はるさんのレビュー一覧
レビュアー
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じゃじゃ馬ならし、ビビ万歳!
ヒロインのヒビアーナは孤児として育ち、生い立ちは苦労の連続だったのに、ある日突然、貴族の令嬢であることが判明。探し出してくれたのはクリストフ。有力貴族のちょっと強引なところがある野生的でハンサムなヒーローだ。
ビビアーナは信頼される下女として今まで自分の足で立ってきたという自負もあり、優しいくせに、勝ち気なのだ。特に教育係のヒーローに対して。
ヒーローとヒロインが勝ち気と強引とくれば、必然的にぶつかり合う場面が多い。なのに、どちらも魅力的に描かれていて、短いながらにストーリーもよく錬られ、巧くまとまっている。
できるなら、じゃじゃ馬を手懐た先の生活が見てみたい。 -
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33歳おじ様は苦悩す
リリアーナ5歳から15歳まで成長していく姿を上手く使って物語が進められています。
病に伏す父王から引き離されて、父の迎えを健気に待つリリア5歳の姿を想像すると、涙が出てきましたけど、その目に入れても痛くないほど可愛いリリアが徐々に美しく花開いて、まさか父親代わりだったおじ様を翻弄させるようになるなんてね。
添い寝の習慣をうまく取り入れて、成長が無理なく分かるように、時には侍女の進言(忠告)も挟んで、おじ様は可愛いリリアがもうそんなに大きくなったんだー‼︎と苦悩が始まるわけです。
大きくなったリリアも素直に感情をみせるからこれまた可愛らしいわけで、おじ様は玉砕からの溺愛するのです。
激甘 -
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転生色々⁈妻の努力は図り知れず
大好きな旦那様の元へ帰るため、あの世から生前とは違う真反対の可愛らしい容姿で生まれ変わったヒロイン。
どうやって旦那様を見つけるのよ。見つけたものの、どうやって声かけるのよ。19才の差があるなんて。ヒロインは旦那様を犯罪者にさせないように、機を待つのです。就職先まで旦那様を追うとはなんて健気な!想像するだに大変そう。
途中、え、危機か!?と思わせられるところもあったけど、混乱する旦那様が徐々にヒロインと元妻を一致させていく様子も、あーこんな感じなんだなぁと共感するほど巧く書かれていて、旦那様とヒロインの矢印がずっと互いに向いていて、あぁ至福のとき。挿絵が欲しかったので、マイナス1。 -
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どちらがお好みで?
画力があり、安定しているのでストーリーに入りやすいです。何たって美男美女なので、うれしい!あ、短編なので、内容は深くないですが。そこは画力でカバー。
1話目と2話目は椿と蓮の現実感のない綺麗系カップルのお話。蓮は綺麗な顔して、むっつりスケベなんだな。急に感情を出すので危ういかんじ。猫に勝てる日は来るのか⁈
3話目は聖くんと舞ちゃんのちょっとエキセントリックなカップルのお話。舞ちゃんはぽやっとしていて、実はポイントを押さえてるところは押さえてるしっかり者かは4話目のお楽しみ。
4話目は舞ちゃんを指導した先輩と後輩くんのお話。しっかり者と思いきや、後輩に先を越されて、人生置いてきぼり感に打ち -
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強がる乙女を甘やかして欲しい!
あまり期待してなかったのだけど、ストーリーも登場人物のキャラクターもしっかり描けていて、この長さでよくきれいにまとまっていると思います。
感情を表すのが不器用な女性騎士アリシアがチャラいボンクラと評判の王子リチャードを隣国へ嫁取りの旅に護衛するお話です。
ストーリーの主旋律もちょっと変わってるのだけど、旅途中に起こるアクシデントもさることながら、リチャードの酔わすような甘い言葉とスマートな振舞いに徐々にアリシアの乙女な部分が解放されていくところが見ものです。続きを読んでみたいし、暫くしたら、また読み返してみたい本です。 -
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トムとジェリーか!?
