プロフィール

  • 作者名:阿刀田高(アトウダタカシ)
  • 性別:男性
  • 生年月日:1935年01月13日
  • 出身地:日本 / 東京都
  • 職業:作家

早稲田大学第一文学部フランス文学科卒。1964年『ころし文句』でデビュー。 『来訪者』で日本推理作家協会賞。『ナポレオン狂』で直木賞。『冷蔵庫より愛をこめて』や『新トロイア物語』など、数多くの作品を手がける。

作品一覧

  • 小説作法の奥義
    4.0
    小説が躍動する登場人物命名法、読者を満足させる〈九合目の理論〉、書き出しとタイトルのパターンとコツ、本を持たない蔵書術――短篇の名手にして古典名作案内「知っていますか」シリーズの著者が、来し方を振り返りつつ、培ってきた実践的テクニックとアイデアを大公開。創作を志す人々必読の知的興奮に満ちた全10章!
  • 遠い迷宮 阿刀田高傑作短編集 ミステリー
    4.5
    1~7巻605~693円 (税込)
    良家の若妻・真樹子は、そろそろ1歳の娘と朝の時間を優雅に過ごしていた。そこへ、出産の時に病院で世話をしてくれた初江が、突然訪ねてくる。表面は人のいいおばさん風だが、何か薄気味悪い感じのする女。彼女が帰った午後、刑事がやって来て……「来訪者」より。人生、男女、心など、人間が生み出す数々の謎をモチーフに描く、鮮やかで洗練された珠玉のミステリー10編。
  • 本からはじまる物語
    3.1
    1巻726円 (税込)
    森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。1話5分、本の世界の魅力がつまった短編集。
  • 怪しくて妖しくて
    3.0
    1巻913円 (税込)
    ショートショートの名手、阿刀田高が贈る。夢と現実(うつつ)のあわいに現れる、日常の恐怖を描いた珠玉の短編集。黒髪の美しい、不思議な女の後を追って……「黒髪奇談」、かつて「殺したい人、いますか」そう尋ねた孤独な少女……「向日葵の夢」、暗い土蔵のなかに捨て置かれた鏡、その中で蠢くものは……「鏡の中」、同じ夢を見る。他人には言えない秘密を持った日には……「白い部屋」など全12編。
  • 好奇心紀行
    3.0
    1巻660円 (税込)
    〈知の旅〉〈足の旅〉名手が綴る59篇。書物、映画、酒、アジア…「人生」と「旅」をキイワードに古今東西に思いを馳せる。心のおもむくままの旅――いつでも、どこでも、旅は始まる。日々の暮らしの中にも、心を澄ませばすぐ「旅」が見えてくる。本、音、食、酒への「知の旅」、アジア、アフリカ、ヨーロッパへの「足の旅」。「好奇心」をキーワードに、古今東西の異郷を探究してめぐり歩く、珠玉のエッセイ集。心ゆたかな名手がつづる。「旅」は今日も続く。
  • 風物語
    4.5
    1巻660円 (税込)
    30年ぶりの同窓会で再会した男女の心境は? 人生の哀歓を描く秀作集。連作短編12編。人生をそよがす風の妙。大人の寓話――中学時代、ほのかな恋ごころを燃やした美少女がいた。都会から田舎の中学へ転校し、再び都会に去った少女に対して、少年は一度だけ直接話しかける機会があったが、結局、何も話せない。そしていま、30年ぶりの同窓会で、男は女にそれを語ってみると……。時は風、風は人生。さまざまな人生の哀歓を巧みに描き出す、大人の寓話集。
  • 危険信号
    4.0
    1巻660円 (税込)
    短篇の名手が贈るバラエティ豊かな秀作集。人生の危険信号を軽妙に描く12篇。黒い笑いに満ちた夢の宝石箱――美津子は、幼いころからよく腹痛をおこした。それも肝心なときに。楽しい山登りの前夜、友達の家に遊びに行くとき、就職試験の折……。そして会社の同僚の並木から、遠出のドライブに誘われたときも、腹痛がおき、淡い恋は去ってしまった。結局、並木は、美津子の友人・芳枝と結ばれたのだが、これには裏があった! 人生の危険信号を軽妙に描く秀作集。
  • ミステリー主義
    4.0
    1巻660円 (税込)
