国内ミステリー - 講談社 - 講談社文庫作品一覧

  • 卒都婆小町が死んだ
    値引きあり
    4.0
    美貌を誇り、かつては小野小町になぞらえられた女優がホテルで毒死した。部屋からは恋人だった歌舞伎役者の指紋が検出される。能の名作『卒都婆小町』に例えられた間柄の2人だったが、今はもう過去の恋愛となっている。キャサリンがあかす事件の真相とは。妖しく美しい能の世界に想を得た傑作推理短篇集。
  • 裂けた風雪 傑作短編集(一)
    値引きあり
    -
    北アルプスの山荘経営者の事故死に隠された謎を追う、銀行員の無惨な運命を、登山ルートに仕組まれた巧妙なトリックとアリバイ崩しの中に描いた表題作「裂けた風雪」、時刻表を使い、新たな角度から不可能犯罪に意欲的にとり組んだ「殺意の接点」、命をかけた女の復讐譚「“自殺”殺人事件」など、秀作5編収録の短編選集。
  • 雪が降る
    値引きあり
    4.1
    母を殺したのは、志村さん、あなたですね。少年から届いた短いメールが男の封印された記憶をよみがえらせた。若い青春の日々と灰色の現在が交錯するとき放たれた一瞬の光芒をとらえた表題作をはじめ、取りかえようのない過去を抱えて生きるほかない人生の真実をあざやかに浮かびあがらせた、珠玉の6篇。
  • 新装版 正月十一日、鏡殺し
    値引きあり
    3.5
    彼女が勤めに出たのは、このままでは姑を殺してしまうと思ったからだった―。夫を亡くした妻が姑という「他人」に憎しみを募らせるさまを描く(表題作)。猫のように性悪な恋人のため、会社の金を使い込んだ青年。彼に降りかかった「呪い」とは(「猫部屋の亡者」)。全七編収録。鬼才初の短編集を、新装版で。
  • 赤い猫
    3.7
    車椅子に坐ったままの富豪の老婆の家に、住み込みで雇われていた沼手多佳子は、老婆の死後、その全財産を遺贈された。幼い時母を殺された多佳子にとって、それは夢のようなことだったが……という日本推理作家協会賞授賞の名作「赤い猫」のほか、「白い部屋」「青い香炉」など、明るく生き生きとした6編の珠玉の傑作ミステリー小説集。車椅子の老婆から贈られた、莫大な遺産に秘められた秘密とは?
  • 修道士の首
    3.0
    1~2巻491~550円 (税込)
    歴史ミステリーの俊英が放つ新シリーズ・織田信長推理帳。天正の世、安土城から天下に睨みを利かせる信長の前に、次々に難事件が持ち込まれる。キリシタン修道士・暗殺者・戦国武将たちが織りなす歴史絵巻「修道士の首」「六点鐘は二度鳴る」「王者の罪業」「裁かれたアドニス」等七編を収録する異色の連作小説。
  • 降魔王
    3.3
    “偽りの救世主”vs.剣(はばき)杏之介! 書下ろし傑作ホラー! TVで生中継された政治家の転落死に不審を抱いた剣杏之介が行き着いたのは岩手県東和町。そこには不思議な霊力を持つ神社と理想的共同体「ドリーマー」を創設した美青年レンが待っていた。陰に蠢(うごめ)くのは神か怨霊か?名作「蒼夜叉」から3年、高野山で修業を積んだ剣が命を賭して闘う感動の長編! 〈文庫書き下ろし〉(講談社文庫)
  • 江田島殺人事件
    4.0
    江田島の主峰・古鷹山が炎上し、短剣を腹部に突きたてた不審な焼死体が発見された。そして10年――。帝国海軍の象徴・東郷元帥の盗まれた短剣の行方を追って浅見光彦が江田島へ。奇しくもその日、発見された短剣で男が「自殺」した。3つの短剣に秘められた戦後40余年の繁栄に酔いしれる日本の悲劇とは!? (講談社文庫)
  • ちょっと探偵してみませんか
    3.4
    25の謎であなたに挑戦する、鬼才岡嶋二人の傑作推理ショートショート。犯人はだれか、なぜ完全犯罪は破れたか、暗号やダイイング・メッセージの解読。「ちょっと考えてみて下さい」という文章が探偵ゲームの始まりです。収録作品「ラスコーリニコフの供述」「誰が風を見たでしょう」「三年目の幽霊」「曇りのち雨」「Behind the Closed Door」「ご注文は、おきまりですか」「ボトル・キープ」「マリーへの届け物」「水の上のロト」「死後、必着のこと」1985年刊行。(講談社文庫)
  • ホカベン ボクたちの正義
    3.6
    正義感に燃える新米弁護士(ホカベン)堂本孝に、5歳の娘を連れた母親が離婚相談に訪れる。夫のDVを察知し奔走する堂本。ところが、依頼人は夫を刺殺してしまう。保険金殺人か。依頼人は事実を語らない。熾烈な法廷対決の果てに浮上した恐るべき真相、そして堂本孝だけが最後に見た光景とは!?
  • 法月綸太郎の冒険
    値引きあり
    3.9
    名探偵・法月綸太郎に挑戦するかのように起こる数々の難事件。なぜ死刑執行当日に死刑囚は殺されたのか、図書館の蔵書の冒頭を切り裂く犯人、男が恋人の肉を食べた理由など異様な謎に立ち向かい綸太郎の推理が冴えわたる。〈ルーツ・オブ・法月綸太郎〉ともいえるミステリの醍醐味あふれる第1短篇集。
  • 三姉妹探偵団(1)
    3.6
    1~26巻513~836円 (税込)
    タイプの違う美人三姉妹を突如襲った火事騒動。辛うじて逃げ出したものの自宅は丸焼け、しかも焼けあとから若い女の全裸死体が出てきて、姉妹は呆然となる。頼るべき父親は出張中なのだ。若い女はいつ屋内に入っていたのか? 魅力的な三姉妹が各自の特徴を生かして活躍するユーモアミステリの決定版!
