丸山正樹のレビュー一覧

  • 慟哭は聴こえない
    「デフ・ヴォイス」シリーズ3作目。
    1 慟哭は聴こえない
    新開のことから手話通訳を休んでいた荒井だったが、徐々に復帰。みゆきとも籍を入れ、兄の悟志家族とも顔合わせをする。そんな中、ろうの夫婦の妊婦検診の通訳を頼まれる。妊娠という女性のほうがいいのでは?という通訳に困惑する荒井だったが、医療通訳をして...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない

    それぞれの世界で

    手話通訳士の荒井尚人。前作から時がかなり経過し、みゆきと結婚後、女の子を授かる。その子には聴覚障害があった。どのように育てて行くか、尚人とみゆきの葛藤。同時に4つの物語が並行して展開する。聞こえることが普通の私には、聞こえない世界がどんなものか想像できない。しかし、それぞれの世界で、悩みながらも成長...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    手話にも違いがあり、複雑な問題があることを、初めて知りました。手話は先天的な聾唖の方にとって会話をするツールというより、第一言語でもある。だから、後天的な場合と相違がある事に納得ができた。 勉強になりながら、ミステリーの要素もあり、良い作品に出会えました。
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    まだまだ知らない世界があった。
    以前は聾唖者(ろうあしゃ)と、聴こえる人を健常者または健聴者と呼んでいた。
    自らを「ろう者」と好んで呼ぶのは、聾唖者は話せないことの意で、聴こえないが話せないわけではないという意思の表れだそうだ。
    日本手話と日本語対応手話という種類があるのも、この本を通じて初めて知っ...続きを読む
  • ワンダフル・ライフ
    つい最近NHKでドラマ化された、丸山正樹さんの「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 」。手話を学ぶ者にとっては必読の一冊ですが、それ以外にも丸山正樹さんは刑事物だったり社会はミステリーだったりと幅広い内容の物語を書かれています。その中でも、衝撃的で心揺さぶられる一冊が文庫化されました。

    この一冊は4...続きを読む
  • 龍の耳を君に
    2作目です。
    最近のイチオシです。

    今回は、ろうだけでなく
    自閉症、緘黙についても取り上げられていた。

    緘黙については詳しく知らないので、
    そうなんかなぁーって思うだけだったけれど

    ろう学校での教育や、
    ろう者への取り調べについての部分は
    人権無視のあまりに酷い有様で、
    本当にこんなんなのか知...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    ドラマ化されたのを機に再読。
    やっぱりおもしろい!

    目の前に広がるのは手話通訳士の法廷ミステリー。
    本作が他多くのミステリー作品と違うのは、
    ろう者を両親にもつ聞こえる子「コーダ」の存在やその子どもが抱える役割や苦悩。
    「聴覚障害者」と言っても、「ろう者」「中途失聴者」など色々な方がいること。
    ...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    ろう者や手話言語について知る機会となったのはもちろん、それ以外にも様々考えさせられた社会派ミステリーだった。
  • 龍の耳を君に

    新しい知識

    手話通訳士の荒井とみゆき、みゆきの娘の美和との微妙な関係性を軸に3つの事件を描いている。荒井の心情の根底には、コーダだった幼少期の記憶があり、物悲しさを感じる。美和の同級生のえいちくんとの障害に、前向きに取り組む荒井の姿が心強い。シリーズ2作目。
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    今回の作品も学ぶことが多かった。
    手話にも日本手話や日本語対応手話といった種類がある事や、なんとなくろう者って呼ぶことに抵抗があったけどそんなことはなくて、それも結局聴こえる側の偽善だったなぁと。

    本作はミステリーではあるけど
    ワンダフルライフでもそうだったが、作中で知らなかった世界と向き合える時...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない

    前作も自分の「無意識の偏見」に気づいて衝撃だったが、今回も2話目に出てきた医療従事者の一言に考えさせられた。
    ろうという個性、そのありのまま、ではいけないのか?と。
    自分の周りが自分と同じような人ばかりではなく、カラフルな様々な個性をもった人がいるのだということを再認識する作品。
    その個性ゆえに生...続きを読む
  • ワンダフル・ライフ
    この作品を読むまで結局自分は偽善的な
    考えで身体障がい者のことを見ていたと突きつけられた気がした。
    脳性麻痺の娘、息子を殺す母親にどこか同調してしまっていたと思った。
    でもそれって彼女や彼からしたら自分の命を勝手に奪われることで、幸せか幸せじゃないかは他人が決めることではないと本当だと素直にそう思う...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで
    「デフ・ヴォイス」4作目。
    聾の家族の中でただ一人、聴者として育った荒井尚人。警察官のみゆきと再婚、みゆきの連れ子、美和と尚人とみゆきの子ども、瞳美と暮らす。瞳美は聾の子どもだった。美和は高校受験、瞳美は手話を母語として教育する私立の園に行く年齢。コロナ禍で自宅待機になるなか、尚人の手話通訳の仕事も...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    まだまだ自分には知らないことが沢山ある。
    自分に出来ることは何だろう…と考える。

    ドラマ化の草彅剛さんもとても良かった!
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    手話に種類があることも、コーダという言葉も何となく聞いたことはあり知っているつもりでいたが、先天性のろう者と中途失聴者の人が使う手話や文化の違い、コーダの苦悩など知らなかったことばかりだ。
    『手話』=『言語』 外国語を覚えるように手話を覚えられたら自分の世界も広がるのかな〜(英語も覚えられてないけど...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    読み始めてすぐに、これはハマる、と思った。
    文体はすごく読みやすくて、
    自分の全く知らない分野だったけれど、
    イメージがしやすく、
    知らないからこそ法廷の手話通訳士の重要性、
    特に「権利」についての重篤さについて
    しみじみと思った。

    言語は思考のツールだとはよく言うけれど、
    ろう者にとっても同様で...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない
    ちょっといろんなひとの気持ちが切なくて。
    切なさてんこ盛りの連作短編集。
    「静かな男」からの「法廷のさざめき」、切なさの威力が半端じゃなくて、電車で読んだの後悔しました。

    聞こえない家族のなかで聞こえるただ1人の荒井から、聞こえる家族のなかでただ1人、聞こえないサトミちゃんという対比に繋がるところ...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士
    これは絶対面白い小説だ!と直感。
    生まれ育った環境によって、手話もいろいろと変化するんだと知りました。
    ミステリー小説としても秀逸でした。
  • 夫よ、死んでくれないか
    実によくできた物語で、とっても楽しめました。
    夫婦間の問題は、普段表立って分からなくともそれぞれに抱えているものだと思いますが、1度疑心暗鬼にとらわれるとこうも崩れるのかと、感情のジェットコースターがなんともいえませんでした。
    そして、嫉妬や妬みからどこで恨みを買っているかも分かりません。
    身近な人...続きを読む
  • デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士

    心を繋ぐ手

    年末にドラマを観て原作を読みたくなった。荒井という人物のバックボーン、人間関係などがよくわかった。そして、手話について、新たな認識を得た。読後はやりきれないものを感じた。姉妹の葛藤、家族の繋がり、心の繋がりを強く感じる作品であった、