丸山正樹のレビュー一覧

  • 水まきジイサンと図書館の王女さま
    「デフ・ヴォイス」シリーズのスピンオフ作品。美和と英知が活躍する児童書。
    おもしろかった!
    これは是非シリーズ化して学校図書に置いて欲しい。子どもたちに読んでもらいたいなと思いました。

    小さな謎を美和と英知の二人がソウサする。
    場面緘黙症の英知。声での会話は難しいけど、手話が使える美和とは手話で会...続きを読む
  • 龍の耳を君に
    シリーズ第二弾。

    ろう者の両親の元に生まれ、自身は聴こえる“コーダ”の荒井尚人を中心に彼と関わる人々を描いた連作三話が収録されています。

    個人的には前作『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 』を先に読んでから本書を読むことをお勧めします。
    前作からの登場人物との関係性や荒井と警察組織の間で何があっ...続きを読む
  • 龍の耳を君に
    ミステリーなのに、学べたという不思議な感覚というのが感想の一番である。
    聴覚障害者の教育、聴覚障害者の話す方法の種類、こんなにも知らない事ばかりだったのかと驚きなから読み進めた。作者が専門用語をとても丁寧に適切に表現している。
    この学びはとても大きいような気がする。
    ミステリーを読んだはずだったのに...続きを読む
  • 龍の耳を君に

    手話というひとつの手段が
    ある人にとっては輝くものに
    ある人にとっては苦しいものに

    それでも
    手話が救い
    手話が繋ぐ物語りには
    前回同様惹き込まれるものがあった


    知らない世界を
    欠片でも
    知る機会になっている
    大切にしたい
  • ウェルカム・ホーム!
    こんなに泣かされるなんて思いも寄らなかった。

    第四話『別れのワルツ』で主人公と一緒に号泣。
    ようやく落ち着いたのに最終話で再び涙。

    舞台は特別養護老人ホーム。
    「とりあえずの職場」として働き出した康介が、介護の世界の奥深さに触れ、成長していくたびに何とも言いがたい幸せな気持ちになる。

    介護士の...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで
    手話と口話。
    親子で言葉の壁があって、本当の気持ちをうまく伝え合えないもどかしさ、想像できるでしょうか…?

    裁判に出てくる親子が本当にもどかしい。


    コロナがだんだんと拡大していく世の中も背景にしていて、なんだか暗いモードで話が進んだ感じ。
    色々考えさせられますね。

  • 慟哭は聴こえない
    聴者の無神経、無理解で、ろう者が心を傷つけられている場面が多く見られ、こちらも腹立たしい気持ちになりました。

    手話は一つの言語だという記述も何度かありましたが、第4話でたくさんのろう者が法廷で「傍聴」していて、手話が飛び交うのを観た裁判長が「私語を謹んで下さい」と言ったのですが、それは手話を言語の...続きを読む
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    読み始めて、何となく何かに引っかかる。
    あ…これは『漂う子』と繋がってる話だと感じる。
    (あまり詳細は覚えていないのだが…)

    「ヤングケアラー」「在留外国人(日系ブラジル人)の子供」を題材としていて
    またまた考えさせられる内容だ。

    所々にさしこまれるゴシック体部分、
    その都度、誰の言葉か考える作...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    何度か派遣切りあった後、介護職員研修を受けて、特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めた康介が、くじけそうになりながらも1人前の介護士へと成長する様子を描いたストーリー。

    人手不足で効率重視になりがちなホームでのケアのやり方が描かれていて、現実の世界でもこういうところが多いと思うと心が痛むが、初...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    一気に読み終えた。介護施設の話なので考えさせられることもあるが、そう思えたのは著者の描写のリアルさがあるからだと思う。そしてそれもそのはず。実際の職には就かなかったようだが、介護ヘルパーの資格をとるべく介護施設へ実習に行き、現場で働いている方々からヒアリングもされていたそうな。
    やはり現場を経験して...続きを読む
  • わたしのいないテーブルで

    デフヴォイス
    新シリーズ

    コロナ禍の
    ろう者と
    その家族

    また
    聴者の家族に産まれた
    ろう者の苦悩

    新井家の変化と共に
    沢山の
    知らなかった事を
    教えてもらった一冊でした
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    ヤングケアラー、在日外国人の子ども達などが抱える問題がリアルに描かれている。
    重いテーマではあるけれど、素人にもわかりやすくて勉強になった。
    具体的に自分に何ができるだろうかと思うけど、まずは知ることから…。
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    今作の舞台は名古屋
    「漂う子」のシバリが今回も登場。
    ヤングケアラー問題、日系ブラジル人の子供達の問題が今作の主軸。

    最近ニュースなどでヤングケアラーの問題を耳にすることが増えました。
    今作はコロナ禍の子供達であり、色々とタイムリーな内容で読んでいると胸が痛みました(*´-`)

    相変わらずの膨大...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    著者自身が介護経験者。介護者資格を取るための特老ホーム実習中に東日本橋大震災に遭遇。本作は、その時の体験に着想を得たとのこと。

    本編を読み、あとがきを読み終えて思ったのは「これは続編を読みたい!」ということ。
    介護現場を垣間見た気分になりました。
    職員が日常何気なく流してしまっていること、不快感を...続きを読む
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    子供問題に関わるNPO、元不良で今は不良たちを食い止める鳶職、祖母の介護で高校に行けない少女、ドラッグ、外国人差別・・・

    現代の問題を詰め込んだ力作。政治家が読むべし。重たい話なのにすらすら読める。

    いい人が多すぎるのが玉に瑕。世間にはこんにいい人が沢山いるのか、それとも汚濁した私の周囲には汚濁...続きを読む
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    コロナ禍になってから職を失い、住むところを無くして途方に暮れている人がいる。
    だが表面に出ていないだけで、日系人だと国に帰らざるを得ない人もいただろうし、親にすてられた外国籍の子どもたちは、何処で生きているのか…それすら把握できないのが現状ではないのだろうか。

    この小説も学校すら行けていない日系ブ...続きを読む
  • 慟哭は聴こえない
    デフ・ヴォイスシリーズの3作目。
    ろう者の事件とサブストーリーたる手話通訳士の家族の物語とが上手く織り合わされ、深く優しくて心に残る連作集。
    このシリーズやっぱ面白く、ろう者をめぐる新しい知識が増えると言う意味でも、安定、ぐいっとおすすめ。
    ただ3作連続で読んで結構満腹なので4作目は文庫になるまで少...続きを読む
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    毎度、色々な方面の社会問題を教えてくれますが、ヤングケアラーはしんどい内容ですね

    「問題なのは、自分たち大人の方なのだ」はグサっと刺さります
  • キッズ・アー・オールライト The Kids Are Alright
    The kids are alright(子供たちは大丈夫)。子供の人権救済活動に携わる人々の話です。
    デフ・ヴォイスシリーズから離れ、前作『ウェルカム・ホーム!』は軽いコメディータッチのお仕事小説で少々アララ?でしたが、本作は丸山さんらしいやや重めタッチ。やはりこの方が似合います。学校で阻害され義...続きを読む
  • ウェルカム・ホーム!
    地獄絵図もあるんだろうけど、みんなに看取られ逝けるならホームも悪くないのではと思ってしまう。「入所者の願いと自分たちの希望は突き詰めていけば相容れなくなる」イヤならホームに入らなければいいじゃないか、では済まないか。介護問題は本音、本気で取り組まないと、この国は滅んでしまう。