  • ニュートンの密室
    3.5
    「ニュートンの密室」と題された、巨大なる黄金のモニュメント。箱根の美術館庭園に作られた、高さ15メートル&直径8メートルの円筒形オブジェの中で、女性彫刻家が殺された。現場は完全密室で、犯人の姿はない。唯一の逃げ場所は、15メートル上に開いた空間のみ。万有引力に逆らわねば不可能な犯人消失の謎に、軽井沢純子と木原青年が挑む! 万有引力に逆らった、殺人犯のトリックとは?
  • 風葬の城
    4.4
    白虎隊のふるさと、会津を訪れた浅見光彦の目の前で塗師平野が謎の死を遂げた。折りしも東京で歯科技工士として働く平野の息子も、帰郷途中で失踪。殺人事件の第1発見者となってしまった浅見は、理知的な美しさをたたえた会津女子高の新人教師、安達理紗の助けを得て、見えない犯人を追いつめてゆく──。(講談社文庫)
  • 遊戯
    3.7
    「現実とネットの関係は、銃を撃つのに似ている」。ネットの対戦ゲームで知り合った本間とみのり。初対面のその日、本間が打ち明けたのは、子どもの頃の忌まわしい記憶と父の遺した拳銃のことだった。2人を監視する自転車に乗った男。そして銃に残された種類の違う弾丸。急逝した著者が考えていた真相は。表題作に加え、遺作となった中篇「オルゴール」も収録。
  • 十津川警部 湖北の幻想
    2.5
    歴史のifに十津川が挑む壮大なミステリー浪漫! 時代小説作家の広沢は自分の妻を戦国時代の美女になぞらえ「お市の方」と呼んでいた。しかし妻には愛人がおり、その男が刺殺体となって発見される。現場には「オイチ」とダイイングメッセージが。また柴田勝家が秀吉に勝っていたら、という広沢の歴史小説は事件にどう絡むのか。十津川が辿り着いた真相は? (講談社文庫)
  • 十津川警部 五稜郭殺人事件
    2.8
    東京・四谷のウィークリィマンションで、ひとりの男性の刺殺体が発見された。床には〈ゴリョウカクト〉という血文字のダイイングメッセージが……。被害者はIT産業の技術者で、函館に新会社設立を計画する「函館新撰組」の中心人物だった。彼が遺した言葉の意味と事件の真相を、十津川は解き明かせるか。(講談社文庫)
  • 北斎の罪
    3.8
    幻の北斎漫画が発見された! 美術評論家橋本のもとへ、代議士秘書から持ち込まれた13編の北斎漫画は果たして本物か。そして北斎の罪とは何を指すのか。浮世絵推理の真骨頂を示す表題作のほか「竜の棺」の原点である「竜の伝承」など、伝奇、SF、ホラーの名品をあつめ、高橋ワールドを一挙公開の秀作集。(講談社文庫)
  • 「横山大観」殺人事件
    -
    長いあいだ埋もれていた「横山大観」の若き日の傑作が発見された。そのニュースに美大の助手・茂木は愕然とする。数ヵ月前、雪深い秋田の商人宿で、行きずりの男が茂木に見せた絵がそこにあった……。次第に明らかになる12年前の殺人事件の真相は? 名探偵・岡部和雄警部の推理が美術界の暗部に迫る。(講談社文庫)
  • 鉄鼠の檻(1)【電子百鬼夜行】
    4.9
    1~4巻544~803円 (税込)
    「此の度手放したき品は今迄の品とは違ひて、世に出る事は有り得ぬ神品也」。禅僧・小坂了稔の手紙に心惹かれて箱根の老舗旅館、仙石楼に投宿した骨董屋の今川は元医師の老人・久遠寺を知る。が、二人が発見したのは世にも奇妙な小坂の屍。思えばそれが謎の巨刹、明慧寺を舞台の惨劇の始まりだった……。1997年本格ミステリ・ベスト10 第1位。
  • 運河が死を運ぶ
    -
    頭と脚と手首のない胴体だけの死体を詰めたトランクが、アムステルダムの運河で発見される。この猟奇的事件の被害者は、日本人の商社マン。強盗説、怨恨説などが飛び交うが、いずれも推理の域を出ない。敏腕記者の追跡の前に、事件はぶきみな深淵と輪郭を見せ始めるのだが……。表題作「運河が死を運ぶ」など7編収録の傑作ミステリー集。
  • 犯罪総合大学
    -
    実在した毒物殺人に刺激された女子大生の殺意(「文献学的事件」)、ガン宣告を巡る妻と夫の駆け引き(「医学的事件」)、青酸カリ殺人の怪(「薬学的事件」)、母を殺した男を追うOLの心の襞(「心理学的事件」)、飼い犬主人殺しの真相(「生物化学的事件」)、小学生と担任女教師の謎の関係とは(「教育学的事件」)――知性派作家による6つの大どんでん返しミステリー集。
  • 脳波の誘い
    -
    脳波を送って他人を自殺させることができるという、奇妙な老人が出現。さっ、そく週刊誌の記者が取材に赴いた。世紀の話題か、はたまた変人の世迷言にすぎないのか? だが、取材中に記者が「こんな人を殺せますか」と冗談で話に出した人物が、間もなく不思議な自殺を遂げてしまった! 謎が謎を呼ぶ、傑作推理長編。
  • 淡紅の女の殺人
    -
    横浜、神戸、函館、門司…。港町ばかりに連続しておきた4つの殺人事件。タロット占い探偵の二階堂日美子は、港町探偵・ポートアイを名乗る旧友の遊佐るりと捜査にのりだす。二人の明晰な推理で事件は落着するかに思われたが、門司の事件で犯人が残した淡い紅花染めの布から恐るべき真相が浮かび上がった! 会心の旅情ミステリー。
  • 白く重い血
    -
    カメラマンの田代がホテルのプールでスナップ写真におさめた美貌の女性は、著名なデザイナー・前川阿里子の娘・邦子だった。なぜか阿里子は娘の写真の公開を拒み、奇怪な行動に出る。そして、その邦子が原因不明の自殺をとげ、田代の周辺は謎に包まれる。彼の追及の前に、秘密のベールに覆われたある重大な事実が……
