【感想・ネタバレ】三河雑兵心得 : 12 小田原仁義のレビュー

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Posted by ブクログ

茂兵衛が、家康の朋輩・北条氏規が守る韮山城を攻撃する陣に配備されたことから、小田原征伐を一歩引いた視点から見ることができた。織田信雄が小田原に呼び寄せられたことから、豊臣勢の福島正則を悪役に据えているのも面白い。小田原落城後、秀吉の制裁は氏政、氏照の切腹と、その介錯を実の弟・氏規に命じるという鬼畜の所業。この北条兄弟のやり取りに涙しそうになった。論功行賞では、家康に所領加増と引き換えに江戸が与えられるのだが、これは秀吉にも家康にもWin-Winなことという新たな発見があった。

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2023年10月02日

Posted by ブクログ

リアルな描写で変わらず面白い。
ストーリーはもちろん、その中での心の動きや行動の原理など、生身で生きる人物が、生き生きと、悩みながら、折り合いをつけながら行動していく姿がとてつもなく面白い。英雄豪傑ではなく、一人の人間として主人公を描いていることに共感を覚える。
そんな話だからこそ、様々に心に刺さる言葉がある。

竹束や、逆茂木造りなど、戦争は常に自然破壊をする
雑兵が陽気な軍隊は滅法強い
男の嫉妬は女のそれ以上に恐ろしい
人格を磨くには数十年を要し、学識を身につけるには十年が必要だ。その点、書なら二年も学べば、それなりの文字が書けるようになる。
切腹のシーンは、苦境にあっても腹を括って清々しく生きる人間の勁さがある。
時勢というもの。かくの如く、北条氏がいかに良き領主でも、力及ばざれば滅ぼされるのが戦国の倣いである。そこは仕方ないのだろうが、彼らの場合、たぶんに時勢を読み違えた感がなくもない。
ふん。豊臣の天下は、秀吉めの知恵と運が、忠義も正義も知らねえ欲深な下人どもの利害を糾合し、無理に成立させた砂上の楼閣よ。豊臣政権の根底ある虚妄性、脆弱性。

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2024年01月08日

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北条討伐の山中城、韮山城戦での茂兵衛の奮闘に楽しませてもらった今巻。
裏事情の推察や先読みも上手くなり、でも驕らず初心を忘れない(?)彼の魅力が満載でした。
そして毎回の、そこで終わるの!?
次巻も楽しみです。

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2023年12月31日

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待ってました!
このところロビー活動ばかりが目立ってくすぶっていた茂兵衛推し(私)に朗報。小田原攻めでは大乱闘を演じてくれている。嬉しい。

肉体的には、はや40代。私と同年代かと思うと、槍と槍のぶつかり合いは望めない。鉄砲100丁を率いる姿は知将の雰囲気さえ漂っている。心中では「おらぁコイツのことが嫌ぇだなあ」と愛らしい毒を吐きながらこうべを垂れ、家康とはツーカーの仲。さながらファミコンを支えたゲームボーイみたいな存在ではないか。
何言ってるか分からないし。

それにしても茂兵衛はどんどん大人になっていく。沈黙は金。雄弁は銀。実は人物分析に長けていて、余計なことを言わない。必要な言葉は人にズシンと響く。そして言葉よりも行動する。こんな歳のとり方がドタバタ族の自分にとっては理想だ。
最近では小説のおかげか、茂兵衛のはるか後方ながらも方位を違わず近づいている予感がある。ゲームボーイはいつかSwitchになることを夢見て、あとは電池寿命との待ったなし。

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2023年12月01日

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歴史的事実は基本的に歴史の教科書通りに進めながら、家康の人物像が、山岡荘八や、どうする?のそれらとは大きく違っている点も面白いが、本書は百姓上がりの中間管理職的な茂兵衛の物語にこそ惹かれるものがあって、ここにきてまた面白くなりそうな展開になってきた。

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2023年11月21日

Posted by ブクログ

他愛もないけど、気軽に読めて楽しい。名古屋に住んでいたことがあるので、話し言葉の名古屋弁に親しみを感じる。

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2023年10月23日

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大河ドラマとほぼ同じ時期の「小田原攻め」の物語。
俳優の見た目とはいささか違い、物語の登場人物たちは年齢も高い。

北条一族の人柄も描かれ、大河とは一味違う仕上がりに。

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2023年10月05日

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植田茂兵衛が少しずつ成り上がっていくのが毎回面白いのだが、今巻でも腹黒い家康、秀吉に翻弄され、年下の福島正則にも上から命令、意地悪される。そんなに簡単には上手くいかない中間管理職。そんな辛い立場に共感できる。
それでも上役の家康の思考を読もうとするやり取りも面白い。
小田原攻めについてもあまり知らなかったので、北条氏の終わりについても良く知れた。

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2023年09月24日

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前作から5ケ月、小田原合戦まできた。
山中城、韮山城攻めは、両方の城を見に行ったことがあるので感慨深い。
山中城は茂兵衛一族で潜入し、城の詳細を調査。秀吉の前で地図を下に説明するという大役。城を実際に見た時に、障子堀が印象的な大変な場所。何とか落城させるが、次は韮山城。こちらも険しい山城。家康の友人だった敵方の大将を救うため、家康の無茶振りで茂兵衛が使者になる。一緒に使者に行った武将が撃たれて死ぬという危険な場所。家康と何度も連絡を取り合い、相手の投降を引き出す。
東海から江戸への移封に伴う領地拡大も、出世に余り関心の無い茂兵衛は、大活躍なのに僅かの加増でも納得してしまうというお人好し。
このシリーズを安心して読めるのは、この無心さかも知れない。出世を目指し、権謀術数を駆使して成り上がる物語で無いところが良い。家康や秀吉に翻弄され、ぼやきながら従う姿が面白い。
最後に、茂兵衛一族に悲劇が。次作ではどうなるのだろうか?

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2023年09月14日

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雑兵が陽気な軍隊は滅法強い。これだけは譲れねー真理だからな。そもそも常勝などあり得ない。戦場では押し込まれる時が必ずある。鋼のように規律正しい軍隊は負け戦に脆いものだ。その点、規律の中にも笑顔が混じる柔らかさのある軍隊は負け戦でも心が折れない。

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2024年03月19日

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いよいよ関東・小田原攻め、殿様から無理難題を受け、鉄砲隊を率いて、悪戦苦闘しながらも、何とか前進。

物語には無いが、北条氏規は結局どうなったか気になり、調べたら、その後赦されて大坂に所領を与えられたらしい。よかった。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

秀吉の天下統一の仕上げとして、北条征伐が始まる。茂兵衛率いる鉄砲百人組も、山中城、韮山城攻めに参陣する。
徳川家康と今川での人質時代に懇意であった北条氏規に対し、茂兵衛は家康より開城を説得し、和睦交渉の使者とすべく命令を受け、四苦八苦しながらも、戦場を駆け巡る。
面白いね、茂兵衛はこれからどうなるのか。

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2023年10月08日

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