二人の男(ヨシタケさんと又吉さん)が本が好きな王様のために世界中を旅して珍しい本の話を聞かせる物語。
全ての話は「その本は……」から始まり、第一夜、第二夜、第三夜……と、又吉さんパートとヨシタケさんパートが交互に続いていく。
ヨシタケさんは絵本で、又吉さんは短編小説やショートショートでたくさんの
...続きを読む物語を王様のために綴っていく。
めちゃくちゃ面白い。自分の中のバイブルになりそうな一冊。いや〜読んで良かった。あらゆるパターンの物語を、それこそ思考実験のように書き連ねている。
「その本は、とんでもない速さで走っているため読むことができない」
「その本は、人を選ぶ」
「その本は、その国の人間はみんな持っている」
「その本は、遺跡の中で見つかった。遺体の口の中に入れられていた」
などなど、めちゃくちゃドキドキする始まりが多い。
読まれて読まれてボロボロの本には、その本に書かれている物語のほかにもう一つの物語があるというのが心に残ったなあ。
———紹介(公式より)———
本の好きな王様がいました。王様はもう年寄りで、目がほとんど見えません。
王様は二人の男を城に呼び、言いました。
「わしは本が好きだ。今までたくさんの本を読んだ。たいていの本は読んだつもりだ。しかし、目が悪くなり、もう本を読むことができない。でもわしは、本が好きだ。だから、本の話を聞きたいのだ。 お前たち、世界中をまわって『めずらしい本』について知っている者を探し出し、その者から、その本についての話を聞いてきてくれ。 そしてその本の話をわしに教えてほしいのだ」
旅に出たふたりの男は、たくさんの本の話を持ち帰り、王様のために夜ごと語り出した―。
お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹と、大人気の絵本作家ヨシタケシンスケによる、抱腹絶倒・感涙必至の本の旅。