鈴木光司のレビュー一覧 エッジ 下 力技にねじ伏せられた感。が、「この発想はなかった!」という点で高評価。 とはいえ、人が次々理解不能な状況で失踪するという『謎』を解いてはいるのだが、創作ではなく、どちらかといえば作者の知識を総動員した仮説を読まされているよう。 なのでフィクションとしては物足りなかった。 あと、人物に魅力的な人が...続きを読む一人もいなかったのも致命的。 女主人公が、いかにも「クールに見えて実は脱いだらスゴイんです、実は淫乱なんです」という男の夢満載感でさっぱりいいと思えず。残念。 Posted by ブクログ 楽園 壮大 壮大です。 桜木魚金 エス レビュー書き忘れてました。 リング、らせんシリーズの続編(番外編?)的な位置づけの 文庫を読みました。 特にらせんが好きだったので、のめるように読みましたが、 まぁやっぱりらせんのワクワク感は超えないですねぇ。 この作品は感覚的な表現が多くて、どうもビビっと来ませんでした。 いつかあの快作を超...続きを読むえる作品を書いてくれることを祈ります。 Posted by ブクログ なぜ勉強するのか? 肝心の勉強についての記述は少ない気はするが、興味深い点は多々あった。 特に日本の男性性と女性性の倒置について。 男性性を「論理」、女性性を「情緒」と簡単に割り切ってしまうと、日本は明らかに女性性(情緒)の強い社会だ。 作者はこれまで日本で「男らしさ」と思われていたものは単に男が女に甘やかされたうえ...続きを読むにできた空中楼閣であると指摘する。 たしかに「デカダン」や「無頼」といえば男が一度は憧れる「男らしさ」の典型だが、日本文学では太宰治にしろ織田作之助にしろ、なんとも頼りない姿で描きだされる。「女に甘やかされ」ているというのはまさにその通りであるし。でも自堕落な男ほどモテるよね。 「世界に生じるほとんどの悪は、言語運用の間違いから生じている可能性があります。」というのもその通りと思う。 特に友達同士の話し合いの場においても「その場のノリ」や「なんとなく」といった情緒面が優先されることが多く、論理性の強化の必要性はよく分かる。 しかしながら… 社会的な生き物である人間が、こういった情緒過多の日本にいながらひとりだけ「論理的」に振る舞えるものだろうか? 「頭のかたいやつ」と思われるのが関の山じゃないだろか。 とかとか、興味が四散してしまった。 むしろ「日本の女」と「甘えの構造」について好奇心を掘り下げてみたほうが何か近づける気がする。 Posted by ブクログ エッジ 下 人が消失する事件を追っていくうち、ものすごい真実にたどり着く。SF小説。 数学的なアプローチから多次元宇宙を導き出す、という難解な物語だが、面白かった。 Posted by ブクログ エッジ 上 人が消えていくー ホラーと歴史とサイエンスが混ざって読み応えがある。 はじめは読みにくかったが、途中から引き込まれて一気に読んだ。 Posted by ブクログ 貞子3D ──復活 面白くて読んでたらいつの間にか深夜…。 初めて貞子関連作品を読むなら、事前知識として「映画版・リング(日本版)」を見ておくことをオススメします。この作品自体“映画のノベライズ化”というのもあると思うが、「見たら一週間後に死ぬビデオ」(貞子最初のスタートはビデオテープ)の謎を突き止めたのは“女性”...続きを読むとなってる。(小説版リングでは男性)。違和感なく前作から見ていきたいとなれば、映画版リング→本作と流れるのがいいかと思います。 エピローグに入る最後の文章で、一瞬「?」とクエスチョンマークが駆け巡った。なんで、こんな書き方してんの、と。 理由はすぐわかる。(というより、エピローグに書いてある) 理解した瞬間にゾッとする恐怖と興奮、興奮しすぎて表紙に戻ってしまい、貞子の手が伸びてくる表紙カバーに恐怖と驚きを感じる。 Posted by ブクログ 光射す海 鈴木光司らしいです。ひとことでいえば。描写の生々しさや、狂気さはさすが。大作、とまでいかないけどずっしりさも軽さもあり集中して読んだ。 Posted by ブクログ 貞子3D ──復活 貞子3D-復活 15年前、ビデオを見たら1週間後死ぬという呪いのビデオが噂になっていた。 呪いのビデオの謎を突き止めようとした女性が箱根の井戸で山村貞子の死体を発見した。 そして、その貞子の怨念は、祈祷師によって取り除かれたが、貞子の怨念は、祈祷師の中にいた。 祈祷師は、貞子の怨念とともに、再び井...続きを読む戸の中に封印しようと試みたが、それから15年後、柏田という男が世の中への復讐のため、その封印を解いた。 柏田は、貞子を復活させようとしていた。幾人の女性を殺人し、井戸へ葬り去ったが、上手くいかず、ついには自分の命をささげた。 