  • 入れ換った血
    -
    保存されていた自分のへその緒の血液型鑑定をした医者が、おのれの過去の謎を追う。そしてつきとめた驚愕すべき血の運命の真相とは…(表題作)。旅の途中、一夜をともにした女の不思議な肌の秘密とは…(「棘|のある肌」)など、医学がかかわるミステリーの粋な6編。リアリティーと合理性に、ロマン性がみごとに加味された、佐野ミステリー短編集。
  • 折々の殺人
    -
    1~4巻550~660円 (税込)
    斬新な手法と鮮やかな結末で、常に読者の期待を裏切らないミステリーの名匠が、いままた放つ巧緻な構成の一冊。数ある名句・名歌の解説でつとに世評の高い大岡信氏の名著『折々のうた』にヒントを得て、ひとひねりもふたひねりもして織りあげた、絶妙にして意想外な短編推理8編を収録。
  • 小説三億円事件
    -
    事実は小説よりも奇なり? 小説は現実よりも面白いか? 1968年に発生して日本中の話題をさらい、今なお未解決の、かの「三億円事件」をヒント・素材にして、推理作家がさまざまの視点からリアリティーのある五つの「小説・物語」として構成した、異色かつ出色の連作ミステリー集。
  • 死んだ時間
    -
    CMタレント殺害事件の重要参考人・時任杏子は、なぜか自分に有利なアリバイを否定してしまう。大学病院の若き医局員・加賀は、この「愛人」の態度に不審を抱きながらも、事件解決のため奔走する。だが、加賀が真相をさぐればさぐるほど、事件は意外な背景を浮かびあがらせ、思いもかけぬ方向に発展していく……。
  • 完全犯罪研究
    5.0
    完全犯罪の論理と美学を推理小説として構築した、佐野ミステリーの新境地。人間の注意力の限界と死角を巧みについた"死体運搬の怪"をみごとに暴く「死体移動」、嫉妬と狂気にとりつかれた妻の心の真実を追及した「心理殺人」など、完全犯罪と人間の推理力との息づまる競りあいを描いた、傑作6編を収録。
  • 一本の鉛
    -
    女ばかりが住むアパートの一室で、「デラ」のあかねが殺された。疑惑はあかねに思慕を寄せていた、学生・大田垣にかかる。彼の心証はすべてクロだった。だが、捜査の進展で意外な事実も浮かんでくる。事件を解く鍵は、1枚の宝くじと1本の鉛の新聞活字にあるというのだが……。どんでん返しの妙が冴える、鬼才の初期代表作。
  • 狂った信号
    -
    自動車教習所の指導員が刺殺された第1の事件から始まって、連続4件の殺人事件が発生する。現場に事件を報じる新聞の切り抜きが置かれていたのは、なにを物語るのか? 被害者間には面識はないのだ。探偵事務所の名刺を持つ謎の女が、各事件に出没するが、正体はまったく不明である。4つの殺人をつなぐ鍵は? 犯行動機が意表を衝く、傑作長編推理。
  • 同名異人の四人が死んだ
    -
    流行作家・名原信一郎の中篇小説「囁く達磨」に登場する、作中人物と同名の男が変死した。最初は単なる偶然の一致と思われた事件も、同名の変死者が4人にもおよび、犯罪性をおびてくる。名原の小説を真似した殺人鬼の理由なき犯行か? 4人の変死者と名原をつなぐ接点が見い出せないままに、事件は謎を深めていく……
  • 孤独の罠
    -
    推理小説史上、特異な位置を占める、幻想の詩人・日影丈吉の代表的長編。舞台は、榛名山に近い寒村。縁の薄かったわが子の火葬に立ち会った仰木は、そこで奇怪な事件に巻き込まれた。1体のはずの乳児の骨が、2体も出てきたのだ。忌わしい事件を仕組んだ犯人の意図は? 閉鎖的因習や錯綜した人間関係を追いながら、謎を探る。
  • ラトビアの霧
    -
    文化交流使節団に入ってラトビアを訪れた新聞記者・瀬尾は、通訳の美女ナターリアに心ひかれた。ところが団員のひとりが"誘拐"され、怪事件に発展する。4年前に神戸で起きた殺人、さら40余年前の中国大陸で発生した出来事が、いま歴史の霧を破って暴露される! 現地取材によって情緒豊かに描かれた、傑作長編ミステリー。
  • 日美子の完全犯罪
    -
    タロット占いの名手で名探偵・日美子自身が誘拐され、夫の二階堂警部に身代金要求が! しかし犯人は、受け渡しの場所に現われず、そこにはタロットカードが2枚落ちていた。その意味とは? やがて、その隣りのマンションで女性の死体が発見され、日美子までが疑惑の対象になってしまう。占いの世界と男女の愛憎を巧みにからませた、著者得意の長編ミステリー。
  • 特ダネ記者殺人事件
    -
    殺人事件発生! 現場はこともあろうに、県警記者クラブの中だ。被害者は、大がかりな県庁汚職事件を追っていた敏腕記者「ゴロちゃん」こと根来だった。彼のコーヒーに、青酸カリを入れることができたのは誰か。汚職事件との関連は? 東朝新聞・姿三四郎記者のゆくてに、やがて第二の殺人が発生。事件は謎を深めてゆく……。江戸川乱歩賞作家の傑作ミステリー。
  • 喪失荒野
    -
    中国の女性新聞記者・王秀蘭は、夫・楊明徳とともに取材のため来日した。戦時中に「満州」で暗躍した特務機関員・倉田隆三と彼女との関係は、いったい何なのか? 特務機関の秘密資金の隠し場所を示した暗号文をめぐって、元機関員の間で起こる連続殺人のナゾ……。戦争が生んだ中国残留孤児の悲劇をえぐる、社会派ミステリーの大傑作。
