【感想・ネタバレ】竜馬がゆく(六)のレビュー

恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈などの大切さを実感することができます。また、そのためにいろいろと勉強したくなります。100年以上前の話ですが新鮮に感じます。
さらに竜馬以外の登場人物もみな魅力的。若かりし木戸孝允や板垣退助など、日本史の授業に興味がなかった私でも知ってる人物や、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎など、様々な人物が登場します。一粒で2度3度とおいしい作品。とにかく出来るだけ若いうちに1度は読んでおきたい作品です。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

薩長同盟、めちゃくちゃ大きいことなのに、それまでとあまり温度変えずに描いていて、すごい!熱すぎたら、その分あとが冷めてしまうから、スキルが必要ですよぅ!さすが、司馬さん!

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Posted by ブクログ 2024年04月14日

▼山場です。薩長同盟締結~寺田屋で大捕物間一髪~海援隊始動~第二次長州征伐に参加、幕府海軍に連戦連勝。

▼この巻のためにここまでがあったと言っても過言ではない、まさ竜馬大活躍、日本史のど真ん中に登場です。講談を読むような司馬節、面目躍如の大活躍、文句なしのわくわくどきどき痛快英雄譚の回です。

...続きを読む一方で高杉晋作が突如として主役かの如き扱いで躍動します。このあたり、「世に棲む日々」と「竜馬がゆく」の豪華コラボを見ている感で、なんというかすごく豊穣な気がします。

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Posted by ブクログ 2023年06月15日

薩長連合を考えたときに、おなじ尊王主義の両藩がいがみあっているのはおかしい。考えが同じなら一つになるべきではないか、と思い、その方角から手を握らせようとした。観念や思想から入った。ところが竜馬は、利害関係から入っていく。薩長の実情をよく見て、利害が一致するところはないかと見た。
「長州が可哀そうでは...続きを読むないか」この一言で、この夜を境に倒幕段階に入った。事の成るならぬは、それをいう人間による

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Posted by ブクログ 2022年03月14日

薩長同盟、寺田屋事件、幕長戦争の海戦と、歴史の大事の中で、おりょうさんとの新婚旅行というほっこりするシーンの対比がいい味を出している巻。

昨今のウクライナ情勢を見て、日本はあの時代によく西洋化したなと感心する。竜馬をはじめ、木戸、大久保、西郷、山縣らの活躍あってこその今の日本だということを噛み締め...続きを読むる。竜馬はよく、民間の力で軍艦を買ったもんだ。

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Posted by ブクログ 2021年04月06日

竜馬が亀山社中を立ち上げる。
この時代、武士の魂という観念的な考え方が強かった時代に、実利をもってして薩長同盟につなげようというのは、脱藩浪士として藩に囚われなかった竜馬ならではなのだろうか。
だが、決して実利だけでなくお互いの感情にも配慮する大切さ。

実践しようとすると、気苦労はかかるけれど、一...続きを読む番軋轢と後腐れないやり方なのだろうな。

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Posted by ブクログ 2020年03月15日

◯よく考えてみれば、この下関で西郷がきて君と握手し、いきなり薩長連合をとげる、というのははじめからむりさ。その無理を承知でサイコロをふったわけだが、思うような目が出なかった。世のことは偶然を期待してはいかん。(116p)

◯生死などは取り立てて考えるほどのものではない。何をするかということだけだと...続きを読む思っている。(264p)

◯三吉君、逃げ路があるかないかということは天が考えることだ。おれたちはとにかく逃げることだけに専念すればいい。(284p)

★薩長連合成る。そして寺田屋事件を経ておりょうと一緒になる。ドラマチックな6巻であった。

★亀山社中で孤立したために無念の死を遂げた饅頭屋長次郎を教訓にしたい。

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Posted by ブクログ 2019年09月14日

竜馬が本格的に動き出し、ついに薩長同盟を実現させる。改めてその凄さに敬服。そして寺田屋事件。よく知ってる話だが、よく死地を脱した。三吉慎蔵、大活躍! さらに薩摩への新婚旅行。これも知ってる話だが、改めて読むと面白い。
いよいよ大詰めが近づいてくるのがちょっと淋しい

