講談社文庫作品一覧

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  • 水壁 アテルイを継ぐ男
    4.2
    著者のライフワークとも言える東北の大河小説「最新刊」がついに完成! 朝廷の容赦ない仕打ちに苦しめられ続ける民を救うべく、伝説の英雄・アテルイの血をひく若者が立ち上がる。やがて彼のもとには、その志に共感する、力ある者たちが集まってくる。圧倒的な数の差を知略で制し、不利と思われる状況にも臆せず力を尽くして立ち向かってゆく、蝦夷たちの気高い姿に心がゆさぶられる歴史長編。
  • 愛して学んで仕事して
    -
    仕事か家庭かと、二者択一に悩むのは、もう古い。仕事も家庭もきびきびとやってのけ、さらに一生を学び続けるのが、これからの女性。――1児の母であり夫を深く愛す妻でありながら、夫と娘を残してアメリカへ単身留学。ニューヨーク大学大学院で専攻した最新のパフォーマンス理論をもとに発想した「バイナリイ(二元的)ライフ」を具体的に説き、「多面体人間」という新しい生き方を、情熱的に提案する。画期的な生活革命の方法。女性としての可能性に挑戦する、痛快エッセイ!
  • ラットトラップ
    3.6
    1969年、ウッドストック・フェスティバル。 音楽の祝祭から、少女が消えた。 私立探偵ジョー・スナイダーは彼女を救えるのか。
  • 珊瑚色ラプソディ
    3.4
    結婚式を控えシドニーから帰国した里見は、婚約者の彩子が沖縄旅行中に倒れ入院したと聞く。しかも、彩子は2日間の記憶を失い、女友だちの乃梨子は行方不明。乃梨子の兄の赴任先にともにでかけるはずだったのに、「彩子が男といた」という証言に動揺しながらも、婚約者を信じ真相を追い求める里見の前に立ちはだかるのは……。 南の楽園の悲しみが明かされる長編サスペンス。1987年刊行。(講談社文庫)
  • 虚人の星
    3.6
    外交官から首相秘書に抜擢された新一は、七つの別人格に苦しむスパイでもあった。その新一が仕える世襲総理松平定男は、凡庸な極右との前評判を覆し、米大統領をも黙らせる名演説で世間の度肝を抜く。しかし彼の内部にも奇妙な変化が現れて……。二重スパイと暴走総理は日本の破滅を食い止められるのか?
  • もう、忘れたの?
    -
    東電社長の土下座。震災と「絆」キャンペーン。高まった結婚欲求……。3.11以降、「忘れる能力」が恵みとなったのも事実。それでも忘れられなかったのはどんなこと? 婚活殺人のキジカナ。褒め言葉となった「バブルって感じ~」。記憶力の塩梅に悩まされつつ綴った「週刊現代」人気連載第7弾。清水ミチコさんとの特別対談収録!
  • 子どものための哲学対話
    3.9
    人間は遊ぶために生きている! 学校なんか行かなくたっていい。うそをついてもいい。クジラは魚だ。地球は丸くない。……ぼくの家の猫のペネトレは、そんな普通じゃないことばかり言う。でも考えてみると、ペネトレの言うことの方が正しいんじゃないかって気がしてくる……。子どもも大人も考え方が変わる、ペネトレとぼくの40の対話。 ※本書は1997年7月、小社より単行本として刊行されました。
  • 湖列車連殺行
    -
    上野駅に着いた電車から、火だるまの男が転がり出た。鳥取へ行くといって家を出たのに、なぜ上野着? そして鳥取の白兎海岸で毒死した別の男の名が自称田原で、実は原。タヌキである。まるでカチカチ山の物語を思わせる連続事件!? 上野署の牛深・松島コンビが容疑者の鉄壁アリバイに挑む、奇想本格長編。(講談社文庫)
  • 沈黙のエール
    3.6
    「家族だから、言えなかった」最後に明かされる真実に、あなたは涙する。修行中のパティシエ、里菜。七日後にフランス留学を控えた彼女の元を一人の少年が訪れる。遠い親戚だという彼が現れた夜、父が殺され、実家の洋菓子店が火事になった。警察は素行不良の里菜の兄に疑いを向けるが、そのとき第二の殺人が起きる。すべての始まりは十年前。大切だからこそ生まれる家族の秘密。
  • 黄金の夢の歌
    4.0
    口承によってうたい継がれてきた中央アジア・キルギスの英雄マナスは、永遠に年をとらない、とても元気な男の子。その「夢の歌」を聞きたいと旅をする「あなた」。氷河によって削られたジャイロの美しい牧地に心奪われ、その地を駆けめぐった多くの騎馬、狩猟民族の興亡に思いを馳せる。(講談社文庫)
  • チャイナ インベイジョン 中国日本侵蝕
    3.4
    領土の危機は尖閣諸島だけではない。隣国に国土を侵蝕されつつある最悪の未来へのシナリオを気鋭の作家が抉り出す、緊急警告ノベル。「日本が危ない」と言い続けていた一人の政治家の死から、すべては始まった。フリーライター・予備自衛官・警視庁公安部外事二課警視、それぞれの立場から調査を始めた男たちは、増強を続ける隣国・中国が、北海道などで日本の国土を次々と買いあさっている事実に突き当たる。
  • 降魔王
    3.3
    “偽りの救世主”vs.剣(はばき)杏之介! 書下ろし傑作ホラー! TVで生中継された政治家の転落死に不審を抱いた剣杏之介が行き着いたのは岩手県東和町。そこには不思議な霊力を持つ神社と理想的共同体「ドリーマー」を創設した美青年レンが待っていた。陰に蠢(うごめ)くのは神か怨霊か?名作「蒼夜叉」から3年、高野山で修業を積んだ剣が命を賭して闘う感動の長編! 〈文庫書き下ろし〉(講談社文庫)
  • 男の城
    -
    マイホームができてみると、設計図の書斎は子供部屋に化けていた。桐原は怒った。妻や義母から逃避する書斎こそ、夢にまで見た男の城ではないか。そしてやっと手に入れた書斎は廊下脇の貧相な部屋。それでも桐原の心のなかでは大書斎なのだ――。女臭ふんぷんたる当世マイホームの中で、けなげに生きる男たちを絶妙な語り口で描く傑作集。
  • 流行作家殺人事件
    4.3
    超流行作家の牛田竜介は誰も顔を見たことがない謎の存在。原稿は秘書の二村久江を通じて渡される。その牛田の家で強硬突破を企てた編集者が殺された。果して犯人は現場から姿を消した牛田なのか?おなじみ大貫警部・井上刑事のコンビがのり出して、とんでもない真相が明かされたのだが──。表題作他2編。
  • 失踪者
    4.1
    2016年、ペルーはブランカ山群。山岳カメラマンの真山道弘は単身シウラ・グランデ峰を登っていた。10年前、クレバスに置き去りにしてしまった親友・樋口友一を迎えにきたのだ。クレバスの底に降り立ち、樋口を見つけ出した真山だったが、遺体の顔を覆う氷雪を落として驚愕する。極寒のクレバスに閉じ込められた遺体は、歳を取ることなく凍りついてしまうはず。しかし、樋口の顔は明らかに10年前より老いていたのだ!
