【感想・ネタバレ】応天の門 3巻のレビュー

きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。

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匿名

ネタバレ 無料版購入済み

鬼畜、藤原家!

藤原家の鬼畜っぷり!
一族の女が利用され、ボロボロになるのは読んでてつらい。

そして過去に道真の兄が藤原家のせいで命を落とした事が判明し。
悲惨な話だけど、最後まで弟思いの優しい兄であった事に感動。

最後はパワフル宣来子の登場で、明るい感じになって良かった。

#笑える #切ない

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2023年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

道真が、幼少の頃に亡くなった兄・吉祥丸の死に疑問を抱き、やがて、その真相が父から語られる本巻。

藤原良房を筆頭に、相変わらず反吐が出そうな藤原一族の非道ぶりが鼻につく中で、出色のエピソードは第十四話「道真、明石にて水脈を見る事」。

ひょんなことから京から離れた明石にて、市井の民の窮状を知り、その解決に手を貸すことになった道真の姿を描いています。

『「知っている」だけでは意味がない。使え!』
「正しいことを知っていても誰も聞かねば意味が無い」
「私には何も出来ないことが憎い」

これらの言葉が、僕自身の甘さを糾弾するかのように胸に刺さりました。
藤原支配の不条理、理不尽に対して「藤原憎し、藤原人でなし」と歯ぎしりするばかりの僕とは違い、その影響をダイレクトに受けている道真自身が、憎いのは藤原でもなんでもなく、何もできない自分をこそ憎んでいる…言葉も出ぬくらいの衝撃でした。
いや、「応天の門」侮れません。

最後のエピソードでは、道真の妻!?である島田宣来子(道真ばりの推理力はあるものの、まだ幼いキュートな姫君)様が出てくるわ、業平を数々の不審な災難が襲うわと、気になるところで続きます…

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2016年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

池に落ちても微笑みを絶やさぬ残念なイケメン業平が面白すぎるんですが。

しかしあれだね。
権力のために奔走した藤原某たちはほとんどみんな忘れ去られてるけど、
業平や道真は現代まで常識レベルで名を残してるんだから痛快ですな。

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2016年04月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

父親から明かされた吉祥丸の亡くなり様はあまりに気の毒過ぎる。
道真が怒るのは尤もなのだが、それはまだ彼が子供だからこそ真っ直ぐに怒れること。
藤原に抗することなど相手があまりに強大で無理だ。だからただ関わるなと言う。
なんとか道真には不幸が降りかからないよう、これはこれでお父さんの戦い方なのだろうが
疑うことを知らず無邪気な帝もいたわしい。

道真の家出が豪快だ。
僅かな情報から相手の正体を言い当てるところは流石。
船酔いで倒れ、身一つでは何も出来ないと思い知った後の己の知識で村人を救いハツを救う。
知識は知っているだけでは意味が無い。使え。
自らを奮い立たせる道真。
常丸も、口先だけでは人は動かないと娘の命も捧げる覚悟は凄い。
道真をよそ者と罵っていたのにいざ水が出れば神様扱い。調子の良いものだ。
ハツちゃんの笑顔が可愛いし、どうすれば良いのか、力とは何のためにということを道真が考えるきっかけになるのが良い。

業平が次々と災難に見舞われ始めるが、道真がどう解決するのか楽しみだ。

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2024年02月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

身内も駒としか見ていない辺り、藤原家の闇は深い。染殿…これ帝も可哀想。
是善父さんの心労如何ばかりか…寿命が縮んでしまう。。
道真がまたひとつ知りました。出奔してみてよかったね。
宣来子ちゃん登場。小さな台風みたいで良い。
サラッとプレイボーイ発言をして菅原父子をドン引きさせ、是則さんにツッコまれる業平。よくあんな事サラッと言えるな……女人の香りは覚えてるのとか確かにドン引きです。バンコランかよみたいな発言も。
そんな業平に呪い疑惑。続きも楽しみです。

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2022年12月25日

ネタバレ 無料版購入済み

藤原家の恐ろしさ

道真にかつていた兄は流行病で亡くなったと父是善から聞かされていたが、街で出会った男が狂犬(たぶれいぬ)にかかっていた事や当時の記憶から兄は藤原家に殺されたのではないかと確信する。
父にそれを言うが真実を言おうとしないので道真は苛立ちを募らせていた。

父の是善から兄の死の真実を告げられた道真は屋敷を出て行った。
道真は昭姫を頼りなるべく遠くに行く船に乗りたいと彼女に告げる。
明石へ着いた道真は船酔いと空腹で行き倒れるがそこの郷司の常丸とその家族に助けられる。
しかし常丸は井戸のトラブルで近所の人間と揉めていて自分の子供を人柱にしなければいけない危機に見舞われていた。
一宿一飯の恩義から道真は知識を総動員して井戸を掘りあてることになった。

道真に用事のあった業平は彼の屋敷を訪れたところ少女が空から降ってきた。
それを受け止めた業平だったが彼女の口からは歳とはかけ離れた推理力を聞かされる。
彼女、島田宣来子が道真の許嫁だと知らされた業平は驚愕するのだった。

色恋に興味のなさそうな道真に許嫁がいたことにびっくりしたけど当時は家同士が決める事が多く、そういうこともあるよなぁと考えを改めた。

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2022年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

染殿(藤原明子)の現状、道真の兄の死の真相が明らかに。
道真が机上の勉学から学ぶだけでなくその知識は使われてこそのものであり、それを使うということは責任が伴うということを知っていくというエピソードがとても良かったのですが、業平さんの女エピソードで笑いの印象が強くなってしまいました。(苦笑)
4巻は2015年秋の予定。

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2015年04月24日

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