    謎とジョークは人生のスパイス! 生き方のヒント満載! ――短編小説の名手は、生き方の達人でもあった。デビュー当時の思い出や創作の裏話、名作の評論などを集めた第1部「小説家の頭」。旅先での体験、ユーモアを鍛える実践ジョーク作法、新解釈のことわざ考現学などを収めた第2部「気ままノート」。人生を実り豊かに生きるためのヒントを満載した珠玉エッセイ集!
  • 冷蔵庫より愛をこめて
    4.1
    1巻733円 (税込)
    ほほえみの背後に潜んだ血も凍る恐怖。絶妙のブラック・ユーモアで味つけされた奇妙な味の短編集――事業に失敗して病院に逃げこんだ男が退院してみると、妻はいきいきと働いていた。巨額の借金も返済したという。そんなとき、あの男とめぐり合った。あの男は妻の不貞を告げ、一緒に新商売をやろうと誘う。あの男の正体がやがてあばかれ……。ブラックユーモアで絶妙に味つけされた、才筆の掌篇秀作集。初期作品18篇を収録した処女短篇集。
  • 私が作家になった理由
    3.0
    1巻616円 (税込)
    小説家を志していたわけではない──。戦争疎開のいじめと敗戦を経験した少年時代。父を亡くし生活苦のなかの早稲田大学進学、在学中の結核発症。闘病後の就職難を経て、国立国会図書館に勤務し始めると、執筆の誘いが……。思えば、温かな家庭の原体験と折々の読書が、いつしか作家活動の基盤となったのかもしれない。短編の名手が、辛口ユーモアを交え自己を省みて綴る時代批評&自伝エッセイ。
  • 新装版 最期のメッセージ
    5.0
    1巻660円 (税込)
    ありえない世界のありふれた日常! 傑作ショートショート集――許せない。生かしてはおけない……。惚れたホステスは、とんでもない悪女だった。貯金をはたき、会社の金を使い込み、あげくにクビ。まじめ男の梨本は、5年がかりの復讐を実行するが……。という表題作「最期のメッセージ」を含め、全42編のショートショート集。ありふれた日々の風景が、いつのまにか異世界へすべり落ちていく。
  • 谷崎潤一郎を知っていますか―愛と美の巨人を読む―
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    悪の中に息づく美、常識外れの愛と葛藤、滅びゆく典雅への哀惜――。深い見識と大胆気ままな筆致をあわせ持ち、ユニークな文学世界を確立した文豪の主要作品を、名人技でわかりやすく解説。基本的な知識教養を授けると共にさらなる興味をも呼び起こす、大人気の古典入門シリーズ! 作品評価が一目でわかる六角グラフ付き。
  • 漱石を知っていますか(新潮文庫)
    4.0
    1巻825円 (税込)
    『吾輩は猫である』は長くて歪だ。『坊っちゃん』は俗っぽいし、『門』は暗くてわかりにくい。『こころ』には女性軽視の傾向が……。実は難点ばかり!? の夏目漱石が、日本で百年以上も読み継がれている人気の秘密とは? 代表的13作品を例に、その創作技法から文章術、作者の心理、作品の完成度までを阿刀田節全開で平易に解説。スラスラ読めて明日から語れる、目からウロコの超入門書。(解説・石原千秋)
  • ローマへ行こう
    3.0
    1巻815円 (税込)
    忘れえぬ記憶の中で、男は、そして女も、生きたい時がある。 あれは夢だったのだろうか――大切な人々に思いを馳せる珠玉の十話。 誰もいない家に入って、花を替えテープレコーダーのスウィッチを入れてくる、それだけのこと。小百合が依頼された不可思議な仕事はいったい誰のため?(家族の風景) アンブラッセという言葉を教えてくれたのは、相沢さんだった。フランス語で「抱擁する」という、その意味も――。(めぐりあいて) 夫に怪しい女がいるらしい、何か相談がなかったか、と友人の妻から詰め寄られたが。(ローマへ行こう) たわむれに田舎に向かう幸一が出会ったひとりの行商。見たい夢を見せてくれるという男の誘いに思わず乗った彼の脳裏に現れたのは……。(夢売り) 上記ほか、「第三の道」「文学散歩人」「くちなしの夢」「鈍色の記憶」「夢は嘘つき」「赤い月の夜に」収録。 解説:内藤麻里子 【本書は単行本『アンブラッセ』を文庫化にあたり改題したものです】
