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伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?四十余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。奇跡の楽壇復帰を仕掛けたのは、スイス在住の島村夕子であった。しかし、ベストセラーを続けるCDに疑惑の影が。美に憑かれた女のゆくところ、謎また謎。最終章に衝撃的ラストが待ちかまえる音楽ミステリーの一大傑作。
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Posted by ブクログ
作者が頑張って書いたんだな、と思った。 ちょっと言葉の使い方が読みにくいけど、まあしょうがないか。
クラシック音楽が好きな人には楽しめるストーリーだと思います。 ミステリーと言っても殺人は一切なく、気楽な内容です。 著者の宇神幸男さんがどれだけ音楽に精通した方かは存じませんが ショパン・ノクターン遺作cis-mollについての表現には驚きました。 ......孤独が純粋結晶したような曲尾の音階の...続きを読む反復...... うおぉーーっ、言葉で表すとそうなるか…。 なんて清らかで美しいのでしょう。目からウロコでした♪ クララ・シューマンの小品は即チェックし、早速楽譜を購入しましたよ。 続編「消えたオーケストラ」もあるらしいので、 機会があれば読んでみたいです。 でもその前に、、 ピアニスト系恋愛小説「水のゆくえ」、、このタイトルは非常に魅惑的です♪ きっとこちらを先に読むと思います。
第二次大戦を境に、40年余りに渡って姿をくらましていた天才ピアニスト、バローが突然アルバムをリリース。その連絡を取りまとめているのが、これまた謎の女夕子。バローを日本のステージに立たせることは可能なのだろうか? 音楽雑誌の編集員蓮見と、島村夕子を絡めるために、あれやらコレやらスキャンダルを盛り込ん...続きを読むでいるので、ストーリーとして飽きないようには作られている。 さらに音楽評論家だけあって、クラシックの作品に関する素晴らしい解説だけでなく、演奏手法などに関する蘊蓄を絡めたりするあたりは流石である。 ただ、デビュー作ということもあり、トリックやネタなどに出し惜しみがないところは好感が持てるところでもあるが、ラノヴィッツを失脚させる必要があったのかどうかは疑問だ。 また、主人公の名前でネタにするのかと思いきや、全く触らずに終わったのは、自作でまた出すんでしょうかね? 本人もあとがきでがいているが「ミステリではない」というのは本当であろう。最後でどんでん返し?と見せかけての大団円は、ちょっと蛇足であった。
これが書かれたのは、元号が昭和の時代なのか。 携帯電話がなかったり世界への距離感(インターネットや国際電話で簡単に連絡がとれない)があったりと、確かにその通りなんだけれど「古い」という感じのない小説である。 そして小説では決して聞こえないはずの音(しかも普段縁のないクラシックである)が聞こえて...続きを読むくるような気がするんだから面白い。 面白かった。
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