【感想・ネタバレ】竜馬がゆく(八)のレビュー

恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈などの大切さを実感することができます。また、そのためにいろいろと勉強したくなります。100年以上前の話ですが新鮮に感じます。
さらに竜馬以外の登場人物もみな魅力的。若かりし木戸孝允や板垣退助など、日本史の授業に興味がなかった私でも知ってる人物や、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎など、様々な人物が登場します。一粒で2度3度とおいしい作品。とにかく出来るだけ若いうちに1度は読んでおきたい作品です。

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竜馬

2013年10月04日

今改めて読んでも色褪せない素晴らしい作品。
今竜馬がいたらこの日本をどう思うか
日本人であれば絶対に読むべき

1

Posted by ブクログ 2024年04月30日

★5つです!
乙女大姉、さな子、おりょう、千代
気がつけば竜馬が大人気。
ということもさることながら、大政奉還までの怒涛の展開。
最後は皆の前に竜が駆け上る描写など。。
高知は死の国、幻想的な表現が似合います。

0

Posted by ブクログ 2024年04月27日

▼大政奉還実現に奔走して、一方で「長崎で海援隊が英国人斬殺の冤罪に問われる事件」があり、新政府の閣僚まで人選交渉し、そして暗殺に倒れます。まさに歴史の花道を駆け抜ける終盤戦。
 歴史小説の素晴らしさでありミステリー、「大まかどうなるのか全部分かっているのに、オモシロイ」という見本です。やっぱりそれは...続きを読む、語り口であり、節回しであり、言ってみれば声色なんですね。



▼第1巻から登場する、便利使いの子分「寝待の藤兵衛」というキャラがいて、「エンタメ系司馬作品」にはこのようなキャラが(女性が多いけど)主に序盤だけ出てその後いなくなる(笑)というパターンが多い気がしていましたが、今回の再読で、

「ああっ!8巻でも出てるっ!ちょっとだけどっ!」

というのを発見して、妙に感動。



▼どうやら史実でしょうが、途中でいろいろのひょんなことで竜馬が高知に帰るんです。時世変節、脱藩他の罪科を解かれ、数日だけ、実家に帰ります。十年ぶり?くらいに、父親代わりの長兄、乙女姉さん、などなど家族親戚と再会します。物語はもう8巻だし、維新は目前だし、つまり竜馬は間もなく、あと100ページくらい?で、死ぬことが読者は分かっています。
 実家に帰った竜馬は、歓迎されて楽しく過ごします。司馬さんの語り口の中では、たれも政治も国家も論じずに他愛もなく過ごします。竜馬さんも、嬉しい。司馬さんの描く竜馬さんは、姉乙女を筆頭に家族親戚に対して複雑な屈折なく育ってきた、言ってみればボンボンである、と描いていて、そんな竜馬が脱藩して天涯孤立の漂白歳月の中でも、家族親戚への他愛もない手紙を欠かさなかった。



▼手紙は、保存され残っているので、司馬さんは読んでいます。そこから作り上げたであろう<司馬竜馬>を味わってきた身としては、この、「第8巻の里帰り」の下りは、なんだかグッと来てしまいました。
 今回、恐らく人生で3度目か4度目の通読で、しかも恐らく10年以上ぶりなんですが、この下りでこれほど胸打たれたことは、今回が初めてです(こういう場面があったこと自体、憶えていなかった)。

 こちらが経年変化したってことなんでしょうね。平たく言うと、トシを取ったんで。こういうところで泣けるようになりました(笑)。

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Posted by ブクログ 2024年04月03日

司馬遼太郎さんの本は、何故か風神の門から入り、関ヶ原、花神、峠、戦雲の夢と読みましたが、どれも傑作ではありますが、改めて竜馬がゆくが内容、展開、そして今読み終えての読後感がなんとも言えず最高です。
幕末の日本人になった気分を味わえた数ヶ月、とても幸せでした。

創作の部分多数あれど、残した言葉の数々...続きを読むは心に残りました。
また読む機会あったら読み返してみたくなりました。
(てか実は10代、30代、40代と読み返し、更に50代で読んでるので五回目なんですけどね)
何回よんでも面白い、司馬遼太郎さんの作品は私のマイベストです。

