丸山正樹のレビュー一覧

  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    ヤングケアラーって相当闇だなあと思った。子どもの「今」を、「将来」を奪うもの。子どもは今をいかに楽しむかを考えることが許される存在。ヤングケアラーはそれが出来ない。どうして未来を潰されないといけないのか。そういう風に仕向ける親も毒親ってやつになるのかな。貧困、毒親、売春、そして日系ブラジル人たち。と...続きを読む
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    32/100
    「在留外国人の子供」
    「ヤングケアラー」
    2つの問題を子供の家というNPOを舞台にしたストーリーで2つの題材が結びついていく
    ストリートに生きる日系ブラジル人の少年
    介護に追い詰められるヤングケアラーの少女
    子供たちからのS.O.S.が聞こえる
    不器用な「見えない存在」である彼らを、今...続きを読む
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま
    義理のお父さんが手話通訳士の「アラチャン」はまぁわかる。
    でも、お母さんの勤め先が「ケイサツショ」の 「ケイジ」って設定、必要?と思っていたら…
    もともと「アラチャン」主人公の『デフ・ヴォイス』シリーズのスピンオフ作品ということで納得。

    初読みの作家さんだったので、このシリーズを始めから読んでみよ...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで
    今作ではコロナ禍でのろう者の生活というのもテーマのひとつだったように思います

    たいへんなんだろうな〜とはなんとなく思いつつ
    そうは言ってもたいへんなのはこちらも一緒と一緒のはずがないのに思ってしまったりもして
    デフ・ヴォイスシリーズを読むことで少しでもそういった方たちを慮る気持ちを思い出せて良かっ...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    新米介護士の康介の成長もの。
    介護は高齢化の今大多数の人がする側、される側として直面が予想される。ホームだけでなくデイケアはここ10年で施設が激増したと感じる。
    康介や鈴子のような介護士が世の中を支えてくれている。でも待遇はあまり良くない。その上最近のコロナ。もっと色々なこと、例えば力仕事をロボット...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    特別養護老人ホームに勤める新人の康介が、感じ喜び悲しみ学ぶ連作短編集。

    私個人の近親者が胃ろうをするしないで揉めたこともあって、正直読むのがつらいかな、でもデフ・ヴォイスシリーズがすごく良かったからなと思って読んだ。

    すごく良かった。介護をする人たちの日常がコミカルにそしてシリアスに絶妙なバラン...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない
    今回は荒井とまゆみの間に生まれた「聴こえない子」瞳美ちゃんを加えた家族の成長というか変化を中心とした短編集

    美和ちゃんが子どもなりのいろいろな葛藤を抱えつつ優しくまっすぐに成長していってるのがなんかもう嬉しかった
    たぶん荒井と同じ気持ちになってるよ
  • 水まきジイサンと図書館の王女さま
    31/100
    手話通訳士が主人公の小説で話題をよんだ「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ版!

    訳あって、手話で会話する美和と英知、異色のストーリー

    位置づけとして「児童書」となっているが、是非多感な子供達に読んでもらいたい!
    そして、原語たる手話に興味を持ってもらいたい!
  • ウェルカム・ホーム!
    新米介護士として特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めた大森康介は、
    先輩職員に教えてもらいながら体を動かし与えられた仕事をこなす。
    ある程度のお金を貯めたら転職だ。
    自分は介護職に向いているのだろうか。
    少しずつ変わり始める康介の目を通して
    介護することと、介護される人のことを考えていた。
    ...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない
    日常に立ちはだかる様々な事がら。障害を持つ事でより壁が高い現実。誰しもがより生きる喜びが高まるよう。皆で生きたいと思う。
  • わたしのいないテーブルで
    2020年のコロナ禍の中、刑事のみゆきは仕事を休む事が出来ないので自宅学習に切り替わった娘達の面倒をみるためなかなか手話通訳の仕事が出来ない荒井。リアルに起きた問題が荒井家の事情を通して語られるのであーそんな事あったな、と妙だけど懐かしい感じになる。そんな中ろう者の娘が聴者の母を包丁で刺した障害事件...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    介護、入所、きょうだい児、それぞれに心をグッと掴まれることばかり。はたしてこれは私が当事者でなければ読後感が違っていたのだろうか?ハッピーエンドなのは絵空事だと。否、当事者でない人々にも届く言葉で綴られていると思いたい。私はいつも願っている「こちら側」と「あちら側」がいつかはボーダーレスになりますよ...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない
    シリーズ3作目と知らず、装丁が可愛くて手に取った。
    とても良かった。
    これは1から読まないと!

    昔は耳の聞こえない人をろうあ者と呼んでいたけど、
    今はそうじゃないことを知る。
    とにかく作中でいろんな「知らない」を知った。
    読みながら、知らないということに無頓着過ぎる…と反省。
    どうしても今の時代、...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    なりたくてなった訳じゃない新米介護士の康介。毎日辞めてやる、と思いながらも先輩や入居者の方々と過ごすことで成長していく。認知症があっても介護されていても入居者は1人の人間だ。どうかその他大勢のひと、とくくらないで。あなた方(スタッフ)にとってはただの入居者の1人でも私にとってはただ1人の大切な家族な...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    「デフ・ヴォイス」シリーズの丸山正樹さんの
    待望(私だけかな?)の新刊

    いつもながら
    社会的弱者の人たちの その実態が
    克明に描かれる。

    読み進めているうちに
    じゃあ その時に
    もし 自分が遭遇してしまったら
    どうするのだろう
    と 思わず考えさせられてしまう
    そのストーリテラーぶりも
    流石です
    ...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで
    ずっと大好きなシリーズですが、今回もまた、コロナ禍というなかで、聾唖者のおかれた立場が炙り出されていて、居た堪れない思いをしました。
    また『声』についても考えさせられた。
    彼らにとって、幸せになるには、どう育てられるのが理想的なのか、まだまだ見えない。
  • 龍の耳を君に
    続編とは知らずに手に取った本だったが一作目を読んでなくても問題なく楽しめた。
    少し前に場面緘黙症の女の子と出会ったことがこの本に興味を持ったきっかけだった。手話を言語とする人たちにも「ろう者」「難聴者」「中途失聴者」では普段使う言語もメンタリティも違うことを知った。緘黙症や発達障害についてももちろん...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで
    デフ・ヴォイスシリーズ4作目。

    コーダの手話通訳士荒井の、妻みゆきとの間に生まれた瞳美は4歳になった。
    手話で授業を行う幼稚園に通うようになった、ろう児である瞳美をとりまく家族の愛情と葛藤がリアルに描かれていて、これからの瞳美ちゃんをずっと見守っていきたいと自然に感じる。

    今作では、女性ろう者が...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで
    「デフ・ヴォイス」シリーズの4作目。
    コロナ禍初年に出版されたこともあり
    作品にもその描写が出てくる。

    個人的には1番グッとくるシリーズだった。

    「CODA」である荒井の苦悩はこれまでにも
    描かれていたけど、今作では家族の中で唯一
    聴こえない「ろう者」の苦悩を知り
    その悲しい現実に胸が痛くなった...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない
    いつしか随分と歳月を経た我が人生において、公私いずれの場でもろう者と交わることがなかった。よって、このデフ・ヴォイスシリーズを読むたびに、学ぶこと多いなぁ、毎回面白いシチュエーションだなぁと感心しつつ楽しんでいる。考えようでは、この楽しむとは不適切な感想表現なのかもしれないが、正直ハマっている。聴覚...続きを読む