  • 北列車連殺行
    -
    中学の同級生が次々殺される! ひとりは特急から石の鉢を抱えて転落死、またもう一人はビルから墜落。奇妙な連続殺人の背後に浮かぶのは日本の古典物語。本格長編。(講談社文庫)
  • 苺をつぶしながら
    4.2
    35歳の乃里子。剛との結婚解消とともに中谷財閥からも解放されて、仕事も昔の友情も取り戻した。1人暮らし以上の幸せって、ないんじゃない? しかし自分の将来の姿もなぞらえていた女友達に悲しい出来事が。そのとき手を差し伸べてくれたのは……。「誰か」がいるから、1人でも生きていける。
  • スイート・マイホーム
    3.8
    冬は雪で覆われる長野で、妻と娘と3人で暮らしていたスポーツインストラクターの賢治は、「まほうの家」に心を奪われる。 なんと、たった1台のエアコンで家中を暖めることができるらしい。 今住んでいる家は、寒い。意を決して家を購入するも、引っ越し直後から次々に奇妙なことが起こり始める。 新居に招いた友人の子供は何かに怯えて二度と来てくれることはなくなり、赤ん坊の瞳には何やら人影が映る。 さらに、エアコンがある地下室に入り込んだ娘は何かに捕まり泣き叫ぶ。 そこに、恐怖を上乗せするかのように、関係者の一人が不審死を遂げる。 この家には、何かがいる――。
  • 倒錯のロンド 完成版
    3.8
    “原作者”と“盗作者”の緊迫する駆け引きに息を飲む。受賞間違いなしと自信を持って応募した推理小説新人賞が、何者かに盗まれてしまった! 盗作をいくら主張しても誰も信じてくれない。巧緻極まる仕掛けが全編に張り巡らされ、その謎が解き明かされていくときの衝撃、そして連続する衝撃! 叙述トリックの名手・折原一の“原点”に位置づけられる名作、改訂が加わった新装完全版。
  • 密室殺人ゲーム王手飛車取り
    3.8
    1~3巻726~1,100円 (税込)
    頭狂人044APD"aXe(アクス)"ザンギャ君"伴道全教授"。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである…。リアル殺人ゲームの行き着く先は!? 歌野本格の粋を心して堪能せよ。
  • 新装版 ジャパン・プライド
    3.0
    百年に一度と言われた金融危機リーマン・ショック。長引く低金利と経済のグローバル化で傷ついたメガバンク。銀行マンたちも懸命にそれぞれの道を模索していた。超富裕層のオーダーに応えてみせるプライベート・バンキングの旗手・高梨勝。子育てに奮闘しながらも顧客から逃げない新宿西支店のフィナンシャル・アドバイザー南野治子。この国に誇りを取り戻すため、金融動乱に立ち向うバンカーたちの奮闘を描く白熱のビジネス小説! TBS日曜劇場「集団左遷!!」原作で話題の江波戸哲夫が新時代の銀行マンたちを描く!
  • 新トロイア物語
    4.3
    絶世の美女ヘレネと王子パリスが駆け落ちした。ヘレネを略奪した者は、求婚した者全員から報復を受ける。ユニークな「テュンダレオスの掟」が、古代ギリシアに予期せぬ大戦争を巻きおこした。名高い「トロイアの木馬」は真実だったのか。壮大な叙事詩の世界に挑んだ歴史小説。吉川英治文学賞受賞作。
  • 夜かかる虹
    3.2
    ひとり暮らしの私を突然男連れで訪ね、男を置いて帰ってしまった妹リカコ。外見はそっくりで性格は正反対、甘い声で喋り、男に囲まれ、私を慕いながら、一方で恋人まで奪おうとする妹。痛くて切ない姉妹関係をリアルに描く表題作をはじめ、人とのつながり、自分の居場所を誠実に問う作品集。
  • 北斎の罪
    3.8
    幻の北斎漫画が発見された! 美術評論家橋本のもとへ、代議士秘書から持ち込まれた13編の北斎漫画は果たして本物か。そして北斎の罪とは何を指すのか。浮世絵推理の真骨頂を示す表題作のほか「竜の棺」の原点である「竜の伝承」など、伝奇、SF、ホラーの名品をあつめ、高橋ワールドを一挙公開の秀作集。(講談社文庫)
  • 犬婿入り
    3.9
    多摩川べりのありふれた町の学習塾は“キタナラ塾”の愛称で子供たちに人気だ。北村みつこ先生が「犬婿入り」の話をしていたら本当に〈犬男〉の太郎さんが押しかけてきて奇妙な2人の生活が始まった。都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作と「ペルソナ」の2編を収録。(講談社文庫)
  • 戦百景 長篠の戦い
    4.3
    戦国最強の騎馬軍団を膨大な数の鉄砲で打ち負かしたとされる「長篠の戦い」。 だがそこには、それぞれの武将の深い思惑が働いていた。 長篠城の奥平信昌はどうして武田を裏切って徳川方についたのか。 内藤・馬場・山県ら武田の勇将たちは無駄な特攻をなぜ敢行したのか。 家康・酒井忠次主従は何を期して奇襲軍を出したのか。 信長が仕掛けた罠とは何だったのか。 勝頼は絶対的に不利な状況で、なぜわざわざ攻撃を仕掛けなければならなかったのか。 そして、長篠の戦いの最大のヒーローとも言える奥平勢の足軽・鳥居強右衛門の活躍とは。 最強合戦の真実に迫る書下ろし歴史小説!
