きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。
感情タグBEST3
久々に道真が平安探偵らしい活躍をしています(笑)政争に敗れ20年の流罪を受けた老人探し、若い女を狙う鬼退治、菅家の名簿にない門下生の死体の謎、そして最大の天敵であるはずの藤原良房と伴善男が密会していたことも分り、応天門の変にどうつながっていくのでしょうか?
Posted by ブクログ
伴健岑の史実を絡めつつの物語展開が非常に面白い。
道実が自分で費用を用立てても関わろうとした一件。
わからないがしなくてはならない気がした
自分の中の理に従っただけ
という言葉が響く。
より強い力で脅すなら同じ穴の狢というのもわからなくはないが
腕力に限らず力が強い方が勝つのは仕方ないことだし
だからこそ悪に負けないように自分が強い力を持つ
または強い力を持つものを味方につけるのは間違っていないのではないだろうか。
小菊ちゃんがかわいくてとても良かった。
Posted by ブクログ
恒貞親王と伴健岑をめぐる道真の想いは、業平らの目線で見れば青臭く傲慢なのかもしれないが、なんとかできる知識と機転、力に手を伸ばせる地位に道真はいる。
この辺りの気付きと迷いがずっと描かれてきてたんだなあ。
そして段々と、進みたい方向が意識されてきている感じ?
そこに基経がどう絡むかが少し怖い。
道真の為すべきこと
もはや業平の駒扱いでは無くなって、自分でやることを選別するようになったのに成長を感じますが、自分がすべきことはなんなのか、藤原のご機嫌伺いもしなくてはならないのか、など苦悶するのが青春な感じでいいですね。
平安ミステリーというには軽い話が増えたので、ささっと読めてしまいましたが、良し悪しというか…。