中野京子のレビュー一覧

  • マリー・アントワネット 上
    文章を読む喜びを感じた作品。
    登場人物が動き出す、まるで目の前に現れるように。映画を見ているような感覚になる位引き込まれる。
    アントワネットと、母マリアテレジアとの手紙のやり取りは、時代と国境を越えても変わらない母親の心配性を垣間見ることができる。

    シュテファンツウ゛ァイクはもちろん、翻訳の中野京...続きを読む
  • マリー・アントワネット 下
    まるで演説を聞いているかのような文章で、登場人物の息遣いまで感じられる。

    上巻の最後にフェルゼンが漫画の王子様のように颯爽と現れ下巻への期待を高めている。

    下巻は更に歴史が動き、息つく暇もない程に緊張状態が続く。

    そして、アントワネット処刑までの重く長い日々。

    登場人物全員とお近づきになれる...続きを読む
  • 残酷な王と悲しみの王妃
    この時代の女性の扱いというか、地位が怖いまでにわかる一冊。でも個人的にイワン雷帝が好き。もっと穏やかというか、幸せに?朗らかに?過ごせればと、願ってみたり。ベラスケスの偉大さも分かる一冊。ヘンリー8世は好きになれないが、エリザベス1世も好きにはなれない。読む人によって肩入れする人は大きく変わりそう。...続きを読む
  • 怖い絵 死と乙女篇
    いやー面白かった。
    3作の中で一番好きかも知れない。
    どれもおすすめではありますが。
    カストラートとか、ああ、そうかぁと説明書きにふむふむと納得。
    少し自分がものしりに慣れた様な気がします。(するだけ)
  • 怖い絵 泣く女篇
    このシリーズは本当に面白い。読み返すたびに新たな発見とドラマを感じさせてくれる。旅のお供にもオススメな作品です。
  • 怖い絵 死と乙女篇
    まるで見てきたかのような書き方で、引き込まれる面白さが上手い。このシリーズのヒットで二番煎じのような本が沢山出たけど、やはりこの作者のが一番面白いと思う。
  • 怖い絵 死と乙女篇
    面白い。何度も一枚の絵のページに戻りながら、うなりながら読んだ。文庫本でなく、ハードカバーで買えば良かったと後悔する。泣く女編も早く読みたい!
  • 危険な世界史 血族結婚篇
    世界史選択の学生に近代ヨーロッパ史の副読本として読ませたい。こういったサイドストーリーを知ることで歴史に深みが増すのではなかろうか・・・
  • 怖い絵 死と乙女篇
    今まで読んだ中野先生の本(数点であるが)の中で一番良かった。
    作品の解説と共に中野先生の絵画の見方は3D化して私をとりまいた。
    贅沢な体験ができる本書は、これからの秋の夜長にも相応しい。
  • 怖い絵 死と乙女篇
    単行本版『怖い絵』3巻に2編追加して文庫化したもの
    (たぶん追加されたのは2つ目の「ヴィーナスの誕生」と「悪しき母たち」)。
    見ただけで怖さが分る絵、中野さんの解説によりなぜ怖いのか分り、改めてぞっとする絵など。
    やはりその絵が描かれた背景を知らないと、より深く絵画鑑賞できないのだなあと痛感させられ...続きを読む
  • 「怖い絵」で人間を読む
    同じ著者の「怖い絵」三部作を読んだ後、まだちょっと物足りない気がしたのでこちらを読んでみました。三部作と重複する部分もありますが、図版はこちらの方がわかりやすいです。矢印つきで様々な要素の説明が記載されているので。また、ベックリンの「死の島」が全バージョン載っていた点も良かったと思います。
  • 「怖い絵」で人間を読む
    この本を読み終えた後に観た番組が「グレーテルのかまど」で、美の妖精が愛したザッハ・トルテの話でした。美しい肖像画の裏に隠され続けていた恐ろしいものを知りたい方は是非。
  • マリー・アントワネット 下
    世界史を勉強しなかった自分への反省も踏まえ、子供が生まれたら読ませたい。

    上巻の王妃の思慮の無さには閉口するが、
    下巻に入り、運命の歯車が回り出してからの王妃の成熟ぶりには感嘆するしかない。
    最期まで毅然として、誇りを失わない美しさ。

    それだけでもうお腹いっぱい。
  • マリー・アントワネット 上
    面白い。

    ――「民衆」という不思議な存在は、擬人的にしか、ものを考えられない。彼らの理解力が及ぶのは、概念に対してではなく、刑姿に対してだ。そのため彼らは罪が存在していると感じれば、罪人を見ようとする。

    表現が分かりやすく、それでいて美しい。
    役者が揃ってドラマティックすぎる展開の中、最高の役者...続きを読む
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ
    絵(美術)は解説されるものではなく感じるもの。…そんな風に言われそう思ってきたけれど 気にいった絵や世界的に評価されている絵の事はもっと知りたい。           
    文化の違う外国での作品の背景を知りたい。
    そんな欲求に答えてくれるのが中野京子さん。

    本書は印象派を取り上げ解説。
    とてもおもし...続きを読む
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ
    [追記]
    こないだ頂いたポストカードがドガだった。
    今までだったら、単なる「ドガのバレエの絵」だったが、
    この本をよんだおかげで、この絵の背景や登場人物が何を表現しているかが、わかって絵の見方がかわった。

    知識というのが、見方をかえる。ということがよくわかった。
    -----------------...続きを読む
  • マリー・アントワネット 上
    ベルばらファンにとって、これは外せない作品。オスカルが登場しないのが不思議になるほどベルばらそのものです。理代子先生はこの伝記小説を読んでベルばらを描いたんだから当たり前か。ツヴァイクのしつこい文体も好きです。中野京子さんの訳も良いです。
  • 芸術家たちの秘めた恋―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代
     メンデルスゾーンの曲も、アンデルセンの童話も、今までそれ程興味はなかったのだけど、俄然きちんと聴いたり読んだりしたくなった。
     リンドはその存在さえ知らなかったけど、彼女にもとても興味が湧いた。他の2人と違って、彼女の“作品”を聴く事が出来ないのが本当に残念。

     メンデルスゾーンの絵とアンデルセ...続きを読む
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ
     中野氏の著作はどれも面白く読んでいるが、今回も良かった。
     印象派の絵画とその時代。元々モネやゴッホなど、この時代の絵画で好きな画家が多いので、絵画とその時代背景など、これまでの著作で取り上げられた作品よりは多少知識があったけれど、それでも余り興味のなかった画家については殆ど知らなかったので、今回...続きを読む
  • 印象派で「近代」を読む 光のモネから、ゴッホの闇へ
    印象派の画家と絵を知っていても、印象派の時代背景まで知っている日本人は少ないかと思われる。私もそのうちの1人である。

    本書は、マネ、モネ、ルノワールといった印象派の絵画解説を絡めながら19世紀中盤のパリの時代背景と風俗が理解できるような構成になっている。

    著者の絵画や西洋文化に対する深い造詣と著...続きを読む