  • 旧友再会
    4.0
    どしゃぶりのあとには 虹だって出るさ。 人生は、ままならないことばかり。 優しさとほろ苦さが沁みる「中年共感小説」。 難問だらけの家庭と仕事に、葛藤、奮闘、四苦八苦しているうちに、気がつけば「老い」のとば口に差しかかった男たち。 その戸惑いと寂しさを分かち合えるのが旧友なのか、旧友だからこそ、すれ違ってしまうのか……。 「もう若くはないんだから」が口癖になった人と、なりつつある人にエールを贈る5篇を収録。
  • 凪の残響 警視庁殺人分析班
    3.8
    切断された二本の指がクランベリーソーダに沈められていた。 如月塔子は被害者救出に奔走するも、嘲笑うかのように犯人は遺体の在り処を告げる。 だが、なぜか遺体からは親指だけが見つからず、代わりに警察に対する異様な音声メッセージが残されていた。 犯人の恐ろしい狙いとは。 息もつかせぬノンストップミステリ!
  • 傷

    3.5
    刑務所にぶちこんでやりたい――。人気プロ野球選手が膝の手術を担当した名医を刑事告発。故意に靭帯を切断されたというのだ。だが医師は失踪。世間をゆるがす大事件の真相を若手刑事と社会部の女性記者が追いかける。男たちの嫉妬と欲望うずまく球界を舞台にした、著者ならではのハイブリッド警察小説!
  • 春、死なん
    4.0
    「春、死なん」 妻を亡くしたばかりの70歳の富雄。理想的なはずの二世帯住宅での暮らしは孤独で 何かを埋めるようにひとり自室で自慰行為を繰り返す日々。そんな折、学生時代に一度だけ関係を持った女性と再会し……。 「ははばなれ」 実母と夫と共に、早くに亡くなった実父の墓参りに向かった、コヨミ。 専業主婦で子供もまだなく、何事にも一歩踏み出せない。久しぶりに実家に立ち寄ると、 そこには母の恋人だという不審な男が……。 人は恋い、性に焦がれる──いくら年を重ねても。揺れ動く心と体を赤裸々に、愛をこめて描く鮮烈な小説集。 紗倉まな(さくら・まな) 1993年千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてAVデビュー。 '15年にはスカパー! アダルト放送大賞で史上初の三冠を達成する。 著書に小説『最低。』『凹凸』(いずれもKADOKAWA)、 エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社) 『働くおっぱい』(KADOKAWA)スタイルブック『MANA』(サイゾー)がある.。
  • 袋小路の男
    3.4
    高校の先輩、小田切孝に出会ったその時から、大谷日向子の思いは募っていった。大学に進学して、社会人になっても、指さえ触れることもなく、ただ思い続けた12年。それでも日向子の気持ちが、離れることはなかった。川端康成文学賞を受賞した表題作の他、「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」を収録。(講談社文庫)
  • 蟻の階段 警視庁殺人分析班
    3.6
    頭蓋骨に白い花、掛け時計にスープ皿――テーブルの上の惨殺遺体を囲むように置かれた謎めいた品々。絵画を模したような現場を作り、さらに「過去の亡霊」を名乗って警察OBの自宅に電話をかけてきた犯人。自らの存在をアピールしたいのか。如月塔子ら殺人分析班が鋭い推理で明かす、歪んだホシの正体とは。講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
  • 女神の骨格 警視庁殺人分析班
    3.5
    東京・国分寺の古い洋館で火災が発生。鎮火した現場から発見されたのは、奇妙な隠し部屋と、横たえられた白骨遺体だった。その後の調査で、一体かと思われた人骨が、実は男性の頭部と女性の胴体が組み合わせられたものだということが判明する。刑事・如月塔子と十一係のメンバーが、事件の真相を追う! 講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
  • 蝶の力学 警視庁殺人分析班
    3.6
    惨殺された若き資産家の喉には可憐な花が活けられ、その妻は行方をくらました。新聞社には「警察とのゲーム」をほのめかす挑発的なメールが届き、殺人分析班の如月塔子ら警察は怨恨の線で動き出す。しかし犯人の魔の手は警察にも及び、ついに――。猟奇的な劇場型犯罪を緻密な推理で追い詰める人気シリーズ7作目。(「蝶の力学 警視庁捜査一課十一係」改題) ※本作品は 2017年8月10日まで販売しておりました講談社ノベルス電子版『蝶の力学 警視庁捜査一課十一係』の文庫電子版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。
  • 告解
    4.2
    罰を受けても罪は消えない。なら、どう生きていけばいい? 『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』―― 贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。 「自分は運が悪かっただけだ……」 女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生 「やらなければいけないことがあるんだ」 愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男 ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものは――? 深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。
  • ハロー・ワールド
    4.2
    エンジニアの文椎(ふづい)が作った広告ブロックアプリがインドネシアで突如売れ始めた。そこに隠された驚愕の事実とは。検閲や盗撮などの問題を描いた表題作「ハロー・ワールド」をはじめ、インターネッ トの自由を脅かす行為に、知識と技術で立ち向かう文椎の、熱く静かな闘いの物語。第40回吉川英治文学新人賞受賞作。 GoogleカーやAmazonのドローンが次々集まってくる「行き先は特異点」、バンコク出張中にドローンを使った政治運動に巻き込まれてしまう「五色革命」、Twitterが中国に門戸を開いたのを機にTwitterクローン〈オクスペッカー〉をアップデートしてインターネットの自由を守ろうとする「巨象の肩に乗って」、マレーシアのビットコインセミナーに参加中に拉致されてしまう「めぐみの雨が降る」。 単行本刊行時にAmazonランキング1位を獲得した話題作が、これまでKindle版でしか読むことのできなかった「ロストバゲージ」を新たに加え、待望の文庫化!
