宇江佐真理のレビュー一覧

  • 日本橋本石町やさぐれ長屋
    やさぐれ長屋という日本橋の裏店に住む住人達の短編話。
    井戸端会議から貧乏暮らしの生活までそれぞれの
    長屋に住む個性豊かな住人たち。
    涙あり笑いありで繰り広げられる、人情話多め
    最後長屋が無くなるんじゃないかとヒヤヒヤしたけど
    遠い親戚、近くの他人。みんな仲良いいんだなとほっこり。
  • 心に吹く風 髪結い伊三次捕物余話
    子供たちも育って、いろいろあるなあ、と。
    良い人情もの。
    龍之進の奥様になったきい、良いキャラです。この夫婦がとても可愛くて好き。
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話
    人の心の機微が細やかで好き。
    伊三次とお文はこれからどうなるのかな?
    得体の知れない気持ちの伊勢忠がちょっと気になる。
    弥八
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話
    江戸情緒、人情。庶民のつましい暮らしの中の悲喜こもごも。
    大きな謎や快刀乱麻などはないが、心に染みる。
    伊三次とお文のカップルの今後を見守りたい!
  • 雪まろげ―古手屋喜十 為事覚え―
    どこで購入したか記憶していない…シリーズ2冊目だが、一冊目を持っているワケでもない。大好きな宇江佐真理の作品なので手にしたのだと思う。古手屋(古着屋)に同心が手先的な事をやらせている。その事件(?)簿的な短編集。とにかく宇江佐真理のストーリーテリングっぷりが素晴らし過ぎて、あっという間に江戸の生活が...続きを読む
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    主人公の夫や家族との関係性がストーリーの軸になりつつ、章ごとに色々な出来事・事件が巻き起こっては解決される(少し珍しい料理をキーに)という、飽きさせない構成が素晴らしい。そしてのぶさんの夫・お姑さんとの関係性にぐっとくる、ほろ苦い読後感が著者らしくて、なんだかじんわり涙がにじむような作品。
  • 深尾くれない
    宇江佐作品にまだ未読があった。
    おかげで久方ぶりに新作(?)を読むことが出来た。

    史実から推測すると、最後まで救いのない感じで進んでしまうのかと思ったが、最後は哀しくも晴れ晴れとした感じで終わった。

    市井もの以外にも、いろんな作品の構想をお持ちだったのだろうなぁ。
    今更ながら、逝去が何とも残念。
  • 幻の声 髪結い伊三次捕物余話
    どの話も良いが、「備後表」が良かった。
    幼い頃に両親と死別し、姉の婚家へ身を寄せて使用人のような扱いを受けていた主人公に母と呼ばれるほど優しかった畳表の職人が口にした最後の願いにまつわる話である。

    藺草の問屋だったという私の母の実家に畳表の織機が残されていた事もあり、惹かれた。あれを個人の家に置い...続きを読む
  • 紫紺のつばめ 髪結い伊三次捕物余話
    Lampの岩さんにお勧めされて以来、宇江佐真理さんの作品にはずるずるズルズルと引きずり込まれっぱなしです。うちにはまだ平積みにされた、読まれるのを待っている本が山になっているというのに!

    …なのに、徒然舎の書棚で見つけて手に取ってしまいました。もちろん買っちゃいました。その時読んでいたのがカミュの...続きを読む
  • 竈河岸 髪結い伊三次捕物余話
    目次
    ・空似
    ・流れる雲の影
    ・竃(へっつい)河岸
    ・車軸の雨
    ・暇乞い
    ・ほろ苦く、ほの甘く
    ・月夜の蟹
    ・擬宝珠のある橋
    ・青もみじ

    単行本の最終巻『擬宝珠のある橋』収録の短編3本も収録された、文庫本のシリーズ最終巻。
    まだ、まだまだこの先の話も読みたかった。

    突然話に復活してきた薬師寺次郎...続きを読む
  • 聞き屋与平 江戸夜咄草
    Lampのマスター、岩さんからオススメされた短編連作集です。最初の「聞き屋 与平」を読み終わったところですが、とても面白く一気に江戸・両国界隈に引きずり込まれました。最後まで読み終わったら、コメントを足すことにします。
    (2020/10/04)

