宇江佐真理のレビュー一覧
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私は、後書きは、読まない主義なのだが、「ぶんこのためのあとがき」とあり、この文庫の為に、書かれた物のようであったので、読んでみたら、結構、面白かった。どういう経緯で、その作品が出来たかとかは、興味深い。作者が病気をされてというのは、とても心配だ。いつまでも、お元気で、作品を、多く書いて欲しい。
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行方不明になった赤ん坊、世継ぎ争いの渦中に巻き込まれた茜と、権勢欲の塊の藤崎というお局(嫌なオバサン)、久兵衛の恋路、世の中、なかなかままならない。….….最後の龍之進の子供が産まれたのだけは、手放しで、めでたい。
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若者達の話も、龍之進の結婚で、一段落して、その次世代、妹の茜、伊三次の息子の伊与太、龍之進の妻のきい、達の話になった。各々の過去、旅立ち、その未来へ、話は、続く。
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龍之進を中心とした、若い人達の話になった、仲間の結婚、失意の友人を慰め、お姫様を助け、日々成長していく。家事で焼け出された伊三次達の、これからは?話は、まだまだ続く。
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不破友之進の息子が、元服して、見習い同心として、奉行所に出仕し始めた。今回は、息子、龍之介改めて龍之進の話が、多かった。初恋の女性の窮地を救い、嫁入り船の船になりたいと、嫁入りする彼女の船出を、見送った。一つ大人への階段を上った….….
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慈雨は「直次郎を、幸せにしてください」という、読者からの手紙から、生まれた作品で有ったらしい。幸せになって、本当に良かった。あのまま消えていたら、可哀想過ぎるもの。黒く塗れが、矢沢永吉さんの歌がから、生まれたというのも、面白い。
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心を寄せるお文との仲違い、人殺しに間違えられそうになる、幼なじみの急死、同心の妻の敵討ちを止め、下っ引の恋の取り持ちをし、なんて忙しい伊三次….….読んでいる方も、忙しい。
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相変わらずの宇江佐節ですが、どこか遣る瀬無い気持ちが残るお話でした。
哀しいなかでも、少しホッコリ出来るのが宇江佐さんの特徴ですが、今回は少し切ないウエイトが強かったかと思いました。
これはこれで良かったですが...Posted by ブクログ -
内容(ブックデータベースより)
両国広小路にある水茶屋の娘・お初に、青物屋の跡取り息子・栄蔵との縁談が舞い込む。誠実な人柄に惹かれてゆくが、栄蔵の家が全焼し、二人の関係は思わぬ方向にすすむ。江戸下町を舞台に若い男女の純愛を描いた、感動の時代小説。
令和5年3月20日~22日Posted by ブクログ -
髪結い伊佐次シリーズ一弾。
廻りの髪結伊佐次がもう一つの仕事である下っ引きとして関わった事件を描いた捕物帖。
恋人である深川芸者、お文との恋模様や、同心不破との関わりなども描かれている。
捕物帖だが市井ものでもあり、江戸の人情咄として楽しめる。
捕物咄ではないけど、畳職人の老女の話「備後表」がしみじ...続きを読むPosted by ブクログ -
体中に傷がある権左が、岡っ引きをつとめて江戸の町と家族をまもる時代小説。医者でもある妻のあさみがいい感じ。体の傷は、かつてあさみを助けるために侍たちに斬られたものだが、命をとりとめたものの傷が原因で作中後半に床に伏せるようになり、身を挺して娘を助けて死ぬ。結構面白かった。Posted by ブクログ
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宇江佐真理さん、安心して楽しめる安定感です。「富子すきすき」、2022.5発行。藤太の帯、堀留の家、富子すきすき、おいらの姉さん、面影ほろり、びんしけん の6話。「堀留の家」と「面影ほろり」がお気に入りです。Posted by ブクログ
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藤沢周平の『橋ものがたり』を意識したかの、江戸の虚実含めた河岸を副題にした、市井小説6篇。
どの作品も江戸の情緒をたっぷりと味わわせてくれ、しみじみとした余韻がある。
異色なのは、「河岸の向こう」。輪廻転生を思わせ、SF的でもある。Posted by ブクログ -
宇江佐真理さん「憂き世店」、松前藩士物語、連作6話の長編時代小説、2004.10刊行、2007.10文庫。松前藩が国替え・降格となり、松前藩士相田総八郎32歳は江戸の裏店暮らしに。一方、松前の親戚で嫌がらせを受け続けた妻のなみ20歳は夫を探しに江戸に。徳兵衛店で暮らす2人を描いた第1話「憂き世店」...続きを読むPosted by ブクログ
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んー、さすがに「死ね」はあかん。
腹立ちで、頬を叩くまではどうにか、仕方なしに受け入れるが、「死ね」とまで言われては、受け入れられません、私ならば。
でもなあ、それが昭和の女性作家の見てきた有り得る夫婦像なのだからなぁ。
まぁ昔書かれた小説ってことなのね。
このクソ旦那が女房に惚れていたという設定は...続きを読むPosted by ブクログ