  • 人類最強の初恋
    4.7
    1~4巻660~814円 (税込)
    ※2020年5月14日まで配信していた講談社ノベルス版『人類最強の初恋』と同じ内容となっております。重複購入にご注意ください。 孤高の赤、哀川潤(あいかわ・じゅん)。 彼女の『今』が語られる。 《最強》シリーズ、開幕! 「あーあ、つまんねーの。自殺しよっかな」 人類最強の請負人・哀川潤。 強くなり過ぎた彼女に、遂に世界のすべてが降伏する。 倒すべき敵も、応えるべき依頼も失った請負人に、 そのとき、初めての「恋」が襲い掛かる! 『戯言』では済まされない、『人間』の枠を越えた、 『最強』のラブストーリー!
  • 滅びのモノクローム
    3.4
    CM制作者・日下(くさか)が骨董市で偶然手に入れた、古いフライフィッシング用のリールとスチール缶。その中から発見した16ミリフィルムの映像をCMに利用しようと考えた日下だったが、そのことが戦時中の封印された犯罪を暴き出し、新たな殺人を引き起こす結果に!? 第48回江戸川乱歩賞受賞作、待望の文庫化。(講談社文庫)
  • 新装版 和宮様御留
    4.1
    攘夷か開国かで二分された国論を調停するために、皇妹・和宮は徳川将軍家に降嫁せよと勅命を受ける。彼女の身代りとされた少女フキは何も知らされないまま江戸へ向かう輿に乗せられる――。大義によって人生を翻弄された女たちの矜持を描き、犠牲になった者への思いをこめた、有吉文学を代表する不朽の名作。
  • プリズン・トリック
    3.3
    市原の交通刑務所内で、受刑者石塚が殺され、同所内の宮崎が逃亡。遺体は奇妙にも“前へ倣え”の姿勢をとっていた。完全な密室で起きた事件は、安曇野を舞台にした政治汚職にまで波及していく。第55回江戸川乱歩賞受賞作。さらに単行本未収録の“ある人物からの手紙”を収めた最強のトリックミステリー。(講談社文庫)
  • マンガ 孔子の思想
    値引きあり
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 二千五百年の時空を超えて私たちに語りかける永遠不滅の思想。マンガで読む「おもしろくてわかりやすい」中国の思想シリーズ新創刊!社訓から「寅さん」まで、中国の聖人孔子と彼の言行録である「論語」は、日本人の日常生活の中に深く融けこんでいる。孔子の人間像とその思想の魅力をマンガでわかりやすく構成。「孔子の一生」「孔子の弟子」「論語」の三部構成で描く、おもしろくてためになる孔子入門書。数十ヵ国で翻訳されているベストセラーを新装版で文庫化。
  • 海翁伝
    3.5
    瀬戸内の水軍・河野氏を祖として、若狭を経て蝦夷地で花開いた松前氏。戦国期、主君への忠義を果たしつつ、前田利家の勧めによって上洛し、豊臣秀吉から交易権を得、さらには徳川家康に安堵されて藩主に。秀吉、家康という二人の天下人に認められ、戦わずして北の大地を護り通した一族を描いた歴史長編。
  • 神の島のこどもたち
    4.5
    奇跡のように美しい南の島 そこには、もうひとつの戦争があった―― 空をゆく特攻機の下、激しい空襲にさらされ、 戦争の最前線となった沖永良部島。 それでもわたしたちは生きる、この小さな島で。 青い空を沖縄に向かって飛ぶ特攻機、天国のように美しい海には死んだ兵隊さんが浮かぶ。第二次大戦末期、小さな島沖永良部に暮らすマチジョーとカミは、大切な家族を失い、食料にも不自由する日々を過ごしていた。それでも唄い、恋をし、ひたむきに働き、生き抜く。南の島に刻まれた知られざる戦争の物語。
  • さよなら日和
    3.6
    「別れ」は止められないけれど、止まった「想い」は動かせる。 閉園をむかえる遊園地を訪れた人々。 彼らの「さよなら」が繋がったとき、心に染みる奇跡が起こる! 閉園が決まった遊園地・星が丘ハイランドパークの最後の一日。訪れるのは、淡い思いを秘める中学生に、離れて暮らす息子と遊びにきた父親、認知症の妻をかかえた老人と、ワケありな人ばかり。営業終了時間が迫る中、なんの縁もない彼らの人生が交錯するとき、小さな奇跡が巻き起こる! 心温まる傑作群像劇。(単行本『廃園日和』を改題。) ~~~ ようこそ、星が丘ハイランドへ! ~~~ ジェットコースター 少年は淡い思いを胸に、苦手なコースターへ。 ゴーカート 久しぶりに会った息子は大人びていて――。 コーヒーカップ 遠距離恋愛の彼氏は、アタシのことをどう思ってる? ヒーローショー 20年ぶりに1日限定で出演するはめになったけど……。 メリーゴーランド 認知症の妻は、この光景を覚えていてくれるのか。 観覧車 家族のいる人との恋。このままでいいわけない――。
  • 聖者の凶数 警視庁殺人分析班
    4.0
    暮れも押し迫った夜、上野の空きアパートの一室で、顔と両腕を損壊された遺体が見つかった。手がかりは、遺体の腹に記された謎の数字と、狩りの守護聖人のカードだけ。連続殺人を予測した如月塔子ら警察の捜査むなしく、第二の事件が発生。またも記された数字は、犯人からの挑発なのか。超人気シリーズ第5弾! 講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
  • 密やかな結晶 新装版
    4.2
    その島では多くのものが徐々に消滅していき、一緒に人々の心も衰弱していった。 鳥、香水、ラムネ、左足。記憶狩りによって、静かに消滅が進んでいく島で、わたしは小説家として言葉を紡いでいた。少しずつ空洞が増え、心が薄くなっていくことを意識しながらも、消滅を阻止する方法もなく、新しい日常に慣れていく日々。しかしある日、「小説」までもが消滅してしまった。 有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。
  • 石の繭 警視庁殺人分析班
    4.1