  • 紅の幻影(勝海舟の殺人)
    -
    浴槽の中に浮いていた水野昇の遺体は、解剖の結果、事故死として処理された。だが、事件を予感したひとりの捜査官は、この作家志望の男の遺稿に目を通し、完璧に仕組まれた犯罪の痕跡を嗅ぎつける。美貌の作家夫人殺害の犯人を推理する、遺稿に隠された重大な事実とは? 遺稿を第一部として完結させながら、第二部につなぐ異色の構成をとる長編推理。
  • 日美子の誘拐集団
    -
    産院から新生児が、看護師とともに誘拐される。わが子を奪われた母親は、友人の二階堂日美子に助けを求めた。日美子のタロット占いは、どう謎を解くか? 捜査陣と犯人との息づまる駆け引きのなか、奇妙な誘拐交渉請負い人や私立探偵まで介入して、事件は思いがけぬ展開をみせる。人気の日美子シリーズ会心長編。
  • 日本国憲法殺人事件
    -
    「天地製薬のチミドールは、実験データが捏造されたもの」という匿名投書が、東邦新聞社にあった。偶然、この抗生物質によるショック死事件が続いて起っていたのだ。その矢先、実験の鍵と思われた男が怪死した……くちなしの花の中で。遺された憲法条文の切り抜きは、何を意味するのか? "斎藤栄流トリック"が意表をつく、本格推理。
  • 日本のハムレットの秘密
    -
    旧一高生・藤村操が、「巖頭の感」を遺して身を華厳の滝に投じたのは、明治36年5月のことだ。この天才少年の哲学的自殺から70年を経て、推理作家である私の許を訪れた若い女性は、藤村の死は偽装自殺ではなかったか、とほのめかす。しかもその女性は、藤村の孫だと自称する。では藤村は、なぜ偽装自殺を試みたのか? 暗号解読の興味を含め、推理は大胆に展開する。
  • 鳥取砂丘殺人事件
    -
    夫に内緒で、セールスマンの投資の勧誘に乗ってしまった多恵子は、3ヵ月後、相手の会社の倒産を知って愕然とする。そして、そのセールスマンの自宅を突きとめてみたが、その男は殺されていた! だまされたうえに殺人容疑までかけられ、幸せな妻の座から転落し離婚寸前の多恵子だったが、事件は意外な方向へ進んでいく……。本格ミステリー傑作集。
  • 湘南海岸殺人事件
    -
    大友部長の策動で、風見は小田原に転勤を命ぜられた。怨みはやがて殺意に変わり、綿密な殺人計画が練られていく。ゴルフと釣りが趣味の大友をどう殺すのか? そして、ついに磯釣り中の大友を、海に突きおとした! 完全犯罪の成立、とほくそ笑む風見だが、意外な展開が待っていた! 愛憎うずまく湘南を舞台に、様々な惨劇を描いた傑作8編を収録。
  • 少年探偵ジャーネ君の冒険
    5.0
    瀬戸内海の小島に家族旅行をした、ジャーネ君こと平井少年は、思いがけず、慶長小判を発見した。島の数少ない住人は、大さわぎ。ところが、厳重に保管したはずの金庫から、小判が消えた! 犯人は誰か? どうやって盗み出したか? をめぐり、平井少年の活躍がはじまる……。他に「ジャーネ君の寒い冒険」を併録した、異色のジュニア向け本格ミステリー。
  • 狐の鶏
    -
    真次はこのところ、恐ろしい夢に身も凍る思いをしていた。斧を振るって兄嫁の望を、自分の手で殺してしまう夢だ。ところが、一仕事おえての午睡からさめてみると、夢そのままの光景が眼前に展開しているではないか。果して自分の行為は、夢なのかうつつなのか。あやかしの世界の殺人を描く表題作ほか4編を収録。
  • ライン河心中
    -
    高利貸の老女が、横浜の自宅で変死を遂げた。神奈川県警の西岡刑事はカンで、甥による殺人との目星をつける。愛人を伴ってライン河観光の旅に出た甥を、西岡もあり金はたいて追跡した。すると、異国では予想外の展開となって西岡をおどろかせる……。トリックの妙を示した、秀作ぞろいの好作品集。
  • Nの悲劇
    -
    野口英世博士が1928年、アフリカで病死したときに遺したことばは、「わからない」のひと言だった。博士の死因に疑惑を抱く「私は」、生前博士と交際のあった父の日記を秘かに調べ、一人の白人女性の存在を発見する。そして、博士の死の真相を握っていると見られるその女性は、近々日本へ来るという。だが、その彼女の身の上には異変が……
  • 真夜中の意匠
    -
    遺産相続に絡むと見られる殺人事件が発生した。被害者・岡弘の父はがんセンターに入院中で、余命いくばくもない。母・久子は後妻で、弘の死は、相続者の法律関係を複雑微妙なものにした。叔父・京二郎の事件前後の行動も不可解である。だが、重要関係者には鉄壁のアリバイが……。幾重にも連なるアリバイの巧妙さで、推理小説界に反響をまきおこした傑作長編。
  • 日本のヒトラーの秘密
    -
    城塞のような病院で、白覆面に顔を隠し、山下清次郎と名乗る男が射殺された……。替玉殺人か? 誤殺か? ヒトラーと符合する条件を備えたこの男の正体は何者か? 大きな謎の陰で、もう一つの陰惨な密室殺人劇が進行していたとは……。奇想天外な仮説に託し、日本のヒトラー台頭の予兆に抗した、異色の本格推理。
  • 鎌倉さざんか寺殺人事件
    -
    日美子の後輩にあたる女子高校生2人が、下校途中で誘拐され、自宅に1億円ずつの身代金要求が届いた。犯人が女子高生のひとりに書かせた手紙には、奇妙な暗号が含まれている。日美子の夫・二階堂警部らが、暗号解読に苦心するうち、ついに殺人事件が発生した! 古都・鎌倉を舞台に、人間の愛憎を織り込む、本格推理長編!
