加藤千恵のレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?
    色んな本が読みたくなる1冊。
    元々はテレビでやっていた、作家さんたちの対談を本にしたものだが、作家さんたちの人となりがなんとなく伝わってくるのと、こんなに身を削って小説は書かれているのかと驚いてもっと本が読みたくなる。テーマごとにおすすめの本を作家さんが紹介してくれるので、好きな作家さんがどんな本を...続きを読む
  • いびつな夜に
    全て5ページ以内の超短編集。
    その中の殆どが失恋について。しかも大恋愛からの絶望的な。という訳でなく本当に日常のどこかで誰が今日も言われているであろうな。というありふれた失恋。だから共感できるし感情移入もスルッと自然に出来た。恋愛がご無沙汰の人も、もちろん失恋しそう・した人、、、いや、むしろ幸せの絶...続きを読む
  • その桃は、桃の味しかしない
    表紙のイラストのインパクトがありつつ淡い感じがそのまま物語とマッチする。
    解説までを含めて比較的サラッと読める印象。
    読み終わったときの達成感や納得感が多少薄いような気もするが、それも含めて良さという感じ。
    何より桃のシーンが印象的。
    本編の視点が変わらず分かりやすく、内容は重みがあるがそれぞれの人...続きを読む
  • 真夜中の果物
    もう何年も前に一度だけ読んだ本だったけど、たまたま目に止まったので、もう一度読んだ。かなり短いストーリーと最後に短歌、がずっと続くのだけど、毎ストーリーの最後の短歌でひとつひとつのストーリーの収まりが良くて読んでいて心地が良かった。短歌っていいなぁって。言葉を紡ぎ出して、かつ心地よく。。

    物語の主...続きを読む
  • 点をつなぐ
    再読。

    コンビニスィーツの商品開発をするみのり。
    自分の選んでいる人生に少しの不安を感じていた。

    実家に帰り、地元の友人たちと過ごすときに、結婚も見えず働き続けている自分は間違っているのかもと思ってしまうみのり。
    逆の立場で、働く人達の中に1人だけ紛れてしまった専業主婦の友人が居たら、やっぱりそ...続きを読む
  • 真夜中の果物
    5,6ページずつたくさんの恋の話が詰まった本。
    キュンと甘酸っぱかったり切なかったり、人生に時折訪れるその瞬間を切り取ったお話。
  • 春へつづく
    朗読会の演目として時間に合うように使わせていただきました。聞き手も大人なので学校司書の先生の章をつかいました。

    現在の学校司書の先生としての生き方と司書になる前の婚約破棄騒動。
    聞き手もドキドキしてしまったようです。
    ヤングアダルト向けと位置づけられていますが大人でも充分堪能できる作品なのでは。
    ...続きを読む
  • ハッピー☆アイスクリーム
    加藤千恵の短歌集:ハッピーアイスクリームに物語がついた本。
    加藤千恵の短歌も小説も好きな私にとってはかなりおいしい本だった。
    ただ、最後の方に短歌集からの短歌が羅列されていたのは、なんとなく残念。
    短歌集の短歌は、あの装丁で読みたい。

    学級に短歌集を置いてあるので、それにからめて紹介してみよう。
    ...続きを読む
  • yom yom vol.50(2018年6月号)[雑誌]

    レトロゲームファクトリー

    意外に早く最終回になり、少し物足りなさを感じましたが、ハッピーエンドで気持ちよく読み終える事ができました。私は、論理的に説明されないと心が動かない方ですが、三段論法で人の心は動かないと言うのも確かです。(しかし、昨今のおれおれ詐欺は、人の感情に訴えかける犯罪ですから、また厄介です。) 最終回は、...続きを読む
  • いろごと
    加藤千恵さんが描き出す、「いろごと」の話を、都度都度「自分が彼女なら」と置き換えて想像してしまった。
    どれもが身近で、でも遠いような気もして、過去や未来に点在しているような、女性ならばどこかに必ず共通点や共感を覚えるような、そんな世界が短歌とストーリーの中にあった。
    『orange』をとても好きだと...続きを読む
  • yom yom vol.49(2018年4月号)[雑誌]

    レトロゲームファクトリー第2回

    前号に引き続き、「レトロゲームファクトリー」を読みました。これから一話完結のスタイルで進んで行くのでしょうか。今回は、各登場人物の背景的説明も徐々にされて来て、思いがけないコーギーの生い立ちも含まれていました。数日前には、レトロゲーム機の復刻の新聞記事もありましたので、40、50代である私達の世...続きを読む
  • いびつな夜に
    毎回思うけど、この人は「好き」という感情を描くのが本当にうまい。まったく縁がないタイプの恋愛でも、くーーーっと、なんとも言えない気持ちにさせられる。「好き」の幸せより、やるせなさの方が、なおうまい。
  • 点をつなぐ
    「みのり」はわたしだった。
    そして、誰かでもある。
    そんなことを思わせてくれる、ひとりの女性の人生の一部を切り取った小説だった。

    人生は選択の連続。
    何かを選んだということは、何かを選ばなかったということ。
    みのりはそれを「点つなぎ」になぞらえる。
    選んで、選んで、選び続けたその先にしか見えない形...続きを読む
  • こぼれ落ちて季節は
    加藤千恵さんらしい作品だったー。
    恋愛だったり、友情だったり、いろんな出来事を2人の視点から描く連作短篇集。
    1番頭に残ったのは、姉妹の話を描いた「逆さのハーミット」。周りから愛される可愛い姉、そして対照的な妹。そんな姉を妬ましく思う妹が、姉が不幸になるようタロット占いの結果を伝えるという…。
    怖い...続きを読む
  • いろごと
    色をテーマにした短歌とショートストーリー。
    どのストーリーも3ページ程度で完結してるんだけど、ちくっと刺すような痛みがあったり、切なさがあったり。

    何とも言えない余韻を残す。

    加藤さんの作品はほんとに感情移入しやすい◎

    miccaさんのイラストもおしゃれでかわいかった♡*。

    ファッション誌で...続きを読む
  • あとは泣くだけ
    読みやすい。テーマは身近にあると思われるもので重い。
    この後どうやって生きていくんだろう。どんな風に抱えて、何を考えながら生きていくんだろう。と、どの章でも思った。
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に
    今回は私好みのSFっぽい話が多くて面白かった!(^^)でも読み終えてみたら、青春甘酸っぱ系だった千早茜さんの「あかがね色」が一番好き(*^^*)
  • いろごと
    色をテーマに、色恋が書かれた20種類のショートショート。
    終わりゆく恋だとか、届かない想いだとか、水彩画に水を垂らしたかのように淡く消えゆく何かがちいさな余韻を残します。

    もとは、ファッション誌での連載のようですね。
    表紙のイラストもそうですが、1つお話を読み終えるとmiccaさんの描く女性に出会...続きを読む
  • ハニー ビター ハニー
    甘いものがひとつひとつモチーフになっている恋愛短編集。弱くて憎めない男たちと葛藤する主人公たち。言葉の選び方が秀逸です。おすすめは「友だちの彼」「ねじれの位置」。
  • 本をめぐる物語 小説よ、永遠に
    8人の作家による「小説」をテーマにしたアンソロジー。色んな切り口で切り刻まれた「小説」や「物語」を小説で読むことで、物語の深みに勝手に囚われたり、メタ的なゾワゾワ感に包まれたりする。小説って面白い、と実感。

    秀作が揃っているが、ワシは、物語の禁じられた世界で物語を知覚し出会う男女を描く「赤と青の物...続きを読む