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『ワンダンス』バトルあり恋あり、高校ダンス部で「今」が躍動する!!

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ダンス=神々(パリピ)の悪戯(あそび)、と勝手に脳内変換されてしまう古いタイプのオタクが今回紹介するのが、高校ダンス部を舞台にした『ワンダンス』です。
イケてる男女の表紙に、やや構えて挑んだ結果……。
え、何この動き人間じゃない。てかダンスってこんな地道な練習するものなの? ダンスやってる人=全員B-boyじゃないってマジか。はーダンスの良し悪しって、そういうポイントで見るんですね。いやかっこいい。ダンスかっこいい。というか青春がアツイ……!
と、ぐいぐい引き込まれてるうちに2巻を通読してしまったことをここに告白いたします。

悩みあり、恋ありの高校生たちの青春物語としてはもちろん、現役ダンサーも認めるほどのリアル、かつ素人にもわかりやすいダンス描写や解説が話題の本作。その基本情報と魅力などを紹介します。

※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事にはネタバレを含みます。

『ワンダンス』って、どんな漫画?

周囲の目を気にして生きてきた男子高校生・小谷花木(通称:カボ)が、ダンスを愛する少女・湾田光莉(通称:ワンダ)と出会い、ダンス部に入部したことで変わっていく姿を通してダンスの魅力を描いた『ワンダンス』。「アフタヌーン」(講談社)で連載中の本作の作者は、実写映画化も控える『のぼる小寺さん』(講談社)の珈琲先生です。
2020年4月現在、単行本は2巻まで発売中。高校生ダンスのコンテストを目指すカボたちの成長、そして切磋琢磨しつつ、互いへの気持ちを募らせるカボとワンダとの関係がまぶしい青春作です!

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『ワンダンス』あらすじ

吃音がコンプレックスで、中学時代は周囲から浮かないことだけを考えて過ごしてきたカボ。高校入学後のある日、校内でひとりで踊るワンダのダンスを偶然目撃し、強烈に引き込まれてしまいます。
ダンス部に入部するというワンダとともに部の見学に向かったカボは、ダンス初心者ながら「しゃべらなくても伝えることができる」ダンスの魅力のとりこに。そんなカボの隠れた才能に目をつけたのが、部長の宮地恩。部内のオーディションで選抜されたカボは、入部早々6月に開催されるコンテストに出場することになり!?

『ワンダンス』登場人物

小谷花木(こたに・かぼく)/通称:カボ

吃音により、友人との会話からワンテンポ遅れてしまうことがコンプレックスで、自分を殺し、周りに合わせることを処世術としてきた高校1年生。高校ではバスケ部に入部するつもりでしたが、周囲の目をまったく気にせず自分の世界で踊るワンダのダンスを目にし、導かれるようにダンス部に入部します。
ダンスに関しては素人ながら、ワンダとともに踊ることだけを考えて練習に没頭した結果、急成長。部長の恩ちゃんからも一目置かれ、「面白い子」という評価を得るなど、今後大化けする可能性を秘めたチート系主人公です。

湾田光莉(わんだ・ひかり)/通称:ワンダ

カボをダンスの世界に引き込んだ張本人。見る者を引きつける強烈な個性のダンスを踊ります。行動力の塊で、ものおじしない彼女の夢は「マイケル(・ジャクソン)みたいなダンサー」になること。この顔面と小柄な体形でゴリッゴリに踊ってくれちゃうんですから、やばいです。
才能に恵まれる一方、人に合わせるのは不得意な様子。LINEも使わないため周囲との連絡手段にとまどうなど、今どきのJKとして不器用な一面も。そんなワンダから見ると、周りの人を常に気遣うことができるカボは「素敵だと思う」そう。
父子家庭で、コンビニでバイトをするなど苦労がありながらも、いつも明るいいい子です。

宮尾恩(みやお・おん)/通称:恩ちゃん

ダンス部部長。高校3年生にして、すでにダンス歴10年以上。HIP HOP、POP、LOCK、WAACKなど幅広いジャンルを踊ることができる部のエース。小学生のときにNe-YoのPVでダンスに目覚め、高校生にしてインストラクターとして活躍するなど、ダンスを愛し、ダンスに愛されたキャラ。将来の夢は演出家。

厳島伊折(いつくしま・いおり)

2年生。ダンス部に籍を置きながら、ほとんど顔を出さない幽霊部員。普段はHOUSEジャンルをメインに踊り、大人に混じってのダンスバトルでも優勝するなど、ダンスの天才がここにも。圧倒的実力の差から高校ダンス部を物足りなく感じ、参加しなくなっていたようでしたが、2巻でのカボとのダンスバトルを経て、再び部活動に興味を持ち出します。

仁上ゆら(にがみ・ゆら)

1年生。自分ではダンスの実力はかなり高いと自負し入部したものの、恩ちゃんの評価は「ちょっと動ける子」。「ダンスは動きの完成度」だというのが持論で、動きの正確性にとらわれるあまり、曲を楽しむことができていないことがネックに。自分とは正反対のタイプのワンダをライバル視するようになります。

蛍原(ほとはら)/通称:ホト

中学時代からカボとつるんできた友人。高校ではバスケ部に。踊るワンダを盗撮した動画を勝手に上げたり、カボのコンプレックスを突いた発言をしたりします。やたらとカボとワンダの関係を気にしているのも、なんだか気になります。

『ワンダンス』ここがすごい5つのポイント

ダンス素人もとりこにしてやまない『ワンダンス』。ここでは5つのポイントからその魅力を紹介します。

【1】HIP HOP系ダンスの魅力が初心者にもわかる!

