『青のオーケストラ』高校オケ部の青春群像劇★使用楽曲解説もあり!【ネタバレ注意】

★2023年4月25日 追記★
NHK Eテレにてアニメ「青のオーケストラ」放送中!主人公の“元・天才ヴァイオリニスト”青野一(ハジメ)を千葉翔也、一の友人で同じくヴァイオリンを奏でる秋音律子を加隈亜衣が演じ、臨場感あふれる演奏シーンが話題です。
今年1月に第68回小学館漫画賞 少年向け部門を受賞し、累計発行部数は400万部を突破した大人気マンガ「青のオーケストラ」を詳細解説した、『ぶくまる』人気記事をプレイバック!
(原作6巻までのネタバレを含みますので、予めご了承ください)
2023年4月現在11巻まで刊行中です。
マンガはこちら⇒https://booklive.jp/product/index/title_id/447812/vol_no/001
「オーケストラ」と「吹奏楽団」の違いをご存知でしょうか? 前者にあって後者にないもの、それは「弦楽器」。ヴァイオリンやチェロをはじめとした弦楽器と金管楽器、木管楽器、打楽器で構成されるオーケストラを、部活動の一つとして取り入れている学校も少なくありません。
『青のオーケストラ』は主人公の高校生ヴァイオリニスト・ハジメを中心とし、高校オーケストラ部(通称「オケ部」)を舞台に展開する群像劇。クラシック、音楽はもちろん、高校生たちが繰り広げる青春、ライバル同士の競い合いや努力、家族や才能をめぐる葛藤、そして淡い恋愛……といった内容をまとめて楽しめるオイシイ作品です。この記事では、作中で使用されている楽曲の解説もしながら、作品の魅力、今後の展開などを探ります。
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※当記事に記載の内容は全て「ぶくまる編集部調べ」です。また、当記事にはネタバレを含みます。
『青のオーケストラ』作品紹介
- 『青のオーケストラ』 1~11巻 阿久井真 / 小学館
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『青のオーケストラ』あらすじ
プロヴァイオリニストの父に育てられ、自身も天才的なヴァイオリンの才能を持つ少年・ハジメ。とある理由でヴァイオリンを捨てた彼は、中学校の保健室でヴァイオリンを練習する律子と出会い、ヴァイオリンを弾く楽しさを思い出します。
やがて2人は、高校オケ部の名門・千葉県立海幕高校に入学。圧倒的な才能を持つ部員たちと切磋琢磨する中で、ハジメは自分や自分を縛る過去と対峙し、その才能に磨きをかけていきます。
『青のオーケストラ』登場人物紹介
まずは主要なキャラクターを、担当楽器や専門用語の解説つきでご紹介。
海幕高校オーケストラ部1年生――未知の可能性に期待大!
・青野一(ハジメ)/1stヴァイオリン
©阿久井真/小学館
勉強苦手、運動音痴、コミュ力は低め……と、一見さえない男子高生ですが、実は国内トップレベルの実力を持つ天才ヴァイオリニスト。小学生の時はコンクールを総なめにしていました(部屋には全日本ジュニアのトロフィーも!)。
とある事情で中学時代はヴァイオリンから離れていましたが、高校オケ部の強豪校・海幕高校に入学して再びその才能が開花。1年生ながら、将来的には主旋律を担当する1stヴァイオリンのコンサートマスター(コンマス)を期待されるほど。普段は真面目で大人しいですが、ひとたび演奏が始まると……。ド迫力の演奏で、聴く者をその世界へ引き込みます。
ヴァイオリニストとして有名な父・龍仁を憎んでいると同時に、同じ演奏者としてコンプレックスを持っています。・秋音律子/2ndヴァイオリン