この作品はどうだったかなと久々に読み返してみたら、やっぱり面白かった。色々読んできたのでそれなりの基準があるつもりなんだけど、やっぱり変わらないのだ。
基本的にお利口さんの主人公は好みなんだけど、主人公の茅乃は読み進んでいくと、なかなかしんどい人だと判明した。それは上司で彼女に想いを寄せる聡司が気の毒になるほどに、。
茅乃はできる営業マンなのに、頑固で異様に自己評価が低すぎて、聡司が告白するも、あの手この手とスルーし続けている。ストーリーの大半はこの為に割かれたんじゃなかろうか。よくこんなに逃げ回れるもんだ。
主人公2人のキャラも魅力的でテンポもいいのでグイグイあっという間に読めます。 -
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情感たっぷりな表現力が見もの
草野さんの作品は題名や題材から、ちょっと暴力的なのかと思わされるですけど、人間の根っこの部分が優しい人達に出会えるので、何というか嬉しくなるんです。
今回は題名のサディスティクが何を指すのか分からないんですけども、強いて言えば、社長の越前基が少し口が悪い時があるかな、というくらいで。それは主人公のあぐりも売り言葉に買い言葉で感情の赴くままに酷い言葉で言い返しては後悔しているので、お互い様かと。
舞台は決してハイソな世界ではなく、一般的な人達の日常を切りとったストーリーなのに小道具がトランペット、バナナ、楽団や社長のステッキ、引き摺る脚等々絶妙で、ぐいぐい読めます。読後、ちょっと現実 -
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推しはチョイ役、マレット公爵
ありきたりの美しいばかりのお話かと思ったら、とんでもない。どこを切っても、素晴らしく、このジャンル以外も書ける作者さんだと思います。登場人物の何気ない掛け合いも絶妙なんです。私のツボはチョイ役だけど味のあるマレット公爵です。
ある事件をきっかけに心を病んでしまった若き君主を支えるために、嫁いできた15才のマレット公爵令嬢プリシラが臣下となる未来の宰相、ジョシュアとの出会いから始まります。この3人の関係が、主従であるだけでなく、時には親友、時には家族と互いを思いやりながら、若き王が復活する過程から物語の最後まで、笑いあり、涙ありと巧みに読者を誘います。久々に充実した気分になりました。きっと -
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二度オイシイ!
『ずっとあなたを愛していた 王妃と侯爵』の余韻が忘れられなくて、こちらの作品に中々手がつけられなかったのだけど、こちらも裏面というか、その後が描かれていて、面白く読めます。個人的にはやはり先の作品が好みです。
やっぱり登場人物の会話のやりとりもストーリーのテンポも絶妙です。こちらの話では新しい王妃フィリスにじゃれつくルークの子犬的な性格がよく出てるし、『ずっとあなたを愛していた 王妃と侯爵』の登場人物のその後が見えるのも嬉しいところです。いずれにせよ、作者さんの登場人物に対する愛情がたっぷりです。 -
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地に足のついたシンデレラ物語⁈
華やかではないけど、しっかり組み立てるられた、一風変わったシンデレラストーリーです。
登場人物も仲の良い姉妹、タニア(姉)アマリア(妹)を中心に話が始まり、アマリアとレオン(伯爵?)の静かな恋のかけ引きへと進みます。
人物像もしっかり描かれ、複雑な人間関係だけど、文章スタイルがしっかりしているからか、迷子になることもなく、最後まで邪魔されず世界観に浸ることができます。
登場人物の台詞や描写でも作者の言葉選びが洒落ていて、中世貴族のシンデレラストーリーにこういう静けさを持った作風は珍しく、好きな作品の一つになりました。番外編があるとうれしいな。 -
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犬と文学香る
コンサル経営者、戌井樹42歳は大学院生、申渡りう24歳をペットシッターとして雇用するのだけど、これだけじゃ、それが何だなんだけど、出会い方から何それーと面白く、期待させる。
お互いが気付かない恋進展していく様子もりうが研究テーマとする源氏物語の光源氏と女三の宮に重ねたりして、源氏物語ってそうだったのか、ちょっと読み直してみようかと思ってしまった。
戌井さんの愛読書は『孫子』だけど、りうを籠絡させるのに役に立ったのかなぁ。ちょっとこれも読んでみなければ。
本当にこの方の作品は小道具が効果的で、読んだら調べてみよう、試してみようという気にさせられる。できるならば、竜宮寺先生の新年会に参加して -
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現代版源氏物語かな
中学卒業した頃に天涯孤独になった阿子は未成年後見人の直人と一緒に暮らし始め、ようやく二十歳となる。その時、直人、37才。
あらゆる手を尽くし、危険な虫をおっぱらったということだから、これだけでも想像がつく。純粋培養というか、素直で清純で庇護欲をそそるお嬢さん阿子の出来上がり。この下地を無くしてお話は始まらない。阿子は二十歳となった今、恋愛に目覚める、否、行動開始するのである。
もちろん、阿子は直人君しか知らないもんねー。直人君も光源氏よろしく‥‥。自分好みの女性に仕立て上げるのは男の浪漫かな、と。今回はスパイスが足りないかなぁ。