  • 海の碑
    -
    自然開発か環境保全か? 自然の宝庫、鹿児島県志布志湾の工業開発をめぐり、意見はまっ二つに割れ、激しい抗争が続いていた。折しも開発反対派の野鳥学者・福島が現地で行方不明になり、彼は遠く離れた箱根の芦ノ湖で死体となって発見される。死体移動を謀った犯人の狙いは? 開発という最も今日的なテーマに、殺人の謎を交錯させた著者会心の傑作推理!
  • ハムレット殺人
    -
    高層マンションの火事に巻きこまれた私は、人妻を救助する。その際、彼女が手にしていた小箱をあずかるのだが、いつの間にか紛失してしまった。そしてやがて、彼女の夫が、海で奇怪な死を遂げる。警察は、私を殺人の共犯者では、と疑うのだが、その理由とは? トリックの名手が、短編に腕の冴えを発揮した本格推理作品集。
  • 殺人の棋譜
    4.0
    将棋界の俊鋭・河辺真吾八段の愛娘が誘拐された。「身代金1000万円を軽飛行機から投下せよ」というのが、犯人の要求であった。折りしも河辺八段は、将棋最高位を賭けて不敗の名人と対局しなければならなかった。犯人追求の行方と勝敗の帰趨が絡み、異常なスリルを醸す、第12回江戸川乱歩賞受賞作。
  • 黒水晶物語 昭和囲碁風雲録
    -
    碁の天才児・山岡慎太郎は、母・千鶴の手ひとつで育てられた。母は慎太郎に、亡夫の仇敵である棋士の名を教え、その敵に勝つことを命令する。亡夫は将来性抜群の碁打ちだったが、関東大震災の折に非業の死を逐げた。しかもその死には、奇怪な謎が秘められていた――。天才勝負師の青春を、激動の昭和期にからませて描く、異色サスペンス長篇。
  • 社奴
    -
    大手建設会社の鹿谷建業では、専務派と常務派が次期社長の椅子を狙って争っていた。常務派の家田は、年金保養基地計画の利権争奪のため、顧問料の名目で大蔵大臣の愛人に賄賂を届けるが、彼女が殺され家田に容疑が……。殺人事件を描いて、日本的経営風土における奴隷制の悲劇をつく長編サラリーマン推理。
  • 螺旋状の垂訓
    -
    週末の六本木で出会った未知の男女。女は殺され、男は失踪した。続いて発生する連続殺人事件。捜査の展開に伴い、次第に恐るべき犯罪の深層構造が浮かび上がる。一見、無関係な連続殺人を結ぶ共通の糸は何か? 苦悩する捜査陣と奸智に長けた犯人との、手に汗握る攻防。用意された驚くべき結末は。本格推理の醍醐味!
  • 沈める鐘の殺人
    4.0
    名門女子学園に赴任した若い女教師は、いきなり夜の池で美少女を救うことになる。折しも、ひと気のない園内で鐘が暗く鳴りはじめた……。不吉な予感は適中した。この学園には過去に怪事件があり、現在まで尾をひいているらしいのだ。女教師の前に出現する奇妙な出来事、奇妙な人物! ホラーの雰囲気ただよう青春推理長編。
  • 殺人の花客
    -
    舞台は新宿新都心の超高層ホテル。初めて会ったのに恋に陥ちた二人。別れ話がもつれて出口を探す男と女。若い娘を相手にプレイに耽る初老の男。その中を忍び歩く空き巣狙い。突然起きた不可思議な殺人事件が何組もの男女を巻き込み、因縁の糸で結ぶ。もつれた糸を解こうと新宿署の敏腕刑事・牛尾が出動!
  • 新装版 ぼくらの時代
    3.9
    1~2巻550~785円 (税込)
    栗本薫は22歳、某マンモス私大の3年生。アルバイト先のTV局内で発生した女子高生連続殺人事件を、ロック・バンド仲間の信とヤスヒコと解決しようと挑む――。当時の若者たちの感覚や思考を背景に、凝った構成と若々しい文体によって、シラケ世代とミーハー族の心の断面をえぐった江戸川乱歩賞受賞作。1979年週刊文春ミステリーベスト10第1位。(講談社文庫)
  • おれたちはブルースしか歌わない
    3.0
    西村京太郎作品の中でも、数少ない"青春推理小説"。男4人に、ヴォーカルの女の子1人を加えたグループサウンズ「ザ・ダックスフント」。彼らが作った自信作が、いつの間にか誰かに盗まれ、しかもその曲がヒットチャートを急上昇。犯人さがしに狂奔するうち、奇妙な連続殺人劇が。本格推理に青春が絡む傑作長編!