ハジメの中学校からの友人。中学時代はある事件をきっかけに保健室登校をしており、保健室でヴァイオリンの練習をしていたところハジメと出会います。頭も運動神経もよく、快活でまっすぐな性格ですが、頑固ゆえに人とぶつかってしまうことも。ヴァイオリンを始めたのは中3時と初心者のため、海幕高校オケ部では伴奏を担当する2ndヴァイオリンに所属。持ち前のガッツと人並み外れた練習量でめきめきと成長し、ハジメに刺激を与えます。©阿久井真/小学館
・佐伯直/1stヴァイオリン
いつも冷静沈着、ハジメに匹敵する天才的ヴァイオリニストで、時にハジメにコンプレックスを与えるよきライバルです。基本的にクールですが、ともに暮らす祖母や、数少ない友人の1人であるハジメの前では、感情を高ぶらせることも。
©阿久井真/小学館
12歳までドイツで暮らしていたため、日本語の読み書きが苦手。言葉を使わなくても多くが伝わる音楽に助けられたことも多いとか。日本にやってきたのにはとある理由があり……。
・小桜ハル/1stヴァイオリン
気弱で人見知りな、律子の中学校からの友人。いじめにより中学校を不登校、転校しましたが、高校で律子と再会。互いの欠点を補い合う友情は見どころです!©阿久井真/小学館
幼い頃から演奏していただけあり、ヴァイオリンの演奏技術は確か。実は小学校低学年の時にハジメとコンクールで出会っており、いつか一緒にブロッフの曲を弾く“約束”をしています。以来、ハジメに淡い恋心を抱いている様子。
・山田/チェロ
©阿久井真/小学館
人懐っこくて明るいムードメーカー。中学時代は管弦楽部でしたが、自分が一番上手だというプライドを転校生の佐伯にへし折られ、一度は音楽を止めようと思ったことも。同じ高校に入学した現在は、友達ができにくい佐伯のことをさりげなく気遣っています。1人だけ名前が未発表なのが気になりますね!
・立花静/2ndヴァイオリン
音楽系の部活が強い北中学校の管弦楽部の部長を務めていたほどの腕前ですが、海幕高校では本人の希望で2 ndヴァイオリンに所属。厳しい上に気が強く、周り(特に律子)と衝突することもしばしば。
©阿久井真/小学館
実は不器用でツンデレな、なんやかんやで頼りになるいいやつです。
オーケストラ部2年生――個性は強いが頼れる先輩たち
©阿久井真/小学館
・羽鳥葉/1stヴァイオリン
チャラい見た目とは裏腹に、強者揃いの3年生に混じって演奏するレベルの実力者。ダンス部と兼部していましたが、ハジメたち1年生に刺激され、オケ部に集中することに。次期コンマスを期待されていますが、素行と口の軽さが課題です。・裾野姫子/1stヴァイオリン
次期パートリーダーのしっかり者。どっしりとした存在感と、キビキビとした言動で、一年生に適度な緊張を与えています。・滝本かよ/1stヴァイオリン
おっとりとした性格。個性の強い2年生の中で、癒し系のポジションです。オーケストラ部3年生――クセ者揃いの実力者メンバー
・原田蒼/1stヴァイオリン(パートリーダー)
指揮者の次にオケをまとめるコンサートマスター(コンマス)。とびっきりの笑顔と明るく温和な性格、そして体全体を使った抜群の演奏技術でオケ部をまとめ上げています。©阿久井真/小学館
笑顔の裏には、強豪校としての重圧に打ち克ってきたという強い素顔も。それがまた、理想のコンマスとしてハジメたち後輩に尊敬の念を抱かせるのです。
・立石真理/フルート
©阿久井真/小学館
美人で優しい部長。管楽器のため登場回数は少ないですが、定期演奏会のメンバー決めオーディションなどでハジメの演奏を耳にしており、一目置いています。
・米沢千佳/2ndヴァイオリン(パートリーダー)
明るく優しく、時に厳しい、頼りがいのある先輩。律子と立石の仲裁に入ったり、初心者組を励ましたりと、2ndヴァイオリンを引っ張っています。©阿久井真/小学館
・町井美月/1stヴァイオリン(トップサイド)