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Posted by ブクログ 2023年10月22日

第8巻まで読み終わり、坂本竜馬という人物が幕末においていかに巨大な存在だったかを知ることができました。「竜馬の霊が天へと翔け登った」みたいな感じの表現がありましたが、確かに竜馬ほどの大きな人物ならこの表現も納得です。司馬遼太郎の筆致も臨場感があり、素晴らしかったです。
司馬遼太郎の作品は他に「燃えよ...続きを読む剣」しか読んだことがないですが、他の作品もぜひ読んでみたいです。「竜馬がゆく」も色々と歴史的背景や人物のことを知ってから数年後に再読できたらと思います。
次は「坂の上の雲」か「世に棲む日々」を読みたいですね。

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Posted by ブクログ 2023年10月08日

「おれは日本を生まれかわらせたかっただけで、生まれかわった日本で栄達するつもりはない」
カッコ良過ぎました。最高の8冊です。

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Posted by ブクログ 2023年09月15日

司馬遼太郎は事をなす人間の条件を竜馬を通して伝えた。
=コミュニケーション能力
60年前に書かれてるけど、そこらの読みにくい自己啓発系の本を読むなら司馬竜馬の方が良い。
若い時に読まなかった事に後悔。
「司馬遼太郎は史実ではない」という指摘ほど野暮なものはない。
司馬遼太郎...まじバケモン...

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Posted by ブクログ 2023年06月29日

「竜馬がゆく」の第8作目は、長い時を経て、龍馬の平和を願う気持ちが実を結んだ事を実感出来る巻だった。今回特に感じたのは、偉人と言われている人達も一人の人間である事に変わりなく、時には悩んだり行き詰まったりするという事である。その中で無我夢中になりながらも自らの進むべき道を模索し、一人一人を相手に自分...続きを読むの考えを地道に説いていく龍馬たちの姿は、天才という言葉でまとめてしまうのは勿体無いほど、並大抵ならぬ努力家であったのだなと思った。

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Posted by ブクログ 2023年04月17日

初めての司馬遼太郎作品
幕末知識は義務教育レベルなので知らない名前や事件が多数出てきたが、個性豊かで魅力的な登場人物たちのおかげでとても楽しく読めた
特に竜馬と陸奥陽之助のコンビがお気に入り

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Posted by ブクログ 2023年04月19日

全8巻読破。
感無量。
満足感で胸いっぱい。
難しい本だと思っている方は、全然そんな事はないですよ。龍馬のいる幕末、サイコー!

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Posted by ブクログ 2023年02月22日

読み終えてしまった。
後半になるにつれ、ゆっくり読んだ。終わってほしくなくて。
私にとって特別な本になった。

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Posted by ブクログ 2023年01月17日

「世に生を得るは、事をなすにあり」
坂本龍馬の口にしたこの言葉通りに生きた生涯であったと、追体験ができた。
竜馬という自分の道をひたすら貫き生き続けた人生に感動した。

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Posted by ブクログ 2022年08月21日

全8巻に及ぶ大長編小説を読み切ったのは、初めて。
維新史の奇跡こと、坂本権平弟竜馬の自由奔放さ、快活さ、思想的鋭さ、先進さなどあらゆる感覚が、書き出されていた。
あっぱれ!司馬遼太郎!!

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Posted by ブクログ 2022年06月28日

竜馬が奮闘した大政奉還が実現し、徳川幕府の時代が終わり、新しい時代の幕が開ける…

あぁ、ついに終わってしまった!
読み終わった私は完全に竜馬のファンになっている。
倒幕の後の地位や名誉を当然気にする人たちの中で、ここまでやっておきながら大政奉還の後は全てを他の人に任せて自分は世界の海に出ると言う。...続きを読む
かっこいい〜〜かっこよすぎる!!

