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誰がお菊を殺したんでェ。最愛の妹の命を奪った下手人を追って、大店の若旦那の地位を捨てた、人呼んで「泣きの銀次」。若き岡っ引きは、物言わぬ死体の声を聞いて涙する。お侠(きゃん)な娘、お芳の健気な想いを背に受けて、めざす敵は果たして討てるのか? 鮮やかな筆が冴えわたる女流時代小説作家の人情捕物帳。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
宇佐江真理さんの作品はテンポの良い江戸弁を上手に使い作品自体にほど良いリズムを刻ませているところにあると思う。妹が猟奇的な殺され方をした。大店の息子の銀次は岡っ引きになったのだが、死体を見ると子供のようになくために、泣きの銀次なんて言われている。10年がかりで犯人を追い詰めていく様はなかなかに面白く...続きを読む、同時進行で展開されるお芳との恋もおもしろい。
妹の死をきっかけに、江戸の大店の跡取りの地位を捨て岡っ引きになった「泣きの銀次」が主役の長編。あまり厚くない本でもあり、さらさらり〜っと読めました。捕り物を中心とした人情噺ですが、市井のいろんな職業のヒトビトが登場して、いつものようにとても面白いお話でした。「伊三次シリーズ」とはまた少し趣の異なるカ...続きを読むンジで、なかなか良いです。「続」もすでに手元にあるので、楽しみであります。むひひ。
この作品は宇江佐氏の本になった順番で言うと二番目。 に、してはというすばらしい出来である。 江戸の市井といい、登場人物の細かな表情といい まるで映像が見えるようだ。 こと細かに考えて見ると、 銀次やその周りの人間に起きた事件は 悲惨そのものである。 それでも登場人物の描写がそんな事件を あまりど...続きを読むろどろとしたものに感じさせず 最後まで惹きつけて離さず、そしてすっきりと幕引き。 見事。
始めの話の持っていき方が、ミステリー・謎解きの感じだったのですが、その面では期待しない方が良いでしょう。人情物という見方が正しいと思います。 まずは銀次とその恋人のお芳(岡引・弥吉の娘)のキャラクターですかね。泣きというキャラクターは新鮮ですし、お芳は宇江佐さんらしい、おきゃんな娘です。あと、強面...続きを読むの同心とその息子のやり取りも良いですね
小間物問屋・坂本屋銀佐衛門こと銀次が妹を殺されたのをきっかけに岡引の手下となる。死体を見ると泣かずにはいられないことから泣きの銀次の異名を持つという設定。設定は味があって面白い。宇江佐らしい捕物小説
宇江佐真理「泣きの銀次」、2000.12発行。老舗・小間物問屋「坂本屋」の若旦那であり、かつ八丁堀の泣き銀と呼ばれる岡っ引きでもある銀次28歳と坂本屋の女中お芳17歳の長い長い道のりのラブストーリーです。
2019/4/21 被害者を見て号泣する岡っ引きっていうのは素敵なんだけど、時々登場人物の感情について行けない場面があった。 家族が毒殺されたのなんか、大事件の割には軽めに流された。 おかん復活してるのすげぇ。 嘆いてる場面もなく喧嘩とかしてるし。お芳追い出してるし。 お家が大事やし、今より人の命が...続きを読む軽かったからかなぁとか思ったけどなんか肩すかし。 こっちはモヤモヤしてるから一緒に先に進めなくて置いてけぼりやった。
捕り物だけあって犯人当て謎解き部分が多いが案外簡単な話だ。それよりも銀次という岡っ引きの魅力が何とも微妙だけど、お芳と結ばれたことはよかった。「お前だけ助かって」の台詞が出たときは、思わず悲しくなってしまった。
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