  • 私が作家になった理由
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    都会的な短編小説の名手としてだけでなく、多彩な貌を持つ作家がみずみずしい文章で綴った自伝的エッセイ集! エスプリの効いた文章は自己を通した時代に対する批評となり、時にユーモアを交えて辛辣な毒も見え隠れする。 早稲田大学の文学部で学び、卒業後は給料を得て習作するのに適している国会図書館に勤務し、退職して物書きに転身、文学賞をえて作家になる――小説家になる典型と言ってよいほどのコースを歩んできた作家が「初めから狙ってたんでしょ」と聞かれると、ちがうのだと否定する。小説を書くことも注文を受けて初めて筆をとったのであり、若い頃から志していたわけではなく、小説家になる能力など、備わっていない、と思っていたと綴る。でも、83年の人生を振り返ってみると……志していなかったにもかかわらず、小説家になるための経験を思いもよらず積んでいたのではないか。その一場面一場面を綴っていくことによって、作家に「なってしまった」理由が浮かび上ってくる。軽妙なタッチゆえにくぐりぬけてきた時代への風刺も洒脱で、いかにも阿刀田さんらしい“自伝”が編まれた。創作秘話も満載で、デジタル化の波に翻弄されている文学、そして本への尽きせぬ思いも随所に。楽しく読んで腹にずしりとくる、そんな文学論にもなっている。
  • 老いてこそユーモア
    3.0
    ユーモアがあるかないかで、人生の豊かさは大きく変わる。ユーモアはものごとを多角的に眺めることを示唆してくれ、心の防衛にもなる。知的な言葉によって生まれるため、年齢を重ねているほうが扱いやすい。ショートショートを中心に九百編以上の作品を生み出してきた著者が、ユーモアの本質を考察。笑いのパターンから“しゃれ”や“をかし”の文化、日本人と西洋人のユーモアの違い、そしてユーモアの感覚の身につけ方までを開陳。会話が楽しくなる一冊。
  • 【合本版】阿刀田高傑作短編集(全5冊)
    -
    1巻3,025円 (税込)
    人生、男女、心…珠玉のミステリー10編を収録した『遠い迷宮』、日常にひそむ恐怖を描いた戦慄のホラー12編収録の『黒い迷宮』、膨大な蘊蓄と想像力で紡がれる『白い魔術師』、驚愕のどんでん返し! 黒いユーモア11編『青い罠』、そして切なく悩ましい男女のエロス&ミステリー11編『甘い闇』。短篇の名手が放つ5つの《ミステリー》劇場を合本で。
  • 地下水路の夜(新潮文庫)
    3.8
    1巻781円 (税込)
    銀座の地下を流れる水路で、絵本を読み聞かせる美女に出会った少年の日。あれは全部、夢だったのか? 本を人生の友とする男の芳しき幻想譚(「地下水路の夜」)。死んだ少女に捧げる奇妙な言辞。そのリフレインが巻き起こす摩訶不思議な出来事とは(「朗読者」)。源氏物語、ギリシャ神話、夢十夜。短編の名手が古今東西の名作と共に、あなたを不思議な世界へと誘う。全ての本好き(ブッキッシュ)に贈る12の物語。
  • 古書店のオヤジが教える 絶対面白い世界の名著70冊
    5.0
    1巻715円 (税込)
    古典は難しい。 だが、こんなに面白いものはない!聖書・論語から現代哲学まで。名著が読み継がれるには理由がある。本書は難しくて手が出ない……そんな名著も収録!賢人の知恵はあなたの人生により深みを与えてくれるはずだ。有意義で意欲的な読書がここにある!ビジネス、歴史、政治経済、文学……どんな理論もそのルーツは“古典”にある!監修者の言葉「ダイジェストで読んだ気になるのは良くないぞ。原典を読め」と、これは正論である。しかし、読むべき古典は多い。多過ぎる。要は、まず優れたダイジェストに目を通すこと、この本はこの目的にみごとに融合し、さらに次のステップへの良い案内となってくれるだろう。心からお薦めしたいと思う。阿刀田高