権力に媚びず、人を見る目を持って仲間を増やし、大胆に行動する。竜馬の器が大きくて、時に些細なことでクヨクヨしたりイライラしたり悩んだりする自分がとてつもなくちっちゃな人間に思える。

「しかない、というものは世にない。人よりも一尺高くから物事をみれば、道はつねに幾通りもある」

「仕事というものは、全部をやってはいけない。八部まででいい。八部までが困難の道である。あとの二部はたれでも出来る。その二部は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはではない」

「人の跡を慕ったり人の真似をしたりするな。釈迦も孔子も、シナ歴朝の創業の帝王も、みな先例のない独創の道をあるいた」


司馬遼太郎の文章にも痺れる。

「この長い物語も、おわろうとしている。人は死ぬ。
竜馬も死ななければならない。その死の原因がなんであったかは、この小説の主題とはなんのかかわりもない。筆者はこの小説を構想するにあたって、事をなす人間の条件というものを考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただ一片の志のみをもっていた若者にもとめた。
主題は、いま尽きた。
その死を詳しく語ることは、もはや主題のそとである。
竜馬は、暗殺された。」

この後に竜馬暗殺の場面も描かれているが、竜馬らしい潔い最期に泣けてくる。
竜馬を暗殺した人、なんてことしてくれるんだ!!と思わずにいられない。
竜馬がここで暗殺されていなかったら新しい時代にどんなことを成し遂げたのか。
今、この現代に竜馬が生まれていたら、竜馬は何を成すのか。

文句無しに面白かった。
本棚の永久保存版にしよう。

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Posted by ブクログ 2022年04月02日

ついに維新回天の壮大な物語を読み終えた。坂本竜馬を通じて幕末から維新に至るまで長編でしたが、間違いなく読んで良かった小説だった。
各登場人物の生き方、姿勢、座右の銘など今後の生きていくためのヒントが得られた。
全体を通して、幕末の志士(当時の武士)たちは自分の命を革命のためなら捨てるという、今の人た...続きを読むちとの死生観の違いにびっくりした。過去に実際こういう人考えを持つ人がいたことがわかっただけでも読んで良かった。
印象に残ったフレーズは、本文ではないが、あとがき5の最後の著者のフレーズ『私心を去って自分をむなしくしておかなければ人は集まらない。人が集まることによって知恵と力が持ち寄られてくる。仕事をする人間というものの条件のひとつなのであろう』が印象に残った。幕末も現代も大きな仕事をできる人の人物像はかわならいのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2022年03月18日

竜馬の可愛さとそれとは正反対の倒幕への熱い意思というのがとても印象に残った。また、最後、龍馬がもし剣を持っていれば刺客を倒せたのかもしれないが、龍馬は「これも天命だ」として未練もなく世をさったというところが本当に日本のためを思って活動していたのだなと思い感動した

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Posted by ブクログ 2022年03月02日

龍馬の底抜けに明るい性格と、生きとし生けるものへの限りない優しさに感動した。
龍馬の発想力の根底にあるものは、もちろん人々への愛もあるけれども、“その時代における正しさ”ではなく、“時代を超えた普遍的な正しさとは何か”を求めたところにあるのではないかと思う。
最後、龍馬が天に帰るシーンは、まさしくそ...続きを読むうであったろうと思わせるほど真に迫っている。
当時も立派な方はたくさんいるけれども、彼ほどさわやかな人生と呼べる一生を生きた偉人も珍しいのではないだろうか。

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

坂本竜馬の生涯を描いた作品です。竜馬の大胆で義理人情に厚いキャラクターに惹かれた読者も多いのではないでしょうか?
この小説では竜馬とそれを取り巻く仲間たちの様子が生き生きと描かれていて、全8巻というボリュームながら一月程度で読んでしまいました。
歴史好きにもそうでない人にもオススメです!

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Posted by ブクログ 2020年10月18日

最高に面白い!!!
あっちゃんのYoutube大学で坂本龍馬に興味を持ち、そこから引きずり込まれるように一気読み。
さらに、この物語の7巻あたりで、Go to travelを使って、京都旅行へ。本作を読みながら歴史観光をするという非常に贅沢な日々を過ごした。

20~30代の若者が日本の未来を変えた...続きを読む。このエネルギーを本作を通じて感じた。そして、自分もこのエネルギーを胸に秘めながら行動したい。と感じた。
本作を読んだ後に『維新ミュージアム』にいくことは非常におすすめ。
龍馬の面白さは藩に縛られず「日本」を考え、行動した。今日の日本も龍馬のおかげといっても過言ではないのでは。

