三十五歳、独身、彼氏なし、失業中。長山歩美(あゆみ)は敬愛していた叔母を若年性アルツハイマー病で亡くす。
大学病院の主治医でもある佐野将彦(まさひこ)は、病院長の誤診を疑い、解剖をして死因の調査をする。
そんな中、同じ若年性アルツハイマー病の患者に毒物混入飲料による殺人事件が3件も立て続けに発生する
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歩美の叔母にも差出人不明のジュースが送られてきて廃棄処分にした経緯があったことから、叔母も殺人の対象になっていたのではないか、という疑念が浮かぶ。
それまで互いに悪い印象を持っていた2人は、次第に協力して調査をしていく。そして意外な原因が浮かび上がってくる・・・。
物語の前半と中盤はやや間延びした印象を受け、筆者の作品にしては読むスピードは遅かったです。
ただ、物語の後半になって事件が一転してからはあっという間に読み終えてしまいました。
医療関係ミステリーはそれほど多く読んだことがないのですが、本作で取り上げられていた病気(アルツハイマー病とは別の病気)のことは全く知りませんでした。
そのせいで身近に感じられずに緊迫感みたいなものが少なかったのが、後半以外に魅せられなかった原因かもしれません。
それでも「終わり良ければすべて良し」と言う通り、読後感は良い印象を受けました。