河合祥一郎のレビュー一覧

  • 新訳 リア王の悲劇
    シェイクスピアを再読。河合祥一郎訳の本文は勿論、詳注、2種類の版の差異、種本でハッピーエンドの「レア王年代記」の紹介、トルストイの辛辣な批評とオーウェルの反論等、時代背景や典拠など興味が唆られる内容満載で、該当箇所に戻り読み返す愉しさを満喫できた。
    父リア王への愛情表現の求めに対して真実の心を伝える...続きを読む
  • 新訳 リア王の悲劇
    劇であるがゆえに小説とは異なり人間ドラマだけで物語が進む簡潔さ。しかし、人間の避けがたい運命がしかと刻印されている。河合祥一郎さんの解説も素晴らしい。とりわけ、コーディーリアのストア主義哲学、トルストイとオーウェルの論争の読み解き。

    「…『わけのわからなさ』の中に意味がある、あるいは混沌の中に人間...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    すげぇ。

    意味のない言葉達に意味が乗る世界。
    めちゃくちゃレベルの高いことしてるし前衛的。
    かといって変に意識的ではなく、スマートな語り口
    シュルレアリスムと通じる不条理や無理解、そして生理的な嫌悪感を感じる奇天烈な生物達。
    多様な見方と解釈ができる物語である上に、小説の可能性を広げている。
    原書...続きを読む
  • 新訳 マクベス
    第一幕第三場で、ロスとアンガスがマクベスをコーダーの領主と呼んだ後、魔女の予言について独白するマクベスをよそに、バンクォーは使いの二人に何か話している。何を話してたんだろう?魔女の予言を話していたの?

    マクベスは何回読んだか覚えてないけど、何度読んでも優れた戯曲だと思う。
    今回読んで、今更ながらマ...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生航海記
    なんでもっと早く読まなかったんだろう、と後悔するくらい面白い。動物愛、そして、人間愛に満ちた変人、ドリトル先生のドタバタ航海、冒険記。
  • 不思議の国のアリス
    ディズニーで映画になっていたり、このアリスを基にしたパロディ作品も多く存在する中、この一番の原点をきちんと読んだことがなかったなと思い、購入。ボートの中で即興で作ったアリスのためのお話。その割にはとても完成度が高いが、即興なのがうかがえる、急展開。不思議の国という言葉がピッタリと当てはまる世界観が見...続きを読む
  • 笑い猫の5分間怪談(8) 悪夢の化け猫寿司
    一気に読んだ!おもしろかったーーー。
    ちょっと怖いけど、笑えるところもある。2歳なら多分泣く。
    好きなキャラクターは、鈴村ミサキや三池タクト、笑い猫、、、みんな!
  • 若い読者のための文学史
    このシリーズはハズレがない。扱う素材、視点ともバランスが取れている。

    英米文学に関する、わたしの理解の棚卸しに最適だった。
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    アメリカのシェークスピア研究者グリーンブラットが、シェイクスピアの歴史劇が当時のイングランド(=エリザベス一世時代)の政治状況に対する諧謔を含めた批判であることを紐解きながら、実はこの本が書かれた(2018)当時のアメリカの政治状況を痛烈に批判しているという、二重構造。

    つまり、リチャード2世、ヘ...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
    面白すぎてページを捲る手が止まらなかった。
    シェイクスピアに関する知識は殆ど持っていなかったが、易しい日本語訳なので分かりやすい。
    学術書というよりは物語や小説に近い感じがする。
    とにかく日本語訳が上手い!すごい!
  • 不思議の国のアリス
    小さい頃からアリスが大好きで何回も読みました。読んでいくうちにアリスの世界に引き込まれてしまい、あっという間に読み終わります。ディズニーアニメのアリスとはまた違った印象。出てくるキャラクターは曲者揃いです。笑
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    映画公開もあるため興味を持ち購入

    久々に自動向きの本を読んだが、とても楽しめた。
    動物と話ができるドリトル先生と様々な動物達の冒険が、眼に見えるように想像できた。

    続きもぜひ読みたい
  • 新訳 ハムレット
    人生初のシェイクスピア
    古典はどうも苦手意識があったけど
    こちらの角川文庫新訳はとても読み易く
    そして、シェイクスピア、面白い!!!
    他も読みたくなった

    訳者あとがき
    野村萬斎氏が主演する「ハムレット」公演のために、萬斎氏より委託されて訳し下ろしたもの

    第四独白
    To be,or not to ...続きを読む
  • 暴君 シェイクスピアの政治学
     シェイクスピアが好きなので、副題の「シェイクスピアの政治学」という字句に興味を持って、手に取った。

     開巻早々、シェイクスピアは、なぜ国全体が暴君の手に落ちてしまうなどということがあり得るのか?という納得のいかない問題に繰り返し取り組んできた、との魅力的な言明から始まる。
     シェイクスピアの生き...続きを読む
  • シェイクスピア 人生劇場の達人
    マザーグースからシェイクスピアに来た。死後400年経っているのに作品が今でも生きている。シェイクスピアは欧米人の一般常識らしい。紫式部や清少納言は日本人の一般常識…になるのか…?トトロは日本語で見るのに限るようにシェイクスピアも原文のまま読んだり、見たりするのがいいんだろうな…。(理解できればね…
  • 新訳 ふしぎの国のアリス
    年長6歳1ヶ月1人読み。
    小4、9歳4ヶ月は拒否。
    韻を踏んでる冒頭から気持ちよく音読していた。
    訳は砕けすぎていないのに読みやすい。
    本棚から時折引っ張り出して読んでる姿を見ると我が子には名訳なのかなとも思う。

    絵にひっぱられて、ストーリーもかわいらしく感じた。
    色んな絵柄の本を子らには選んで渡...続きを読む
  • 不思議の国のアリス+鏡の国のアリス 2冊合本版
    この一冊で不思議の国も鏡の国も読めるので合本ありがたいです。
    原作の言葉遊びを日本語でしっかり遊んでいてとても良かったです。
  • 鏡の国のアリス
    不思議の国からたった半年後のお話だけど、アリスに成長が感じられる。子どもにとっての半年は、濃厚で常に新しい刺激に満ちている。
    ‪大人になった私は捉え方も変化して、子ども時代の自由で純粋な自分に容易にアクセスできなくなった。でも本を開けば、永遠の少女はいつもその中に眠っているということを、思い出すこと...続きを読む
  • オイディプス王
    2000年前に紡がれた、これは短編でありつつも緻密でおぞましく、逆転と認知の悲劇的なストーリーです。
    辻褄があっているのか、疑問点を読み返して咀嚼してみたくなります。 
    最大の疑問は使者がオイディプス王に謁見した際、お互いにライオス殺害の現場に居ながらその時の場面について追求せず、それより遥か昔に両...続きを読む
  • オイディプス王
    ギリシアを学ぶに、ホメロスとプラトン、アリストテレスで足りるわけはないと思いつつ、でも、全部は無理やん
    フロイトとかに繋げれることも思うと、とも思うし、ギリシア悲劇を完全無視とはいかんでしょう

    結論はしっているのに、この迫力、思わず涙が滲む

    徹底した凋落と、全ては過去のこと、ということ
    真実が明...続きを読む