『ダンス・ダンス・ダンスール』が熱い! 男が主人公の青春バレエ漫画
人気漫画家・ジョージ朝倉先生が放つ、異色にして熱血のバレエ漫画『ダンス・ダンス・ダンスール』。バレエに魅入られた少年・村尾潤平の成長を通して、クラシックバレエの奥深い魅力が唯一無二のタッチで描かれています。才能あふれる若者たちが人生のすべてを捧げても、その真髄に触れられるのはほんの一握りだけという恐るべきバレエの魔性と、それを上回ってほとばしるダンサーたちの熱きエモーション――! ドラマティックな青春バレエ漫画をぶくまる書店員がご紹介します。
※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事にはネタバレを含みます。
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目次
『ダンス・ダンス・ダンスール』とは?
バレエは少女たちだけのものじゃない! 男のバレエダンサー=ダンスールたちが主役の本作の魅力を紹介します。
『ダンス・ダンス・ダンスール』の基本情報
作品の詳細を見る
『ダンス・ダンス・ダンスール』 1~18巻 ジョージ朝倉 / 小学館
『ダンス・ダンス・ダンスール』を試し読みする
小学館発行の青年誌『ビッグコミックスピリッツ』で2015年から連載中の『ダンス・ダンス・ダンスール』。現在、18巻までが刊行されています。
作者は、映画化が話題となった『ピース オブ ケイク』(祥伝社)や『溺れるナイフ』(講談社)などで知られるジョージ朝倉先生。スタイリッシュな絵柄と叙情的な表現が女性を中心に大人気です。
これまでは女性コミック誌での連載がメインでしたが、本作で青年週刊誌に発表の場を広げ、性別や世代を超えた熱狂を巻き起こしています!
『ダンス・ダンス・ダンスール』のあらすじ
主人公は中学2年生の少年・村尾潤平。
幼少期に観たステージでバレエに魅了され、教室に通おうとしますが、「モッコリタイツ」「タイツ穿くの!?」「女かよっ」とからかわれたことや、父の死をきっかけに「男らしくなろう」と決意したことから、バレエへの憧れを隠したまま育ちます。
代わりに、父の友人である「三丘のおっちゃん」のジークンドー道場に通って、“男っぽい男”をやっていますが、転校生の美少女・五代都に「さっきの飛び蹴り、バレエのジャンプでしょ?」と見抜かれ、バレエの道に誘われて……。
『ダンス・ダンス・ダンスール』の評判は? 読者の感想【ネタバレあり】
潤平と同じくバレエの世界に引き込まれた、読者の感想をご紹介。漫画が熱ければ感想も熱いぜ…!
『ダンス・ダンス・ダンスール』1巻の感想
バレエか…初めはそう思ったけど
読んでみたら面白かった!
主人公の無茶苦茶なのめり込み具合とかで、今までもってたバレエに対する偏見?などを飛び越えて、続きが気になりました!
バレエ!スポーツ!青春!
小さい頃バレエを習っていた姉の見様見真似でバレエをしていたが…ほぼバレエ素人。
ですが!持ち前の身体能力とバレエに対する情熱で幼少期からひたすらバレエに打ち込んできたライバル達と対等に渡り合っていく姿にドキドキ・ワクワクが止まらないです!
思春期の悩み、恋、ほんのちょっとの性欲、ライバルとの戦い(恋もバレエも)など色々な要素が詰まっていて終わってほしくないと思いながらもページを捲る手が止まりません!
本当に面白い作品です!これぞ青春!
子供の頃に憧れたものって、やっぱりどんなに抑え込んでも、いつかむくむくっと芽を出して、妄想し始めたら止まらなくなって、自分をさらわれてしまい、気がついたら手にしている…
そんな流れと勢いを感じる、ジョージ朝倉の漫画。
大好き。
posted.by ブクログ
『ダンス・ダンス・ダンスール』16~18巻の感想
とにかく面白い!
一巻から今までずーーーっと面白い!漫画を読んで鳥肌が立つ!バレエを爪の先ほども知らないけど、説明がわかりやすいので有難いです。主人公だけではなく、周りのキャラクターの心情や成長も描かれていて、まるでほんとに生きているかのよう。今一番素晴らしい漫画。
ワクワクです
新しいライバル出現!&憧れの人との再会(?)そしてこれから主人公の潤平と夏姫の関係がどうなっていくのか気になります。
主人公(潤平)が楽しそうに踊るから、その気持ちがこっち側にもバシバシ伝わって読んでて本当に楽しい。バレエの話で知識もないけど全く苦にならないのは、きっと潤平が楽しそうに踊っているから。いつも潤平、頑張れって声かけたくなる。
そんな魅力的な主人公がマンガの最新巻。是非手にとって読んで欲しいです。
『ダンス・ダンス・ダンスール』のキャラクター
ダンサー、コーチ、スクール経営者と、立場は違えども皆バレエを愛する登場人物たち。漫画のワンシーンとともにご紹介します!