    モルタルで石像のごとく固められた変死体が発見された。翌朝、愛宕署特捜本部に入った犯人からの電話。なぜか交渉相手に選ばれたのは、新人刑事の如月塔子だった。自らヒントを提示しながら頭脳戦を仕掛ける知能犯。そして警察を愚弄するかのように第二の事件が――緻密な推理と捜査の迫力が光る傑作警察小説! 講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。
  • キマイラの新しい城
    3.8
    「わが死の謎を解ける魔術師を呼べ」フランスの古城を移築後、中世の騎士として振舞い始めた江里。750年前の死の真相を探れ、という彼の奇想天外な依頼で古城を訪れた石動戯作(いするぎぎさく)は、殺人事件に遭遇する。嫌疑をかけられた江里が向かった先は……。ミステリの枠に留まらない知的エンタテインメントの傑作! (講談社文庫)
  • やむにやまれず
    3.3
    時は、過ぎてゆく。何かを成し遂げても何ひとつなさなくても。青春を遠く離れ、その間に何かを得、多くを失った。そんな記憶の断片からなる18の物語は、いまだ胸に残る希望の欠片(かけら)と諦観の間で揺れている。豊かなユーモアとペーソス、やせ我慢と自嘲、感情と論考、それらに昭和の匂いが織り込まれた上質の短編集。(講談社文庫)
  • 水晶の鼓動 警視庁殺人分析班
    3.6
    殺人現場は、部屋中真っ赤に染められた「赤い部屋」だった。東京を震撼させる連続爆破事件との関連はあるのか……。講談社文庫「警視庁殺人分析班」シリーズは、講談社ノベルス「警視庁捜査一課十一係」シリーズと同一シリーズです。この作品は、2012年5月に小社より『水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係』として刊行された作品を改題したものです。
  • ヒットラーの遺産
    NEW
    -
    ヒットラーが最後の夢を託した幻の秘密兵器とは? マスコミ世界の暗部を遊弋(ゆうよく)する二人の男が嗅ぎつけた奇怪な噂、謎の追及と共に浮び上がる現代史の深い亀裂を描く表題作。異国の夜、ファドの調べを背に、長い尾を曳いて消えた二つの星の物語「暗いはしけ」。他に「暑い長い夏」「怨念コマソン館」「双面のヤヌス」。
  • またね家族
    -
    父の余命は3ヵ月。 何者にもなれなかった僕は―― あなたの息子には、なれたのでしょうか。 小劇団を主宰する僕〈竹田武志〉のもとに、父から連絡があった。余命3ヵ月だという――。 自意識が炸裂する僕と、うまくいかない「劇団」、かわっていく「恋人」、死に行く大嫌いな「父親」。 周囲をとりまく環境が目まぐるしく変わる中、僕は故郷の福岡と東京を行き来しながら、 自分と「家族」を見つめなおしていく。 映画、演劇、ラジオなど多岐にわたって活躍する松居大悟が、 不完全な家族が織りなす、歪だけど温かい家族のカタチをまっすぐ描く。
  • 雨の温州蜜柑姫
    3.0
    榊原さんと磯村くんと木川田くんと一緒にやってきた青春大河小説「桃尻娘」シリーズもとうとう完結します。でも青春が終わったってことじゃなくて、いつだってそこにあるかもしれないってことなの。最後の主役は醒井さんねっていう橋本さんのとっても長いあとがきもあるので、ぜったい読んでくださいね。
  • 新検察捜査
    3.5
    殺害した女性の心臓をえぐり出す猟奇事件を起こした少年に、横浜地裁は騒然となる。別の法廷では、被告の医師が何者かに射殺される。少年を担当する検事岩崎紀美子は、少年の心療内科の担当医師のゆがんだ欲望に気づく。激変する法曹界、オレンジ・タブレット、事件の背後にうごめく巨悪。乱歩賞受賞作『検察捜査』のヒロインが、周囲の軋轢を振りはらい、ひるむことなくふたたび巨悪を引きずり出す。痛快本格リーガルサスペンス!
  • 新装版 8の殺人
    3.3
    大胆なトリックで本格ミステリーファンをうならせた傑作長編。建物の内部にある中庭が渡り廊下で結ばれた、通称“8の字屋敷”で起きたボウガンによる連続殺人。最初の犠牲者は鍵を掛け人が寝ていた部屋から撃たれ、2人目は密室のドアの内側に磔に。速水警部補が推理マニアの弟、妹とともにその難解な謎に挑戦する、デビュー作にして傑作の誉れ高い長編ミステリー。(講談社文庫)
  • ハッピネス
    -
    夫と妻、父親と息子、男と友人、主人公と隣人たち。執拗にくりかえされる対話のうちに見えてくるのは、彼自身の心の中の「町」。だが彼は、彼らは、ほんとうにわかり合えるのか? 会話の多い小気味よい文体が、一方でモノローグのように読者に訴えかける。独自の感性で、現代文学の地平に未知の領域を拓く、新鮮な短篇群。
  • 宮辻薬東宮
    3.7
    ちょっぴり怖い、だからおもしろい。これぞエンタメ!!前代未聞の「ミステリー短編バトンつなぎ」「宮辻薬東宮」(みやつじやくとうぐう)宮部みゆきさんお書き下ろし短編を辻村深月さんが読み、短編を書き下ろす。その辻村さんの短編を薬丸岳さんが読み、書き下ろし……今をときめく超人気作家たちが“つないだ”ミステリーアンソロジー。
  • アフリカの蹄
    4.1
    絶滅したはずの天然痘を使って黒人社会を滅亡させようとする非人間的な白人支配層に立ち向かう若き日本人医師。留学先の南アフリカで直面した驚くべき黒人差別に怒り、貧しき人々を救うため正義の闘いに命をかける。証拠品の国外持ち出しは成功するか!? 黒人差別に怒る日本人医師を描く冒険小説!
  • ガラスの50代
    4.3
    本当に私、大人なのか? 『負け犬の遠吠え』の著者が綴る、令和の50代! Webマガジン「ミモレ」の大反響コラム、文庫化! 上の世代からも下の世代からも、 頼りにはされても心配はされないこの年頃の懊悩を、 これから探ってまいります。――本文より 夏目漱石は四十九歳で亡くなった。 かたや、今は人生百年時代。 令和の五十代が抱える悩みの原因は、寿命が長くなったせい。 美容、体調、親、子供、仕事、趣味、セックス、老後の準備……。 もう若くない。でも、老いてもいない。 心身ともにガラスのように繊細な季節を、どう生きる? 共感必至の人気エッセイ!
