唯川恵のレビュー一覧

  • 淳子のてっぺん
    女性初のエベレスト登頂者をモデルにした登山小説。登ることよりも、誰が最終アタック隊員に選ばれるかの、ドロドロした争いがみもの。
    淳子のてっぺんはどこなのか。
  • めまい

    色んな味のカクテルを

    ひとつひとつの物語りの後に余韻が残る。それぞれに違った余韻が。時には切なく時には背筋が凍る。これから長くなる夜をこの物語りで楽しんで。
  • 淳子のてっぺん
    2019/8/11 喜久屋書店北神戸店にて購入。
    2023/1/21〜1/30

    田部井淳子さんをモデルにした小説。子供の頃から女性初のエベレスト登頂まで。あの偉業の裏には色々あったんだなぁ。山を愛し、ひたすらポジティブに生きた田部井さん。見習わないと。
  • さよならをするために
    五つの恋が壊れていくありさまを描く恋愛小説集、という説明が逆に気になって読み始めた。もっとこう、修羅場っぽく粉々に壊れるのかと思ったら意外ときれいに終わる話ばかりだった。一番最後の話の「馴性」についての説明が心に残った。痛みに馴れていくのではなく、痛みを自分の中に取り込んでしまう強さ。
    巻末の阿刀田...続きを読む
  • 恋人たちの誤算
    結婚直前に昔自分を捨てた男と再会し、彼とやり直すために婚約を破棄した侑里。弁護士事務所で働きながら不本意にもゴーストライターになってしまった流美子。こうではない、そう思いながら彼女たちは転がり落ちるように不幸になっていく。
    唯川恵さんの本を読んだのは初めてだったけど、どろどろの内容でもさくさく読めて...続きを読む
  • 霧町ロマンティカ
    この本を読見終える少し前に、友人の父親が亡くなったことを聞かされていた。あまりに突然の死に対し、友人は驚くほど普通の態度だった。そのことに私は戸惑っていた。

    人はいつか人生を終える。

    中年の50歳の主人公、岳夫は勤めていた会社のリストラに遭い、定年前に職も家族も失い独り身になってしまう。そこで訪...続きを読む
  • ゆうべ、もう恋なんかしないと誓った
    皮肉がたっぷり込められた、好きなタイプのショートストーリー集。
    解説で、書かれていた通り、読んだ人によって意見が分かれるようなお話もあるだろう。でも、どれも身近で、色んな人の意見を聞いてみたくなる話ばかりだった。そうそう、そんなに人生うまくいかないよねぇ、そう思いながら、するすると読み終えました。
  • シフォンの風
    唯川恵さんらしいとても心地よい小説。
    解説の「唯川さんは変にストーリーをひねらない」
    という分にとても納得。
    最近、変にひねってばかりの本ばかりで疲れる。
    下手なくせにひねりたがる作家には唯川恵さんを
    少しでも見習ってもらいたいもんだ。
    まるで川の流れのようにさらさらと流れていく
    ストーリーがどれだ...続きを読む
  • 手のひらの砂漠
    主人公の心の傷や焦りなど、手に取るように感じることができた。主人公を囲む登場人物も欠かせない要素。夢中になって読んでしまった。
  • 啼かない鳥は空に溺れる
    母に縛りつけられる2人の娘。
    何しても認めてくれない母親と娘に依存仕切っている母親。
    逃れられない、呪縛。
    私も母とべったりだったから、愛されたいけど鬱陶しいし認めてもらいたい。その気持ちが痛いほど分かる。

    こういう親見てると子供って縛りつけて置くために産むのか?と思えてくる。母自身の夢を娘託す親...続きを読む
  • 逢魔(新潮文庫)
    夏なのでホラーを読んでいた流れで。元ネタがしっかりしている上に唯川さんの味付けと来たらそりゃおもしろいです。どの話も女のねっとりした怨念が感じられました。
  • 愛なんか
    『夜が傷つける』

    彼と別れようか迷っている女性の話。
    もう恋愛感情はないのに、はっきり別れを
    言い出さない彼に対して悶々としている。
    でも、主人公は、ずっと気づかないフリをする。

    『世にも優しい、さよなら』

    彼氏に二股されていることを知った主人公は、
    遠距離に住む本命の彼女の元に彼氏を返す前に...続きを読む
  • 逢魔(新潮文庫)

    何度も読み返したい作品

    難しい言葉もなく、とても読みやすい
    美しい文章でした。
    一途な女性の心情を生々しく描いた
    一気に読んでしまえる素晴らしい作品です。
    文章から女性の美しさが想像できるので
    入り込みやすいのも良かったです。
    また読み返してみます。
  • 夜明け前に会いたい
    いいね!つけるね、これは。だって概ね全てがドロドロな世界にも関わらず、なんとまぁキレイに描き切っているのかって。まさに物は言いよう、馬鹿と鋏は使いよう、ああ言えば上祐、という。
    ともあれここでドロドロポイントをあげてみるならば。
    ・田舎である。まさに。この地方都市感
    ・日本といえば寿司芸者
    ・愛人で...続きを読む
  • セシルのもくろみ
    【あらすじ】
    平凡な生活を送る専業主婦・宮地奈央(みやじなお)の生活は一変した。友人に誘われ軽い気持ちで応募した女性誌『ヴァニティ』の読者モデル募集で思いがけず採用されたのだ。華やかなファッションの世界に渦巻くモデルたちの様々な思惑に困惑しながらも、奈央は“負けたくない”という自分の中の「女(セシル...続きを読む
  • 別れの言葉を私から 新装版
  • 愛しても届かない
    「愛しても届かない」
    すべて読み終えた後にブックカバーを外し、まさしくタイトル通りの恋だと、そう思った。
    駿と出会ってからの出来事が、ひとつひとつ丁寧に描写されていて、苦しくなったりすこしゾッとしたり。
    恋とは、独りよがりだけど、愛は二人で育てていかなければいけない。
    思い通りにいかないもどかしさ、...続きを読む
  • 天に堕ちる
    今回もいろんな女性のショートストーリー、面白かったー。ほんとに飽きない。とくに最後のストーリーは笑いのオチがついてて…笑
  • 手のひらの砂漠
    最初から最後まで、ずっと幸せと絶望が代わる代わる絶妙なタイミングで訪れて、あっという間に読み終えてしまった。登場人物もみんな個性があってのめり込んでしまった!ラストにも大満足でした。
  • 夜明け前に会いたい
    金沢を舞台にした恋愛物語。金沢の街並みや加賀友禅の艶やかな着物が丁寧に描写されていて、金沢に行きたくなりました。希和子も俊市も自然体で、すごく温かな気持ちにさせてくれました。