フィリップ・K・ディックのレビュー一覧

  • 偶然世界
    PKDにしては、なんだか読みやすいぞ。最初の長編だから?

    現実とは、アイデンティティとは、という主題は出てこないと言っていい。唯一、複数人で一人の人格を形成する、一つの体を複数人でシェアする部分がかする程度。けど、大して触れられず、あっさり流される

    ストーリー上、重きを置かれているのはM(ミニマ...続きを読む
  • 火星のタイム・スリップ
    この作品がこのタイトルではもったいない!

    タイトルでは表しきれない深い何かが、人間の心のあり様というか、善悪と心の病と人間の背負い続ける業とでもいうか、そういうものがある。

    同じ時間の同じような場面が少しずつ違ってきたりするあたりが興味深かった。

    しかし、正直なところラストが突然すぎて驚いた。...続きを読む
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    まさにPKD、そして分けわからん。

    パーマー・エルドリッチって一体。あれが聖痕?
    そして、結局異星人の媒体かよ。。。

    あとがきに書かれているのは、本文の前に書かれている、人間は塵から生まれたからたかが知れてるけど、まぁまぁうまくやっている。今回の困難にもうまく対処できるんじゃないかな。っていう分...続きを読む
  • 火星のタイム・スリップ
    02年再版版。

    本作はPKDの長編では初期作品であるにもかかわらず、
    そのドープさ加減は手加減を知らない。

    至って面白みもないタイトルから安易に内容を予想するのは間違いで、
    やはり一筋縄ではいかないストーリー。現実世界を歪んでいき、
    最後のほうではやはり混沌に突入していきます。
    PKDの著作の中...続きを読む
  • アジャストメント ディック短篇傑作選
     初ディック(正確には、『きょうも上天気』で一編読んだのが最初)。映画『アジャストメント』を観たことをきっかけに手に取ってみましたが、すごく読み応えがありました。とはいえ、表題作「アジャストメント(「調整班」改題)」は、映画にとってはほとんど原案程度みたいですね。

     特におもしろかったのは「ウーブ...続きを読む
  • スキャナー・ダークリー
    フィリップ・K・ディック

    人格が2つ、3つと増えていく主人公。
    麻薬と仲間、監視。

    ディックの小説の特徴だろうか、後半の勢いがすごい!

    最初は、少し退屈していたが
    半分過ぎたあたりから面白くなっていくから
    読書ってのは、途中でやめるのもいいけど、
    この作品のようなこともあるから
    一応最後まで読...続きを読む
  • アジャストメント ディック短篇傑作選
    〈私〉という存在は何か魂みたいなものがあって、生まれた時から存在するものではない。生まれてからの経験や思考を記憶として積み重ねていく、その積み上がった現在までの記憶の総体が〈私〉として認識されているだけなのだ。
    とすると、自分の記憶は本物の記憶なのかという疑問は、〈私〉の存在自体をおびやかす疑問で、...続きを読む
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    初めてディックの作品を読む。
    思った以上に、大変面白い。

    複雑な構造の時間軸。
    今なのか未来なのか過去なのか。
    現実なのか、悪夢なのか。
    ドラッグのフラッシュバックに乗っ取られる自己。
    幻想的な、神性と悪魔性のカオスの狭間で苦悩するも、
    希望は失わない…。

    かつて、安部公房にハマった時のワクワク...続きを読む
  • パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    P.K.ディック 1965年作品。
    ドラッグによるトリップ具合といい、
    ぐだぐだな主人公の心象風景といい、まさにディック節炸裂! 
    ハリウッド映画のような展開にワクワクしつつ、
    ラスト間際の不可解でわけのわからない描写は独特。
    それでも一気に読める面白さはさすが!の一言。
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    ・何を読んでたのかよく分からなかったが、面白い世界観ではあった。再び読むことで新たな発見が多くあるのだろうか。映画も見てみることで理解も深まるのかもしれない。
    ・登場キャラクターや読んでる自分自身を含め、人間なのかアンドロイドなのか境界が曖昧になる
  • 高い城の男
    不思議な力強さのある作品でした。

    本当にそっくりそのまま世界が反転していのは凄かったです。確かに日本とドイツが世界大戦で勝っていればこんな世界になっていたのだろうと想像ができます。陰鬱で秩序や差別が厳しい世界。

    日本タイムズなどは、読んでいて言葉が面白かったです。西海岸は日本が占領しているなど、...続きを読む
  • 高い城の男
    ユービックを読んで、「うわあああああ好きいいいSF最高……早く次!!!」となった勢いで、内容を全く知らずに読んでしまった。
    つまりディックの超SF世界観を求めて読んでしまったので、あまりSF味のない雰囲気に結構な落胆を感じながら頑張って1冊読みました。笑(誰も悪くない)

    第二次世界大戦について、恥...続きを読む
  • 流れよわが涙、と警官は言った
    スイックスという存在に惹かれた。
    いわゆる遺伝子操作された特別人種みたいな存在大好き。
    ディックの小説はSFだけど哲学的なテーマが垣間見えて文学チックで良いよね!
  • ユービック
    バーナード嬢曰く、に書いてある通り、裏表紙のあらすじはネタバレなので、読んではいけない。

    辻褄やストーリーの整合性はわからない部分はあったが、この世界観を文章で描けるのは凄い。作者のイメージを見てみたい。

    予知能力者を無力化する不活性者という存在は自分にとって新しいものだったので、それだけで面白...続きを読む
  • 高い城の男
    リドスコのドラマの方は1話でやめてしまい…
    本は読み切ることできてよかった!

    ちょっと思った内容と違ったけど、、
    ドラマでは自由の女神の破壊シーンとかあるのか笑
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    海外SF小説を初めて読んだ。面白かった!
    映画を見てるようだった。考えれば考えるほど深いし、考えれば考えるほど分からなくなっちゃう。
  • 人間以前 ディック短篇傑作選
    フィリップ・K・ディックという名前とハヤカワ文庫の表紙の絵を見て買ってから半年くらい積んでいた本。
    中でも「地図にない町」「この卑しい地上に」「人間以前」の話が理解しやすく特に印象に残っている。
    「地図にない町」は架空の世界を知覚してしまったことによって自分のいる現実の世界にまで影響をあたえ変わって...続きを読む
  • トータル・リコール
    フィリップ・K・ディックの短編傑作集。
    どの作品も短いので読みやすいとは言え、それでも、SF初級者の私には難しかった。いつか、すらすら理解できるようになりたいものだ。
    「ミスター・スペースシップ」と「マイノリティ・リポート」が良かった。
    未来の物語の中に人間の本質、社会の歪みを突いて来るので、気づき...続きを読む
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    人とロボットという対比じゃなくて、人間的な共感、親切を持つか持たないか。それは1人の人間の中にも人間性、アンドロイド性は含まれてる。哲学的な気持ちになった。山羊なぜ殺してしまったんだー
  • 流れよわが涙、と警官は言った
    ディックの名作とされる作品。ただ後半はよくわからなかった。なぜ警官はタヴァナーに罪を押しつけなければならなかったのか。タヴァナーが世界を異動したことの意味、エピローグの意味は何なのか、とか。もう一度読む必要があるか、、、。