村尾潤平(むらおじゅんぺい)
本作の主人公。幼少期にバレエに心を掴まれたものの、「男らしくある」ためにバレエへの思いを押し殺してきた。しかし、転校生・五代都に誘われてからは、その高い身体能力を活かしてバレエの才能を開花させていきます。
思ったことはすぐ口にする物怖じしない性格ですが、一方で人の顔色を読んで、調子を合わせる一面も。バレエに対する葛藤を乗り越えてからは、感情に任せてすぐに踊りだす、表現力豊かな様子が目立ちます。
身体能力のみならず、長身で手足が長く小顔と素材にも恵まれており、特に脚の形が素晴らしい逸材。
バレエを始めてすぐの頃に、ロシア最高峰のバレエ団で日本人初の「ダンスール・ノーブル(王子を踊ることを許されたダンサー)」を目指すと宣言する、THE少年漫画の主人公。君ならきっとバレエ王になれる……!
五代都(ごだいみやこ)
潤平の同級生で、流鶯の従姉妹であり幼馴染。「特徴:かわいい」と紹介したくなる可憐な美少女。日本トップクラスのプリンシパルだった千鶴を母に持ち、自身も幼少期からバレエを学んできた“バレエエリート”だが、闘争心に欠ける性格と華のなさゆえに、千鶴からはプロには向かないと言われている。
教室でジークンドーの飛び蹴りを見たときに潤平のダンスセンスを見抜き、パンチラの力でもってして、潤平をバレエの道へと導いた功労者。幼馴染の流鶯のことが気になっていたようだが、潤平とも良い雰囲気に……?
森流鶯(もりるおう)
ロシアと日本のクォーターで、日本人離れしたルックスとスタイルを持つ美少年。幼い頃に祖母に引き取られ、ほぼ幽閉状態でバレエの英才教育を施されてきた。そのため、漢字の読み書きが苦手だったり、電車の乗り方がわからなかったりと、浮世離れした仕上がりに。
ほとんど学校に行かず引きこもっていたため、同世代とのコミュニケーションが苦手。しかし、バレエの腕前は一級品で負けん気も強い。
社会現象にもなった伝説のアイドル・森真鶴の息子。
五代千鶴(ごだいちづる)
都の母で、バレエ教室「五代バレエスタジオ」の指導者。若い頃はロシアのバレエ団に所属しており、帰国後、生川はるかバレエ団にプリンシパルとして入団。しかし、その我の強さからか、団内でのトラブルが絶えず退団し、独立して自分のバレエ教室を開いた。
潤平を最初に見出し、彼の才能を最も信じている人物。潤平が生川の教室に移ってからも、「潤平母の友人」として彼のことを見守っている。
生川綾子(おいかわあやこ)
日本5大バレエ団のひとつである「生川はるかバレエ団」の代表で、日本バレエ界の重鎮。クラシックバレエの正統な芸術性を重んじており、潤平と流鶯が演じた即興性の高い「白鳥」の舞台を酷評した。
が、潤平の素質と才能にいち早く目をつけて、「五代バレエスタジオ」から奪い取ろうと画策する。卓越したバレエへの審美眼と商魂たくましい計算高さを併せ持った、最強の経営者。
生川夏姫(おいかわなつき)
生川綾子の娘。小学6年生の頃からSSクラスに所属し、別格の存在感を放っていた。「生川はるかバレエ団」代表の娘という恵まれた境遇と、生まれ持ったバレエの才能に甘んじることなく、人一倍の努力を続け、生川で唯一飛び級を許された。普段はしかめっ面をしていることが多いが、笑うとめちゃくちゃかわいい。
潤平とペアで踊った際に、目の前で火花が飛び散るような高揚を体験し、それ以来、潤平のことを特別な存在として意識している。
中村先生
「生川はるかバレエ団」の講師。レッスン中はバンダナをしていることが多いため、潤平から「バンダ中村」というあだ名を付けられていた。生川のサマースクールに飛び入りで参加した潤平に素質を見出し、基礎の基礎からバレエを叩き込んだ。
正統なクラシックバレエを潤平に教えると同時に、潤平の奔放さも認め愛する良き理解者。本作の中で一番かっこいい大人かもしれない。
ニコラス・ブランコ
潤平がバレエに魅せられるきっかけとなったダンサー。ずば抜けた身体能力と音楽性、そして見るもの全てを照らす太陽のような魅力を持つ。ABT(アメリカン・バレエ・シアター)のプリンシパルに抜擢されるも、その後ケガが続き、不遇の現役時代を送る。27歳の時に片足を切断するバイク事故を起こして、表舞台から姿を消すが……。
おばあ様
千鶴と真鶴の母親で、流鶯にバレエを叩き込んだ祖母。ソ連時代のロシアでトッププリマを目指すが挫折。現在は認知症を発症している。元気だった頃は触れる者皆傷つけるトラウマメーカーだった。
『ダンス・ダンス・ダンスール』の楽しみ方
バレエの世界に耽溺したり、主人公・潤平の成長を応援したり、登場人物たちの様々な感情に心を寄せたり――本作の見どころをご紹介します!
