河合祥一郎のレビュー一覧

  • 新訳 ハムレット
     野村萬斎が芸術監督を務める世田谷のパブリック・シアターで上演に際し、新しい翻訳を河合祥一郎氏に依頼したものだという。演出家も英国から招聘し、英文学の翻訳劇ではなく、日本語戯曲音読劇をやりたかったのだそうだ。

     そのため訳出に当たり、2人は頭を突き合わせ、実際に声に出して読みながら舞台にふさわしい...続きを読む
  • 鏡の国のアリス
    アリス=児童向け幻想文学というイメージは強いが、それはあくまで一側面。巧みな言葉遊びと明晰な論理性を反転させたナンセンスな会話、ヴィクトリア朝の文化やマザー・グースといった大衆文化を換骨奪胎してパロディ化する諧謔精神もまた、アリスらしさの一部なのだ。本作はファンタジー要素が控えめな分、知性的なのに痴...続きを読む
  • あらすじで読むシェイクスピア全作品
    「『マクベス』って、結局どんな話だったっけ?」
    日本人は意外と知らない。しかし欧米人は、誰もが知っている。
    究極の教養──それが、シェイクスピア!

    40作品すべてと詩作品について、「あらすじ」「名セリフ」
    「作品のポイント」「登場人物関係図」をわかりやすく掲載。

    つぎのセリフは、どの作品にある...続きを読む
  • 新訳 ハムレット
    生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。あらゆる事物に共通する命題だ。恥ずかしながら、初めてシェイクスピアを読んだが、戯曲というカテゴリーの魅力を存分に味わうことができた。展開の早さと、ハムレットの台詞に突如現れるwitが気に入った。
  • 新訳 十二夜
    なんと、歌舞伎化しました。
    オリヴィアが織笛姫になっていたり、すべてが和風に……!
    生の舞台、とても面白かったです。お見事!!
  • 新訳 十二夜
    悲劇のマクベスを読んでから喜劇の十二夜読むとギャップがすごい。これはほんとに喜劇だ。おもしろかった。登場人物たちの軽妙で滑稽で洒脱なやりとり、それからドタバタ劇は、ちょっと三谷幸喜を思い出した。
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    子供の頃に岩波書店発行の井伏鱒二訳を読んだことがありましたが、内容を忘れてしまい、新訳があることを知ったので、こちらを読んでみました。

    まず、挿絵が可愛くて、びっくりです。手元にある子供の頃に親に買って貰った岩波少年文庫版と比較すると、ドリトル先生の妹のサラや、バンポ王子がもの凄く可愛い絵になって...続きを読む
  • 新訳 ハムレット
    野心的な叔父に、王である父親を殺され、王妃である母親をたぶらかされたデンマーク王子ハムレットの復習劇。

    亡霊と化した父親に導かれるまま、狂気の深淵を彷徨い、復讐の冷たい炎を燃やすハムレット。
    少しオカルト。

    非常に古典的な悲劇です。
    超単純に言ってしまうなら、悪巧みを図っても、結局自分に...続きを読む
  • 新訳 ロミオとジュリエット
    授業でレポートを書くために読みました。
    何となく話は知ってたけどちゃんと読んだのは初めて。

    もっと悲劇的なイメージだったけど、以外と下ネタか多くてびっくり(笑)

    しかも、出会って何日目でこの展開にいったの、これ?
    色々と、驚きの連続でした。
  • 新訳 ドリトル先生アフリカへ行く
    ドリトル先生が動物と話せるのがすごいところです。そんな獣医がたくさんいたら、動物たちは嬉しいと思います。
  • 新訳 ロミオとジュリエット
    レオナルド・ディカプリオの主演映画『ロミオとジュリエット』を見ながら、対照させて本文を読んでみた。

    いやまったくほれぼれしてしまうくらい、原典に忠実に映画が作られていて、非常に楽しめました。

    映画も、翻訳本も。

    シェイクスピア翻訳と言えば数々の名訳珍訳が出ていますが、この角川文庫の新訳版は、と...続きを読む
  • 鏡の国のアリス
    チェスのルールを知ってたらもっと面白かったかも。でも素敵な言葉あそびはやはり魅力的です。最後のアリスへのさようならが切ないです…。
  • 鏡の国のアリス
    イギリス文学らしい幻想小説

    私が読んだのは岡田忠軒さんの訳で上手く和訳されてたけど、英語の言葉遊びとか、あと鏡とチェスをモチーフにした幻想的な世界。主人公のアリスは、最初のほうですぐに判るコトだけど小学校低学年くらいの年齢で、小説の最初から最後までアリスに知覚される世界なんだけど、それが徹底されて...続きを読む
  • 新訳 マクベス
    No.6の影響をモロに受けた選書。
    ロミオとジュリエット、ベニスの商人と読んだけど、
    マクベスを読んで、シェークスピアがはじめて面白いと思った。

    韻を踏んで書かれているなら、やはりオリジナルの言語で読みたいところだけれど、
    そのリズム感を殺さない、なるほど名訳。

    まるで、シュルレアリスムの絵画を...続きを読む
  • 鏡の国のアリス
    ほとんどが言葉遊びで頭がこんがらがった。
    最後、ルイス氏がアリスに贈った詩がなんとも言えない切なさ。
  • 新訳 ハムレット
    授業で使うので読みました。もっと読むの大変かと思ってたけど、意外とサクサクいけたので良かった。
    演劇やってたくせにちゃんとハムレット読んだの実は初めてだったり。なんとなくの粗筋は知ってたんですけどね。

    全編通じてやっぱセリフ回しが凄い。これ訳すの大変なんだろうなぁ。原文の言葉遊びを日本語でどう訳す...続きを読む
  • 新訳 ヴェニスの商人
     財産のない情熱家バサーニオは、噂に名高い女相続人ポーシャに求婚するために金が必要だった。大商人アントーニオは、この若い友人のため、航海中の全財産を担保にユダヤ人金貸しシャイロックから大金を借りる。シャイロックは無利子で融資するといった――ただひとつ、「期限を破った場合は、アントーニオの胸から肉一ポ...続きを読む
  • 新訳 ロミオとジュリエット
    言わずもがな、シェイクスピア不朽の名作です。

    話の大筋は知っていたのですが、本として読んだのは初めてでした。

    最初、時代背景に少し戸惑いました。が、脚注やあとがきなどで、その辺は充分補完されているので問題ありません。


    内容的には、今や定番化した「叶わぬ恋」の物語です。
    しかしこの「今や定番化...続きを読む
  • 新訳 マクベス
    シェイクスピア四大悲劇の一つ。
    ハムレットと真逆のような内容。
    歴史を多少ねじって書いてあるらしく、古今東西を問わず、勝者が歴史を紡いでいることを感じた。
    英語で読むともっと文学的な考察ができそうだけど、一生無理だと思った。(文法やらスペルが違う)
    裏テーマが色々あるみたいで、脚注でその辺を解説して...続きを読む
  • 新訳 リチャード三世
    それぞれのページにある但し書きを読んでいると、原書が読めない歯がゆさに残念な思いが重なってきます。
    翻訳版では色々な言葉遊びが楽しめない寂しさがあります。