これまでのダンスジャンル漫画の大手といえば、バレエやソシアルダンスが真っ先に思い浮かびますが、本作で取り上げているのは、HIP HOP系ダンス。一見、とっつきにくく感じてしまう読者もいるかもしれませんが、ストリート文化には振らず、あくまで高校のダンス部という枠の中で話が進んでいくため、ダンスとかさっぱりだわ、という人でも物語に入りやすいのが特徴です。
ダンスの動きの説明や、音の取り方、魅力的なダンスは何が違うのかなどなど、話の要所で一つひとつが具体的に解説されており、「ダンサーの人たちがよくやるあの動き、『クラブ』っていうのか」など、読めば自然にダンス入門にも!
加えて、スタイリッシュできれいな絵柄の魅力も外せません。特に女の子がキュート! ゴツいストリート系や不良系漫画アレルギーな方でも、かわいいキャラクターの表情や動きにいつの間にか引き込まれてしまうことをお約束します。
またダンスシーンでは腰のアップや股下からのアングルなど、めちゃくちゃ躍動感のあるカットの連続。静止画でダンスの勢いを感じさせてしまう珈琲先生、脱帽です。

【2】ヒロインのワンダがとにかくかわいい

華奢で小柄、前髪ぱっつんの姫カット、表情豊かな顔。かわいいJKの理想形のようなワンダが、ダンスシーンになると一転、激しい動きで圧倒するのも見せ場です。
制服は常にダボダボのセーター(もちろん萌え袖)にめっちゃ短いスカート&ローファー。その格好でパンツ見えそうなくらい遠慮なしに踊りまくるのだから……はい、たまりませんね。
ダンス部での活動中やカボとの自主練の際は、キャップにトレーナー&ショーパン姿に。時にへそ出しのミニスカやタンクトップでサービスするなど、あざとさ反則級。そんな激かわ女子に「私のことちゃんと見て」とか言われてしまうカボが、もう、素直にうらやましい限り。

【3】カボくんの成長物語として秀逸

吃音をコンプレックスとするあまり言いたいことも言えないカボは、いわゆる陰キャ。ダンス漫画なのに陰キャが主人公という点こそ、本作最大のアドバンテージと思ってしまうのは私だけでしょうか。
そんな彼がワンダと出会い、ダンスに打ち込む中で自分に自信を取り戻していく姿には、いちいち胸を熱くさせられてしまいます。
物語の舞台は、どうやら大阪近郊の田舎街。狭い世界からはみ出すことが許されない中、それまでグループ内で力強めのホトに逆らえなかったカボが、ワンダの盗撮動画を消すことを強く求めたり……。
吃音について、自ら「スクラッチみたいなもの」とポジティブに発言できるようになるなど、夢中になれることを持った者の強さが見える瞬間に、素直に感動してしまいます。

【4】登場するのは有名曲ばかり。踊りたくなった人もぜひ!

そして、本作にはダンス素人にもやさしい仕掛けがてんこ盛りです。たとえばダンスシーンには、それぞれ今何の曲で踊っているか、具体的に楽曲が明記されています。
一例がこちら。

『Don’t』エド・シーラン
『Lost In Japan(Original+Remix)』ショーン・メンデス,ゼッド
『Break Of Dawn』マイケル・ジャクソン
『Chenges ft.Talent』2Pac

などなど、洋楽さっぱりな人でも、実際に耳にすれば「あ、聞いたことある!」となる有名楽曲が使用されているのも、うれしいポイント。
気になったら検索すればすぐに聞けるので、絵を追いかけながら音楽を聞いて想像する、なんて楽しみ方も。
さらに実際に踊ってみたくなった人にも親切設計です。リズムの取り方、体のパーツの動かし方の練習方法など、初心者向けの解説が充実しているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
ここまでダンスについてわかりやすいのは、やはり作者・珈琲先生ご本人のダンス経験からのようです。なんと、珈琲先生が実際に踊った動画も公開されています。


漫画を楽しんでいたはずが、気づけばいつの間にかダンスそのものについての興味を喚起させられてしまうのが、本作の面白さ。もちろん、ダンス経験者が読めばより深い楽しみ方ができるはずです!

最後に

ダンス=パリピのものと安易に結び付けていたかつての自分の思い込みを、たった2巻で見事に粉砕してくれた本作。踊らずにはいられない、という精神は、推しを追いかけずにはいられない、創作に打ち込まずにはいられない、なんていうオタクの精神とも共鳴するものだということを思い知らされました。その精神にアツイ青春が加えられた本作が、面白くないはずがないわけで。
ここまでチートキャラの片鱗をのぞかせるにとどまっているカボが、今後どう化けていくのか。恋愛というよりも同志としての絆をどんどん深めていっているカボとワンダの関係は、などなど気になる点が満載です。3巻発売まで、YouTubeでダンス動画を漁りながら待ちたいと思います!

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