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Posted by ブクログ 2019年08月10日

薩長同盟の締結を間近に迎え、幕府の緊張感が高まっている中での竜馬の無謀ともいえる奔放な行動は、一歩間違えば日本の歴史が変わっていたかもと思うと結末が分かっていても注意してやりたくなる。
運も実力のうちと言うけれど、偉大な業績を残す人には強運も必要条件であるんだなあと思う。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年04月13日

本当にそこに竜馬や後藤象二郎、西郷がいるかのように表現されているので、時々一瞬そのまま描かれているように錯覚する。それくらい生き生きとしている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年06月21日

竜馬がゆくは1巻から5巻までは特にレビューは書いていませんでした。
とても面白く、夢中になって読んでいるので8巻読み終わってから
最後にまとめ的なレビューを書こうと思っていたのですが
この6巻はかの有名な薩長同盟を締結させた部分であり
そこの描写があまりに心に響いたのでレビューを書いています。

...続きを読む馬が奔走し締結直前まで進んだ薩長同盟。
最後の最後のところでまだ小さなわだかまりやプライドで
なかなか決断しない薩長それぞれの代表に対して
竜馬が放つ叫びに心震わされました。

そしてようやく薩長同盟が成った夜の寺田屋での襲撃事件。
あまりに怒涛な展開で時間の経つのも忘れて読み耽ってしまいました。

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Posted by ブクログ 2017年12月17日

いよいよ盛り上がりをみせる、長州、竜馬連合による小倉城攻略までの第6巻。竜馬は薩摩、京都、長州藩を激しく行き来しながら日本を再構築する活動に邁進する。特に、竜馬の仲介で薩長同盟を隠密に結ぶための行動が劇的。一旦決裂した会合の後再度双方を説得する場面、「長州藩がかわいそう」と西郷に訴える場面には心揺す...続きを読むぶられます。相手の器量を見つつも、自分の感情を爆発させる切なる訴えが心を動かした名場面だとおもいます。その後の寺田屋の事件も痛快ですが、その少し前に大阪城に忍び込み大久保利通と会話する場面が驚きです。寺田屋の事件後におりょうと外出する場面といい、この人は豪傑無比とはこの人と思わざるを得ませんね。
近代日本はまさにこの人がいて実現したものであって、もう少し長生きして立ち回ってくれたなら今の日本はもう少し良い方向に転じていたのかもしれないとおもいます。
また、おりょうとの結婚に至るエピソードもとても微笑ましい。

物語が終盤に差し掛かり後2巻、この後の展開を思うと読み進めるのが辛くなる思いです。

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Posted by ブクログ 2017年06月18日

文明を切り開き、諸外国からの侵略を防ぎ、平等に渡り合っていかなければならない、そんな「日本」を実現するために、徳川家の保身を第一に考えている幕府を倒して新しい世の中にしなければいけない。
そのためにキーとなる長州と薩摩の2大藩。
互いに憎しみ合うこの2藩の調整役として、遂に薩長同盟を制約させた竜馬。...続きを読む
そして直後に襲い掛かる寺田屋騒動。
歴史のターニングポイントがここにあります。

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Posted by ブクログ 2017年01月29日

p.224竜馬が伏見寺田屋での一泊で同行の長州藩士に語った言葉
「生きるも死ぬも、物の一表現にすぎぬ。いちいちかかずらわっておられるものか。人間、事を成すか成さぬかだけを考えておればよいとおれは思うようになった。」

