きっと誰でも学校の歴史や国語の授業で一度や二度は聞いたことがあるはずの歴史上の人物、在原業平と菅原道真。
かたや「伊勢物語はこのヒトが主人公だ!」と思われるほどモテた上に六歌仙にも選ばれたほどの歌人、かたや神童だったけれど晩年は左遷されて崇りで天変地異を引き起こしたと言われる学問の神様ですが、この作品はなんと、二回り近く歳の離れたこの二人が平安時代の京でさまざまな怪事件を解決していくクライムサスペンスコミックなのです。
業平の行動力と道真の頭脳で問題に挑む姿は、サスペンスとしても十分楽しめるのですが、非常に美しい画がまた素晴らしく、史実とフィクションの絶妙な混ざり具合も先が気になる気持ちを盛り上げてくれます。歴史好きの方にもそうでない方にもオススメです。
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匿名
宣来子の父、不気味
道真が幼かった頃の『菅家廊下』の話が良かった。
宣来子の父、今は闇落ちしてるけど元はいい人だったのでは? と思っていたけど、やっぱり昔から少しヤバめな人だった。
絵でも目が死んでるというか、不気味。
そんなでも、娘に対しては普通の父なんだな。
融様来た!
平安時代好きには避けて通れない源融様が再登場!なぜだかこの人、何かといろんな文献やらに登場するんですよね。やっぱりやり手政治家より、風流で文人で鬼に会ってるような人が1000年後の後世まで残るのでしょうね。今回の融様の凄みが出てた。これからも登場して欲しい。
Posted by ブクログ
寧さんと唐の言葉で話せて嬉しそうな道真は
いつになく年相応に可愛らしく見える。
その才を正しく使えと言う寧。
正面突破の策を考えるだけでなく、見届けると
自分も出張るところが道真の偉いところ。
業平もなんだかんだで協力して一芝居打ってくれるのは見物だった。
ひとつ得をすれば損がついて回るのは仕方ない、
一人を罰しても別の者に妬まれるだけ。
忠臣の言葉が暗く響く。
後からでも、父親にだけでも自分ではなく阿呼だと
言うだけでは気がすまなかったろうか。
阿呼のお蔭で一応は解決して空気も少しは良くなって
あのまま廊下に居たほうがきっと良かったろうに。
忠臣もまた真面目過ぎるのだろう。
山桜の話も面白かった。
きっちり芝居をする業平も好きだし、騙されてる融様が純粋。
小川を引くという発想が本当に雅だった。
道真のことを子飼いの小僧、という辺り、融もただ純粋なお貴族様では無いという描写も良い。
業平が
「恐れなどいつか克服してしまう。長く人を縛るのは情だ」
「良いことをした、これが正しかったと納得させること
己の判断で決めたと思わせることが処世の術」
と言うのも納得である。
そしてまた、一芝居打たされそうな業平様。
次も面白そうだ。
匿名
六巻目
在原業平の元にある報告が届いた。
検疫の役人が唐人の密航者に殺されたというものだった。
そして京のまちを歩いていた長谷雄は建物の隙間にけがをした唐人の女性を見つけた。
状況を調べるために道真を連れた業平は港に到着。
遺体を調べた道真はその遺体に小さな穴があるのを発見したが、その傷をつけた犯人は昭姫と旧知の仲で……。
道真が年上の女性と打ち解けた感じで話しているのを見てしまった宣来子。
へそをまげてしまう。
白梅はその人と道真はそういう関係ではないと弁解するが聞かず、父である忠臣の言葉にもギャンギャンと言い返してしまう。
道真が年上好きだと誤解したままの宣来子はどんなに勉強しても絶対に道真より年上になれないことを嘆くが……。
宣来子と道真のエピソードがかわいかった。
源融
風雅にそこまで入れ込めるのも才能だと思える。
道真からしたらなんのこっちゃという感じであろうけれど、難題をうまく解決できて良かった。
さて次巻は藤原家のいざこざで死人が出そう。緊張感が高まるところ。