加藤千恵のレビュー一覧

  • ハッピー☆アイスクリーム
    高校生らしいストレートさが魅力です。
    言葉遣いに美しさはないのですが、どこか切れ味のある言い回しで、所々でドキッとしました。
    思春期の危うさや、ふわふわした精神状態がうまいこと表現されていました。
  • その桃は、桃の味しかしない
    ルームシェアの相手と自分の共通点は、同じ男性の愛人であること。

    と設定だけ見るとどれほどの修羅場を想像するかというところですが、実際は静かすぎるくらいに静かな物語。
    けどその静かさは穏やかさを装っていながらもとてもぴりりとしたものだと感じました。

    主人公たちひとりひとりの感情や行動の理由がすべて...続きを読む
  • あかねさす――新古今恋物語
    何話か共感しすぎてどうしようかと思った。悩んでも仕方ないのに悩んでいる姿とか、リアルなんだよね。単行本で持ってるんだけど解説が高橋久美子さんだったので購入。
  • さよならの余熱
    甘くて切なくて苦くて痛くて寒くて気怠くて、、、。
    この雰囲気、嫌いじゃない。
    てか好き(〃∇〃)

    ☆つまらぬもの
    ☆特別な部屋で
    ☆バンドエイド
    ☆タイミング
    ☆チョークを持つ手に
    ☆暮れていくだけ
    ☆彼氏さん
    ☆電話をかける
    ☆解散の雨
  • あかねさす――新古今恋物語
    新古今和歌集に納められた短歌を元に出会い・別れ・恋・友情を綴った22篇。
    甘くて、苦くて、せつなくて・・・刺さります。
    昔から人の思いは変わらないのだと実感。

    ~おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふほどに年の暮れぬる(西行法師)~

    ~きのふまで逢ふにしかえばと思ひしをけふは命の惜しくもあるか...続きを読む
  • その桃は、桃の味しかしない
    正しい関係じゃないけど一緒に食べて暮らせば情がわく。奏絵にとってまひるは生きていくなかで、いいアクセントだったと思う。
  • あかねさす――新古今恋物語
    新古今和歌集の和歌から生まれた現代の恋の短編集。
    どの短編も切なくて苦い。
    こんな思いを千年前の人もしていたのかと思うと、和歌がぐっと自分たちに引き寄せられて感じる。
    わたしはもともと和歌や古典や歴史が好きだけど、そうではない人でも和歌をもっと身近に感じる事ができるんじゃないかと思います。
    それぞれ...続きを読む
  • その桃は、桃の味しかしない
     桃がすきなのと(笑)、女性が静かに狂っていくはなしが結構すきなので読んでみました。
     ジャケットのかんじが、最近の軽い本みたいで、あまり期待せず読んだのですが、そのせいか意外に楽しく読めました。静かに淡々と進んでいくかんじが、まひるの静かに狂っていく不気味なかんじとうまく溶け合っていて面白かった〜...続きを読む
  • その桃は、桃の味しかしない
    静かな物語に感じるがとても熱いスティグマを感じる。
    スティグマがあるからあえて押し隠しているそれを男性はわからないのかもしれない。
  • その桃は、桃の味しかしない
    まひるに憧れるような愛しく想ってしまうような。ウィスキーを出されたときに悪酔いしている様な、気付かないふりをしたい時の様な感覚の後味の本。読んでる時の味は薄いビールの様にもっとすっきりしているけど。不思議な小説です。

    個人的に後書きは好みに合いませんでした。
  • その桃は、桃の味しかしない
    食べることは、生きることだとわたしは思っている。
    実際、誰かが家に一緒にいるときは三食の心配をするけど、ひとりだと何かを作ったり支度をしたり、あまりしない。
    だからひとり暮らしは向かないと、心底思っている。

    この小説は、ひとりの男性が付き合っているふたりの「愛人」という立場の女の子がメインだ。
    ...続きを読む
  • 真夜中の果物
    「話したいことがたくさん残ってる
    中華料理で何が好きかとか」

    この二行に、「おお」となった。ついこないだ、同じことを思った。こう昇華できるんだ、とも思った。
    他愛もないことをたくさんたくさん話したいんだよね。

    解説でもやっぱりこれに触れてた。

    「パイナップルは要らないことを証明」したい



    ...続きを読む
  • ハッピー☆アイスクリーム
    大学2年生の時の冬、片想いが失恋で終わった日、その顛末を知る友達がメールで送ってくれた短歌があって、すっかりその事を忘れてしまった8年後の今日再会し加藤千恵さんの短歌であったことを知りました。

    加藤千恵さんの本はかなり読んでいたのだけどこれは初読。17歳の時に書いたという短歌も、それらをモチーフに...続きを読む
  • さよならの余熱
    ハニー ビター ハニーと同傾向の恋愛短編集。続編ではありません。色んなさよならの場面を描いた作品です。前作と同様にやっぱり加藤知恵さんの言い回しはとても綺麗で素敵だなぁ、なんて思いながら読ませていただきました。
  • 真夜中の果物
    学生に薦められて、しかも貸してもらって読んだー。よかった!ほんとに短いけど、ぶつ切りにはなってないし、リアルだけど安っぽくはなってない。
    大作とか呼ばれるものではないんだけど、こういう気持ちを拾い上げるのが上手いのは間違いなくひとつの才能だよねえ。薦めてくれた子は「テレビ」、わたしは「桜の季節」を自...続きを読む
  • 真夜中の果物
    カバーイラストが素敵でカバー買いしてしまいました。掌小説集。初読みの作家さんでしたが、とてもよかったです。どの話もするすると気持ちの中に入ってきて、とても共感してしまった。他の小説も読んでみたい。
  • 映画じゃない日々
    ハッピーアイスクリームの短歌に共感しまくった私は千恵さんの短歌が載ってる、ということで即買い。

    加藤千恵さんは短歌も好きだけど小説も好き。

    何でもない閉塞的などこにてもある日常を切り取るのがすごく上手い。

    ひとつの映画を軸にしていろんな人の話が展開していく。

    すぐ忘れちゃいそうだけど確実...続きを読む
  • さよならの余熱
    加藤千恵さんの本は二冊目やけど、本当に言葉が綺麗。
    そして人間の、特に女の心の闇?暗さ?みたいなんが表現されててゾクっとする。
    どこかで共感してしまうし、共感できてしまう自分に少し悲しくなったりもする。客観的にみると嫌なやつだとも思う。でもそこがこの人の話の面白さだろう。
    特別な部屋で、タイミング、...続きを読む
  • ハッピー☆アイスクリーム
    短編小説は、あまり好きではない。
    でも、加藤千恵さんの作品を読んでいたので。

    彼女が高校生(17歳)のときに書いた短歌を
    使って?短編小説を05つ書いてある作品で。

    どれも、高校生が主人公になっていて
    何だかわかるような気がするのだけど
    もう高校生じゃないから
    考え方も変わったのかなーとか
    わた...続きを読む
  • 真夜中の果物
    短い小説がぎっしり詰まった本でした
    どれも設定が全部違っていて
    小説が終わったあとに書かれている短歌にぐっときます
    あんな短い言葉でこんなに納得できるのってすごいなあ
    小説も1本1本、完全なハッピーな恋の話はあまりなくほんのり苦いような悲しいようなお話が多いのもリアリティがあって面白かったです