    読み終わりました。なんて素敵な物語だろう!ネタバレは...続きを読む
  • 明日のことは知らず 髪結い伊三次捕物余話
    この巻は伊三次の弟子の九兵衛の巻でした。
    『あやめ供養』で事件を解決した伊三次は、礼がしたいという町医者松浦桂庵に弟子の九兵衛のための台箱(道具箱)をねだります。
    そしてその九兵衛に縁談が舞い込む『赤い花』。
    その相手は魚問屋のおてんちゃん。男勝りどころか中身はほとんど男だという。
    おてんちゃんが娘...続きを読む
  • 室の梅 おろく医者覚え帖
    2020/4/5
    江戸時代の検視官のお話。
    そんな言葉はないからおろく(=死体)医者ですって。
    おろく医者の正哲も妻で産婆のお杏も愛すべき人たち。
    江戸時代のお仕事小説かも。
    仕事に対する姿勢がかっこいいです。
    お互いの仕事を理解して労わる姿も。
    赤ちゃん生まれてよかった!
  • 竈河岸 髪結い伊三次捕物余話
    読み終えてしまった。幻の声から、ぽつぽつと読んでいたけど、最後の方の巻からはページをめくる手が止まらないほどだった。
    本当に、もっと読んでいたかった。伊予太と茜の未来や、お吉の女髪結としての仕事や結婚、龍之進ときいの子どもの栄一郎のこれから。もっと見たかったなぁと思いながら、ここまで楽しく江戸の人々...続きを読む
  • アラミスと呼ばれた女
    幕末から戊辰戦争終結後の長崎、江戸、蝦夷において、女性ながら男装して、お雇い外国人の通訳にあたった「お柳」の物語。箱館戦争から北海道の開拓に深く関わった榎本釜二郎(武揚)との関係を中心に描かれているが、お柳の潔さ、一途な姿勢が、湿っぽくなくてとても好感が持てる。当時女性は通詞(通訳)にはなれない文化...続きを読む
  • 泣きの銀次
    宇佐江真理さんの作品はテンポの良い江戸弁を上手に使い作品自体にほど良いリズムを刻ませているところにあると思う。妹が猟奇的な殺され方をした。大店の息子の銀次は岡っ引きになったのだが、死体を見ると子供のようになくために、泣きの銀次なんて言われている。10年がかりで犯人を追い詰めていく様はなかなかに面白く...続きを読む
  • 竈河岸 髪結い伊三次捕物余話
    2019/3/15
    とうとう最後まで来てしまった。
    伊与太と茜が気になるけど、続きはあの世で出版されてるかしら。
    死んでからのお楽しみってことで。
    過去に過ちを犯した次郎衛との関係がよい。
    仲間の一人が強固に反対していたのは保身だったのかなぁ。
    それがまたほろ苦くていいんだよ。
    人は誰しも一筋縄では...続きを読む
  • 糸車
    2019/02/24
    やっぱりすごいいい。
    江戸情緒も人情も大好き。
    いろいろ翻弄される人間ドラマは今も同じ。
    それと言葉の美しさが好き。
  • 月は誰のもの 髪結い伊三次捕物余話
    2019/2/5
    すっ飛ばされて気になっていた年月を回想する形。
    読んでる間は夢中だから思わないけど、章を読み終えるたびに思うのは作者が死を宣告されていて、おそらくもうかなり目前に迫ってると思われること。
    だから感謝して生きようとか言われると何とも言えない気持ちになっちゃうのよね。
    身につまされるけ...続きを読む
  • 卵のふわふわ 八丁堀喰い物草紙・江戸前でもなし
    出てすぐ、10年前に読んだが、じんわりよい読後感だったことを覚えています。この作者の食べ物の表現が好き。このあとしばらく作者買いしてました。