    試し読み

    フォロー
  • 日本語の冒険
    3.7
    1巻748円 (税込)
    デジタル時代だからこそ、よい日本語を身につけたい。コミュニケーションの齟齬を防ぎたい。作家・阿刀田高が、文章を読み、書くことの大原則をユーモアたっぷりに綴る、教養と実用のエッセイ集。 ■江戸いろはガルタと上方いろはガルタはどう違う? タは「旅は道連れ」(江戸)「立板に水」(上方) ツは「月夜に釜を抜く」(江戸・上方とも同じ) 果たして「月夜に釜を抜く」とは……?■「一日ひとつ得をした」日記を書く。日本語を身につけるいちばんの早道は毎日日記をつけること。■百人百詩 歌謡曲や百人一首、百人百様の、日本の心の一詩を読み解く。■クロスワードパズル 難しい日本語で、言葉遊び。■翻訳 意味を移すということ ■落語とストーリー ■小説の一行目はどう書くか? ■いい日本語とは何か?様々な角度から日本語に迫り、ユーモアの中に日本語の上手な使い方を解く。
  • 妖しい関係
    4.3
    1巻763円 (税込)
    「死んだら会いに来るよ」。そう言い残して、若くして死んでしまった、年上の女性。合図は話しながら耳をかくことだという(「猫のしっぽ」)。かつて気まずい別れ方をした女性から送られていた、鞄。苦労してナンバー式の錠を開けると、中には褐色のかたまりが……(「鞄の中」)。男と女の関係は、妖しく不思議で、時に切ない。十三の傑作短篇集。
  • 犬も歩けば
    -
    1巻477円 (税込)
    「犬も歩けば棒に当たる」の正しい解釈は? 辞書を調べてみて驚いたその理由とは……。ことわざ一つをとっても考えをめぐらせれば世界は無限にひろがっていく。日々の暮らしや創作活動の中でふと立ち止まった瞬間に、作家は何を考え思うのか。「想像力の寄り道」を、エスプリに満ちた筆致で綴ったエッセイ集。疲れた頭をいやしたい方、必読。
  • おどろき箱1
    3.0
    1~2巻477~517円 (税込)
    おどろき箱を開けると、「誕生日が何曜日かわかるカレンダー」「前に投げてはいけない首」「くっついたら絶対に離れない接着剤」「七色の炎が出るマッチ」……が入っていた。役に立たない、だけどあったらちょっと嬉しい。少年が手に入れた箱から出てくる奇妙な物が巻き起こす、おかしな出来事。短編小説の名手が贈るファンタジック・ストーリー。
  • 朱い旅
    3.0
    1巻517円 (税込)
    はじまりは色褪せた一枚の写真だった――。記憶の奥底に揺らめく見知らぬ男の影。春になると蠢く不気味な衝動。過去から突然届く父の論文……。自分の出自をめぐる疑念から、高見は己に流れる忌まわしい血が導く深い闇へと誘われる。ギリシア、萩、そして鎌倉へ。「私は一体何者なのか?」自らを導く〈運命〉の根源を問う、会心の長編小説。
  • 怪談
    -
    1巻915円 (税込)
    「怪談」「耳なし芳一」などの名作で名高い作家・小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン)。その墓前で謎めいた女性に出会い恋した恒一は、彼女とともに八雲の足跡を辿る旅に出る。八雲の作品を読み返し、焼津、松江、そしてマルチニーク島へ……。過去と現在を往還する旅の果てには、何が待っているのか。「現実」と「物語」が交錯する傑作長編小説。
  • 源氏物語を知っていますか
    4.2
    1巻979円 (税込)
    男女の愛欲と孤独。野心と諦観。縦横無尽に張り巡らされた伏線の糸。平安貴族を熱中させた、極上華麗な大ベストセラー大河小説『源氏物語』五十四帖を、短編小説の名手・阿刀田高があなたのかわりに読みました。大人のユーモアとエロス溢れる軽妙な語り口で、70年以上にわたる長大なストーリーと複雑に絡み合う人間関係が、すんなり頭に入ります。学生からシニアまで全国民必携の一冊。 ※新潮文庫に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 新装版 妖しいクレヨン箱