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Posted by ブクログ 2020年08月13日

今まで自分が抱いていた龍馬像を一変させられる着眼点、目線で読ませていただいた。以前から自身の龍馬像は暗殺のイメージ、人生最後の命の消え方に偏っていましたが、著書の中でも著者が読者に投げかけられていた事は、龍馬の「死」よりも生き生きと駆け抜けた「命」である事に大きな感動を覚えた。この著書(大作)の前に...続きを読む読んだのが同著者の「燃えよ剣」であったことも、同時代を違う目線で立場を変えて描かれている事が非常に新鮮で楽しく読ませていただいた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年08月11日

フィナーレにかけてドキドキの高まりがやまなかった。

英雄、ついに死す。

しかし、その死は突然訪れたものではない。むしろ必然でもあったかのように竜馬は天へ帰っていった。無血の大政奉還へ一人奔走する竜馬。陸奥や作太郎ら少数から始まったムーブメントは、他のリーダーたちを巻き込んでいく。同志の中岡や薩摩...続きを読む西郷さえも巻き込んだ熱量と世界観は、幕末で竜馬しか持ちえなかったものだろう。

新政府の役人に自分の名を連ねなかった竜馬は自分の芯を最後まで貫き通した。回天後は世界を股にかける。その夢は岩崎弥太郎が受け継いだが、龍馬の先見眼に驚かされた。

人を惹きつけるカリスマと圧倒的なリーダーシップは後世まで同志が暗殺犯探しをしていた証。それほど竜馬は大きな存在であったけど、竜馬は犯人が誰でもよかったのではないかとも感じる。中岡の「卑怯憎むべし。剛担愛すべし」に笑って賛同しそうだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月13日

幕府の大目付を相手に庭を見ながら仙人の例え話で日本全体の利害を話し合える
相手の立場をわきまえた論争をする
様々な関係者と会い、説得調整をして徐々に世論を動かしていく

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Posted by ブクログ 2024年02月28日

司馬遼太郎による坂本竜馬を主人公とした小説。
文庫版で八巻にもおよぶ超大作。

司馬遼太郎の小説は初めて手に取ったが、引き込まれる内容だった。彼の膨大な取材量に裏付けられた緻密な描写もさることながら、ここまで長い小説であるにも関わらずほとんど中弛みがなかった。

本作は竜馬が故郷の土佐(高知)から武...続きを読む者修行のために江戸に発った1853年から、大政奉還直後に近江屋で暗殺される1867年までの期間を描いている。

個人的には、大学受験で日本史を得意としていただけに本作における時代背景や大まかな出来事、流れは頭に入っていた。
しかし、たった十数年の間にこれほど濃密で熱い男たちの闘いがあったことは全く知らなかった。

私は今まで教科書では数ページで終わる内容をただ暗記していただけで、竜馬をはじめとする維新志士が回天に際して懸けた想いに巡らすことなど思いもしなかった。
維新志士たちだけではなくて、幕臣や佐幕の侍たちも、彼らなり葛藤を抱えながら日本の行く先を憂い、真剣に考え、そして倒れていった。
彼らの遺志が今の日本の一部を形成していることは紛れもない事実なのに、私はそんな彼らの想いを考えもしなかった。日本人としてこれは知っておくべきであり、これが本当の歴史と言ってもいいだろう。

本作を読んでそう思った。

作者は、本作の終盤において「事をなす人間の条件というものを考えたかった。それを坂本竜馬という、田舎うまれの、地位も学問もなく、ただいっぺんの志のみをもっていた若者にもとめた」と記している。
これは確かに普遍的で奥深いテーマである。個人的にも本作を振り返って、坂本竜馬という人間がどのような人間なのかを一考したい。

坂本竜馬とは
伝統、作法、常識に囚われることを窮屈と切り捨て、
自身や藩の利益に固執せず、やり場のない大志の行き先を探し、
食えぬ傑物でありながら、少年のような大志を抱く男でもあり、
時代の常識であるパースペクティブから飛び出す自由な発想・思想を持ち、
土佐の差別的なまでの階層意識を乗り越えて、大事を成した男である。

竜馬は、決して生まれに恵まれた秀才だったわけではない。卓越した頭脳を持っているわけでも、弁が立つわけでもなかった。
しかし、彼はその人間的魅力をもって政府の有力者から気難しい志士、荒くれ者の侍、遊女までを惹きつけた。既成の価値観に囚われずに事物の良し悪しを見定め、生涯をかけて類稀な大局観と強烈な好奇心を養った。