トップサイド(次席奏者)とは、コンマスの横に座る演奏者のこと。以前はヴィオラ奏者だった経験を活かしてハジメにアドバイスをするなど、面倒見のいい性格。©阿久井真/小学館
大人たち――ハジメの良き理解者たちと、乗り越えるべき壁
・武田先生
ハジメの中学時代の担任の教師。自身の出身校である海幕高校とオーケストラ部の存在を、ハジメに教えてくれた恩師でもあります。体育教師らしく、闊達で豪気な性格ですが、ハジメや律子の繊細な心の動きを察して、寄り添ってくれる優しさも持っています。ハジメたちの高校進学後も、定期演奏会に足を運ぶなど彼らを応援しています。©阿久井真/小学館
鮎川先生とは同じ部活だった高校時代以来の仲。
・鮎川広明
千葉県立海幕高校シンフォニックオーケストラ部顧問。高校時代は海幕オケ部でトランペットを担当していました。
現在は、楽譜に縛られず、妥協しない演奏へと導く海幕オケ部の指揮者。部活中の指導は非常に厳しいですが、それはきっと生徒と同じくらい海幕オケ部を、そして音楽を愛しているからなのでしょう。©阿久井真/小学館
そうでなければ、期待に応えたハジメと佐伯へこんな笑顔は向けないはず!
・青野龍仁
©阿久井真/小学館
ハジメの父親でプロヴァイオリニスト。不倫して家庭を壊したとして、離婚して家を出た今でもハジメに憎まれています。第6巻までの時点で、懐古シーン以外では未登場。今後、どのように展開を引っかき回すのでしょうか……!?
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『青のオーケストラ』楽曲解説
誰もがどこかで一度は耳にしたことある曲を登場させたいという阿久井先生の考えにより、作中に登場する曲は比較的ポピュラーなものばかり。
定期演奏会のメイン曲である「新世界より」のような重大な役割を持つ曲以外にも、キャラの性格や思い出がひもづいた曲が出てくるので、しゃれたキャラソンとして流しながら読んでも楽しいはず。何曲かをご紹介します。
「軽騎兵」序曲(スッペ)
高校入学したての新入生に向けた部活動紹介で、幕張高校オケ部が披露した一曲。目の覚めるようなトランペット、駆ける馬が眼前に現れそうな軽快なメロディ、哀愁漂う転調からの華麗な主題への転換……。思わず体が動いてしまうような演奏に、生徒たちは大盛り上がり。
©阿久井真/小学館
入部をためらっていたハジメの背中を押した、大切な一曲になりました。「G線上のアリア」(バッハ)
中学時代、律子がハルに演奏をせがんだ思い出の曲。
©阿久井真/小学館
ヴァイオリンの4本の弦のうち、G線のみで演奏できることが曲名の由来。一貫して静かでゆったりとした叙情的なメロディが、安心感を与えてくれます。
ちなみに、波瑠さん主演でドラマ化されたいくえみ綾先生の『G線上のあなたと私』(集英社)や、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』(KADOKAWA)でも、重要なテーマ曲として使われていますよ。
交響曲第9番「新世界より」(ドヴォルザーク)
©阿久井真/小学館
定期演奏会のメイン曲。チェコで生まれたドヴォルザークが渡米した際、故郷ボヘミアに向けて作った望郷の曲だそう。
原田が「秋の夕暮れ」とイメージした「第2楽章 Largo」は、日本では「家路」あるいは「遠き山に日は落ちて」の編曲で有名です。また、羽鳥が好きだというずしりと重く、心が奮い立つ「第4楽章 Allegro con fuoco」はCMや番組のBGMにも多く使用され、最も有名な楽章です。
©阿久井真/小学館
鉄道が大好きなドヴォルザークが、「新世界」アメリカで見た機関車に興奮している様子が伝わってきます。