    4.0
    1巻607円 (税込)
    丘を走る少年と白い犬、金色の月の光と錬金術、酒場の赤い酒が運んで来たもの、安アパートの玄関に置かれた青いハイヒール、年上の少女と飛ばした桃色の紙飛行機――十二の色彩鮮やかな物語を紡ぎ出す<妖しいクレヨン箱>。ここではない世界への境界線を軽々と越えていく全35編の傑作ショートショート集。
  • 新装版 食べられた男
    3.3
    1巻628円 (税込)
    親友のS君が、ゾッとするほどの美人と結婚した。そして1ヵ月、S君の足に、最初の変化が現れた――。どこにでもいそうな人、いつでも起こりそうな出来事、そんな日常の風景が少しだけ捻れた時、静かに恐怖が忍び寄る。表題作「食べられた男」を始め、洗練された恐怖とユーモアのショートショート全41編。
  • 新装版 奇妙な昼さがり
    3.0
    1巻660円 (税込)
    微妙に心地よい脳をくすぐる32編 傑作ショートショート集!郁子が頼まれたアルバイトの内容は、別人になりすまして横浜元町へ行きワンピースを一着買い求め、さらに店で小物入れを忘れて帰ることだった……(「奇妙なアルバイト」より)。せわしないけどありきたりの日常を、いつしか得体のしれない影が蝕んでいく。
  • 新装版 ブラック・ジョーク大全
    3.5
    1巻836円 (税込)
    もともとの反社会的な要素に加えて、狂気の笑いでもあるのがブラック・ユーモア。一見お気楽な笑いの裏には、つらく、苦汁に満ちた思い、あるいは本源的な恐怖が潜んでいる。時の試練をくぐり抜け、ますます切れ味鋭くなった傑作ジョークを、一気に集めた600余編。隠し味の毒スパイスが、かえって薬になるか?
  • ジョークなしでは生きられない
    4.7
    1巻550円 (税込)
    「お前は靴を磨きながら、どうしてあんな下品な歌を歌うのかねえ」「あら、奥さま、そのことでしたら少しも心配ありませんわ。銀の食器を磨くときにはモーツァルトを歌いますから」(『あなたは理屈を持っている』)。小咄やおいろけ話、落語など古今東西の傑作ジョーク集。
  • 夢判断
    4.2
    1巻660円 (税込)
    人間は夢の中で将来起きることを予見できるだろうか? 赤い色の夢を見ると、その夢が必ず実現されるという青年の話「夢判断」。毎週届く奇怪な殺人依頼の手紙と毒入りコーラ事件との不気味な結びつきを暗示する「あの人をころして」。プロの結婚詐欺師にコロリと欺かれたかに見えた自称ハイミスの意外な正体とその復讐「蜜の匂い」。現代人の深層心理を揺さぶる恐怖と笑いの14編。
  • 私のギリシャ神話
    3.6
    1巻495円 (税込)
    世界の至る所に浸透し、痕跡を残しているギリシャ神話。特に西洋の文化や芸術を味わうとき、ギリシャ神話を知っていると、10倍は楽しい! 数多くの神々や英雄が活躍する広大な神話の世界を、ゼウス、ヘラクレス、アプロディテ(ヴィーナス)など、馴染み深い神々のエピソードを中心に、巧みに水先案内。
  • 影まつり
    4.0
    1巻605円 (税込)
    美しい黒髪の妻を自動車事故で亡くした後、再婚したフランス女性も事故で失った画家。彼は奇妙な方法で妻たちを偲び……「二人の妻を愛した男」。妻は“一年に一晩だけ自由にさせて”といった。夫はその願いを長く叶えてきた。だが、妻の秘密を知りたくなり……「女系家族」。女性遍歴の末、愛した女に棄てられた旧友には、驚愕の素顔が……「紅の女」。男女の日常に潜む不可思議をミステリアスに描く傑作短編集。
  • ものがたり風土記
    -
    1~2巻605円 (税込)
    古代からの伝説、民話、童話、近・現代の小説まで……日本各地に「ものがたり」の舞台を訪ねてパワフルに“現場検証”。歴史に埋もれたそれらの「ものがたり」の成立の謎や、作家の思い、登場人物の実像に思いを馳せる。滋賀、鹿児島、新潟、東京――旅するうちに、思索は海外の文学にも及び、『ギリシャ神話』や『グリム童話』、ミステリーの名作なども登場。知的興奮と発見に満ちた、極上の紀行エッセイ。