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Posted by ブクログ 2024年05月03日

ついに薩長同盟が成った。
日本というひとつの国を作るという竜馬の構想がまた一歩着実に進んだ。
おりょうへの言葉も良かった。

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Posted by ブクログ 2024年03月06日

悲しい話が多いので★4つです。。
寺田屋で竜馬が怪我をしたのは知らなかったです。
ワイル・ウエフ号の話は切ないです。

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Posted by ブクログ 2023年03月31日

薩長同盟を達成した回。そしておりょうと結婚し、日本初の新婚旅行に行く回でもある。
ついに龍馬が行くも佳境に入ってきた。

作者の「事の成る成らぬは、それを言う人間による」という言葉。イチローも言っていたなぁ。
これからこっそり自分も使おう。。。

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Posted by ブクログ 2022年08月15日

竜馬の視点を借りながら、幕末の動乱を見ている感じがしました。確かに竜馬もめまぐるしく活躍するのですが、時の中心となる大物達や大事件がどんどん出て来て、竜馬が霞んでいく印象です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年05月07日

p.180
熟慮をこのみ、考えぬいたあげくなにも行動しない

盛り上がってきました。
桂小五郎のネガティブなところが、一周まわって好きです。

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Posted by ブクログ 2020年08月02日

司馬遼太郎の長編時代小説の6巻目

ついに歴史でも最も有名な薩長同盟を結ぶ.自分は知らなかったが,そこにいたるまでの薩長の対立を貿易を使うことで見事に和らげ,締結にたどり着けたことに司馬遼太郎の描写によってありありと伝わった.また,同盟を結んだ後にすぐに政府から命を狙われ,命からがらにげのびたことを...続きを読む知り,その強靭な肉体と運に坂本龍馬の時代の人だったということがよくわかった.脚色をかなり強くしたのではないかと思ってしまうが凡そは本当なのだろう.

一方で自分の会社である亀山社中が戦にも参加し,長州藩の存亡の一助となったことも今作の読みどころであり,剣術で培われたかどうかはわからない海戦術を駆使し見事政府を撃破したエピソードも彼の才能を感じられた.

ここから歴史が維新へ進むと思うがまだまだ先が見えないなと思った.

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Posted by ブクログ 2020年04月30日

【感想】
ついに倒幕の大きな推進力となる薩長同盟を実現させるに至った坂本竜馬。
坂本竜馬ひとりの力で功が成ったとはさすがに言い過ぎだが、やはり坂本竜馬なしでは同盟の締結なんて無理だったんだろうな~

温故知新というか、功を焦らず機が熟すまでじっくりと待つことの大切さ。
あと、それぞれが持つ背景をきち...続きを読むんと捉えた上で、「理」だけでなく各々の「情」も汲んで事を進める点は、現在にも通じる交渉術だなぁと思いました。

面白い本ではありますが、前巻同様で、おりょうとのラブストーリーの箇所が要らないなと個人的には思います(笑)


【あらすじ】
幕府を倒すには薩摩と長州が力を合せれば可能であろう。
しかし互いに憎悪しあっているこの両藩が手を組むとは誰も考えなかった。
奇蹟を、一人の浪人が現出した。

竜馬の決死の奔走によって、慶応二年一月、幕府の厳重な監視下にある京で、密かに薩長の軍事同盟は成った。
維新への道はこの時、大きく未来に開かれたのである。


【メモ】
竜馬がゆく 6



p28★★
西郷は沈黙した。竜馬が意外な情報通であることに驚いている。
竜馬の特技といっていい。この若者は、物怖じもせずひとの家の客間に入り込む名人と言ってよかった。
相手もまた、この若者に惹かれた。惹かれて、なんとかこの若者を育てたいと思い、知っている限りの事を話そうという衝動に駆られた。

竜馬には、それをさせる独特の愛嬌があった。
どんな無口な男でも、坂本竜馬という訪客の前では情熱的な雄弁家になる。
竜馬は、異常な取材能力を持っており、それゆえに自然と抜群の国際外交通であった。


p40
竜馬の理想は、幕府を倒すということでは西郷と一致している。次の政体は天皇を中心にするというところでも一致している。
しかし西郷の革命像は、天皇を中心とした諸藩主の合議制であり、その下には士農工商という階級がつく。