小学校時代ずっとソロで演奏してきたハジメが、初めてほかのメンバーやヴァイオリン以外の楽器に向き合い、“オーケストラ”という新世界の魅力に気付く。もしくはドイツから祖母とやってきた佐伯が、文化も風習も全く異なる日本という新世界に足を踏み入れる。本作全体のテーマに通じる曲といえるでしょう。「ヴァイオリンとチェロのための二重奏」(コダーイ・ゾルターン)
ヴァイオリンとチェロのデュオ曲のうち、ハンガリーの作曲家・コダーイによるこの曲は比較的ポピュラー。ヴァイオリンの高音域とチェロの低音域が絡み合い、弦楽器同士ならではの一体感が生み出されます。
しかし、本作中では……。©阿久井真/小学館
山田が佐伯の才能に打ちのめされた曲として登場。とはいえ、山田の中の“お山の大将”的調和が崩れ、オケ部というさらに大きな輪の中に飛び込むきっかけとなったという意味では、適当な曲なのかもしれません。
「ユーモレスク」(ドヴォルザーク)
「新世界より」を作曲したドヴォルザークが、郷愁を抑えきれずに故郷のボヘミアへ帰った際に作った曲。聞けば誰もが「あの曲か!」となる優雅な出だしと、中盤の劇的な転調が印象的です。
©阿久井真/小学館
かつて父親と一緒にこの曲を練習していたことを思い出し、「音色のイメージ」の表現を習得したハジメ。ハジメによる曲のイメージが丁寧に描かれているので、音源に合わせて読み進めるのもオススメです!
「カルメン」より前奏曲(ビゼー)
オケ部初心者組メンバーを中心に、定期演奏会で演奏された曲。冒頭の軽快なメロディに、運動会を思い出す方もいるのではないでしょうか。
もともとはビゼーによって作曲されたオペラ。乱闘騒ぎで牢に送られることになったジプシーの女性・カルメンを主人公にしたストーリーに、中学時代にケンカが元で保健室登校になった律子は自分を重ね合わせます。
©阿久井真/小学館
定期演奏会で演奏されたのは明るい「第1幕への前奏曲」ですが、この後、竜騎兵や闘牛士の力強い足音が聞こえてくるかのような間奏曲やアリアが続きます。組曲全体を通して聴くと、激しくもまっすぐな律子にぴったりな曲だとわかるはずです。
©阿久井真/小学館
「くるみ割り人形」組曲(チャイコフスキー)
定期演奏会にてオケ部経験者組を中心に演奏。ドイツの童話をもとに、チャイコフスキーがバレエのために作曲したもので、クリスマスの日に少女クララに舞い降りたファンタジックな物語が表現されています。
この曲はハルのキャラソン的に使用されており、「小序曲」では幼き日のハルと母との思い出が、「ロシアの踊り」では自己主張が苦手だった自分の殻を破る様子が、そして最も有名な「花のワルツ」では町井先輩との絆が描かれます。
©阿久井真/小学館
ハジメ以外のキャラもそれぞれ成長していることに胸が熱くなるシーンです。
「四季」(ヴィヴァルディ)
華やかな「春」でおなじみのヴァイオリン協奏曲。こちらも定期演奏会で披露された曲ですが、なんと指揮はなしで、原田のソロと3年生を中心とした弦楽器の伴奏のみで演奏されました。
©阿久井真/小学館
最初は不協和音に近い気の合わなさから始まった3年生メンバー。やがて自分たちの意見をまっすぐにぶつけ合い、誰もが納得する演奏ができるまでに。春の日差し、夏の嵐。(今作では省略されましたが)秋の恵みに、冬の厳しい寒さ。そして、また春はやってくる……。季節の循環は、2年生へバトンを受け渡す3年生の心境を示唆しているのかもしれません。
「サムソンとデリラ」よりバッカナール(サン=サーンス)
勇壮で力強く、時にエスニックな雰囲気のオペラ音楽。管楽器も演奏してみたかった、と部活時代に思いを馳せるのは、定期演奏会に観客として訪れていたハジメの恩師・武田先生です。
武田先生と鮎川先生、対照的ながらどこか通じるもののある2人の高校時代のエピソードは、短いながらも胸にしみるものがあります。読者の声
『青のオーケストラ』1巻の感想
興味そそられ観ました!