  • 海外短編のテクニック
    5.0
    1巻693円 (税込)
    長編小説が、人生という一本の木を、根から幹、枝から梢、花も葉もすべて描く営みであるならば、短編小説は、一本の枝を切り、切り口を示して生き方全体をうかがわせる試み。あらゆる技を駆使した作品はおもしろさも多彩だ。日本の短編の名手が、海外短編から厳選して、メリメの名作『カルメン』からインド系女性作家ラヒリの『停電の夜に』まで、バラエティに富んだ作品を俎上に載せ、実作者の立場になって想像し、分析し、ときには妄想までして、そのテクニックをたどる。カフカの作品は長編もあるけれど短編『変身』ひとつを読めばOK、という大胆発言も。
  • 短編小説のレシピ
    4.1
    1巻693円 (税込)
    800編もの短編小説を生み出してきたマエストロがみずから解説・案内する、短編小説の醍醐味。短いだけに、あらゆる技法を駆使した作品は、おもしろさも多彩。小説創りの源泉と技をも教えてくれる。向田邦子、芥川龍之介、松本清張、中島敦、新田次郎、志賀直哉、夏目漱石、ロアルド・ダール、エドガー・アラン・ポーなど10人の作家の、名作やユニークな作品を具体例として選んで特徴を解説し、短編の構造と技法に迫る。短編小説をより楽しく読むためにも、また書くためにも役立つヒントが満載。
  • 小説工房12カ月
    -
    1巻1,496円 (税込)
    小説の名手にして生き方の達人が説く、極上の読書術と素敵な人生のレシピ。松本清張、向田邦子の謎に迫った渾身の作家論、自作の創作の秘密から著者の第二の故郷越後の少年時代、混迷する社会と生き方への提言など含蓄深い提言満載。著者が幾多の名作を生み出して来た“小説工房”の扉を開き発信する、目からウロコのエッセイ集。
  • 魚の小骨
    3.0
    1巻462円 (税込)
    マスコミの報道姿勢、子どもにあげるお年玉の額から、はては雌猿の美醜まで。のどに刺さると気にかかる、世のアレコレを大人のエスプリで余裕たっぷりに語ったエッセイ集。
  • 小説家の休日
    3.0
    1巻605円 (税込)
    楽しくなければ読書じゃない! ミステリーの名手にして、恐るべき博覧強記。世の本好き&活字好きの大本尊(?!)ともいうべき著者が、軽妙な語り口で、日々の想いや創作の秘密、読書の魅力・文学の魔力を語り尽くす。鋭い文明批評や深い洞察とともに、ユーモアもたっぷり配合。“目からウロコ”の発見に満ち、著者とともに古今東西の文学の世界に遊べる、魅力尽きないエッセイ集。
  • いびつな贈り物
    4.0
    1巻605円 (税込)
    幼なじみの敏子と偶然再会した大学講師の堀田は、彼女の不遇に同情するうちに、いつしか情事にのめり込んでいった。彼のイギリス留学でふたりの仲は終りを告げるが、その機会に堀田はある決意を固めた…。表題作「いびつな贈り物」など切れ味するどい男と女のミステリー6篇。
  • 闇彦
    3.7
    1巻484円 (税込)
    作家である「私」の眼前に見え隠れする不可思議なあやかし「闇彦」。幼い記憶の奥底に残るお婆あの言葉、急逝した同級生の少女、海が見える山中の鄙びた温泉宿で語られる「まれびと」の物語、ギリシャの血をひく美貌の女優。人生の要所要所に現れる「闇彦」は、「私」に何を伝えようとしているのか……。短編小説の名手が創作の秘密を初めて明かし、物語の原点にまで迫る自伝的小説。
  • イソップを知っていますか
    3.8
    1巻638円 (税込)
    「イソップ物語」って、本当はこんな話だったの? 「アリとキリギリス」「狼と狐」をはじめ超有名な寓話から無名の寓話まで、安土桃山時代と江戸時代に日本語に翻訳されたイソップ物語をもとに、130余のストーリーを紹介。二千年以上の歴史をもつイソップ物語に秘められた、厳しい世間を生き抜くための智恵とその魅力を阿刀田流に読み解いた、大好評の「知っていますか」シリーズ。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • ホメロスを楽しむために
