フィリップ・K・ディックのレビュー一覧
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ディックの中で一番好きな話です。今回新装版になっていたので再購入。
これはディックが友達への思いを込めて書いているのだと思います。
悲劇的、アンハッピーエンドとされることが多いようですが
あくまで私個人としては、ディック作品の中でも特に切なくも優しい話だと思います。
しかし、スクランブルスーツが...続きを読むPosted by ブクログ -
ディック好きなら迷わず買うべし。内容は既に他の短編集におさめられたものもあるが、小品「さよなら、ヴィンセント」や、講演の原稿でありかなりヤバい内容の「人間とアンドロイドと機械」など、ファンとしては押さえておきたいものが収録されている。「人間とアンドロイドと機械」はディックが「アンドロイド」をどんな視...続きを読むPosted by ブクログ
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近未来・異世界の描き方ではディックは随一である。キングとディックで描かれる歪んだ、変節した日常以外に他の作家はいったいどれだけのオリジナリティを発揮できるのか。Posted by ブクログ
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自身やその仲間がドラッグ中毒だったことの思いも込めてるだけあって、重い。
あとがきを読むにつけて思うのは、一度内臓がボコボコになったらダメなのかなーという感想。
最初のほうはちょっと読みすすめ辛かったかも。
「死者はわれわれのカメラなんだ」Posted by ブクログ -
PKDの「ユービック」と並ぶ代表作の一つ。「ユービック」に時間の逆行というプロットの中の破綻があるというマイナスポイントを考えると、本作をPKDナンバー1に推す人も多いかも知れない。
謎に包まれ、カリスマも感じさせるパーマー・エルドリッチという存在、そして惑星開拓に伴う移民たちとドラッグ「キャンD」...続きを読むPosted by ブクログ -
今回この短編集を購入したのは表題作である「アジャストメント」を読むためではなく(同作ももちろん面白いのですが)、巻末に収録されたディックの講演原稿「人間とアンドロイドと機械」を読むためです。
「人間とアンドロイドと機械」は、遺作となったヴァリス三部作の執筆中にディックがイギリスで行う予定だった講演...続きを読むPosted by ブクログ -
かりそめの、だが確かに存在したわずかばかりの幸福と、ひとりの人間が背負うには重すぎる不幸、その両方を懐かしんで、いとおしんで、書き残して、ぼろぼろになって、貧乏なまんま死んでしまったディックへ。おっさんが伝えたくって仕方なかった思いはたくさんの人に届いてる。クスリなんて肉眼で拝んだこともない私たちが...続きを読むPosted by ブクログ
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SFの巨匠Philip K. Dick最期の作品。。。
彼らしく灰色が似合うフィルムノワール的世界が漂う。
スクランブル・スーツを纏ったあの麻薬おとり捜査官は、
彼らの冷笑によって殺されてしまったんだ。
腐敗、欺瞞、猜疑心、頽廃、堕落、
そしてわずかに残された使い捨ての希望と未...続きを読むPosted by ブクログ -
薬物依存症を実際に体験したF・K・ディックの著書。
本書は彼が薬を使わずにして書き上げた初めての作品です。
自分の体験から物質Dという架空の薬物に呑まれた
囮捜査官のロバートとその周りを取り巻く人々の物語を描きました。
SFに分類されるのでしょうが、現代的でもあります。
薬物を責める内容ではありませ...続きを読むPosted by ブクログ -
創元SF文庫から山形浩生さんの訳、「暗闇のスキャナー」の邦題で出ていた"The Scanner Darkly"を、浅倉久志さんが新訳したのがこのスキャナー・ダークリー。
内容に関しては、ディック後期の傑作ということもあり、色々なところに書かれているので、僕は翻訳の違いに関して感じた事を。
ハヤカ...続きを読むPosted by ブクログ -
破滅的な世界が訪れれば、人間とアンドロイドの区別はできなくなるかもしれない。現実世界だとまだまだ人間との区別がつくと思う。しかし、10年後になるとどうなのだろう。人とのつながりが徐々に消えていくことによって人間としての優しさは失われていくんじゃないだろうか。そうなってくると不特定多数と共感できる融合...続きを読むPosted by ブクログ
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どれもフィリップKディックワールド全開。
SF大好きマンからするともう堪らなく楽しい…!
全体的にそうだけど、特に「地球防衛軍」なんかはプーチンはじめ世界中の戦争おっぱじめる奴らにぜひ読んでほしいお話だった……Posted by ブクログ -
フィリップ・K・ディックの長編SF小説。
1968年刊行。(原作)
映画版は日本では「ブレード・ランナー」として知られている。
舞台は核戦争によって荒廃した地球。放射能の死の灰から逃れるべく、人類は高性能なアンドロイドを連れて他の惑星を開拓・移住しはじめていた。
主人公であるリック・デッカードは植...続きを読むPosted by ブクログ -
人間とアンドロイドと、境界を見失い混迷する自我。
いわゆるSF、とされる作品群を読んでいると、社会と個人との切り離せなさを感じることが多い。
蜘蛛の足を切り落としていくアンドロイドが、めちゃくちゃ怖かった。ふと立ち現れる加害性、みたいなものを書くのが上手いなあ、と思う。Posted by ブクログ -
リック・デッカードの心理的な変化がおもしろい。
冒頭は模造動物などに対する嫌悪感をあらわにする。
ルーバー・ラフトというオペラ歌手を処理したあたりから,アンドロイドに対する見方が変わる。
最終的には,「電気動物にも生命はある」とさえ述べるようになった。
生成AIが急速に広がっている現代。
生命とは...続きを読むPosted by ブクログ -
前半部分はかなり辛くて、全くページが進まなかったですが、レイチェルが出てきたあたり(1/3くらい)から一気に入り込むことができました。
逆にそこまで我慢できないと楽しめない1冊だと思いました。
今後、こういうアンドロイドが出てきて、人間とは違うものなんだ!というので完全に生物じゃないものとして接す...続きを読むPosted by ブクログ -
最初は良くわからない単語が多いのと文章が硬くて目が滑りがちでしたが、半分ぐらい読み進めると世界観にピントが合って気にならなくなりました。
人間、アンドロイドの葛藤。色々考えさせられますね。
個人的には蜘蛛が出てくるシーンが好きです。
アンドロイドと人間の蜘蛛に対する反応の違いが、アンドロイドは非...続きを読むPosted by ブクログ