宇江佐真理のレビュー一覧

  • あやめ横丁の人々
    うっかり映画より先に読んでしまいました。

    わがまま(というか良くも悪くも武家社会で育ってきた)若様が町屋暮らしに馴染んでいく流れは秀逸。

    最後はちょっと切ないです。
  • あやめ横丁の人々
    初めて読んだ宇江佐さんの本、帯で興味、挿画で興味。しっとりとした市井ものなんて……と思っていたら大間違いでした。
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話
    女流作家らしい色気がある。決して直接的な描写をしているわけではないのに、しっとりとした色香を感じる。
    自分がこれまで触れてきた江戸時代を舞台にした小説は、大店の若旦那であったり、同心や与力といった役人であったりが話の中心で、必死に日銭を稼ぐ町人を主人公にしたものはとても新鮮に感じた。より江戸の街に生...続きを読む
  • 雨を見たか 髪結い伊三次捕物余話

    廻り髪結で北町奉行定廻り同心の小者を務める伊三次の物語第7段。前作に続き同心見習いとなった同心の嫡男の活動ぶり、伊三次一家の息子、同心一家の同じ年の娘の成長を感じさせるエピソード・・・。やっぱりおもしろい。
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草
    薬種屋のご隠居、与平が始めた『聞きや』という商売。身内や友達より、他人の方が話しやすい、というのは何となくわかる。
    自分の事を全く知らないから詮索されることもなくて楽だ。
    与平に語りかける様々な人達の話と、与平の家族のゴタゴタ。癖の強い客に対してもトラブルに巻き込まれても常に鷹揚に対応する与平に人と...続きを読む
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―
    同名の舞台を観たことがあったから手にとりました。
    が、違った…。
    それでも読み進めていくうちに面白くなり一気に読めました。
    江戸の庶民?の人情ある暮らしが描写されてていいですね。
    これ、作者が亡くなりもう続きが読めないんですね。残念。
  • 君を乗せる舟 髪結い伊三次捕物余話
    髪結い伊三次捕物余話の第六弾。不破の息子が同心見習いとして出仕となり、そこから物語は進みます。妖刀などホラー的な物語も入ります。
  • ウエザ・リポート
    私が現在函館在住で、宇江佐真理さんは高校のOGでいらっしゃるので、母校の話や函館人の様子など、とても楽しく読めました。

    宇江佐さんの気質はいわゆる「函館の女」っぽいと思います。
    派手に暮らしたり、人脈を広げるのは好きではなく。
    でも地域やご近所の人とは仲良く、行きつけのお店で飲んだりするのも好き…...続きを読む
  • 十日えびす〈新装版〉
    現代にもあるような家族やご近所さんとの付き合いなど、様々な問題を江戸時代に置き換えてあるような作品で、共感したりあるよな〜と頷きながら読めました。主人公の八重さんの人柄がなんとも良いです。こんな人が家族やご近所さんに居てくれたらなと思います。
  • 黒く塗れ 髪結い伊三次捕物余話
    伊三次が小者をつとめる町方同心の不破友之進と妻のいなみに、待望の女の子が誕生する(「蓮華往生」)。一方、伊三次の女房・お文も出産を間近に控えていた。だが、お文の子は逆子(さかご)。伊三次は不安を抱きながらも、人斬り請け負いの下手人を捕らえるために奔走する(「月に霞はどでごんす」)。惚れたお佐和のため...続きを読む
  • さんだらぼっち 髪結い伊三次捕物余話

    髪結い伊三次捕物余話シリーズ4です。今作も良いですね。お文が懐妊します。中身は、廻り髪結い伊三次の女房になったお文は、「さんだらぼっち」と呼ばれる木戸番の店で、ある父娘と知り合いになる。再会を約束したお文だったが、その父娘に悲劇が起こる・・・。表題作「さんだらぼっち」を含む5編を収録。
  • さらば深川 髪結い伊三次捕物余話
    髪結の伊三次シリーズの第三弾。さらば深川。
    伊三次とお文の関係は果たして・・・。
    今回も面白いです。前半は幻術使いのホラー仕立て。後半は、お文も騙されそうになる詐欺かと思いきや、男の嫉妬。中々良くできます。
  • 甘露梅 新装版~お針子おとせ吉原春秋~
    2023年12月19日
    愉快な会話が楽しい。
    おとせの優しさ、人を見る目、事情を理解する力。
    信頼にあたいする人だ。
    吉原の過酷な決まりごとにやるせない人たち。
    それがあるからこそ、吉原は高い文化があるのだろう。
    頭の弱い福助さんが正装して茶の湯をたてる、美しいと思う。
    みなの幸せを願う気持ちになる...続きを読む
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話
    第二弾も面白いです。

    材木商伊勢屋の主人・忠兵衛からの「世話をしたい」という度重なる申し出に、心揺れる深川芸者のお文。一方、恋人の伊三次は、本業の髪結いの傍ら同心の小者として、頻発する幼女殺しに忙殺される日々。2人の心の隙間は広がってゆく(表題作)。そんな時、小間物問屋の大旦那・惣兵衛殺しの嫌疑が...続きを読む
  • 富子すきすき
    うーん、やっぱり亡くなってからの出版は嬉しいけど、なんだかどれもこれも未完成な響きだし、終わり方も読者に投げる感じがする。お蝶を嫁に出来ない哀しい男は本当に哀しい。なんで庇ってやれないの、これもお蝶の為とか意味がわからん、それだと赤穂浪士も武士の鏡と称賛されたって事も自分は全然思わない、これどこが誉...続きを読む
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話
    宇江佐真理の髪結い伊三次捕物余話シリーズの一作目になります。本当に面白いです。伊三次と文吉に幸あれ。
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話
    読み応えのある、読後感のよい時代ものがいいなあ、という願いを叶えてくれる宇江佐真理さんのシリーズ。
    再読だけど、すっかり忘れているので、楽しく読めた。
    文吉ねえさんがかわいい。いなみさんもいい。
  • 通りゃんせ
    マウンテンバイクで旅をしていたら、ある時ワームホールにぶつかって江戸時代の農村に飛んできてしまう主人公のお話。飢えや理不尽な取り立てに苦しむ農民の生活を経験しながら、周りの人たちと絆を深めていく。後半の展開が多少好みではないけど、どんどん読み進めたくなる面白さがありました。
  • 昨日のまこと、今日のうそ 髪結い伊三次捕物余話

    えっ!?

    作者、亡くなってたんだ!「ぶんこのためのあとがき」を読むのを、楽しみにしていたのに、癌を告白されて、前作から、無くなって、ここで、他の方の後書きで、知らされた。後少し、惜しみながら読もう。
  • 竈河岸 髪結い伊三次捕物余話

    残念で….….

    これで、本当に、終わりなんだなぁと、感慨深いものがある。もっともっと、読んでいたかった。まだまだ、続いて欲しかった。残念でならない。