    4.0
    1巻671円 (税込)
    ギリシャに生れた盲目の吟遊詩人ホメロスの世界が、阿刀田魔術で生き生きと目前に広がります。イリアス、オデュッセウス、ポセイドン、トロイア戦争──著者の名解説を聞きながらのギリシャ周遊パック旅行のような、至れり尽せりの入門書。今までは読みたくても手が出なかった西洋文学古典中の古典のエキスが、苦もなく手に入る大好評シリーズ第6弾。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • コーランを知っていますか
    3.9
    遺産相続から女性の扱い方まで厳格に、でも驚くほど具体的に、イスラム社会を規定する『コーラン』。日本人には理解しにくいと言われるこの書も、アトーダ流に噛み砕けばすらすら頭に入ります。神の言葉『コーラン』は、実は後悔しない人生を送るための親父の説教みたいなものなんです。イスラムとの協調が絶対不可欠な、今だからこそ読みたい『コーラン』の、一番易しい入門書。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • ローマとギリシャの英雄たち 〈黎明篇〉―プルタークの物語―
    3.3
    1~2巻715~770円 (税込)
    いつか歴史の授業で習ったローマの皇帝、ギリシャの賢人。彼らの功績を暗記はしても、どんな人間だったかまでは知りえなかった。教科書の記述からこぼれ落ちてしまった古代リーダーたちの素顔を、恋、性格、家族関係など、魅力的なアプローチで解き明かす! 伝説の古典的名著『英雄伝』を、熟練の筆致で解かりやすく翻案した新しい歴史の入門ガイド。『プルタークの物語』改題。
  • 街のアラベスク
    -
    1巻715円 (税込)
    なぜだろう、この街を歩いていると、僕を通り過ぎていった愛しい人たちへの想いが甦る。まるで、街角の風景が、あの恋の記憶を永久保存していたかのように。井の頭公園、麻布十番、銀座、五反田、神楽坂、浅草、蒲田、新宿・十二社、善福寺──ふとした瞬間浮かび上がる、嘘のなかった誓いの台詞、息も詰まるような別れの言葉。東京という街のアルバムに綴じられた、切ない恋の物語。
  • シェイクスピアを楽しむために
    4.1
    1巻737円 (税込)
    【シェイクスピア】1564~1616(ひとごろしイロイロと覚えます。謀略・発狂・嫉妬・情死、作品の登場人物は、考えられる限り様々な理由でこの世を去ります)。誕生日と命日は同じ4月23日。欧米の大衆娯楽演劇の原点、ハリウッドで最も売れている脚本家、世界で一番有名な作家です。名前は知っているけど、作品も大体見当がつくけど……、という方のための〈アトーダ式〉解説本。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 奇妙におかしい話
    4.0
    1~3巻440円 (税込)
    バス停に一番前でバスを待っていると、見知らぬおばあちゃんがやって来て、私の前に平然と割り込んだ! 並ぶ順番がめちゃくちゃの「静岡式乗車法」とは?(最優秀作)大好評をいただいた『奇妙にこわい話』の続編は『奇妙におかしい話』。笑える話、不思議な体験……、一般応募のなかから、作家・阿刀田 高が厳選した31編を収録する。
  • ますます奇妙にこわい話
    4.0
    1巻440円 (税込)
    車に乗っていて思い出した、小学生のころに聞いた「幽霊トンネル」での恐ろしい出来事……(「或る暗い夜」)。夏休みのある暑い日、彼は友人と遊んでいた……(「安心」)。真夜中に電話をかけてきた婚約者の正体は……(「真夜中の電話」)。一般公募の中から、作家・阿刀田 高が選りすぐった32点を収録。「寄せられた『体験』」シリーズ。
  • 短編小説を読もう