  • 瓦礫の死角
    3.8
    父親の性犯罪によって瓦解した家族。その出所が迫り復讐を恐れる母。消息不明の姉。17歳・無職の貫多は……。傑作「私小説」4篇。 性犯罪による父親の逮捕を機に瓦解した家族。出所後の復讐に怯える母親。家出し、消息不明の姉。罪なき罰を背負わされた北町貫多は17歳、無職。犯罪加害者家族が一度解体し、瓦礫の中から再出発を始めていたとき、入所から7年の歳月を経てその罪の張本人である父親が刑期を終えようとしていた。──表題作と“不”連作の私小説「病院裏に埋める」、〈芝公園六角堂跡シリーズ〉の一篇「四冊目の『根津権現裏』」、“変化球的私小説”である「崩折れるにはままだ早い」の全四篇を収録。
  • 清正を破った男
    4.0
    戦国時代末期、九州では島津勢が猛威を振るっていた。肥後の一豪族・木山弾正の居城にも島津の大軍が押し寄せる。城を枕に討ち死にか、それとも軍門に下ってしまうか。だが弾正は決意する。選んだ道は、敵の包囲網を突破して、義兄のいる天草へ落ち延びることだった。無事脱出に成功した弾正だが、時代はさらに変転する。弾正は九州の新たな支配者、太閤秀吉の奮う権勢にどう対峙するのか? 傑作戦国時代小説。
  • 真友
    3.0
    「父さんが殺された。親友の父親に」。刑事による警官殺し。憎悪と絶望を胸に、親友だった二人の人生は激変する。仇討ちを誓った少年は刑事に。世間を敵にまわした少年は裏側の世界に。その間で揺れ動く女心ふたつ。二人の人生は二度と交差しないはずだった。さらなる事件が起きるまでは――。
  • 新装版 頼子のために
    3.9
    「頼子が死んだ」。十七歳の愛娘を殺された父親は、通り魔事件で片づけようとする警察に疑念を抱き、ひそかに犯人をつきとめて刺殺、自らは死を選ぶ――という手記を残していた。しかし、手記を読んだ名探偵法月綸太郎が真相解明に乗り出すと、驚愕の展開が。著者の転機となった記念碑的作品。長く心に残る傑作!
  • ラストチャンス 再生請負人
    3.8
    1~2巻880~902円 (税込)
    順調にメガバンクの出世コースを歩んできた樫村徹夫は、送別会の帰り道「あんたの人生、七味とうがらし」と、辻占師に不吉で不可解な言葉をかけられる。深みある人生にするか、辛すぎて酷い味になるかは自分次第。吸収合併を機に、飲食店チェーンのCFOに抜擢された樫村は、綻びだらけの企業を再建できるのか?
  • 抱影
    4.0
    生と死のはざまでほとばしる情念。これが北方謙三だ。 定期的に食事はするが、踏み込まない。響子とは二十二年、そうしてきた。死期が近いと告げられるまでは。硲(はざま)冬樹は画家。売れない絵描きではない。横浜に数軒の酒場を持つ。硲の絵を望んだ響子。消えゆく裸身をキャンバスにして、硲は鑿(のみ)を手にした硲は消えない絵を刻みつけようとする。男と女、北方ハードボイルドの到達点!
  • 青空に飛ぶ
    3.4
    中学2年の萩原友人は、伯母の住む札幌を訪れていた。学校での凄絶ないじめで心が折れた友人は、高いところから“青空に飛ぼう”と決意をしていた。そんなとき、伯母の勤務する病院に入院している佐々木友次のことを知る。佐々木は、太平洋戦争時、特攻隊に選ばれ9回も出撃しながら生還したという人物だった。「死ぬのが当然という状況で、どうして“生きよう”と思い続けられたんだろう」佐々木が所属した陸軍万朶隊の物語、そして佐々木自身の言葉を前に、友人の傷ついた心は少しずつ前を向きはじめるが……。
  • 虹のふもと
    4.5
    やめるなら――それは一体いつなんだ?球界を代表するピッチャーとして海を渡り、MLBでも活躍した川井秀人。45歳となった今も、日本の独立リーグ「JMリーグ」でプロとして現役を続けている。人気拡大を目指し、リーグはエクスパンションを決定。川井は新設されるハワイのチームに移籍することに。そこで待っていたのは、かつて「棄てた」一人娘の美利だった。独立リーグを足がかりに、「メジャー」を目指す若い選手やフロント陣の野心。その中で、元一流選手のベテランが「現役プロ」にこだわり続ける意味とは――。
  • 藤壺
    3.2
    54帖からなる「源氏物語」には、題名しか伝わっていない"消えた一帖"があった!? 5歳年長の義母にして帝の妃・藤壺は、幼くて顔も覚えていない時に亡くなった生母・桐壺と瓜二つのように似ているという。切ない恋心をつのらせていく若き光源氏と藤壺の、許されぬ初めての逢瀬を、作家・瀬戸内寂聴が小説化。
  • 悦楽王 鬼プロ繁盛記
    5.0
    バカでもエロでもええじゃないか! 鬼才、最後の自伝的小説――自らを「サディストではない」と言い切る著者は、いかにして雑誌『SMキング』を立ち上げ、官能小説の大家となったのか? たこ八郎、渥美清ら多彩な人々との交流、’70年代アングラカルチャーの勢い、破天荒な私生活。「どんな風に生きてもいい」と教えてくれた鬼才が、最後に著した自伝的小説。 ◎「明るさと暗さの引き立て合い。まさに、これこそ、団鬼六という作家の真髄ではないでしょうか。そして、『SMキング』の三年間が、その明るさを演出したとは考えられないでしょうか。」<山田詠美「解説」より>
  • 幻想短編集
    3.5
    届けられなかった思いを載せた手紙が届く登天郵便局と、幽霊専門の案件を扱うたそがれ探偵社を舞台に、この世とあの世の間に漂う六つの謎を解く、シリーズ初の短編集。謎の向こうに見えてくるのは、切ない過去か、くすぶる怨念か。ちょっぴり怖くてのちほっこり。今を大切にしたくなる温かな物語。<文庫書下ろし>
  • ほんまにオレはアホやろか
    4.1
    子供の頃から勉強嫌い。就職してもすぐにクビ。戦争で片腕を失い、九死に一生を得るも赤貧時代が待っていた。だけどクヨクヨする必要はない。それはそれなり、救いがあるものなのだ。激動の昭和史と重ねつつ、『テレビくん』で講談社児童まんが賞受賞までを綴ったおとぼけ自伝。読めば元気がわくこと必至!
