河合祥一郎のレビュー一覧

  • オイディプス王
    戯曲
    かかった時間50分

    父を殺し、母と交わる運命を追った王オイディプスを描いたギリシャ悲劇の傑作。

    解説によると、アリストテレスはこの作品について、「逆転」と「認知」が見事に描かれていると評したそうである。アポロンの神託を受けて、自分ではない罪びとに憤るオイディプス王が、ライオスが亡くなった状...続きを読む
  • 新訳 ナルニア国物語 (1)ライオンと魔女と洋服だんす
    やっぱりこのお話おもしろい。聖書をなぞりすぎているところはあるんだけど、イメージが豊かであざやかな絵が浮かんでくるところがすばらしい。

    つばさ文庫は、大人が読むにはどうしても絵がじゃまになるんだけど、河合さんの訳文はとてもクリアで、淡々としすぎてもおらず、河合訳ならではの語りがあると思う。光文社版...続きを読む
  • 新訳 リチャード三世
    池袋にて、舞台リチャード三世を観ての記録。本は未読。

    自分が王になるために、周囲の人間を次々と冷酷無比に殺していく悪人を演じるのは、佐々木蔵之介。彼の見事な演技に心底圧倒された。
    鍛え上げられた肉体、それを駆使した演技と台詞まわし。つい先日までNHKの朝ドラで見ていたシェフと同一人物とは思えないほ...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生の郵便局
    主人公のドリトル先生は、動物と話せる先生。そのドリトル先生が、世界最速のツバメ郵便をはじめちゃいます。世界じゅうの動物から、手紙がたくさんとどいて、先生は大いそがし!動物たちが力を合わせ、おどろきのパワーを見せる一作です。
  • 新訳 十二夜
    『お気に召すまま』の流れをくむ、誤解が誤解を呼ぶ喜劇。
    膠着した人間関係の中に、遠い異国の国から突如として流れ着いた不思議なひと。その正体は虚構で作り上げられた、実在するも実在しない逆説的存在。そんなひとの登場によって、イリリアのふたりに新たな風が巻き起こる。
    誤解が誤解を呼び、目まぐるしいまでのこ...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生のキャラバン
     「私も動物の言葉が話せたらよかったのに。」と、改めて思いました。私もそんなオペラを見てみたいと思います。
  • 新訳 リチャード三世
    勢いのある物語だった。コミカルさを含んだ悪漢劇。
    拍子抜けするような終わり方をするが、爽快な読後感だった。
  • 新訳 リチャード三世
    河合祥一郎の訳が良い。版による違いを上手く整理している。内容としては、あくまで演劇を目的としているので、一般小説のようなスぺクタルなシーンはなく、人間中心の心理劇が展開する。複数のリチャード、複数のヘンリー、複数のエドワードが出てくるので、人物一覧と相関図が助けになったが、翻訳ものを読む時にネックと...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    子どもの頃大好きだったシリーズ。このシリーズが読みたくて、小学校の図書室に通い詰めた。僕が読んだのは5、6年だったはずだが、まだ小学校1年の息子に、妻が買ってやったらとても喜んで読んでいた。僕がこのくらいの頃には、野口英世とかベートーベンだかの伝記を読み漁っていたはずだけど。新訳が出て、子どもと同じ...続きを読む
  • 新訳 かがみの国のアリス
    キュートなカバーイラスト&挿絵はOKAMA氏が担当。話の流れが親切で分かりやすく 挿絵も多いので、子ども向けアリスとして成功している。絵本感覚でパラパラ読める。
  • 新訳 ふしぎの国のアリス
    キュートなカバーイラスト&挿絵はOKAMA氏が担当。話の流れが親切で分かりやすく 挿絵も多いので、子ども向けアリスとして成功している。絵本感覚でパラパラ読める。
  • 鏡の国のアリス
    英文を読む際の参照に。
    不思議の国が、即興で作られたのに対して、鏡の国はキャロルによって緻密に作られていることがよくわかる。
    チェスゲームの作りもそうだが、無意識や夢、言語ゲームなど、うまく散りばめられている。
    また、この作品では同時に、移ろう時を懐かしむような寂しさが、まるでそれを押し隠すかのよう...続きを読む
  • 新訳 十二夜
    Dステに備えて読んだため、どうしてもDの子たち変換してしか読めなかったクソでつオタです。
    道化師の一人称がオイラなのと、オリヴィアがお嬢様然としているくせにすごい簡単に落ちちゃうところ、あとアンドルーエイギュチークの頭が悪すぎるところが可愛すぎた。クソでつオタです。
  • 新訳 ふしぎの国のアリス
    ・アリスがうさぎを追って「ふしぎの国」に迷い込んでしまいます。ハートの女王様に首を切られそうになってハラハラしたり、からだが伸びたり、縮んだりしたワクワクしておすすめです。

    ・ありえないようなお話で、絵がかわいいのでオススメです。
  • 新訳 ふしぎの国のアリス
    ここまではっちゃけた翻訳の不思議の国のアリスは初めてかもしれません。翻訳自体遊び心に富んでいて、韻を踏んだ言葉回り。奇妙なアリス世界にぴったりです。アリスの楽しさ悔しさの活字表現も最高に伝わるものがあります!活字が苦手な人にも容易に場面が読み取れると思います。イラストもかわいくて、小説の挿し絵ながら...続きを読む
  • 新訳 マクベス
    いつまでも色褪せない作品。
    シェイクスピアの中でも一番好き。
    韻の踏み方が絶妙。
    独特の作品が醸し出す味が堪らない。
  • 新訳 かがみの国のアリス
    「ふしぎの国」よりももっと断片的でわかりづらい。
    が、やはり白のナイトとのやりとりがぐっときてしまう。
    okama氏のイラストが増量してお得。
  • 新訳 ハムレット
    やはり通常の小説とは違って読みにくいと最初は思いましたが、

    読み進めていくうちに慣れました。

    ハムレットのあらすじはなんとなく知ってはいても読むのは初めて。

    文章も非常に読みやすかったですし、あっという間に読めました。

    言葉遊びは訳される前はどう書かれているのか少し気になりました。
  • 新訳 ハムレット
    高校のとき英語の課題で出されたものを読んで以来のシェイクスピア。当時のものは簡単な英語で書かれたものだったから、あらすじを掴むにとどまった。
    それを今回、重厚なストーリー展開で味わえてよかった。流れるような台詞回しと言葉の醸し出す雰囲気に酔いしれることができた。
    他のシェイクスピア作品も読んでみた...続きを読む
  • 新訳 ふしぎの国のアリス
    翻訳、イラスト、ブックデザイン、などなどなど。どれもいい仕事している!
    いくつも読んだが、はじめて翻訳のよさを知ったかもしれん。
    イラストはいわずもがな。
    「斜め上」にカメラを置いた構図や楽しさや可愛さが別格。