  • 王を探せ
    -
    恐喝をしていた男が殺され、容疑者が四人上がったが、何と全員同姓同名。しかもそのころ真犯人は次の殺人を用意中! 得意の鉄道トリックを使う鬼貫警部ものの長編!
  • 空白の起点
    -
    大阪出張の帰途にあった小梶鮎子は、真鶴の海岸付近で男が崖から突き落されるのを車中から目撃した。墜落死した男は目撃者の父親、小梶美智雄であったという驚くべき事実が後日判明する。鮎子はまったく偶然に父親の死を目撃したのか。被害者は多額の生命保険に加入していた。異常な死の背後を追及する本格推理。
  • 人類資金I
    無料あり
    3.6
    1~7巻0~1,078円 (税込)
    終戦時、日銀の地下倉庫から莫大な金塊が姿を消した。戦後の混乱と日本の復興を糧に膨れ上がったその資産の名は『M資金』。七〇年ののち、詐欺を生業とする真舟雄一の前に“M”と名乗る男が現れ、とてつもない計画を持ちかける。「『M資金』を盗み出してもらいたい。報酬は50億」待望の書下ろし超大作!(講談社文庫)
  • 猫の舌に釘をうて
    -
    最愛の女有紀子が、友人塚本の妻になるや私の塚本への殺意はおさえられなくなった。だが塚本を殺せば有紀子も不幸になる。そこで考えたのが代償殺人行為だ。行きつけの喫茶店の常連に塚本そっくりの男がいる。彼のコーヒーに“毒”を入れよう!! ところが展開は意外や意外。ミステリの難題一人三役に挑んだ傑作。
  • 三階の魔女
    -
    異端者を利用する計画殺人他、推理名作集。マンションに一人住む女をあげつらう、社宅族の悪意。敢然と立ち向う女と、奇想天外なトリックの結末は? 華麗、緻密な伏線と、あふれる人間味の、傑作短編集。(講談社文庫)
  • 殺人の詩集
    -
    人気俳優が高層ホテルから墜落死した。さらに彼と最後に会ったコールガールも殺された。俳優の死体の傍らにはレイプ殺人を扱った本が落ちていた。警察はこれが事件を解く鍵とみて捜査を始める。誰しも忘れたい、隠したい過去がある。その過去が暴かれた時……。人間の心の奥底に潜む病理を抉り出すミステリー。(講談社文庫)
  • 狙撃者の悲歌
    -
    巨大暴力団組長殺害後に、兄貴分の身代わりで敵の組長の首を狙う若きヒットマン。その潜伏先でヒットマンと刹那の恋に生きるホテトル嬢。下宿先の娘をレイプ殺害され、復讐の炎を燃やす青年警官。大都会の根無し草同士が絡み合い、一点に集中したとき不可思議な光が点灯し、想像を絶する暗部を照らし出す。(講談社文庫)
  • 縮んだ愛
    4.0
    障害児学級教員の岡田は、働いていた小学校の卒業生・牧野に出会う。自分が受け持っていた自閉症児サトシを殴った過去を持つ牧野だが、彼につきまとわれて、岡田は毎週彼と酒を飲むことになる。が、ある日牧野は突然暴漢に襲われる。物語にひそむミステリー性も話題になった、第24回野間文芸新人賞受賞作。(講談社文庫)
  • 由布院温泉殺人事件
    -
    黒い喪服を着た女が式場にきていた! 人気作家本郷慶と結婚した朝霧玲子に、そのショッキングな事実を伝えようとしたスチュワーデス仲間の森田有美が惨殺。何も知らずに九州の由布院へ新婚旅行に出かけた玲子は、夫の慶の言動に不審を募らせるが、その夫も「幽霊」に脅迫されていた! 意表の真犯人は誰? (講談社文庫)
  • 高橋克彦自選短編集 1 ミステリー編
    値引きあり
    4.0
    だれの心にも、鬼がいる。大胆不敵なトリックが冴える短編ミステリーの逸品集。かつて「衛生博覧会」と呼ばれる見世物が人気を博していた。疾病模型や死体写真が陳列されるなか、私は精巧な美少年の鑞人形に目を奪われた。だがそれには、驚愕の秘密が隠されていた(「悪魔のトリル」)。現代日本屈指のエンターテインメント作家の傑作短編集。(講談社文庫)
  • 殺人倶楽部
    3.0
    満員電車で痴漢の濡れ衣を着せられ、職と家庭を失った有田順二は、雑談クラブの主宰者と知り合う。不条理に人生を破壊された被害者たちが吹き寄せられる都会の片隅のカフェ。そこで語られるのは空前の報復計画か。生を謳歌する加害者たちは、相次ぐ事故で死傷していった!“見えざる手”、その正体とは!?(講談社文庫)
  • 真・天狼星 ゾディアック1
    5.0
    1~6巻550~764円 (税込)
    新宿で発見された少女3人の死体は、血を抜き取られ、バラバラに継ぎ合わされていた。同様の事件は日本各地でも起こっていた。少女たちの間で密かに流行する「ゾディアック・カード」との関連は? 魔人シリウス復活の予感に、伊集院大介は戦慄する。宿敵との最後の闘いが始まった。全6巻シリーズ第1弾。(講談社文庫)
  • 双頭の蛇(上)
    4.0
    はみだし刑事・沖竜介が挑む地方権力の亡霊。東京を追われ因襲と封建的人脈うごめく地方都市、平野に降りたった竜介。落ちつく間もなく権力を握る財閥の巨悪に迫ろうとした新聞記者が記事とともに消された。
  • 第六の大罪 伊集院大介の飽食
    3.3
