中野京子のレビュー一覧

  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語
    [ 内容 ]
    世継ぎの混乱と血みどろの宗教戦争に彩られた王朝の誕生から、十九世紀、ヨーロッパ全土に吹き荒れた革命の嵐による消滅まで、その華麗な一族の歴史を、十二枚の絵画が語りだす。
    『名画で読み解くハプスブルク家12の物語』に続く、ヨーロッパの名家を絵画で読み解く第2弾。

    [ 目次 ]
    ルーベンス...続きを読む
  • マリー・アントワネット 下
    今年読んだ中で一番良かったかも。翻訳もすばらしい。
    ツヴァイクの文章は、まるでこちらの心を読んでいるかのように、知りたいと思ったことを絶妙のタイミングで提示し、不審に感じた瞬間に種を明かす。インタラクティブな読書体験ってこういうことを言うんだろうなぁ、と思った。
    マリー・アントワネットを襲った恐ろし...続きを読む
  • マリー・アントワネット 下
    伝記文学の最高峰。平凡な贅沢好き、色恋好きな人間が過酷な歴史の荒波に洗われて、本当に王妃らしい威厳を身につけるまでを格調高く描く。
    文体はリズミカルだが、この翻訳はやや古めかしい感じで、中野京子訳の角川文庫版とも機会があったら読み比べてみたい。
  • マリー・アントワネット 上
    いきいきと歴史上の人物を描くツヴァイク。
    小説のように読みやすいです。
    「ベルサイユのばら」と同じ名前の登場人物が出ているのも~史実だからですが、お楽しみ!
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語
    中野京子さんの本はわりと好きで時々読んでますが、これはハプスブルク家の関係者12名を肖像画などで紹介していこうというもの。もちろん12人程度で話の終わるハプスブルク家ではないのでいいとこ取りですが、どの方もキャラが立っているというかアクが強いというか……。こういう人物に対すると中野さんの筆がさえます...続きを読む
  • 新版 中野京子の西洋奇譚
    「ディアトロフ事件」が気になって、ネットで広告避けながら読むより紙媒体で読みたくて調べたら中野京子さんの著作を発見。読み読み。
    名画シリーズはかなり読んでたつもりだけど、切り口を変えても変わらぬ面白さ。
    「ブロッケン山の魔女集会」では「魔女狩りの実相を知れば知るほど人間であることが嫌になってくる……...続きを読む
  • 愛の絵
    やっぱり中野先生の絵画解説は面白い。
    今回のテーマは「愛」
    恋という甘酸っぱいものから、嫉妬に狂う愛、子供を想う親の愛、その他異類婚やアイドル的憧れに至るまで様々な愛の物語。
    個人的には『デカメロン』から派生した『イザベラとバジルの鉢』そして『タレット階段の逢瀬』が印象的だった。
    どっちも悲恋ですけ...続きを読む
  • 大人のための「怖いクラシック」 オペラ篇
    知識ゼロから少しずつオペラを知っていける構成となっていて、会話文のような形で説明されます。最近クラシックにハマり、歌劇、楽劇とつく曲が多いので手に取った本。なかなかの収穫がありました。
  • 名画で読み解く イギリス王家12の物語
    イギリス王家12の物語。
    イギリス王家と聞いて思い浮かぶのは、エリザベス1世とメアリ・スチュワート、アン・ブーリン、ヴィクトリア女王でしょうか。見事に女性ばかり、悲劇と繁栄の女性たちですね。

