感情タグBEST3
Posted by ブクログ
目次
・空似
・流れる雲の影
・竃(へっつい)河岸
・車軸の雨
・暇乞い
・ほろ苦く、ほの甘く
・月夜の蟹
・擬宝珠のある橋
・青もみじ
単行本の最終巻『擬宝珠のある橋』収録の短編3本も収録された、文庫本のシリーズ最終巻。
まだ、まだまだこの先の話も読みたかった。
突然話に復活してきた薬師寺次郎衛が、この先どんな親分に成長するのか。
作者はどうして次郎衛を復活させたのか、その真意がわからないまま尻切れトンボになってしまったのは、全くもって惜しい。
そしてこのシリーズでずっと私が好きだったのは、とにかく伊与太が出てくるシーン。
「おいら、いい子だから、わがまま言わなかった」と泣いた伊与太。
「おっかさんが、いっち綺麗」という伊与太。
茜にわがまま言われても「お嬢」を立てることを忘れない伊与太。
小さかった頃の伊与太の姿は、いつでも目の前に鮮やかに浮かぶのだ。
そんな伊与太が、どうしても許せないことがあって師匠の家を飛び出した。
「おいら、行くところが無くなっちまった」と北斎の前で泣く伊与太。
せめてせめて伊与太の行く末だけでももっと読み続けたかった。
そんな詮無いことを思い、後ろ髪を引かれる思いで巻を置いた。
Posted by ブクログ
読み終えてしまった。幻の声から、ぽつぽつと読んでいたけど、最後の方の巻からはページをめくる手が止まらないほどだった。
本当に、もっと読んでいたかった。伊予太と茜の未来や、お吉の女髪結としての仕事や結婚、龍之進ときいの子どもの栄一郎のこれから。もっと見たかったなぁと思いながら、ここまで楽しく江戸の人々の暮らしに触れさせてもらい、とても素敵な人々の人生を一緒に感じさせてもらって、ありがとうと言いたいです。
Posted by ブクログ
2019/3/15
とうとう最後まで来てしまった。
伊与太と茜が気になるけど、続きはあの世で出版されてるかしら。
死んでからのお楽しみってことで。
過去に過ちを犯した次郎衛との関係がよい。
仲間の一人が強固に反対していたのは保身だったのかなぁ。
それがまたほろ苦くていいんだよ。
人は誰しも一筋縄ではいかないのだね。
残念で….….
これで、本当に、終わりなんだなぁと、感慨深いものがある。もっともっと、読んでいたかった。まだまだ、続いて欲しかった。残念でならない。