先巻のラストの引きが実に良かったので、否応なしに高まっていた期待
阿部先生、それに見事、応えてくれた
ありがとうございます
正直な印象を、ありのままに書くのなら、真相が明らかにならず、残念半分で安堵半分
何せ、元・フィアンセたる俊吾がなぜ、よりにもよって結婚式当日、サチコの前から姿を消したか、これは
...続きを読む(1)からサチコだけでなく、私ら読み手も悩ませていた、この作品、最大にして唯一の謎だ
却って、このタイミングで明らかになってしまったら、もったいなかったな、と読み終わった後、そんで、この感想を書きながら思った
俊吾が再び、自らの前から失踪した事に気落ちするサチコ。当然ではある。愛が未だにあるか云々は別として、彼女の性格的に、疑問が解消されないのは苦しいんだろうな
だけど、彼女の凄いトコは、悲しくても、辛くても、美味しい物を食べれば、元気を充填できるトコ。色気より食気が強いヒロイン、私的には大いにアリである
お腹を一杯にし、心からモヤモヤを追い払ったサチコは、俊吾を再び、見つけ出す事を誓いつつ、自分の仕事に戻る
やや強引ではあるが、この頭と心の切り替えは、社会人として見習いたいもんだな
この『忘却のサチコ』の持ち味は、出張編でもある
この巻で、サチコが出向いたのは、富山。そこで、サチコが五感で堪能するのはホタルイカ。正直、ホタルイカは得意ではない。けれども、サチコの良い食べっぷりや、刺身以外の食べ方に、食欲が湧き上がってきた
そんな食材への苦手意識を払拭するキッカケを与えてくれる、『忘却のサチコ』が食漫画として、レベルが高い証拠じゃなかろうか
どの回も、サチコの可愛さが読み手のココロを掴むが、個人的にオススメしたいのは、小林さんのちょっとした大活躍と、サチコとの関係が良好な方向に進展する、第67歩「疲労回復!夜明けのソルロンタン」だ。美味いスープに飯を入れて食う、不味いはずがない!! にしても、サチコの鈍さは一周回って尊敬できるな
この台詞を引用に選んだのは、私もジンッと来てしまったから。落ち込んでいる人がいたのなら、すっと救いの手を差し伸べる、それは、人間力が高くないと、さりげなく出来ないんだよなぁ。こればっかりは、自分磨きあるのみだ