酒井昭伸のレビュー一覧

  • 都市と星(新訳版)
     12年振りのアーサー・C・クラーク。コロナの影響でどこにも行けないゴールデンウィークだからこそ、ハードSFでどっぷりと世界観に漬かりたいと思い読むことにした。
     タイトルからは内容の想像が湧かないが、主人公である少年、アルヴィンの冒険譚といったところ。ただし、少年の冒険とそれを通じた成長を描くだけ...続きを読む
  • 都市と星(新訳版)
    NHKの100分de名著で取り上げられるということで、積読を消化したのですが、予想以上の面白さにビックリしました。古典SFって思索的なイメージが強かったのですが、この作品はそのイメージにプラスして、冒険小説のようなワクワク感があるのです。

    物語の舞台となるのはダイアスパーという都市。そこでは人間の...続きを読む
  • ハイペリオンの没落(下)
    ー “来世というものはあるのかしら。目が覚めてみたら、すべてが夢だったなんていうことがあるのかしら。きっとあるわよね、人間というものは、こんな苦しみを受けるために創られたんじゃないもの”

    ああ、ファニー、きみは知らなかったんだ!人はまさに、そのような苦しみを受けるために生まれてきたことを。つまると...続きを読む
  • 都市と星(新訳版)
    人間を含めたあらゆる物質が管理され、究極的に快適に完成された都市。その外側には何があるのか?と疑問をもつストレンジャー。彼の疑問すらも計算されたもの?という大きな謎がストーリーの根幹です。
    唯一の欠点は、10億年の進化を経て登場人物のビジュアルが現生人類とかけ離れてしまっており、映像としてイメージし...続きを読む
  • ジュラシック・パーク(上)
    映画では描かれていなかった部分が多くあり描写も細かい。映画を見てから原作を読むと面白さが増すと思う。
  • ハイペリオンの没落(上)
    ー リイ、タラとプリンデナスといっしょに、演説の草稿を書いてくれー全〈ウェブ〉向けの警告と宣戦布告、両方のだ。四十五分以内にたのむ。

    簡潔に、明快に。チャーチルとストルデンスキーの資料を参考にするといい。現実的だが挑戦的に、楽観的だが決死の覚悟を感じさせる方向でな。ニキ、統合参謀本部の動向をリアル...続きを読む
  • ハイペリオン(下)
    ー 人間の経験の本質は、華々しい経験、たとえば結婚式がそのいい例だが、カレンダーの日付につけた赤丸のように、記憶にくっきりと残る華やかなできごとにではなく、明確に意識されない瑣末事の連続のほうにあるのであり、一例をあげれば、家族のひとりひとりが各自の関心事に夢中になっている週末の午後の、さりげない接...続きを読む
  • ハイペリオン(上)
    ー 教会が滅びるつもりなら、それもまたよし。ただしその死は、キリスト再臨の知識に満ち、栄光に輝くものでなければならぬ。進んで減びるのではないにせよ、暗黒のなかに歩みいるのであれば、毅然とー雄々しく、たしかな信仰心をもって進まねばならぬ。

    死の収容所のなかで、核の炎のなかで、癌病棟で、ユダヤ人大虐殺...続きを読む
  • ハイペリオン(上)
    難しい用語がたくさん出てきますが、無視して読み進めるとどんどん面白くなっていきます
    ハイペリオンの歌はちょっと意味不明ですが、、

    下巻が楽しみです
  • エンディミオンの覚醒(下)
    今日一日を人生最後の日のような気持ちで過ごせたら、きっと毎日が最良の日になるだろう。アイネイアーのように生きたい、彼女のような勇気を持って死ぬまで全力で過ごしたい、そんなことをこの本を読んで感じた。

    誰しもあのような最期を迎えるわけではないが、未来において必ず死ぬという点では同じだ。いずれ訪れるそ...続きを読む
  • 世界受容 サザーン・リーチ3
    皆最後は未知なる世界に飛び込んで行ってしまった。未知なる光に飛び込んで行ったコントロール、どうなったか分からない外の世界に戻ろうと歩き出すグレイシアとゴースト・バード。
    グレイシアは家族があり戻る世界があるけれど生物学者の進化したコピーのゴースト・バードはどこに戻るのか・・。

    なんとも理解し難い終...続きを読む
  • ナイトフライヤー
    令名最初に届いた大当たり!連休中も配達に感謝!!
    『氷と炎の歌』の続刊も待ち遠しいけれど、マーティンのファンになったのは「一千世界」のシリーズ!初訳が3編だけなのは寂しいけれど、『ナイトフライヤー』のドラマ化がきっかけで、『ワイルドカード』とかとか未訳作品の邦訳が出るのを期待してます!!
  • 監視機構 サザーン・リーチ2
    前作の全滅領域とは打って変わって、エリアXを監視する施設での話。
    話は新局長の「コントロール」視点で進む

    監視機構は壊滅状態
    精神崩壊が始まっているのかエリアXの侵食がすでに始まっていたのか、壊れている職員の静かな狂気が不気味
  • ハイペリオン(下)
    やばい、切ない物語ばっかりなんだけど。
    だけれども、謎は次の作品に持ち越しね。
    (ちなみに残り3シリーズあります。
    大ボリューム注意)

    どの物語も切ないのよ。
    ちゃんと物語の終わりにはアウスターのスパイは
    判明することになります。
    だけれども、一人の人物の消息に関しては
    謎に包まれたまま…だから謎...続きを読む
  • ハイペリオン(上)
     とにかく分厚くて最初は読むのを躊躇していたのですが、いざ読んでみると非常に読みやすく、独創性があって、恋愛やサスペンス要素もあるので、気付いた時には時間も忘れどっぷりとハイペリオンの世界にはまり込んでしまっていました。非常に面白かったです。
     本書ではハイペリオンという辺境の惑星に集った7人の男女...続きを読む
  • デューン 砂の惑星〔新訳版〕 下
    幾重にも練られたプロット、ラストへ集約する分かりやすいストーリー展開、普遍的な人間性、余分なSF的解説のオミット、翻訳の読みやすさ。そして第1部完という感じで終わるので、続きが読みたくなる。""
  • 禅〈ゼン・ガン〉銃
    作者の作品は初めて読んだがすごいSFだ
    宇宙最強の銃「禅銃」と退廃する銀河帝国の崩壊という話ではなく
    後退理論などの小道具が素敵
    ファンタジー小説としては楽しみにくいが
    そうあるべく書かれた話でないから仕方がない
  • ハイペリオンの没落(下)
    面白かった。これがネビュラ賞を取れてないなんてどうなっているのだろう。しかし、解説読んで、納得。非常に人気のある話しだった。しかも、このつぎのエンディミオンはもっとおもしろいらしい。楽しみ。
    シーユー・レイター・アリゲーター、インナ・ホワイル・クロコダイル このセリフでほろりと来てしまうとは。思いも...続きを読む
  • 全滅領域 サザーン・リーチ1
    Netflixでアナイアレイションを観て原作へ。
    物語は調査隊の女性生物学者の手記を読むように進む。

    最後まで出ることのなかった彼女達の名前。生物学者の回想でさえ夫の名前も本人の名前も出ることはなく・・。

    全滅領域を読み終えても結構エリアXはなんだったの感が拭えない。
    なぜ今回の調査は女性ばかり...続きを読む
  • オリュンポス3
    ギリシャ神話や英国文学などからの具材をギュウギュウに詰め込んでSF仕立てにしているので、読む側の咀嚼力が試されている気がする。
    登場人物はいろいろ出てくるが、最も人間らしさを感じさせるのが、人間の形をしていない機械という点が、とても好き。