しかし、貞子がインターネット上を行き来することができるようになっただけで、まだ完ぺきに復活とは言えなかった。 完ぺきな復活を遂げるためには、それなりの能力(超能力)をもった主の力が必要だった。その主が、今回登場する人物 茜だった。 彼女は、自分のもった超能力を駆使して、貞子に立ち向かうが・・・・。 Posted by ブクログ 楽園 すすめられて読んでみました。物語はゴビ砂漠から始まってアメリカに渡る。しかも恐ろしく長い月日をかけて。(現代では飛行機でわずかな時間だけれども・・)人類の歴史と共にそこに宿った人の強い思いを成就させるべく物語は進んで行く。ま~「最後はここか。赤い鹿はここまで旅してきたのか。」と納得で読み終えました...続きを読む。 Posted by ブクログ エッジ 下 理系嫌いの人に薦めたい、理系情報満載の本。 ある日、世界最先端のスパコンの中で、3.15・・・でおなじみのπ(パイ)の数値が、五千億桁をすぎたあたりから消え始める。ハワイの天文台では星の消失が確認される。そして、アメリカの砂漠で、日本の片田舎で、忽然と人が失踪する・・・・ 人々の消失が持つ意味とは。...続きを読む世界には何がおきているのか。感覚で理解できる領域を超えた、宇宙規模の恐怖が思い知らせること、それは「世界は私たちが思っているほど、堅牢にはできていない」ということだった・・・ 『リング』で有名な鈴木光司氏による、SFホラー・・・というジャンルらしいけれど、個人的には「理系男のロマンチックさを感じた」というプッシュの仕方をしたい。俗な感じで失礼します。 初めてこの人の『楽園』を読んだとき、「なんてロマンチストなんだ・・・」と感激した覚えがあります。時空を超えても君を~・・・というのはもはや少女漫画の鉄板領域じゃないか、それをここまで爽やかに力強く書かれるとすがすがしいもんなんだなぁ・・・と。以来この人の作品の中ではホラーからちょっと距離をとったものの方がすきなんですが、本作にも同様の印象を受けました(ただ恋愛小説ではないです、全く)。 それでいて、「自分の周りで起こっていること」を理解(感知?)した瞬間のずしんと来る怖さも孕んでいる。面白いバランス。「リング」とかとはスケールも種類も違ったホラーなので、夜トイレにいけなくなる系のホラーを期待していると物足りなく感じると思うけれど・・・描写の凄惨さや残酷さを売りにしない、読み手の想像力を爪弾く仕掛けを得意とする作家さんなので、ぞくっと感はちゃんと埋め込まれてます。「世界って得たいが知れない」という怖さ。 ただ、扱ってるテーマが派手なのに地味に感じられるのは・・・結局テンポ的に「盛り上がり」の演出に欠けるからか?好みは別れそう。 そしてオチについても賛否両論ぽいですが、私は至極「鈴木さんぽい」と感じて概ね「賛」。デビルマン登場にはわろたけど。 数字が乱れたり、数字上の定理が崩れることは、物理法則の崩壊の前触れである- パイの小数点以下に突如ゼロが連続して出てきたところで、星が急に消えたところで、私はすぐには恐怖を感じない。その事象が起こる仕組み、「異常」が起こる前の「私たちが正常として受け入れてるもの」が起こる仕組みを、ちゃんと理解してないから。 ただ、そんな中高と物理の時間が苦痛で仕方なく、理系分野には必要以上に触れないようにしてきた私は、大人になってこういう本を読むにつれ、天体や数字、地学・・・と、「理系」として遠ざけてきた領域に対してロマンを感じるようになってきました。 哲学や社会学にも通じる、なぜ世界はここにこの状態であるのか、より良い世界はどういう構造で作られるのか、という疑問への探究心。とても力強く、からっとしたロマンチックさ。そのドライさが危うく、また魅力的。 本作で扱われてる情報の組まれ方の正誤については、私には分かりません。が、分かりたいとは思う。物理の本、入手しちゃったぐらい。 あとがきにも書かれているように、普遍性のあるおはなしなので、翻訳されて広く世界に読まれて欲しい。 絶望的恐怖に襲われながらも力強く未来を希望する人間の姿を、どの作品にも感じる作家さんです。 Posted by ブクログ エッジ 上 ホラー文庫出版だし著者はリングの鈴木光司だしで、めためた怖いのを想像されたあなた、大間違いです。 これは物理や数学が嫌いで本ばっか読んでた文系の人に、「あれ、物理とかって意外と楽しくね?」と思わせる小説です。私はいま猛烈に物理を勉強し直したい。というかこういう面白い視点から世界を見れるようになるため...続きを読むのツールが物理の知識だと教えてくれる先生と出会いたかった。 詳しい感想は下巻で。 Posted by ブクログ エッジ 上 鈴木光司がリングシリーズ以来久しぶりに書くホラー。 