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Posted by ブクログ
全編に渡り金軍と南宋軍の全面対決が展開される第四巻。
大軍勢のにらみ合い、読み合い、ぶつかり合い。「水滸伝」らしいヒリヒリするような闘いの連続。金軍では沙歇、南宋軍では辛晃がその能力を発揮。金軍の騎馬隊の進撃に対し長刀隊を編成し応戦する岳家軍。そして大将同士の一騎討ち、幾度も激突するウジュと岳飛。
作中で辛晃が岳飛を「太い戦をする」と評する場面がある。ぴったりの表現だ。童貫の卓抜さや楊令の鋭さとも違う、この「太さ」が岳飛の魅力であり強さの正体なのだろう。
Posted by ブクログ
豊かな中原を巡って金国と南宋がついに戦いの火蓋を切った。
そんな中、交易で独自の存在感を示す梁山泊。
梁山泊とは一体何か。
多くの漢の志で作られた梁山泊は、最早国土など必要としない、理想を具現化したような何かなのだと思う。
義務に縛られるのではなく、自分たちが主体的に守っていく理想?
ただ、なんだろう。
初期メンバーに見られた、熱くたぎるもの、生々しい心のぶつかり合い、喰いしばった歯の間から漏れてくるもの。
そういうものがなくなり、セリフも行動も地の文も淡々と進む。
だから、読んでいても心が震えなくなってきたんだよなあ。
“別に、夢を志と言ったっていいさ。しかし、夢は夢なんだ。志ほど、自分を縛りはしねえよ。捨てたけりゃ、捨てる。だけど、なかなか捨てられねえのが、夢ってやつさ。血が通っちまってるからな。”
そうなの。
そうだと私も思うの。
でも、理屈っぽいなあとも思うのよ。
もっと感覚でわかりあえたはずなのに。