    12の物語も、国家としての栄光の下の光と影を色濃く描き出しているものばかりに思います。それを繰り返しながら...続きを読む
  • 愛の絵
    様々な「愛」の形を描いた絵画を基にその時代背景や画家などを徹底解説している。サクッと楽しく読めて見知らぬ名画に触れられる。
    西洋画が主だが、日本の話も色々と語られており勉強になった。それにしても流行病に振り回されたり、貧困によって犯罪が多発したり、いつの時代も結局、人は人なのだ。
  • 異形のものたち 絵画のなかの「怪」を読む
    昔から妖怪とか怪獣とかが好きだったので、結構楽しめた。怪物は、人間の部位(目、手足等)を増やしたり、減らしたり、別の動物をくっつけたり、してるものが多い。怪物で表現したいことによって、女性的か男性的かは変わってくる。
    ヒエロニムス・ボスの絵はごちゃごちゃしてて、色々なクリーチャーが描かれていて、観る...続きを読む
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語
    ロマノフ家12の物語。
    ロマノフと聞いて思い出すのは、大津事件とラスプーチン、そしてアナスタシア。ただ、「ゴールデンカムイ」の存在でアレクサンドル2世暗殺事件の印象も強い。
    エリザヴェータとエカテリーナ女帝のふくよかな肖像画。この2人の女傑があるから、ソフィアはああいった女丈夫になったんじゃなかろう...続きを読む
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語
    ブルボン王朝に続いてハプスブルク家12の物語。
    ハプスブルクといえば、マリア・テレジアとマリー・アントワネット。マリア・テレジアは「少女時代のマリア・テレジアの肖像画」がすぐに思い浮かびます。美人さんだという印象。今回肖像画のタイトル改めて調べて「少女時代」ということに驚く。でも、マリア・テレジアの...続きを読む
  • 名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語
    12枚の絵画を通してフランス・ブルボン王朝の歴史を紐解く1冊。
    ちょこちょこ小説で読んでいる人物が絡んでくると、急に解像度増す気がするから歩楽しい。
    こういう自分の中にある知識の点と点が、読書中に線になって繋がってゆく瞬間がたまらなく気持ちいい。おそらくこの瞬間の気持ちよさのために読書をし続けている...続きを読む
  • 名画と建造物
    やっぱりすごい…と引き込まれる解説に何度も絵を見返す。
    名画と呼ばれるもののなかでも、建築物や構造物にスポットライトを当てた本。
    表装のバベルの塔は空想想像を超えて本当はあるんじゃないかとさえ思えてしまう不思議。

    たくさん紹介されているけど、モネのサンラザール駅の骨組みは素敵だなあ。好きだなぁ。
    ...続きを読む
  • 名画で読み解く ハプスブルク家 12の物語
    ハプスブルク家の長い歴史を学ぶ最初の書物として推薦したい。王家の皆様にあまり魅力を感じなかったが、純潔を守ろうとして結局途絶えたのは皮肉だと感じる。残念ながらオーストリア、ウィーンにある絵画の紹介は少ないが、エリザベス皇后の肖像画は、ぜひ実物をみたい。
  • 愛の絵
     『星たちを引き連れた夜』、幼子の死というどうしようもなく残酷なテーマを扱いながら、これほど愛とやさしさに満ちた作品があるのか。


     何もしなければ死は単なる現象に過ぎない。ともすれば忌避すべきものですらある。しかしその死に真っ向から取り組み、価値ある作品に昇華したとしたら、それは芸術の本懐だと思...続きを読む
  • 愛の絵
    いつもながら、中野京子さんの解説は本当に面白い。感情の表現。様々な愛のかたち。ドラマチックです。
    ジョン・ウイリアム・ウォーターハウス『毒をまくキルケー』、ジョン・ホワイト・アレクサンダー『イザベラとバジルの鉢』
    『タレット階段の逢瀬』抑えた思いが切ない。
    そして表紙にもなっているエドワード・ロバー...続きを読む
  • 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語
    ロマノフ王朝時代のロシアは-今も同じかもしれないが-怖いと感じる。正直、絵画よりも怖い。掲載されている絵画のうち惹きつけられるものはおおくなかった。むしろロマノフ王朝時代の世界観、暗殺、虚偽の公式発表など、内にいる限り、暮らしていくのも一苦労だ。
    ✔︎皇女タラカーノヴァ
    ✔︎ヴォルガの舟曳き
    本作に...続きを読む
  • 愛の絵
    ●ヘラが奪ったエコーの言葉。ナルキッソスに思いが伝えられない。木霊が繰り返されるだけ●美女を巡って男が2人。決闘で死んだのは女。嫉妬する理由がなくなった2人は仲直り●その文面は「神への愛のため、私に施しを」ナポリに存在した「物乞い許可証」●画家を諦めた姉と姪を描くベルト。二人を愛すが寂しさも●マルス...続きを読む