    暴食――それは神が司る凶暴で甘美な誘惑。「現代グルメ」は暴食という罪を犯し続けている。肥え太らせることで恋人を奪った親友に復讐を企む「グルメ恐怖症」の他、命を救ってくれた“幻のラーメン”の正体を追求する「芥子沢平吉の情熱」、ワニの姿造りを作ろうとした有名シェフの悲劇を描いた「地上最凶の御馳走」など、シュールなフルコースの全4編。(講談社文庫)
  • 行楽特急殺人事件
    2.7
    警視庁の西本刑事は恋人ゆう子と、箱根にむかう小田急ロマンスカーに乗っていた。この車両にはゆう子の友達の千加が接待係として勤務していて、彼らとあいさつを交すはずだった。ところが千加はノンストップの車内から消失し、自宅で死体となっていた! トラベル・ミステリーの王者の傑作集。(講談社文庫)
  • 山陽路殺人事件
    5.0
    京都の大学を卒業した友人たちと共に中川美帆は山陽路を旅する。旧交をあたためる旅のはずだったが、倉敷の第一夜で小笠原由紀が変死、一転仲間を疑うツアーになる。そして由紀の通夜に出るため京都に泊まったら、こんどは武村明が死ぬ。誰が、何のために殺人を? 青春の愛憎をサスペンス豊かに描く長編。
  • 火の国殺人事件
    5.0
    熊本、そして北海道。サラブレッドを愛して旅したカメラマンの兄が失踪した。行方を捜す妹は兄の恋人を名乗る謎の女の存在を知る。しかし手がかりを握るその女は京都・南禅寺の境内で死体となって発見された。髪にはすずらんの花がさされていた。隠された悲恋と連続殺人の謎。旅情あふれる本格ミステリー。
  • 平家伝説殺人ツアー
    5.0
    平家ゆかりの四国・徳島で惨劇は始まった。男女5人のグループ旅行で出掛けた祖谷渓で吊橋から転落して男が死んだのだ。橋のたもとで目撃された謎の美女。落人伝説の残る村で起こった殺人は平家の怨霊の仕業か。一緒に旅した同僚の犯行か。愛憎からみあう事件の真相とは? ミステリの醍醐味溢れる本格長篇。
  • 京都三船祭り殺人事件
    5.0
    京都嵐山で、色艶やかな平安絵巻を繰り広げる三船祭り。呼び物の扇流しで祭りが頂点を迎えたとき、大観衆の目の前で人気女優・野上麗子が毒殺された。メイク係の中村由紀子は大部屋女優・田中朱美に不信を抱くが、朱美もまた何者かに毒殺される。二転三転する容疑者。真犯人はいったい誰か!? 傑作長編推理。
  • 京都紫野殺人事件
    5.0
    池上鮎子の恋人で新聞記者の北条が、デートから京都へ戻る新幹線の車中で毒殺された。鮎子は警察の事情聴取をうけた際、北条には京都に婚約者がいたと知らされ、衝撃と疑念をおぼえる。謎を追いはじめた彼女の前に次々意外な事実が。そして北条が記者として追及していた巨大悪とは?
  • 愛の飛鳥路殺人事件
    5.0
    人気推理作家の大西秋彦が取材旅行中失踪、2週間後、惨殺死体で発見される。恋人の中山亜矢子は、自らの手で犯人をつきとめようと彼の取材先の京都、奈良、飛鳥へと向かうが、そこで彼女を待ちうけていたのは、恐るべき第2の殺人だった。春の大和路を舞台に、愛と犯意の交錯が感動的な旅情推理傑作長編。
  • 三十三間堂の矢殺人事件
    5.0
    京都三十三間堂の行事「通し矢」のさなか、若い女が矢で刺殺された。その際、彼女のアラーム時計が鳴っていたという。あらかじめ午後3時にセットされていたらしい。銀行員だった彼女の自室からは、驚くべき日記が発見された。愛する男のために横領しているとの……。古都と出色トリックで織りなす傑作集。
  • シンガポール蜜月旅行殺人事件
    3.0
    令嬢探偵キャサリンは恋人の浜口とシンガポールに行く。そのツアーは新婚や不倫のカップルでいっぱい。不吉な予感のなか、2日目に新婚の沖田しのぶが浜で溺死体に。彼女は莫大な遺産を相続した直後だった。犯罪の匂いをかぐキャサリンは調べ始める! シンガポール、バンコク、香港を舞台の華麗海外推理集。
  • シンデレラの殺人銘柄
    5.0
    恋人を京都駅に見送りに来ていて知り合ったOLふたり。麻子は結婚を切望してその資金作りに躍起。そしてまゆみは不倫の恋の相手と別れ話の最中にある。お互い順調に進まぬ恋に悩みながら株に走るが、やがて奇怪な殺人事件が相次ぎ、ふたりは疑惑の渦中に……。株ブームと推理を融合させた好長編。
  • 熟れすぎた林檎
    3.5
    親友の三田村毬子の母親に頼まれて、謎の女を探ったみすずは、恐るべき事件にまきこまれる。複雑怪奇な三田村家の事情は、若いみすずの手に余るが、毬子も協力して突きとめた真相の、更に奥には……。愛を求める叫びと、歯止めを失った欲望が、ついに破滅をよんだ時、一筋の光明が射す、傑作サスペンス長編。
  • 自由が丘ダウンタウン物語
    3.0
    花の盛りの娘が二人、自由が丘で共同生活を始めた。互いの大切な夢のために励ましあう日々。他人には無関心、不干渉がルールの街で、二人はしかし、次々と事件に巻き込まれていく。柔剛絶妙のコンビが解いていく、哀しく恐ろしい多くの謎。娘たちの、愛を信じる心と夢の清らかさ。都会派ミステリー傑作集。
  • 西鹿児島発「交換殺人」特急
    -
