三田誠広のレビュー一覧

  • 高校時代
    進学校に入学した目立たない高校生の真(まこと)が主人公の物語です。彼は、高校生でありながら学生運動にもコミットして学校の規則に戦いを挑もうとする鳳(おおとり)や熊沢(くまざわ)といった早熟な仲間たちに出会い、刺激を受け、やがて高校を中退して小説を書くことを決意します。

    受験雑誌として有名な『蛍雪時...続きを読む
  • 実存と構造
    構造主義と実存主義のからみについて。実存の”孤独”を断ち切る手段は構造によって孤独を一般化することである。
    ...であれば構造の”不毛さ”を脱却するのにも実存によって夢を与えることが効くのか?


    この二つの分け方ではちょっと納得いかないところもあるけど、面白い。そして今の自分の趣味としては.......続きを読む
  • 道鏡 悪業は仏道の精華なり
    歴史の中では悪者となっている道鏡を純粋な人として描いている。説明的な文章のため物語の中にいまいち入り込むことが出来なかった。
  • 永遠の放課後
    恩師にプレゼントされた本。

    五年ほどあけて二度読んだ。

    最初に読み終えた時は、良かったなと思ったが、

    二度目に読み終えた時は、なんだかやるせない気持ちが残った。
  • 十七歳で考えたこと
    著者は17歳のころ、高校を一年間休学し、処女作を書き上げた。その頃どっぷりと浸かった読書生活の中で得たものについて、非常に読みやすく書き綴っている。それはタイトルと同じ年頃の読者を想定してのことか。
    パスカル、キルケゴール、イエス・キリスト、釈迦といった思想的なものから、ドストエフスキー、梶井基次郎...続きを読む
  • 実存と構造
    実存主義や構造主義を論じた本ではなく、それらが文学作品の中でどのような役割を担っているか、分かりやすく解説した文学論。平易で読みやすく面白い。個人的な感想として、実存と構造の結合という点では、実存を包み込む構造という結論で終わらせるには少々物足りない感もあり、ひとつの疑問提起になった。
  • 永遠の放課後
    大学生の「ぼく」は、中学生の頃から親友の恋人・紗英に想いを寄せていた。しかし、親友を傷つけたくなくて、気持ちを告げることができない。そんな中、プロの歌手だった父譲りの才能を買われ、活動休止中の人気バンドのボーカルにスカウトされる。そして、ライブに紗英を招待した夜、恋は思わぬ方向へと動き始めた。友情と...続きを読む
  • 高校時代
    「蛍雪時代」に掲載されていた、昭和39年に高校に入学した著者の学生経験をもとにした小説。

    あの時代の高校生は、政治的に早熟な気がしていたが、僕の時代と同じように、将来が不安であり、自分は何物にもなれないと思い、大学進学とそのための勉強の意義に疑問を抱いていた。

    解説によれば、「ジュニア小説」とし...続きを読む
  • 永遠の放課後
    ヒカルと杉田と紗英。それぞれが思い悩んでた。なんで相手の気持ちをはっきり訊かないんだろうってもどかしかった。綿貫さん、いい人だな。
  • パパは塾長さん 父と子の中学受験
    作家、三田 誠広さんが次男の中学受験を塾長さんとなって支援するお話。
    印象的なのは、三田さんが中学受験を決して否定的に捉えていないこと。受験勉強を否定する人は、現実の入試問題を見たことがないのではないか、とのこと。そして、三田さんは、実際の入試問題は単なる暗記力や計算力を問うのではない良問が多いこと...続きを読む
  • 僕って何
    新刊で並んでたので。

    と思ったら30年前の芥川賞らしいです。

    そんな時代背景でした。

    僕って何ってずっと人生の疑問だわ。
  • 永遠の放課後
    中学生の時からの親友・杉田、その恋人・紗英、そして僕。
    他にも三人の微妙な関係というのが出てくる。
    とってもピュアな感じで爽やかな読後感。
  • 永遠の放課後
    「ぼくの大切な人は友だちの恋人だった」
    親友の彼女を好きになった男の子の話。
    主人公が、プロの歌手になるにつれて・・・。

    読み終わったあとは、何だか爽やかな甘酸っぱい感じと、少し悲しい感じ。

    登場人物のその後が気になって仕方ない。
  • 実存と構造
    実存主義と構造主義について、主にフランス文学と南米文学と日本文学を絡めて紹介した文学論の本。


    上記思想の定義や論考について期待すると、ちょっとがっかりだと思われるが、本書冒頭にそのことが述べられているので、リアル書店で手にした方は冒頭を読んでから購入することをお薦めします(私はリアル書店で文学論...続きを読む
  • 実存と構造
    構造主義がどうにもしっくりこない。何回もきいたり読んだりしたけどやっぱりなんかなー。この本でもしっくりこなかったです…
  • 道鏡 悪業は仏道の精華なり
    日本史で一番好きなヤツ。


    宇佐八幡神託事件。


    その事件の当事者?道鏡さん。


    ずっと悪い人だと思ってたけど。


    これ読んだらそんなに悪い人でもないのかなーとも思えてくる。


    第一章はそんなに面白くなかったけど、第二章以降はスルスルと読める。


    面白かったー。
  • 永遠の放課後
    名前を呼んだのは、今がはじめてだ。


    中学生のときから、親友の恋人に恋をするぼく。
    大学生になってもそれは変わらず、だけど何処か疎外感を感じて・・。

    っていう調子で進んでくんだけど。
    盛り上がりは一切なく、途中で飽きてしまった。
  • 永遠の放課後
    三田さんの初めての作品。

    スラスラ読めて違和感がなく、スッキリな文章だったので
    今後も読んでみたいと思いました。

    ただ、この作品についてはあまり個人的には
    終わり方が好きではなかった。
    途中も終わりかけも、早く読み進めたいと
    思ったのに、ちょっと残念だったな。
  • 西行 月に恋する
    平安末期、白河院の養女であり、鳥羽院の中宮の待賢門院璋子に仕えた西行(佐藤義清さとうのりきよ)は和歌・流鏑馬・蹴鞠など文武両道に優れた武士であった。璋子に心酔した義清は出家し璋子の志をかなえるために奔走していく。史実をもとに西行の若い頃を中心にした内容であった。
  • 永遠の放課後
    三田誠広の小説は、音楽に纏わる恋愛小説が多い。どれも綺麗な物語なんだけど、個人的には

    春のソナタ>いちご同盟>永遠の放課後

    となってしまう。悪くはないのだが、先の二つが素晴らしく良かったので、ほんの少し物足りない感じ。