荻原浩のレビュー一覧

  • 逢魔が時に会いましょう
    大学院生の高橋真矢(妖引き寄せ体質)が民俗学の助教授布目と一緒に各地の伝承について調べる話。布目と真矢が最後にいい感じになるところが好き。
  • メリーゴーランド
    地方テーマパークの建て直しコメディ。
    本当にある話なので、
    とても面白い。

    地方テーマパークでは、
    上級職員が癒着か独りよがりの権力で、
    湯水の如く、遊戯施設に資金を使い、
    ボコボコのスキー場を作ったり、
    ナイト営業を始めると、
    家庭の崩壊だと泣きわめいたり、

    本当に意識改革が必要になり、
    地元...続きを読む
  • オイアウエ漂流記
    しばらく積読だった。

    長編らしい厚みだったし。

    題名からは「飛行機が不時着して、どこか南の島に漂流して、サバイバル生活をおくる。そして、、、」
    なんていうあらすじがが容易に想像できたし。
    読んでみたら、想像通りだった。

    だけど、読み進める手が止まらなかった。一気読み。

    何故かな?本作は複数人...続きを読む
  • さよなら、そしてこんにちは
    色々な人が出てきた。特に私が気に入ったのは最後の長福寺のメリークリスマス。覚念がクリスマスの買い出しの様子を想像してニヤニヤした。
  • 海馬の尻尾
    やっぱり荻原さんは、ただの良い人のお話よりこの様なはぐれ者が主人公の方が断然面白い。これだけの長編だが一気に読みました。どんなに長くなっても良いから、途中で終わらないで最後まで書いてハッピーエンドで締め括って欲しかった。それでも久しぶりに堪能しました。梨帆ちゃんがんばれ!
  • 金魚姫
    切なくて淡い恋の物語。最後までじわじわと気が抜けなくて、他人の恋路をどうかハッピーエンドであれと切に願ってしまう。自分の信念と情がぶつかった時、情を選べる美しさが、わたし自身にもあればなぁと思いました。
  • 逢魔が時に会いましょう
    学生真矢の、妖怪と布目准教授への気持ちとが変化していくのが面白い。
    座敷わらしの章が一番すきかも。
    誰かにお勧めされたのに、誰か思い出せない。
  • 冷蔵庫を抱きしめて(新潮文庫)
    荻原浩、初めて読んだけどめちゃくちゃおもしろかった。
    まず1話目のボクサーのお話。やられてばかりだった母親があるきっかけでボクサーになり、DV男にやり返す!展開がおもしろすぎて、、スカッとしないわけない気持ちの良いストーリー。かと思えば奇妙な世界観に引き込まれてしまう、???な話もあり全てカラーの違...続きを読む
  • コールドゲーム
    「学生時代のいじめ」をめぐるミステリー。
    いじめは悪であり今回の復讐は因果応報だと考えるけど、それでもやっぱり復讐からはなにも生まれない。
    いじめに直接加担していなくても、止められる立場にいたのに止めなかったことを悔いている主人公。その主人公を許すことができなかった彼。
    一番つらい思いをしたのが誰か...続きを読む
  • 明日の記憶
    何年か前に映画を見ました。とても良かったけど、若年性アルツハイマーを患って記憶のすべてを失っていくというストーリーはあまりにも重いため、原作を読むことにためらいがありました。意を決して読んでみたら、やっぱり重たい。すごく重たい。もう涙で何も見えなくなってしまいました。エンディングは一番悲しいとこなん...続きを読む
  • 海馬の尻尾
    いつの間にか、主人公と少女の人間関係に引き込まれてしまった。珍しく乱暴な表現が多い作品だったが、読み返すと、少女の達振る舞いや言動が荻原作品らしさを出していたのかなぁ…

    主人公と同じ病気を持っている者として言えば、今後、主人公には幸せになって欲しい。終わりのない病気との闘いを続けながら…
  • 砂の王国(下)
    新興宗教を立ち上げ信者も増加。
    自分がプロデュースした浮浪者も徐々にやる気になっていた矢先にトラブル。
    3人で立ち上げたのだから協力していけばそこまでにはならなかったし、自分の信念だけを貫いて他2人を信用、、失敗を許せなかった…。
    から舵をとれなくなったのかな??

    肥大していく大地の会を壊すのか、...続きを読む
  • オロロ畑でつかまえて
    マンガ(って読まないから違うかもだけど)みたいな、純粋なお人好し達のドタバタ感が楽しかった。
    生まれてからずっと一緒の仲間はまるで家族のようで、村をなんとかしたいんだ!って気持ちが良かった。
  • 海馬の尻尾
    2020.09.04~09.09
    本当に荻原浩の作品?と思うような暴力から始まる物語。
    でも、最後は心温まるシーンがあり、やっぱり、彼の作品なんだと思う。
    良心とは?恐怖とは?女医のセリフが核心をついている。
    そして、女の子の無邪気さが、あどけなさが色を添えている。
  • 海馬の尻尾
    脳の一部が働いていないので恐怖感がないらしい。他者への共感がないので思いやることができないらしい。数値による判断を基に薬や様々なプログラムで改善しようとする、と書くととっても良いことに見える。でもその実態は……
    人の心は科学では測り切れないんだよ、こん畜生め! てな気分になってしまった。
    らいや ど...続きを読む
  • 金魚姫
    荻原さんの作品にはハズレがないんだけど、これは一番好きな作品になりそうです。ユーモア溢れるファンタジーではありますが本当に最後しみじみとさせられます。
  • 月の上の観覧車
    レビューを見ると40代以降にオススメとみんな書いてるけど、もっといろんな人に読んでもらいたい。

    本のテーマは過去。色んなところで選択を間違え、少しずつズレていって、昔思い描いたモノとは違う現在の自分の姿。長い年月と共に積み重なった間違いは相当の重みがあって、気づいたところでそう簡単に戻ることができ...続きを読む
  • 噂

    最後の最後

    正直なところ中盤にはレインマンが誰なのか分かった。と言うか意図的に気付き易い作りにしてあるような印象を受けた。

    結局噂に殺されたのは噂を利用した本人だけと言うのも皮肉が効いてて面白い。
    最後のオチも。
  • 砂の王国(下)
    一気に読んでしまった下巻。

    カルト系がもう恐ろしさというのが最後の最後で一気に出てきた。
    自分がコントロールしていたと思っていた者が自分の意に反して動き始め、彼の考えていることが分からなくなる。全てを完璧に進めようとするあまりに自分一人で抱え込んでしまい、余裕がなくなってしまい、それが結果的なボロ...続きを読む
  • 砂の王国(上)
    久々に読んだ小説。

    ホームレスにまで転落した1人の証券マンが社会への復習として宗教ビジネスを始める物語。

    ホームレスの辛さがとても伝わってくる描写と、主人公の抱えている歪さが垣間見えるようなものになっている。