その点、竜馬は違っている。
一切の階級を雲散霧消させることであった。
大名も、公卿も、武士も、一切の日本人を平等にするということであった。

竜馬はにこにこ笑って言わない。言えば西郷に危険視される事を知っている。
事実、西郷は明治になってから武士の廃止に反対する薩摩士族団にかつぎあげられて明治10年に西南戦争を引き起こした。


p116
「よく考えてみれば、この下関で西郷がきて君と握手し、いきなり薩長連合をとげる、というのははじめから無理さ。その無理を承知でサイコロをふったわけだが、思うような目が出なかった。
世のことは偶然を期待してはいかん。桂君、君もそうやたらと腹を立てないほうがいい」

薩長連合ひとつにしても、主義をもって手を握らせるのではなく、実利をもって握手させる。
ひどく現実的な回天の方式なのである。

「思想さえ高ければ、商人の真似をしても構わない。むしろ地球を動かしているのは、思想ではなくて経済だ」


p214
藤堂は近ごろ思想的に動揺していた。
近藤・土方とともに新撰組を結成した結党以来の古参であるが、池田屋の変以来、新撰組が攘夷結社の性格を失い、純然たる幕府の走狗に成り果ててしまったことに激しい不満を感じている。
また、新撰組幹部は近藤勇、土方歳三をはじめ、武州多摩地方の天然理心流の出身であり、創立以来の同志とはいえどこか近藤らは自分に他人行儀である。

藤堂はすでに隊に新加入してきた千葉門の先輩らと共に脱退を決意していた。


p219
・藤堂について
「人の運命はわかりませんな」
「それは違う。人の運命は、九割は自分の不明による罪だ。何にせよ、藤堂平助などは、今となっては道を引き返すわけにはゆくまい」


p239
桂というひとは、維新後になってからもこの粘っこい拗ね者の性格が直らなかった。
革命家らしい理想家肌をもっていたため、維新後も自分の手でつくった政府に飽き足らず、絶望と不平と不満を蔵しつつ人に接し、ついにはその門を訪ねる人も少なくなった。


p245
・薩長連合
当時、薩長連合というのは、竜馬の独創的構想ではなく、すでに志士達のあいだで常識となっていた。
「薩摩と長州が手を握れば幕府は倒れる」というのは誰しもが思った着想である。

しかし所詮は机上の論で、冷戦時の「米国とソ連が握手すれば世界平和は今日にでも成る」という議論とやや似ている。

竜馬という若者は、その難事を最終的には一人で担当した。
すでに薩長は歩み寄っている。あとは感情の処理だけである。


p417★★★
長州人は、たった五百人の兵で上陸している。奇兵隊が主力だから、元々の武士ではない。町人、百姓の子弟である。
それが半洋式化された小倉藩の武士団を押しまくっているのだ。逃げるのは、大名の家柄を誇ってきた小倉小笠原家の藩士である。

「長州が勝っちょりますな」
「いや、長州が勝っちょるのじゃない。町人と百姓が侍に勝っちょるんじゃ」
たった今、竜馬の眼前で、平民が、長いあいだ支配階級であった武士を追い散らしているのてまある。

「天皇のもと万民一階級」
というのが竜馬の革命理念であった。
平等と自由。言葉こそ知らなかったが、竜馬はその概念を強烈にもっていた。

「あれが、俺の新しい日本の姿だ」
竜馬は自分の理想を、実物をもってみなに教えた。
竜馬の社中が掲げる理想が、単なる空想ではない証拠を眼前の風景は証拠だてつつある。

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Posted by ブクログ 2019年11月20日

7巻が読み終わって6巻を登録していなかったのに気づきました。6巻って、どんなだったかなあ。長編になると1巻前のお話も、昔のことのように思えます。読書とともに歴史を歩む醍醐味です。