バレエの世界を堪能する
一般的にバレエといえば、伝統や形式を重視した美しさが特徴。オリジナリティやケレン味には欠ける印象ですが、本作ではダンサーの心理描写とともにダンスシーンがダイナミックかつドラマティックに描かれる――!
しかし、バレエ専門webメディア「バレエチャンネル」の編集長・阿部さや子さんを監修者として迎えているため、ダンスシーンは決して荒唐無稽なものではなく、きちんと正統派の魅力をたたえています。
複数のダンサーが、ダンスを通じて心を通わせるような描写も読者の胸を震わせます。互いに一芸を極めた者同士の心の交歓、激エモすぎる〜〜〜。
特に、潤平と流鶯が「白鳥」の舞台で、王子とロットバルトとして対峙するシーンは圧巻の一言。
舞台上での濃密な応酬があまりにスリリングで、思わず息を忘れてしまいそうになります。魂のダンスは…人を……殺せる……!
潤平の成長を見守る
身体条件や運動神経には恵まれていたものの、14歳でバレエを始めた潤平は明らかに出遅れています。パ・ド・ドゥ(男女2人組での踊り)で都と踊ったときも、鏡に映る姿は残念なお猿さん……。
幼少期からバレエを習っていたライバルたちとの差に苦しみながらも、「バレエが好き」という一心で過酷なレッスンに耐え、成長していきます。
最初は「心のままに気持ちよく踊りたい」という思いが先走り、型にこだわるクラシックバレエに面白みを見いだせなかった潤平。しかし、指導者やバレエ仲間の言葉、そして何より自身がバレエと向き合った経験から、クラシックバレエの本質を学んでいきます。読者も潤平とシンクロしながら、「バレエの魅力ってこういうことか!」とクラシックバレエの沼へと引きずり込まれていく……!
お猿だった潤平が、彼なりの「ダンス―ル・ノーブル(王子)」に近付いていく姿から目が離せません!
登場人物の繊細な心理描写を味わう
トップを目指すダンサーは、幼少期から現役時代までのほとんどの時間をバレエにささげなければならないため、彼らにとってバレエは人生そのもの。それゆえ、表舞台でも舞台裏でも様々な感情が交錯します。
限られたスカラシップの枠をめぐる衝突に、
バレエに呪われた“おばあ様”からの呪縛、
成長への戸惑い、
そしてなにより、踊ることの喜び!
これほどに様々な感情を引き起こすクラシックバレエの奥深さよ……。バレエに対して「退屈」「お高くとまっていそう」といった印象を持っている人ほど、本作を読んでみてほしい! かならず覆りますから!!!!
まるで舞台の熱気がそのまま伝わってくるよう! 青春バレエ漫画に熱狂せよ
「バレエ初心者の男子中学生がバレエ大国ロシアのトップの団で『ダンス―ル・ノーブル』を目指す」というと、現実味のない破天荒な物語かと思ってしまいますが、本作は潤平の型破りなダンスの才能と正統なクラシックバレエの魅力、両方が堪能できるようになっています。荒削りだった潤平のダンスが、まさにダイヤが磨き上げられるように、クラシックバレエの作法によって洗練されていく――若木のようにすくすくと成長していく潤平のみずみずしい魅力と、数百年に渡る伝統を持つクラシックバレエの研ぎ澄まされた美しさ。この対比がたまらなくドラマティックで、ど素人でも熱狂必須、YouTubeでバレエ動画を見たくなってしまいます。そして、バレエ動画を見れば、本作ダンスシーンがより一層魅力的に見える……。この幸せ過ぎる永久機関、ぜひ体感してみてください!
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