    寝台特急「はやぶさ」車内と横浜の山下埠頭で、同じ日に二つの変死体が発見。両事件の自・他殺、関連性の調査に管轄の違う二つの警察署が動き、私立探偵もまきこまれる――。列車と航空機の巧妙なダブル・トリック、関係者たちの人間性、そして以外極まる結末までみごとに活写する本格長編ミステリー。
  • 新潟発「あさひ」複層の殺意
    -
    上野へ向かう新潟発「あさひ」11号車のトイレで、若い女がナイフで刺殺された。死ぬ間際に、女が発した謎の言葉“ジョ”とは?そして2ヵ月後、同じ「あさひ」の車両で第二の悲劇が……。事件の背後には、複雑に絡んだ男と女の愛欲の炎が燃えていた。ニヒルな探偵・鏑木一行の推理が冴えるエロチック・サスペンス。
  • 殺人急行北の逆転240秒
    -
    札幌駅に着いた急行『まりも』の寝台車で美貌の人妻が殺された。登山ナイフが、正確に女の心臓を貫いていた。前日、釧路駅で黒いコートの男と一緒にいるところを見られている。7日後、今度は下りの『まりも』で、またも同じ手口の殺人が発生!事件の鍵は、二つの列車が交差(クロス)する240秒に隠されていた。
  • 殺人特急逆転の15分
    -
    寝台特急「さくら」で発見された変死者が遺した奇妙な文句の意味は? 政党代表者の息子の不祥事に端を発してさらに「さくら」車中で連続殺人が! なぜいつも「さくら」なのか? 死体消失のトリックは? 容疑者の鉄壁のアリバイはいかに作られたか? 錯綜する謎と戦慄の真相を鮮やかに描く傑作長編推理。
  • 光源氏殺人事件
    3.0
    藤谷建設の会長綾子は、夫の死後堅実に社業を担ってきた。先妻の子和正は畑違いの国文学者で、その年若い妻尚子は、一族の青年秋弘との罪の子を妊娠している。素知らぬ顔の和正は、秋弘に源氏物語に関するある調査を命じるが、驚くべき秘密が判明しかかって……。愛執の悲劇を、王朝物語に託す推理長編。
  • 津軽海峡+-の交叉
    -
    青函連絡船の上りに犯人が乗り、同時刻に被害者は下りに乗って津軽海峡上ですれちがった。真相に迫った男たちが次々に殺され、事件は連続殺人に!おなじみ文芸編集者・笹谷美緒と恋人の数学者・黒江壮の名コンビが不可能犯罪の解明に乗り出す。壮が示した犯行の全容から全く意外な真犯人が浮かんだ!
  • 北津軽 逆アリバイの死角 「太宰治の旅」殺人事件
    -
    名コンビ笹谷美緒&黒江壮が寝台特急「あけぼの1号」で北津軽の「斜陽館」に着いたころ、前夜に上野を発った「北斗星5号」が男の刺殺死体を乗せて札幌に着いた! 奥羽本線と東北本線の2本のブルートレインを結ぶトリックの裏にさらに巧妙・緻密なトリックが隠されていた。美緒&壮ははたして見破れるか。
  • 密書
    -
    日本の首相からインドネシアのスカルノ大統領宛に“密書”が発せられた。インドネシア賠償協定成立の前夜のことである。賠償の利権を求めて暗躍する日本商社員。彼らを利用し着々と武装蜂起を謀る軍部右翼勢力の動きも急を告げる。東京とジャカルタでの二つの怪死事件を織り込みながら国際謀略戦の火花が散る。
  • 無国籍者
    -
    公害の町にある鴨先密入国者収容所に大村福夫と名のる男が収容された。彼は記憶を失い、中国語で日本人だと主張するばかりで身元をさぐる手がかりは何もなかった。唯一の所持品は三つの「9」のついた石鹸だけだ。そこへ三人の面会者がやって来る。この正体不明の人物に石鹸の謎を絡ませたスパイ・ミステリの傑作。(「炎の中の鉛」を改題)
  • 湖畔の殺人
    -
    晩秋の河口湖畔、朝霧の中に艶めいた和服の女性の絞殺死体が発見された。下半身剥き出しのその凄惨な姿は行きずりの凶行を匂わせた。しかし狙いは意外なところにあった――。歪んだ欲望と金への妄執、社会のひずみが生み出す小悪漢たちの犯罪。本格推理の名手がミステリータッチで描く、傑作事件小説8編。
  • 瀬戸内を渡る死者
    -
    週刊誌の女性編集者北川真弓は、四国取材の途中、屋島で藤の花の下に倒れた若い女の他殺体を発見した。被害者は東京で夫とスナックを経営する人妻で離婚の寸前だったという。真弓は週刊誌の記事にするべく事件を追う。露わになった被害者の人生、そして意外な犯人とは? 旅情あふれる、アリバイ崩しの名編。
  • 妄想名探偵
    3.0
    酒場の客で、もと奇術師、もと商杜マン、もと数学教師、もと刑事、もと俳優、そしてもとポン引きでもあったと自称するこの探偵役は、アルジェの忠太郎、すなわちアル忠氏だ。飲んだくれの名探偵アル忠氏が、見かけによらぬ鋭い洞察力で怪事件、難事件を鮮やかに解決してゆく、奇想天外の連作ミステリー。
  • 神宿る手
    4.0
    伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?四十余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。奇跡の楽壇復帰を仕掛けたのは、スイス在住の島村夕子であった。しかし、ベストセラーを続けるCDに疑惑の影が。美に憑かれた女のゆくところ、謎また謎。最終章に衝撃的ラストが待ちかまえる音楽ミステリーの一大傑作。

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