バイオリンを演奏する主人公。
世界観が綺麗に描かれるのが読む前からなんとなく想像できましたが、実際読んでみると本当に没入していきます。
音楽は楽しいです♪ハマってます
バイオリンを弾く描写がとても正確できれい。
ハマってしまいました。
学生時代、吹奏楽部だったので親近感もあります。まだ2冊目ですが、先を読むのが楽しみです。両親の離婚で一度バイオリンを弾くのを止めた主人公が、秋音という少女と出会いもう一度バイオリンを始めるという話の筋。こういう世界には疎い自分だが、この漫画の音の表現については、初めてマンガを読んだ時に背筋がゾクゾクとするほどしびれた。主人公が高校生になり、バイオリンとどう関わっていくのか? 続きを楽しみに読んでいきたいと思う。(Posted by ブクログ)
『青のオーケストラ』6巻の感想
定期演奏会!
3年生最後の演奏で泣いちゃいました。青春ですね。定期演奏会の描写では作者が持てる限りの技術を駆使して、オーケストラ部の演奏風景をとても情熱的に描いている。
正直言って息を呑むような描写ばかり。
かと言って、演奏描写だけに終わらず演奏曲の持つテーマ性がそのまま演奏者のエピソードと絡み、過去を見つめ直させる様子も描かれる。
そうすることで演奏者の想いがこれでもかと演奏に乗っていることが手にとるように伝わってくる。
ただ、一方でこの巻で描かれるのは言葉で説明して判るようなものでもない気もする。
何と言うか、読め!としか言いようがない描写ばかりですよ。(Posted by ブクログ)音楽を聴いて気持ちが高ぶるように、この漫画を読んで同じものを感じる(*´ェ`*)オーケストラを題材とした高校生青春もの。わくわくハラハラして続きが気になる。皆それぞれ悩みを持ちながら前へ進んでいく姿もカッコいい。(Posted by ブクログ)
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実在の高校の全面協力と千葉県北西部のご当地感
物語の舞台となっている千葉県立海幕高校は、武田先生の母校で、日本学校合奏コンクール8年連続最優秀賞の強豪校。
©阿久井真/小学館
2000人以上の生徒が通い、1学年なんと18クラスの超マンモス校という設定です。このモデルになっているのが、千葉市に実在する高校オケ部の強豪校・千葉県立幕張総合高校。HPなどを見ると、校舎の作りなどがよく似ていることがわかるはずです。
1巻のあとがきには、阿久井先生が幕張総合高校を取材したことにより、「音と向き合う高校生」をテーマにした作品を描くことを決めたエピソードが載っています。つまり、幕張総合高校への取材がなければ、本作は生まれなかったのです。千葉に向かって敬礼!
このように、今作には千葉県の雰囲気が漂っていますが、ほかにも……。
©阿久井真/小学館
千葉&茨城限定といわれるあま〜いMAXコーヒーによく似た「MIXコーヒー」も登場。また、ハジメが総武線各駅停車で通学し、幕張駅から歩いているとおぼしき描写もあります。さらに、ハジメと律子の最寄り駅である「新松田」は、新松戸駅を彷彿とさせる描写になっています。
細部までこだわった描写のリアリティが、作品の持つ迫力と、キャラたちの繊細な心の揺れ動きにつながっているといえるでしょう。
終わりに
本作をきっかけに、オーケストラの楽曲に初めて触れたという方も多いのではないでしょうか。そして、音源を流しながら演奏シーンを読み直したあかつきには、まるで楽曲のイメージそのままの描写に驚いてしまうはず! そして、海幕オケ部のメンバーが見せてくれる音楽の世界の奥深さに、改めて心揺さぶられるはず!!
ハジメたちが演奏家としてどう成長し、どう友情を深め、どう葛藤を乗り越え、そして今後どんな音楽の世界に我々を連れていってくれるのか――楽しみでなりません!






























