河合祥一郎のレビュー一覧

  • ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫
    いろんな人の訳で何度も読み、何度も読みたくなるポー。”お話”の原型が詰まっているように思うんだよね。

    巻末の「数奇なるポーの生涯」も力作で、1篇の作品のようですらある。
  • ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫
    エドガー・アラン・ポーの名作が詰め込まれた短編集。今作はあの有名な「大鴉」などの詩も含めたゴシックホラー編。読んだ事のある話もあればタイトルだけ知っていた話もありで、どの話もポーの技巧が凝らされた話ばかりである。「大鴉」だけでなく「黒猫」や「アッシャー家の崩壊」に「赤き死の仮面」も収録されているので...続きを読む
  • 若い読者のための文学史
    神話と叙事詩の時代から、インターネットとSNSの時代まで。イギリスを中心に、時代ごとの文学史的ヒーローをピックアップし、コラム形式で解説。著作権という概念が生まれてきた経緯や、資本主義が文学に与えた影響なども取り上げる、軽い語り口で読みやすい文学史入門。


    叙事詩を語るのにマーベル映画を引き合いに...続きを読む
  • あらすじで読むシェイクスピア全作品
    シェイクスピア全作品が、ジャンルごとにほぼ執筆順に並んでいて、端的にあらすじや登場人物を再確認するのにとても役立った。
  • オイディプス王
    齋藤孝さんの「読書する人だけがたどり着ける場所」で紹介されていて読んでみた。
    自身、文学に限らず古典にはこれまで全くと言っていい程触れる機会がなかったが、良いきっかけだと思って読んでみた。
    まず何より、これだけのストーリー性のある話が、紀元前の時代に作られ、現代にまでその形を残している点に非常に感動...続きを読む
  • 新訳 ハムレット
    読むためではなく、聞くために書かれたハムレット。ハムレットの台詞の歯切れの良さが気持ちいい。

    ハムレットの葛藤は、自殺を実行できない人と同じ苦しみではないか。
    私は読んでいてそう思いました。

    オイディプス王は構造的、ハムレットはより内面的。
  • 鏡の国のアリス
    「不思議の国のアリス」から半年後のお話。
    子ネコのキティとおしゃべりをするアリスは、暖炉の上の鏡をくぐり抜けて、鏡の国の部屋にかろやかに跳び降りてしまいます。
    鏡の国では文字がさかさま。
    赤と白のキングやクイーン、しゃべるお花たちや、卵のハンプティ・ダンプティに出会います。
    小さな丘から見た田園は、...続きを読む
  • 新訳 十二夜
    嵐に遭遇し離ればなれになった双子の兄妹セバスチャンとヴァイオラ、妹のヴァイオラは男装し、シザーリオとしてオーシーノー公爵に仕える。シザーリオはオーシーノーの片想いの伝言役としてオリヴィアに伝えるが、オリヴィアはシザーリオに恋心を抱く。オーシーノーに興味はないが、シザーリオにまた会いたいオリヴィアの言...続きを読む
  • 新訳 から騒ぎ
    リア王の悲劇の後は、軽い喜劇で心を中和。
    序盤のビアトリスとベネディックの心を探り合うような辛辣且つ軽妙な掛け合いが楽しい。フェイクと姦計に振り回され一度は諦めながらもクローディオはヒアローを、ヒアローと侍女の作り話を聞かされたビアトリスはベネディックを愛することになる。二つの恋が悪意と善意のなかで...続きを読む
  • 不思議の国のアリス
    アニメも原作も内容がいまいちわかっていなかったため、読んでみた。キャラクター全員個性的というか自分中心みたいな方々で不思議で心掴まれる物語…
    面白かったです*°
  • 不思議の国のアリス
    1866年刊行の児童向けファンタジーが現在まで残ってることがすごい

    訳し方によって違ってくるのかな
  • 若い読者のための文学史
    エピックって言葉がある。日本語だと叙事詩。
    いろんな場面でよく聞く言葉。なんとなく意味は伝わるのだけど、なんでそんな偉大な文学ジャンルが今では書かれていないのか。
    叙事詩は、過去の偉大な時代を舞台として、壮大さが過去のものになってしまった哀しさを描くらしい。
    その意味では、アメリカから同じような作品...続きを読む
  • オイディプス王
    作者の後書きを見ると分かるのだが、英訳されているオイディプス王はたくさんあり、どれも解釈がばらばらだったそうだ。
    それに伴い、訳者はたくさんの文献を探し自分が納得のいくような日本語訳にしたそうだ。
    また、オイディプス王は元々は演劇に使用される作品であり、小説ではなく台本であったのだ。なので、日本語訳...続きを読む
  • 新訳 リチャード三世
    文のリズムや言葉遊びが可能な限り訳出されているとのことで、劇の雰囲気を楽しめます。
    人物の名前がややこしくて少し苦労しましたが、詳細な注釈があったことでなんとか読み終えられました。
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    テレビドラマや小説、日常生活でもよく耳にしている『ドリトル先生』ですが、実は、ヒュー・ロフティングというイギリスの児童作家さんによって、第一次世界大戦後という古い時代に描かれた児童向けのシリーズ作品だったとは、恥ずかしながら知りませんでした。
    このブグログの新刊情報で、新訳の最新刊を見つけた時に、「...続きを読む
  • 若い読者のための文学史
    お話のような語り口で、楽しく読める。
    (訳者あとがきにもあるように)確かに、え?サマセット・モームはなし?とか、アフリカは?韓国は?とかもあるが、ホメロスからファンフィクションや電子書籍まで触れてるのだから、多少の荒さは致し方ない。
    読みたい本、再読したい本がまた増える罪な本ではある。
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    久々に心温まるストーリーを読んだ。もともとは子ども向けに書かれた本ではあるが、動物愛を優しく描いた本作は大人だからこそ、心を温かくしてもらえるのではないだろうか。動物好きの私にとって、出逢えて嬉しい1冊といえる。
  • 鏡の国のアリス
    大人になっちゃったのかなぁ……チェスがわからないからなのかなぁ……、もう少し楽しみたかった。とはいえ、型破りな世界でも明るく勇敢に前進し馴染んでいくアリスは勇敢でかわいい。実在のアリスは成長し疎遠になりつつも、ルイスは子供の頃の彼女を楽しませたい気持ちに溢れているところが、同じく子供の感受性を持ち続...続きを読む
  • 新訳 ナルニア国物語2 カスピアン王子
    ナルニア国物語シリーズ、
    2冊目は新訳で読んでみた。
    つばさ文庫版の新訳ともすこし違うらしい。

    わたしは瀬田さんの訳が大好きだけれど、
    新訳の河合さんもよかったです。
    きちんと原作の雰囲気を残してくれているし、
    解説からも愛が伝わる。
    いまの子供たちは新訳と挿絵のほうが手に取りやすいだろうなあ。面...続きを読む
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    ドリトル先生シリーズを初めて読んだ。
    なるほど、まさしく子ども向けのお話である。
    ドリトル先生自体は、優しくて思いやりのある人。だが生活力は低い。ほとんどの問題は周りの動物たちが解決する。しゃべる鸚鵡の賢さ、フクロウの聴力、犬の嗅覚など、動物の特性を生かした活躍が楽しい。
    新訳版は読みやすい。pat...続きを読む