  • サブマリン
    4.1
    家裁調査官・陣内と武藤が出会う「少年たち」。報道される事件と、実情が違っていることは少なくない。『チルドレン』から、12年。罪と罰をめぐるものがたり。
  • ニューナンブ
    3.0
    ニューナンブとは、日本の警察が使用している拳銃のこと。研修中に上司を目の前で殺された北守(きたもり)は、配属後も、犯人の少年を執念深く追い続けていた。そんななか連続殺人事件が起き、捜査に奔走する。警察官と殺人犯、それぞれが"真の正義"を探し求めて闘う――善と悪の境界線を彷徨(さまよ)う男たちを描いた傑作。
  • 野川
    4.0
    急逝した友人の一周忌近く、故人からの遺贈として届いた一枚の絵地図。友人が好んだ野川の散歩道を描いた絵の片隅で、大人が子供の手を引いていた。それは子を妊った娘の未来像か、東京大空襲の翌朝に母親と歩いた荒川土手の風景か――。はるか時空を往還し、生と死のエロスの根源に迫る、古井文学の到達点。
  • 空白を満たしなさい(上)
    4.1
    ある夜、勤務先の会議室で目醒めた土屋徹生は、帰宅後、妻から「あなたは3年前に死んだはず」と告げられる。死因は「自殺」。家族はそのため心に深い傷を負っていた。しかし、息子が生まれ、仕事も順調だった当時、自殺する理由などない徹生は、殺されたのではと疑う。そして浮かび上がる犯人の記憶……。
  • 最悪
    3.8
    不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。比類なき犯罪小説、待望の文庫化! (講談社文庫)
  • 波之助推理日記
    4.0
    旗本の三男坊で、気儘(まま)な毎日を送っていた早川波之助。ところが、釣りに興じていた舟の上で、女性の遺体を発見してから事態は一変する。その首筋には不自然な痣(あざ)が残されていた。自殺か他殺か? 難事件に直面したその時、波之助の推理が冴え渡る。そして辿り着いた真相とは。書下ろし二編を含む三編を収録。
  • 怪獣記
    4.1
    トルコ東部のワン湖に棲むといわれる謎の巨大生物ジャナワール。果たしてそれは本物かフェイクか。現場に飛んだ著者はクソ真面目な取材でその真実に切り込んでいく。イスラム復興主義やクルド問題をかきわけた末、目の前に謎の驚くべき物体が現れた! 興奮と笑いが渦巻く100%ガチンコ・ノンフィクション。
  • とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起
    4.1
    故郷をおん出て何十年、他国に流離で十何年、親も夫も子も危機で、死と老いと病とが降りかかる。それでも生き抜く伊藤しろみ。この苦が、あの苦が、すべて抜けていきますように。本書は詩であり、語り物であり、また、すべての苦労する女たちへの道しるべである。(講談社文庫)
  • 私的生活
    4.2
    辛く切ない大失恋のあと、剛から海の見えるマンションを見せられて、つい「結婚、する!」と叫んでしまった乃里子、33歳。結婚生活はゴージャスそのもの。しかし、金持ちだが傲慢な剛の家族とも距離を置き、贅沢にも飽き、どこかヒトゴトのように感じていた。「私」の生活はどこにある?
  • 黒い仏
    3.8
    9世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと、1つの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。無関係に見える2つの事柄の接点とは? 日本シリーズに沸く福岡、その裏で跋扈する2つの力。複雑怪奇な事件の解を、名探偵・石動戯作(いするぎぎさく)は、導き出せるのか? 賛否両論、前代未聞、超絶技巧の問題作。(講談社文庫)
  • 鳴子守 見届け人秋月伊織事件帖
    3.5
    悲運の姉弟の絆を想い、哀しく田に響く鳴子守の音。南原(なんばら)家の埋蔵金騒動に絡んで、穴掘り人足が次々と殺される。真相の見届けにあたっている秋月伊織は、数日前に縄暖簾で「穀潰し」と罵られていた貧相な若い人足・仙吉の豹変ぶりを不審に思い、探索を開始した。苦界に身を沈めた姉と、貧しさに翻弄された弟の運命を描く、大人気文庫書下ろしシリーズ第5弾。(講談社文庫)
  • 愛の立待岬
    5.0
    京都府警・捜査一課の橋口警部補は、妹・舞子の結婚式のため、北海道・札幌へ向かった。しかし、式の翌朝、花嫁の舞子は突然失踪し、やがて函館の立待岬で死体となって発見される。哀しみに耐え、犯人捜査にのりだす橋口の前に、さらに第2の殺人事件が……。哀愁の立待岬を舞台に、愛と欲望が交錯する、本格長編推理。函館から京都へ……兄の執念が犯人を追い詰める!
  • 悪霊の午後(上)
    4.0
    1~2巻660円 (税込)
    現代の魔女・南条英子の妖しい魅力を描く長編サスペンス。交通事故で夫を亡くした若く美しい未亡人に魅せられる男たち。作家・藤綱は、英子の夫の事故死に疑問を抱き、不可思議な事件の糸をたぐり寄せて、戦慄する。彼女のつつましやかな昼の素顔の下に隠されている魔性とは……。遠藤文学の異色作。<上下巻>
  • 天の橋立殺人事件
    5.0
    天の橋立に向かう急行の車内で、東京の会社員が殺された。彼は不動産を処分して大金を得て、しかも再婚したばかりだった。新妻や昔の恋人たちが容疑者として浮かぶうち、今度は針供養で賑わう京都法輪寺で新しい殺人事件発生! 連続殺人の謎と時刻表トリック崩しに令嬢キャサリンが挑む、豪華絢爛推理。
  • 京都愛人旅行殺人事件
    5.0
    独身実業家・沖邦彦の花嫁公募に殺到した若い女性の群れから、最後に4人が選ばれた。平凡なOLの中山美佳もそのうちのひとり。4人は沖と京都へ旅する。第1夜に美佳は沖と結ばれ、幸せにひたるが、他の花嫁候補の身に惨事が起きていた。そしてまた次の犠牲者が……。華麗なトリックをちりばめた秀作集。
  • 京都清水坂殺人事件
    -
    古都の陶器店主が絞殺され、現場に砕けた抹茶茶碗が残されていた。失踪した長男、若き後妻と先妻の娘、そして不倫。事件の背景に、様々な愛憎のドラマが浮びあがる。人の心を癒す千年の都で起きた哀しい殺人に、第2の犠牲者が加えられた……。検視官・江夏冬子が事件の謎を鮮やかに解き明かす、本格長篇ミステリ。古都の陶器店主の死の謎、砕けた抹茶茶碗の謎とは?
