル・リコール≫は五十ページくらいの薄い薄い作品でこれが二度も映画化されるほど引き伸ばされるなんてすげーとおもいました。
     ≪フード・メーカー≫...続きを読む
  • アジャストメント ディック短篇傑作選
    このブラックな感じがなんとも言えない作品。短編集ということもあり、気に入った作品も、苦手な作品も半々といったところでした。とはいっても、これは海外SFがまだ二回目なので楽しみ方がまだ手探り状態ということにも起因しているとは思いますが…。
    個人的には、「ウーブ身重く横たわる」「にせもの」「電気蟻」「凍...続きを読む
  • アジャストメント ディック短篇傑作選
    やばい!ディックの悪夢世界から抜けられない・・・

    でも、著者の「短期間で量産した」とまで言われる膨大な短編はどんな感じなのだろう?ということで読んでみる。

    ここにもあるある!50年代の短編には見られない、精神分裂症的な影が60年代に現れてきているのです。自分が本物であることを信じきっている「にせ...続きを読む
  • トータル・リコール
    トータルリコールって全50ページの短編だったのか・・・
    ってことで読始。  SFよむならフィリップKディックの作品読まなきゃ。
    ってのもあって、半信半疑で読みすすめたけど、1960年代にこれ書いたのがすごいよなーと感動。
  • 高い城の男
    第二次世界大戦で枢軸国側が勝利した世界に生きる人々の群像劇。
    北米は3つに分断され、日本支配地域、ドイツ支配地域、中立地域となっている。
    ドイツは水面下で、日本を破壊して世界を征服しようと画策している。(タンポポ作戦)その矢先にボルマン首相が死去。タンポポ作戦の賛成派である、ゲッペルスが次の首相とし...続きを読む
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    フィリップ・K・ディックは、麻薬をテーマに扱った作品が多いけれど、この作品はその代表作。

    「麻薬でトリップ→ひどい悪夢→やっと目が覚める→と思ったらまだ悪夢の中」という恐怖を、しつこいほどに描いています。人間の意識なんてあやふやなものだと思わされます。

    麻薬による、人びとのそれぞれの夢の中に普遍...続きを読む
  • アジャストメント ディック短篇傑作選
    ブラックユーモアの本場
    サイエンスフィクションと古典文学の風潮とアメリカ現代社会の英語の潮流、社会的風潮、、、潮?
    『人間とアンドロイドと機械』…SF作家のユニークな考え方、隠れた名著、小論文に
  • トータル・リコール
    PKDは昔「電気羊は~」を読んでさっぱりで、そもそも何で読んだかというと「ブレードランナー」を観てさっぱり理解出来なかったからで、要するに相性が悪いんだと思ってました。

    本作は半分くらい面白かった。
    「訪問者」
    「世界をわが手に」
    「ミスター・スペースシップ」
    「マイノリティ・リポート」

    …もう...続きを読む
  • 偶然世界
    SF界では有名な方らしいというのと、本屋で見た装丁がかっこよ(略)厨二心をくすぐられたので購入。よく耳にする「~は~の夢を見るか?」というタイトルの元ネタでる「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」という作品を書いたフィリップ・K・ディックの長篇処女作。らしい。本当はどこかの作品でオマージュだか参考だ...続きを読む
  • トータル・リコール
    20年振りに読んだPKD。お手軽に楽しめそうな作品を詰め込んだ短編集。
    どれもしみじみ面白く外れ無し。流石です。
    「ミスター・スペースシップ」あたりは「ちょっと!教授!きょうじゅ!!」
    というツッコミをせずには居られませんでしたが、好きですこういうの。
    「訪問者」「吊るされたよそ者」がお気に入りです...続きを読む
  • トータル・リコール
     ディックの短編の詰め合わせで、標題の「トータルリコール」のほかにマイノリティリポートも収められています。
     ディックが執筆していた時代は東西冷戦の最中で、あのころは東西の争いが続くという時代感覚が多数をしめていたのか、すべての短編で西と東で核戦争が勃発したという設定になっていて、総じて暗い未来が多...続きを読む
  • トータル・リコール
    『世界を我が手に』はなんだかMIBの最後を思い出した…。
    マイノリティ・リポートは映画を見てみたくなった。