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Posted by ブクログ 2018年10月08日

竜馬が仲人となりついに薩長同盟が成立する。

しかし、双方に根回しを重ね下合意ができていたにも関わらず、竜馬不在で西郷隆盛と桂小五郎が対面すると話は一向に進んでおらず、むしろ決裂の寸前であった。どちらがそれを切り出すかという面子(メンツ)がそうさせていた。1週間おくれて到着した竜馬は、両者を一喝しな...続きを読むがらも西郷に薩摩が折れるように説き伏せる。竜馬の人間力がなければこの同盟は成立していなかっただろう。

そして本巻でもうひとつ印象的だったのが、饅頭屋の近藤長次郎だ。高知城下の饅頭売りの行商から身を立て、蘭学、英語などを学びその志をめでられ郷士となった長次郎を、竜馬は饅頭屋と呼んでかわいがっていた。竜馬の期待以上の働きで、長州の洋式軍備を短期間で用立てし亀山社中でも大活躍であったが、切腹を強いられる事となった。仲間とは交わらなかった故に、上記活躍について妬みややっかみを買うこととなる。長州候からの報謝として英国留学を願い出、それを仲間に言わずに渡航しようと企て、いざ出発という矢先にそれが発覚する事となる。竜馬不在の中、謀り事をしたものはその大小を問わず切腹をするという隊規を仲間につきつけられ、一人で孤独に腹を切り死ぬ事となる。太平洋戦争の各地最前線で軍規をたてに自決をせまられた惨事と似ている。日本人、日本人が組織となった際に持つ内向きで陰惨な掟なのか。書中にも竜馬が居たとしたら、饅頭屋は死なずにすんだであろうと書かれている。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年09月25日

2018/9 6冊目(2018年通算132冊目)。巻の内容は薩長同盟の成立に池田屋事件など。これを読む前に同じ作者の高杉晋作の話は読んだはずなのだけど、内容が思い出せない…。それにしても、西郷と桂、どちらも優柔不断過ぎる。龍馬が一喝しなければ薩長同盟も決まらなかったのではないかと思う。さて、話も佳境...続きを読むにはいってきて、大政奉還までどう進んでいくのか読むのが楽しみだ。感想はこんなところです。

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Posted by ブクログ 2018年09月18日

薩長同盟、寺田屋事件、霧島への新婚旅行と、大して歴史に詳しくない人でも知っているような事件が目白押しの一冊。もちろん面白いのだが、竜馬の人生の終焉が迫っているんだなあ、と思わされてちょっとさびしい。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2018年01月09日

これまでの話の中で薩摩と長州は互いに力を持った藩でありながら、相容れず憎悪し合う姿が幾度となく描かれてきた。しかし幕府を倒すためには、薩摩と長州が力を合わせる必要がある、奔走する竜馬によりついに薩長同盟が成立する。まさに竜馬の一世一代の偉業が成し遂げられたのである。竜馬の一貫して冷静で常に機を見なが...続きを読むら行動する姿には今までも感心してきたが、薩長同盟の一説にあたってはビジネスマンとしての直接的な学びも非常に大きかった。竜馬の巧みな交渉術、それぞれの立場を踏まえた上で目標を指し示し同じゴールに向かわせようとする力。互いの長所と短所を補完し合ってより良い強いチームを作ろうという考え方。感情で惹き付けながら論理も通す絶妙なバランス。竜馬が現代に生きたとしても必ず大事を成し遂げる男だったのだろうと改めて感じた。薩長同盟、寺田屋事件、亀山社中結成と、竜馬の活躍が盛んであるに比例して学びの多い本巻だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月13日