  • 葉煙草の罠
    4.0
    森麻子は、京都の外国人観光客用ガイドである。フィリピンの貿易商・ベルナスを案内して清水寺にきたとき、英文パンフレットの購入を頼まれた。だが戻って来た彼女が目にしたものは、ベルナスの惨殺体だった。そしてベルナスの右手には、1個の10円玉が握られていた。彼は何を告げようとしたのか? 貿易と政争をからめた、意欲的推理長篇。
  • 十二秒の誤算
    5.0
    ニューヒロイン登場! 不倫調査員・片山由美・27歳。不倫に疲れて会社を辞め、興信所に勤めた由美の初仕事は、主婦の浮気調査だった。夫の依頼で尾行を始めて10日目、妻は愛人と彼のマンションで毒死していた。心中かそれとも……。事件の真相に迫る由美に危険が──。鮮やかな推理で謎を解く、新シリーズ傑作短編集。
  • 花の寺殺人事件
    -
    宇治平等院の藤棚の下で出会った男との結婚を夢みたハイミス。だが、彼女の前途は決してたやすくはなかった。藤、芙蓉、彼岸花、桜、菊、石楠花、月下美人、桔梗などで知られる京都の古刹を舞台にして、トリックの女王がはなやかに展開させる、本格ミステリーの出色連作集。
  • 花嫁は容疑者
    4.0
    秋野夕雨子は推理作家だが、TV「ナイト9」のニュースキャスターとしても活躍している。番組スタッフとバカンスに出かけたグアムのホテルで、新婚旅行中の新郎の墜落死に出会う。事故か事件か? 夕雨子の華麗な推理が真相を解きあすか表題作を始め、トリックと謎解きの醍醐味溢れる本格ミステリ連作集。
  • サンティアゴの東 渋谷の西
    3.4
    遠く離れた南米チリで。瀬戸内海に浮かぶ島で。雑踏の渋谷で。あの何気ない出会いは運命だった。静かな感動が降り積もる六編。
  • 地図のない場所で眠りたい
    3.8
    探検部を卒業し、今を時めく人気ノンフィクション作家となった高野秀行と角幡唯介。未知の世界への憧れを原動力とする点は共通するが、テーマの選び方やアプローチの仕方は大きく異なる。高野は混沌とした人の渦へ頭からダイブし、角幡は人跡未踏の地をストイックに攻める。夢追い人二人の、仕事の流儀!
  • シューマンの指
    3.8
    音大のピアノ科を目指していた私は、後輩の天才ピアニスト永嶺修人が語るシューマンの音楽に傾倒していく。浪人が決まった春休みの夜、高校の音楽室で修人が演奏する「幻想曲」を偶然耳にした直後、プールで女子高生が殺された。その後、指を切断したはずの修人が海外でピアノを弾いていたという噂が……。(講談社文庫)
  • 年に一度、の二人
    3.7
    医師の夫との偽りの結婚生活に疑問を感じながらも、1歩を踏み出せずにいる沙和子。そんな時、出張先の香港で門倉と出会う。強く惹かれあうが、互いを縛りつけることのできない2人が行き着いたのは「年に1度だけ、同じ日に、同じ場所で」という約束。電話番号もメールアドレスも知らない2人の、愛の姿を描く。(講談社文庫)
  • 隣人X
    3.0
    難民問題や異文化交流、同調圧力など現代の世相を作品に昇華した第14回小説現代長編新人賞受賞作。2023年12月1日映画公開! 現代の社会が抱える問題と巧くリンクさせ、登場人物の置かれた環境や心情を通じて難民や移住外国人の受け入れ、違法労働について投げかけてくるところに作者の並みならぬ手腕を感じた。  ――朝井まかて(選考委員) 小説の主軸は三人の女性それぞれの日常にある生きづらさの描写にあり、それが作者と地続きのテーマであるだけに、とてもよく描けている。   ――中島京子(選考委員)
  • 暁の旅人
    3.9
    幕末の長崎、オランダの医官ポンぺから実証的な西洋医学を、日本人として初めて学んだ松本良順。幕府の西洋医学所頭取を務め、新撰組に屯所の改築を勧め、会津藩で戦傷者の治療を指南、さらに榎本武揚に蝦夷行きを誘われる。幕末、そして維新の波にもまれながらも、信念を貫いた医家を描く感動の歴史長編。(講談社文庫)
  • 夜の眼
    3.0
    性に奔放な三十四歳の愛人・静子。あどけなさの残る二十歳の葉子。「性具」と「飼育」、岸波は二人の女との情事に溺れ、“小さな死”という名のオーガズムを求めて喘ぐ。死を求めながら、死に恐怖する。老いのとば口に立った一匹のオスが渇望する真のエクスタシーとは? 社会の禁忌に触れる、衝撃の情事小説。
  • OVER DRIVE
    4.0
    生真面目で寡黙だが、確かな技術で信頼されているメカニックの兄・檜山篤洋と、世界ラリー選手権へのステップアップを目指している天才的ドライバーの弟・檜山直純。篤洋のアドバイスを無視して無謀で危険なレースをする直純はレースの度に篤洋と衝突を繰り返す。ある日、直純の新しいマネジメント担当として、遠藤ひかるがやってくる。彼女を待ち受けていたのは檜山兄弟の確執に秘められた過去、チーム全体を巻き込む試練だった。
  • 霧舎 巧 傑作短編集
    3.9
    名探偵・後動悟が、密室の列車内で、華麗なアリバイ崩しを披露する「手首を持ち歩く男」。師・島田荘司の人気シリーズから御手洗潔と石岡和己の名コンビが登場する「動物園の密室」。ほかに《あかずの扉》研究会と《霧舎学園》のメンバーも集結し、オールスター探偵がハイレベル推理を連発する、珠玉のミステリ短編集!

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