故に坂本竜馬は、だれも夢想しなかった無血での維新を果たすことができたのだ。

この中でも最も重要で普遍的なことは、彼が人間として大きく、平易な目を持っていたことであろう。英雄としての必要最低限の条件はここにあると考える。

さらに、彼が剣道の達人として世に名を通したことも忘れてはならない。やはり、どんな跳ねっ返りであったとしても、人は何かを成すにあたっては既存の価値観の上で実力をつけて一定のプレゼンスを持つことが必須なのだと思う。


今、日本という国は幕末と同じぐらい危機的な状況に瀕していると考える。
幕末の危機が閉鎖的ゆえの世界全体の中で経済的・思想的・軍事的没落に起因したとすれば、現在の日本の憂国の危機はグローバルに「開かれすぎた」世界であるがゆえの競争力の低下だという違いはあるものの、どちらも同じくらい切迫した状況だと考える。

江戸時代における日本の長い太平は、結果的に相対的な経済・軍事の低下をもたらした。対して欧州は長く陰湿な混乱期によって力を手にした。払うべきときに、払うべき犠牲を払わなかったことが日本を弱体化せしめたのだ。

これも現在の日本の状況に当て嵌まる。
WW2の敗戦から高度経済成長、バブル、ただ経済における原理であるキャッチアップと人口ボーナスでしかなかった現象を、自らの実力だと勘違いし、然るべき準備をせず、払うべき犠牲を払ってこなかった。

結果が、今の日本の体たらくである。
最も確実な未来予測である人口構造の変化に手を打たなかった結果、世界一の超高齢社会と化し、何の役にも立たない老人を若者の犠牲によって生かし続けている国。
私欲と利権にまみれた無能な世襲政治家が跋扈し、本来であればそれを監視するべきマスメディアに大義がなく、癒着に沈んだ国。

最もたちが悪いのはそれに気づけず、黙殺している国民である。
本作中に「百姓・町民は欲望だけがあり、教養と知識がなく、ただ幕府に税金をとられるだけの非支配階級である」という記載がある。
日本国民もここからまったく進化していない。
無能を是とし、有能を堕としめて、無勉強で怠惰な国民が大多数を占めている。

今の日本にも維新が必要だ。
幸い、勝機はある。
インターネットの普及によって、少なくない若者はマスメディアからの洗脳を抜けつつある。
志と能力の高い若者は、上の世代が無能の塊であることに気づき始めている。

私も今の日本の志士の1人として、日本を再び世界の最前線に返り咲かせるべくリードしていきたいと思う。
坂本竜馬をはじめとする幕末の英雄たちに恥じない生き方をしていきたい。

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Posted by ブクログ 2023年12月17日

大政奉還までの激動とエンディング
この大河小説を1週間強で読み切るくらい激動の時代だったことが改めて思い知らされる。

この本を読んで「坂本龍馬やっぱすごいな」で終わるのではなく、徳川慶喜の自己犠牲という判断、佐幕派の会津藩なりの意地、西郷隆盛の視点など…同じ著者の作品にも触れ、また深く歴史を勉強し...続きを読むたいと思った。
また、自分は本当に愛国心がないのだが、なぜこの時代の人はここまで国のために命をかけて動こうと思ったのか…など改めて考えたい

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Posted by ブクログ 2022年08月19日

史実とは異なる点もあるそうですが、物語としては十分、筋が通っており、読み応えがあります。竜馬視点で描くことで、幕末の出来事に、意味や関わる人の意図を見出だし、1つの流れにまとめ上げた作者の力量が、すばらしい!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月11日

人間のもっている魅力が、歴史にどのように参加してゆくものか。
さらに、そういう竜馬の人間像が、どのようにしてできあがってゆき、周りのひとはそれをどのように見たか。

それを司馬遼太郎は描きたくて、この小説を書いたようだが、まさに竜馬の人間像や背景がありありと描かれている。

竜馬の現実主義的な考え方...続きを読むや、経済感覚の由来、またその思想が政治にもたらす画期的な発想。

問題や課題を抽象的に解釈しながら、建前ではなく現実主義的な発想を持って、解決に至るところはとても現代的なビジネス小説としても読める。

私が感じる坂本竜馬の魅力としてはそういった仕事人であったことにあるように思う。

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Posted by ブクログ 2020年11月15日

司馬遼太郎の長編時代小説の8巻目

ついに最終巻。
ついに大政奉還を実現する。これを漕ぎつけるために中岡慎太郎や岩倉具視、後藤象二郎といった人物と世を動かす姿勢がとても熱かった。今、この時代にそういった意志をもって世を動かそうとする人はいるのだろうか。目立つために政治をするのではなく、弱体化する国を...続きを読む建て直すための一石を投じるために身を粉に、命を賭してまで動く人は現代にいるのだろうかと思った。