面白かった。さすが、鈴木光司! という感じ。 だけど、上田しおりや小松左京に比べてインパクト弱いかも。 Posted by ブクログ エッジ 下 ホラーと書いてあるので、超常現象系をイメージして読み始めたところ、意外にも本格的なサイエンスフィクションで、面白い展開でした。謎の連続失踪から始まり、星か消え、さらには数学や物理学の定理までは崩れ始め、宇宙中が危機となるというお話しですが、開始当初の何も分からない状態でもゾクっとして、物語が進み理解...続きを読むが深まったらまたゾクっとしてと、色々な段階で異なるゾクっとか味わえる文章構成は秀逸でした。数字や物理に疎くても、その基本を無理なくしっかり理解できるように解説してあるのも良かったです。 Posted by ブクログ 仄暗い水の底から リングやらせんが流行っていた頃、なんで人がお金を出して怖い思いをしたがるのか全く理解できませんでしたが(笑)小説を読むとホラーでもなんでもなくて、人間そして家族を描いています。面白かった。 Posted by ブクログ 仄暗い水の底から 鈴木光司のホラー短編。 映画化もされている。 高校のとき読んだと思うが、まあまあだった記憶。 ただリングシリーズと比べる見劣り感は否めない。 Posted by ブクログ 仄暗い水の底から 東京湾をテーマにした七つの話を掲載した短編集. 同名の映画のベースとなっている短編も含まれています. どの編も想像力を掻き立て,ふと寒気を感じさせる上手な文章で読者をひきつけ,楽しむことができると思います. 質感であるとか,空気であるとかを感じさせ,直接的でない怖さを感じさせてくれます. おスス...続きを読むメ! Posted by ブクログ なぜ勉強するのか? なかなか参考になりましたね。 この本を読んで一番の驚きは、リングの著者という事ですね。 ジャンルが全く異なりながら、こんな哲学的な本も書いているとは本当に驚きです。 中盤からは、著者の考えで社会の在り方も言っています。 社会に出てから、競争が無いと言う箇所は私の見方では同意出来ませんでしたが、問...続きを読む題の根本的な部分もしっかりと説明しており、参考になります。 もう一度読んで理解を深めたいと思います。 Posted by ブクログ 仄暗い水の底から 読み終わった後、映画化された。やっぱり映像でいきなり見るより、活字から自分のイメージを広げる法が、恐怖感が膨らむ。 Posted by ブクログ なぜ勉強するのか? なぜ勉強するのか?著者の考えは「理解力、想像力、表現力の能力を養って、世界を覆う膨大な量の情報を取捨選択し、世界に共通なものさしで判断し、価値あるディスカッションによってそれぞれの立場を戦わせ、よりよい解答を発見する可能性をほんのわずか高め~・・・人類の進歩に貢献するため」であるとしている。 この...続きを読む本で述べられている著者の考えと私の考えに多くの共通点がみられた。たとえば「現在の小学校の運動会で順位をつけるのはよくないと言った意見に反対である」こと。勉強が得意な子はテストでいい点をとって、運動が得意な子が運動会で一等賞になる。習字が得意な子はクラスの後ろに貼られる書き初めに金色のシールが光る。当たり前のことだと思うんだけどな~。ビリな子がかわいそうだからっていう同情からこうした動きになっていると思うけど、学校という共同体の中で協力したり、競争したりして、喜びだったり、悔しさだったりっていう人間が持ついろんな感情を味わって成長していくと思う。 それからSMAPの「世界で一つだけの花」があんまり好きではないこと。メロディーがよくて唄いやすいけど、私も歌詞には納得できないなー。でも金子みすずさんの「みんな違ってみんないい」は好き。それはすずと小鳥と私を比較してそれぞれが持ついい面をとらえて、でも私は私でよかったってすべてを肯定してる。この想像力、私にも欲しいなって思う。それに比べて「世界に一つだけの花」は、自分に自信がないから私っていう存在が特別なんだって思いたい人間の感情の表れだと思う。努力しなくてもいいんだよ、頑張らなくてもいいんだよ、って聞こえないわけでもない私はひねくれ者なのかな? 著者の書き方で私がよくないと思った点は、著者が反対するものは全否定すること。それから日本人は農耕民族で西洋人は狩猟民族だったからという理由で両者を比較していること。確かにそうなのかもしれないけど、私は納得できない点も多少あった。 この本を通じて思ったのは、さまざまな分野を勉強して、より多面的に物事を考え、そしてその考えをアウトプットすることが重要だということ。 Posted by ブクログ <<<12345678910>>>