三田誠広のレビュー一覧

  • 僕って何
    主人公の「僕」は、大学入学後まもなく、学生運動組織である「B派」のオルグに何となく応じてしまい、そのままB派の一員に収まります。やがて彼は同じ組織の戸川レイ子という女子学生と、やはり成りゆきで同棲することになり、その後も主体的な個の連帯を謳う全共闘に、括弧たる思想的根拠を持たないまま、乗り換えていき...続きを読む
  • 愛の行方
    題名の「愛の・・・」とは想像も出来ないストーリー。私の大学時代は学生運動が下火になった時。でも何と無く分かる気がする。恋愛もストイックだったよな。
    本当は「僕って何」のような、ちょっと甘くて切ないストーリーをイメージしてたけど、昔の虚しさが蘇るような作品。
  • 永遠の放課後
    高校生とも違う、大人とも違う『大学生』のもやもやを描いた物語。

    音楽やバンドの話をスパイスにいわゆる三角関係の恋愛を描いていた話なんだけど出てくる人が抱える悩みや劣等感がリアルだなって感じた。

    中学時代はアコースティックギターと歌を共通の話題として仲良くしていた3人。だが、大学生になり各々が違う...続きを読む
  • 永遠の放課後
    この人の小説はみな説明ゼリフみたいな抑揚のない言葉を登場人物たちに喋らせる。リアリティに欠ける一方で、なぜかその言葉だけに集中出来て逆に胸をうつ表現に鳴っている気がする。親友の彼女が好きなことを寸でのところで留まっている自分が好きなだけだった。納得できる
  • 空は終日曇らず
    上司の不祥事により自分も
    片田舎に左遷された。それならそれで、ここで結果を出そう。
    自分も頑張った。他の人も巻き込んだ。このままいけば、売上前年比200%増も可能だ……。

    勝気な主人公は周囲の人間を
    能力のない、つまらない人間と決めてかかり、そのなかで最大限努力する。俺はここから抜け出すと。

    ...続きを読む
  • 西行 月に恋する
    権力争いの時代に違うところで生きた西行法師の物語。中宮への言いようのない思慕を全面に押し出すことなく、理性的に彼女とその彼女の大切なものを憂え支えた姿が印象的だった。ただし妻子を捨てたのはちょっと残念。
    三田誠広の世界。大変読みやすい。
  • 実存と構造
    実存主義と構造主義について、文学的な観点から分かりやすく説明してくれる本です。
    個の存在として、世界(神)と一対一で対峙する実存主義の概念は理解しやすかったのですが、その実存の苦悩を、綿々と繰り返される歴史(構造)の中に組み込んで癒すという構造主義の説明はぴんときませんでした。
    しかし、これからの読...続きを読む
  • 一冊でわかる! 「仏教」って何?
    「親鸞」を読んで仏教に興味を持ったので、わかりやすい解説本はないかと探していたら題名が目についたので買って読んでみました。なぜ三田誠広が仏教なのか? はよくわかりませんが、冒頭の「大乗仏典は楽しい、面白い!」ということから始まり、かなり楽しく面白く、またわかりやすく読めます。仏教の歴史からいろいろな...続きを読む
  • ワセダ大学小説教室 書く前に読もう超明解文学史
    読書好きな人全般にオススメできる本。文学史を様々な国の背景を絡めてテンポのよい説明を展開しているので非情に分かりやすく、読み進めるうちに読むべき、または読みたい小説がどんどん蓄積されていく。作家のために書かれているが、これを読むだけで文学史っておもしろいんだと思うことができ、それだけでも収穫。個人的...続きを読む
  • 実存と構造
    人生とは何かという難問を解明するための思考モデルとして、実存と構造という概念を紹介した本。生きづらい時代にも関わらず、人生航路の指針となる思考モデルが用意されていない。現代の若者こそ知的ツールとしての思考モデルが必要ではないか、と述べられている。

    二つの世界大戦、社会主義革命や軍事政権による独裁体...続きを読む
  • 永遠の放課後
    なんとなく本屋で手に取った1冊。
    作者の三田誠広が高校の先輩なので読んでみました。

    今まで読んだ小説の中で1番感情移入できたように思います。

    泣かしにかからないのがよかったです。

    久々に本を読んで鳥肌がたちました。
  • ワセダ大学小説教室 深くておいしい小説の書き方
    別に小説を書く気はないのですが、三田さんの天気のよい日は小説を書こうが面白かったので読んでみました。小説家を志している人の世界が垣間見えました。へ~!!(古・・・)というような指摘されないとわからない、小説家にとって大事な観点が提示されていて、この観点は読者として持っていても損はないな~
    そんなこ...続きを読む
  • ワセダ大学小説教室 書く前に読もう超明解文学史
    創作のために文学史を効率よく整理した書。
    ①ロマン主義(物語的、記号的)から自然主義へ
    近代小説(リアリズム)のはしり
    <イギリス>
    ・「ドンキホーテ」(ロマンス批判)
    ・「高慢と偏見」(個性的な人物)
    ・「嵐が丘」(ロマンス風だが同上)
    <フランス>
    ・バルザック「人間喜劇」
    ・デュマ「モンテクリ...続きを読む
  • 永遠の放課後
    難しいよね、人間って。
    恋愛だけでもなく、親子だけでもなく、音楽だけでもなく・・・
    大学生青春記。
    いちご同盟(中学)⇒春のソナタ(高校)⇒永遠の放課後(大学)ね。
    もちろん主人公や境遇はみんな違うけど。
    繋がっているのは音楽。音楽はひとつ。
    各章のタイトルが、その章の最初の文だった。 ...続きを読む
  • マルクスの逆襲
    唯物史観のリポートに役に立つかなと読んでみた。
    噛み砕いて、体験をもとに(著者がこちこちのマルクス主義者だったわけじゃないが)書かれてるだけあって、読みやすいし中立的。
    八十年代後半生まれとしては、マルクスというだけでなんか怖いような、キワもののような気がしていたのだが、…そんな人間むけの本かも。
    ...続きを読む
  • 永遠の放課後
    登場人物たちの会話が、説明口用で不自然でおかしい。僕は笑っちゃいました。
    でも、主人公の心情がしっかり描かれていて結構サクサク読めました。
  • 永遠の放課後
    うまくいきすぎ感がある。いちご同盟と若干かぶっているというか設定が似ている感じがする。しかしなんだかんだ言いながらも夢中で読んでしまった。(…)
  • 永遠の放課後
    どこか切なく、けれど温かい恋愛青春小説。
    先に『いちご同盟』を読みましたが、私はこっちのほうが好きです。
  • 永遠の放課後
    この話が、他「いちご同盟」と「春のソナタ」を含めた三作品の中で一番輝いてた。お父さんがよかったです、じんときて読んでいるこっちが嬉しくなった。バンドっていうのもいい。大好きなお話。
  • 永遠の放課後
    いちご同盟に続く恋愛青春小説。

    大学生の話だから、入り込みやすい。

    ライブの爽快感が伝わってきます。