大政奉還をしたのちは残念ながら中岡慎太郎共々、暗殺されてしまうが、改めてその貢献は多大なものだったと感じた。

最後ということもあってか、この最終巻では手紙のやり取りばかりであった姉・乙女との再会をするところが切なかった。それも司馬遼太郎の文才と思うが、大きなことをする直前を牧歌的にさせる描写は逆に美しく映えるものと感じさせられた。

さて、8巻読み切ってまずは読み切ったと思い吐息が出てしまう。振り返ってみると、自分がもともとイメージしていた坂本龍馬と司馬遼太郎が描く坂本龍馬はギャップがあり、洟垂れ坊主で、心許ない人物であったことが意外であった。また、そこから自分が思う以上に日本を思う熱い漢であり、商才、船の感覚が研ぎ澄まされており、人間味があるすごい人物であったことがわかった。

この本で描かれたような竜馬のいいところを自分にも取り入れたいなと思った次第である。まずは事を成すための意志を興すところから始めたい。

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Posted by ブクログ 2020年05月24日

◯「世に絶望ということはない」竜馬は、にがい顔でいった。死んだ高杉晋作もそういう意味のことを言い、いっさい絶望せぬ、それが信条であると平素言っていたのを、竜馬はふとおもいだした。(321p)

◯よくも断じ給へるものかな。(322p)

◯「世界の海援隊でもやりましょうかな」(342p)

★英国水...続きを読む兵殺害事件いる?大政奉還直前にじれったかった。

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Posted by ブクログ 2020年07月15日

竜馬は、相手を観察している。
佐々木三四郎は、顔も手足も大づくりな男で、どことなく人を圧する威もある。笑顔も愛嬌もあって、いやみではない。
(相当な人物ではある)
能弁な男で、ニ、三さしさわりのない話題を佐々木は出した。竜馬はむっつりきいていたが、多少失望した。
(頭は、よくない)
佐々木の話しぶり...続きを読むはすらすらと言葉は弾むのだが、独創性がない。一つの概念をしゃべるとき、その内容か表現に独創性がなければ男子は沈黙しているべきだと竜馬は思っている。そのつもりでいままで自分を律してきた。
(薩の西郷や大久保はこの佐々木のようではない)
多少の失望を感じたが、乾退助、後藤象二郎のほかは人材皆無といっていい土佐藩士のなかでは、佐々木などは上等の部類だろうと思ったのだ。(p.47)
「おれは日本を生まれかわらせたかっただけで、生まれかわった日本で栄達するつもりはない」
といった。さらに、
「こういう心境でなければ大事業というものはできない。おれが平素そういう心境でいたからこそ、一介の処士にすぎぬおれの意見を世の人々も傾聴してきてくれた。大事をなしとげえたのも、そのおかげである」
またさらに、
「仕事というものは、全部をやってはいけない。八分まででいい。八分までが困難の道である。あとの二分はたれでも出来る。その二分は人にやらせて完成の功を譲ってしまう。それでなければ大事業というものはできない」(p.331)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月24日

p.26
「しかない、というものは世にない。人よりも一尺高くから物事をみれば、道はつねに幾通りもある」

盛り上がってきましたが、最終巻なぜか呆気なく感じてしまいました。
なぜだろう…。

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Posted by ブクログ 2020年07月20日

読み終わった後、ゾクゾクした。

竜馬は本当にいたのか。
いたとしたら、神が送ってきた人物なのではないか。
広い日本を、日本とするために走り回り、数々のキーマンをおさえ、事を成すのがどれほど難しく、運を持っていないといけないのか。土佐藩でも多くの人が死ぬなかで、なぜ竜馬だけは事を成すまで生き続けるこ...続きを読むとができたのか。

この物語を世に出してくれた司馬遼太郎に感謝の一言である。

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