仙川環のレビュー一覧

  • 繁殖
    善かれと思ってやったことが事件を引き起こしてしまうという救い様がない話なので読後はやるせなくなる。
    そして周りが善人ばかりで全体的に都合が良いのが無理矢理救いを与えているようでしっくりこない。
  • 潜伏
    世の中には目に見えないことが多すぎる。

    (以下抜粋)
    ○転機とは自分の意思で作り出すものかと思っていた。
     そうではなくて、否応なくやってくるもの。
     そういうことかもしれない。(P.49-50)
    ○治る見込みがあろうとなかろうと、
     最善の治療を患者に受けさせるのが当然だと思っていた。(P.10...続きを読む
  • 転生
    産まれてくる命は誰のものでもないし、どんな役割も担わせてはいけない、というメッセージ。
    主人公が不快極まりないが、サブキャラが良い人たちなのでまだ読める。
  • 感染
    終わり方が若干あっけないものの、全体的には読みやすい。
    ただ、異種移植という難しいテーマを難しく感じさせないようにしたがゆえに、軽く感じてしまう。もう少しつっこんだ内容がほしかった。
  • 感染
    「感染」というタイトルから想像してた話とは微妙に違った気がする。
    主人公に共感できなかったのが、物足りなかった原因かもしれない。
  • 潜伏
    三十五歳、独身、彼氏なし、失業中。長山歩美(あゆみ)は敬愛していた叔母を若年性アルツハイマー病で亡くす。
    大学病院の主治医でもある佐野将彦(まさひこ)は、病院長の誤診を疑い、解剖をして死因の調査をする。
    そんな中、同じ若年性アルツハイマー病の患者に毒物混入飲料による殺人事件が3件も立て続けに発生する...続きを読む
  • 繁殖
    またまた仙川さんの作品をチョイス。
    正直ストーリー的にはうまくいきすぎじゃない?って突っ込みたくなる感じ。
    でも原発事故の後にこれを読むと、どうしても違った視点で読んじゃうから恐さは感じた。
    園児が苦しんだり死んだりする内容だったら嫌だなぁと思ってたけど、最後はハッピーエンドだったからひと安心。
    ...続きを読む
  • 繁殖
    責任の伴う行動を起こすことは、
    本当に大切なことです。

    (以下抜粋)
    ○社会正義をいくら振りかざされても、
     人を守りたいという気持ちは揺るがない。(P.200)
    ○勝手な医者が自分だけの判断で脳死移植をやったことで、
     日本の医療はずい分長く、足踏み状態を余儀なくされた。(P.248...続きを読む
  • 誤飲
    いつもの医療系ではなく連作ものの短編。
    相変わらず読みやすかった。
    どの話もこれといった大事件はないまま終わるんだけど、
    微妙に話がリンクしてて面白い。

    この人の作品って、女医はスマートで切れ者なのに、
    男の医者/医療関係者はどうしようもない人が多いのね。
  • 聖母 ホスト・マザー
    先日ファミレスでまさに代理出産の話し合いをしている場面に出くわし、
    それ以来ちょっと勉強してみたいと思って。
    女性であり、医師である作者が書くからこその登場人物の心情描写が秀逸。
    不妊治療してる人とか、そういうので悩んでる人には胸をえぐるような気分にさせられる内容だと思う。
    考えさせられるテーマだっ...続きを読む
  • 誤飲
    一つ一つのカップルのストーリーが入り乱れ広がっていくオムニバス。キーポイントになるのが「薬」。アレルギー薬だったり毛生え薬だったりするのですが、薬をめぐって男女が憎みあいだましあう。
    こう書くとなんだかわけが分からないですが、読めば分かる。とにかく良く出来ています。

    仙川環の医療物は何冊か読ん...続きを読む
  • 再発
    狂犬病こわい…
    どんな病気でも再発って考えられるんだね。

    毎度のことながら展開に無理がある気もしたけど、さくさく読めた。
    この人の作品はみんな主人公が女性で医療関係者なのかな。
    なぜだか、どうしても好きになれない(笑)
  • 人体工場
    またしても、物足りなさの残る終わり方。
    人体工場のシステムを肯定的な視点で読んでしまったからか、主人公が最後の最後までただの馬鹿に思えてしまった…
    恋愛要素を排除して、もうちょい堅い感じで終われば良かったのになぁ。
  • 転生
    医療+推理みたいな感じの小説。
    途中まで、強気で自我の強い岬が全く好きになれず辟易してたけど、最後の選択で持ち直した。
    きちんと決着して終わるところも良い。

    面白く読めるけど、続きが気になるハラハラ感は少ないかなぁ。
  • 感染
    「治験」を読んだ後だったからか、ものすごく荒削りな印象を受けた。
    医療ものを読み慣れてない私が読んでもわかりやすく書いてあるけど…
    これって続編あるのかな?
    ウイルスに感染した人のその後みたいなのが全く書いてなかったから、すごく気になる。
    仙川さんの作品、もっと読んでみよう。
  • 再発
    今まで狂犬病予防って、おざなりで
    形骸化されている印象だったけど
    発症すれば致死率100%の恐ろしい病気。
    確かに日本で半世紀もの間、発症例がないといっても
    意外な感染ルートがあったんだなぁ。

    前半のゆっくりした、むしろ歯がゆいペースに比べ
    後半から終盤にかけての、なだれ込むスピードは笑えた。
    ...続きを読む
  • 感染
    「感染」というタイトルから、いつ「感染」が始まるのかと気になりながら
    読み進めるがなかなかそういう事態にならない。
    その点が少し期待に反していて、結局、未知のウイルスによる感染の
    パニックなどは起こらずに終結してしまう。
    確かに「感染」により引き起こされた事件ではあるのだが。
  • 誤飲
    ◆藤本洋文・・・経口避妊薬
    ◆小野恭子・・・抗インフルエンザ薬
    ◆木島博人・・・向精神薬、睡眠薬
    ◆林崎洋子・・・禁煙薬
    ◆松原延彦・・・薄毛治療薬
    ◆沢村亜美・・・花粉症の薬
    ◆小野厚之・・・下痢止め
    ◆三田秋枝・・・精力剤

    以上8編の連作短編集。1作目の話にちらりと登場した人物が2作目の主人公...続きを読む
  • 人体工場
    前半は非常に先が気になる展開で盛り上がりましたが、
    後半はやや私の期待とは違う方向へ・・・・

    仙川さんの作品はいつもテーマが非常に興味深いです。
    その割にいつも結末があっさりな感があるのですが・・・
    でも次々読みたくなるんですよね~。
    文章は読みやすいです、さらっと読めます。

    今回も「治験」と言...続きを読む
  • 誤飲
    読みながらムカムカするのは私が薬剤師だからかな?
    だって、登場人物の多くが、薬に対する誤った考えを持っているんだもん。
    薬を丁寧扱わない奴は痛い目に遭うべきと思って読み進めると、その結末に物足りなさも感じてしまった。
    まぁ、読みやすかったけど・・・