河合祥一郎のレビュー一覧

  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    シェイクスピア研究の泰斗、と知っていた。
    でも、自分の予備知識なんていい加減。
    著者はアメリカ育ちで、所属もアメリカの大学。

    そう思って読むと、四章冒頭の暴君の性格は、もしかして有名なあの人に当て書きしたのかと思えてくる。
    (謝辞を見ると、その理解でよさそうだ。)

    取り上げた作品は、『ヘンリー六...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    アリスのぶっ飛び具合とマセ具合が楽しくて可愛い。幼い子供の遊びや話に付き合った後のような読後感。幼い子供の話す言葉に理屈や意味を求めても大抵の場合あまり意味がないのと同じで、この話を読むにあたっても、理屈や意味を求めながら読むと期待外れに感じるのかなと思う。とはいえ、アリスはアリスなりに理屈や意味を...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    『ヘンリー六世』、『リチャード三世』、『マクベス』、『リア王』、『ジュリアス・シーザー』、『コレオレイナス』……。シェイクスピアは作家人生を通じて何度も〈暴君〉の有様を書き続けた。政治批判が直接命に関わるエリザベス一世の統治下で、シェイクスピアは〈暴君〉の政治をどう描いたのか。2020年の今につなが...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    シェイクスピアといえば悲劇、くらいの認識しかなく、リア王・マクベス・ハムレットくらいしか読んだことがなかったが、「暴君」という切り口で鮮やかに切り取られた史劇群は非常に魅力的だと感じた。
    シェイクスピア作品自体の面白さを伝えながら、暴君が生まれ来るメカニズムを読み解き、現代において我々が直面している...続きを読む
  • オイディプス王
    高校一年生のとき(30年以上前)、担任兼世界史の先生が、この作品のあらすじをプリントで配ってくれて、衝撃を受け、ずっと記憶には残っていたものの、作品そのものは読んだことがなかったので、今回お気に入りの光文社古典新訳文庫で読んだでみた。
    紀元前にこんな込み入った話を書いて劇をしていた、というのは正直驚...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    奇想天外っていうよりハチャメチャな話。
    ストーリーに意味を求めてはいけない。
    言葉遊び。
    日本語訳での韻も楽しくて
    英語で読みたいと思った!
    多分その方が楽しめるはず。
    海ガメもどきが受けたと言う、授業科目が笑えた。
  • 新訳 夏の夜の夢
    アブラゼミが姿を消し、ツクツクホウシとヒグラシが夏の終わりを告げる声を聞いて、滑り込むようにこの本を読んだ。日が落ちても暑さが抜けず、生暖かい夜風が肌を撫でる今日のような夜は、この作品の舞台にぴったりだ。

    若い男女たちが好きだの嫌いだのとやりあうところに、妖精たちが茶々を入れて一晩中の大騒ぎが始ま...続きを読む
  • 新訳 ピーター・パン
    改めてしっかり読んだことがなかったので手にとった。随所に使われる絵がとてもかわいくて上手い。

    ずっとピーターパンは3兄弟のところに現れたのだと思っていたけど、ピーターパンはウェンディのところに来たんだな(弟2人はおまけ)。
    ピーターパンは「おかあさん」のお話を聞きにきたという。ネバーランドの迷子た...続きを読む
  • 新訳 夏の夜の夢
    シェイクスピアの喜劇。
    恋の甘汁により人間関係がはちゃめちゃになるが、最後はいい塩梅に落ち着き皆が幸せになる。
    妖精たちの劇はたしかに訳がわからずアマチュア感が強く感じられたが、楽しそうなギルドの集まりなのかな〜と想像が膨らむ。
    グローブ座で劇を見た後に読んだので、登場人物のイメージがしやすかった。...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生航海記
    たくさんのお話があって、どこから読んでも楽しいです。
    ドリトル先生の家はまるで動物園のようで読んでいてわくわくします。
    私は、2話が1番面白かったです。笑
    ドリトル先生になって動物と話してみたいです。
  • 新訳 ロミオとジュリエット
    シェイクスピアを立て続けに読んでみてるものの、さすがに30代も半ばを過ぎて、この内容はあまりに熱を持てず、早々にギブアップ。もっと若い時に読むべきでしたね。
  • 新訳 ハムレット
    こういう終わり方はあんまり好きじゃないなぁ。
    ハッピーエンドなヴェニスの商人がなんだかんだ好きだった。
    ハムレットは優柔不断か?いや、そんなことはない、これが優柔不断なら、誰だって優柔不断なんだ。とても普通なんだ。そして、ハムレットには、ハムレットを唆す女性の姿がなかった。妻の後押しさえなければ、マ...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    絵がかわいい!!かわいすぎる!
    ドリトル先生の妹がかわいすぎて驚きました。子供の頃に読んだ本の挿絵と違いすぎて衝撃。
    三年生の子どもが楽しく読みました。
    1人読みになれてきた子向けかな。
    物語が楽しいからというのが一番の理由としてあるのでしょうが、
    文の改行の感じが読みやすいみたいで、
    繰り返し読ん...続きを読む
  • オイディプス王
    「オイディプス王」は演劇の原点と言われるギリシャ悲劇だ。舞台には3人の役者しか登場しないので簡明だ。訳者がこだわった翻訳セリフはリズムがある。オイディプス王の舞台があるなら見てみたい。
    人生において読んで知っておいて損はない古典の1冊だ。
  • シェイクスピア 人生劇場の達人
    前半でシェイクスピアの人物像を、時代背景とともに、生立ちから亡くなるまでを概観。後半は作品を通して、その魅力や哲学、伝えたかったテーマなどを解説。

    プライベートに関する資料は、本人が多くを処分したという下りがある。そのため、残っている記録などに推測を補って前半が構成されている。ロンドンで時に猛威を...続きを読む
  • シェイクスピアの正体
    上司からの頂きもの。シェイクスピアとは実際誰だったのかということに諸説あるとは知らなかったし、どれももっともらしい論拠があって、そこらのミステリーより面白い!
  • 新訳 マクベス
     「きれいはきたない、きたないはきれい」とか "Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow" の台詞で有名なシェイクスピア四大悲劇のひとつ、『マクベス』の河合先生による訳。日本語も原文と同じように、口に出すと心地よいリズムを刻むように意識して訳されたもの。
     10年以上...続きを読む
  • シェイクスピア 人生劇場の達人
    シェイクスピアの生涯を辿る前半はやや退屈だったが、筆者が「シェイクスピア・マジック」と呼ぶその手法を解説する後半からは俄然面白く読めた。

    ・観客に興奮させたい場面ではわざと時間を速く進める。客観的時間の「クロノス」と主観的時間の「カイロス」を巧みに使い分ける。
    ・言葉一つで瞬時に場所を移動できる。...続きを読む
  • 鏡の国のアリス
    白騎士がアリスに見送りを頼むシーンが素晴らしくて大好き。
    「あの岡を下り、あの小川を越えれば、そなたは女王になるんじゃ。が、ここで拙者をまず見送ってくれるであろうな?」「長くはかかるまい。ここで待っておって、拙者があの曲がり角についたら、ハンカチを振るのじゃ。すれば拙者も元気づくじゃろうからな」
  • 新訳 赤毛のアン(上) 完全版
    たいへん有名な児童文学を、21になって初めて読む。「なんだこのとめどない妄想癖は……」とドン引きしていたのだけど、次第にその振り幅の大きさに惹きつけられていったり。この物語で一番可愛いのはマリラおばさんだけどな! おばさんの笑顔が少しずつ増えていくのが嬉しくてしょうがない。
    大きくない島の、大きくな...続きを読む