大志のために情勢をみつつ待つことも大事
時勢の情報を正しく掴んでいる人を見極める
この時代には日本人の概念も浸透していなかった
決断できる人を丁寧にわかりやすく説得する
大志も一発では上手くいかずとも、細かい事を積み上げて物事を動かす
上手く行きそうでも、様々な思案の後に行きつ戻りつでようやく物事は...続きを読む進み出す

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Posted by ブクログ 2020年07月15日

長次郎は才子ではあるが、組織でもって協同して事をする感覚が欠けているようである。貧家の秀才で無我夢中で世間の表通りに出てきた者のもつ悲哀といっていい。われがわれがとおもう一方で、仲間の感情を思いやるゆとりがないのである。
(しかし、城下の水道町のまんじゅう屋のせがれも、薩長両藩を相手に大仕事ができる...続きを読むまでになったか)
とおもうと、竜馬はあのまんじゅう屋の冷たくとぎすましたような秀才づらが、いとしくてたまらなくなるのである。(p.160)
「私は根が町人のうまれで、戦争はあまり好みませんが」
「ばかだな、お前は。そういうことをいうちょるから、あたらそれほどの才分をもちながら人にばかにされるのだ。男は、喧嘩をするときには断乎喧嘩をするという大勇猛心をもっておらねば、いかに名論卓説を口にしていても、ひとは小才子としか見てくれぬぞ」
「しかし、にが手はにが手です」
「にが手でもやれ、近藤長次郎が軍艦にのってひといくさした、といえば、あとあとお前の名論卓説に千鈞の重味がつくぞ。口さきの才子ではない、と人は思う。人がそう思えば仕事もやりやすくなる。思わぬ大仕事ができるというものだ」
「しかし、いくさに負けて軍艦が沈めばどうなります」
「死ぬまでさ」
と、竜馬はむしろまんじゅう屋の顔をふしぎそうに見、あたりまえだよ、といった。
「しかし死ぬのは、まだ惜しいです」
「惜しいほどの自分かえ、まんじゅう屋」
「まんじゅう屋はよしてください」
「では、長サン。男はどんなくだらぬ事ででも死ねるという自信があってこそ大事をなしとげられるものだ」(p.182)
桂の感情は果然硬化し、席をはらって帰国しようとした。薩摩側も、なお藩の体面と威厳のために黙している。
この段階で竜馬は西郷に、
「長州が可哀そうではないか」
と叫ぶようにいった。当夜の竜馬の発言は、ほとんどこのひとことしかない。
あとは、西郷を射すように見つめたまま、沈黙したからである。
奇妙といっていい。
これで薩長連合は成立した。
歴史は回転し、時勢はこの夜を境に倒幕段階に入った。一介の土佐浪人から出たこのひとことのふしぎさを書こうとして、筆者は、三千枚ちかくの枚数をついやしてきたように思われる。事の成るならぬは、それを言う人間による、ということを、この若者によって筆者は考えようとした。(p.246)

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Posted by ブクログ 2020年07月19日

生きるも死ぬも、一表現に過ぎぬ。
事を成すか成さぬかだけを考えれば良い。
先人の真似事はくだらぬ。

龍馬の考え方は好きだ。
何もせずに死ぬのは、生を受けた意味がないと思う。そして、自分で考え、自分が正義だと思う、藩人ではなく、日本人を作ることに奔走した姿はかっこいい。時代が味方をするというのはこう...続きを読むいうことなんだろう。

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Posted by ブクログ 2020年06月23日

友人に勧められて読み始めたが、日に日にワクワクしなくなっていく自分がいる。序盤の展開にはハラハラドキドキさせられたのにな…

また違う機会に読んだら楽しめるかな??

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Posted by ブクログ 2020年04月19日

やはり本筋が霞んできましたなぁ、でもこれこそがこの作家を読むという意味でしょう。色々今までいちゃもん(?)つけてきましたが、こういうもんだと腹に落とせばokです。
でも、他の作品でも既に説教(?)されている内容ゆえ、正直新鮮さは無いです。読んでいる順番の問題なんでしょう。

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