きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。
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匿名
恵まれた環境
今回は二つの件を通して、道真が自分が他の人よりも様々な面で環境に恵まれている事を認識し、そうではない者の実情を知る感じでした。
最後に出て来た大師と比丘尼は、何となく繋がっていそう。
Posted by ブクログ
なんだか苦しい読後感の第8巻。
別に道真が悪い事一つもないんだけどね。恵まれている人間は恵まれている事に自覚的でないと他人を無意識に傷付けるね。でもカンニングは駄目だぁ…。
業平様は今回癒し枠でした(笑)。良い部下に恵まれている。
「素敵な業平様が素敵にかわいいものを」って大興奮の白梅がもうわかりみありすぎて笑うしか無い。天国だよね!
Posted by ブクログ
道真が「馬鹿に興味がない」とはっきり言うところに笑ってしまう。
才能があっても使い方を間違えれば無能より悪いと思っているのも彼らしい。
その才能があればもっと、と思ってしまうのが若さなのだろう。
いちいち聞こえるように悪口を言うのは道真でなくとも
軽蔑するのは当たり前だ。
「頭が悪いといらぬ恥をかく」
「陰口しか能のない馬鹿は帰っていいですよ」
とはっきり言うのが正直気分が良い。
角は立つとは思うが。
しかし言われた時はしーんとしていた癖にまたすぐ悪口を言い始める有象無象、本当に不愉快。
「本当に学が必要なときはいつだって急に来る」
は全くそのとおりだ。いざというときの為に常日頃から準備しておくのが学というものだろう。
有兼の気持ちもわからないとまでは言わないが
真っ直ぐなだけに「残念」と思っている道真も気の毒に思う。
匿名
八巻目
菅原道真が外出中に雨に見舞われてずぶぬれで帰ってきた。
彼の屋敷に来ていた長谷雄は暦を読んで対策していたので濡れていない。
その暦を見た道真はそれがただの暦ではないと見抜いた。
長谷雄いわくそれはある陰陽師が作ったものえd一人ひとりの星の回りから暦を合わせているとのこと。
しかし道真はそんな胡散臭いものにだまされるなと長谷雄に忠告した。
そのころ在原業平は近頃周りで起こった失せものの届けがあまりにも多いことと規則性があまりないことから道真の手を借りようとする。
しかし道真が風邪をひいている様子から自分で調べてみることにするのだった。
そのころ長谷雄が通う屋敷の彼女の失せものについて道真に相談。
別々の場所にいる業平と道真は一連の失せもの騒ぎがこの暦が原因だと突き止めて……。
こういったことを悪用する人間はやはり昔からいたのだなぁというのと食うためにそれをしなければいけないというのは今よりも厳しい環境におかれているからだということも改めて思い知った。