    Posted by ブクログ

    「とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。子どものとき落語全集と銭形平捕物控で短篇のとりこになった著者は、好きな小説を読み漁っていく。自らの体験を通じ、また短篇の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。脳にしみこむ若い時の読書は大切だ。」

    落語『千早振る(ちはやぶる)』
    ・・落語全集は、行ってみればユーモア短篇小説集のようなものですね。横丁の長屋に住むは八っつぁんが長屋の百科事典のようなご隠居さんに質問する。でもその長屋さんの知識には少しあやしいところも含まれています・・。インチキな解釈がみごとに成立した、そのおもしろさを感じた。大

    0
    2024年05月09日
  • ギリシア神話を知っていますか

    Posted by ブクログ

    名画のモチーフには
    ギリシャ神話も多いため
    ギリシャ神話に関する本を読み
    イリアスやオデュッセイアの
    面白さに夢中になったこともありました。

    でも、
    登場人物の名前は難しいし、
    神様がたくさん出てくる上に
    人間(神様?)関係が複雑。
    いろいろ忘れてしまったので
    また読み返したいなと思っていました。

    本屋でたまたま出会った
    この本で、
    あらましを思い出すだけでなく
    解説部分も楽しみながら
    読むことができました。

    0
    2024年05月02日
  • 恋する「小倉百人一首」

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    阿刀田高の小倉百人一首歌評エッセイ。エッセイなので阿刀田高氏の小倉百人一首に関する体験や記憶がつらつらと。それがうまく歌評とリンクしてるのだから読んでいて楽しい。男女?のやりとりも載り、リズム感も良い。薄かろうが厚かろうが本を読むのは苦手だが、百人一首への親しみや阿刀田高氏への親しみも手伝ってさっくり読めました。良書と思う。ただ突然最後の話(章)で愛国百人一首と万葉かるたが出てきたのは驚いた。もっと他の例えから小倉百人一首の評が出来なかったものか?それもまた良いのですが、、、

    0
    2024年04月30日
  • コーランを知っていますか

    Posted by ブクログ

    コーランの。イスラム教の入門書としてこれ以上の本は無いと思う。

    西洋のキリスト教世界的な感じ方に汚染されてしまっている現代の日本人として、一方的な見方でしかイスラム教を見て来ていなかった。
    信じるものか違えば世界の見え方も変わって来るのだ、という当たり前のことが分かっていなかったことを痛切に感じた。

    今後の世界ではイスラム教の信者の数がキリスト教の信者の数を上回ることは必然。
    西洋世界の常識や思考のみに依存せず、偏向のない考え方を教えてくれる最良の書と思います。
    最終章のサウジアラビア、ヨルダンへの旅行記はコーランから一気に現実のイスラム世界に一っ飛び。知ることの出来なかった実際の現地の人

    0
    2024年01月24日
  • シェイクスピアを楽しむために

    購入済み

    細部まで美味しい解説

    語り口が見事だ。このように語られると、とても読みやすい。ただ述べるのではなく、先を読みたくさせる誘導がうまい。また、多岐に渡る素材を上手に配置して、これまた読みやすい。無闇に専門的ではなくて、しかもかなり詳しく核心をついて述べられている。

    0
    2023年12月30日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!