恥ずかしながら初めて読みました。昔から有名な作品ということは知っていましたが「どうせ竜馬は死ぬんだろ…」と手をつけなかったのです。何ともったいない!
沢山のビジネス書や自己啓発書がありますが、若人たち、まずは『竜馬がゆく』を読みましょう!物語を通して自由闊達な発想・先を読む力・間の取り方・人脈などの大切さを実感することができます。また、そのためにいろいろと勉強したくなります。100年以上前の話ですが新鮮に感じます。
さらに竜馬以外の登場人物もみな魅力的。若かりし木戸孝允や板垣退助など、日本史の授業に興味がなかった私でも知ってる人物や、三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎など、様々な人物が登場します。一粒で2度3度とおいしい作品。とにかく出来るだけ若いうちに1度は読んでおきたい作品です。
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Posted by ブクログ 2024年04月27日
▼第6巻に引き続き、第7巻もわくわく山場です。まあつまり、文庫版全8巻で言えば、竜馬さんは5巻までは準備運動だったとも言えます。その5巻までは面白く読ませる「節回し」「語り口」こそが、小説竜馬がゆくの凄みと言えましょう。という訳で、そりゃ面白いに決まっている第7巻。
▼話は「第二次長州征伐で、長州...続きを読む軍(竜馬も参加)に、幕府側は負けてしまった。講和交渉」から始まります。つまり、7巻から、幕府が倒れていく。日本中の大名たちが「えっ…幕府弱くね?こりゃマジで薩長雄藩が天下取っちゃう?幕府の言うこと聞いている意味なくね?」と気づく。この巨大な「ムード」の展開がわくわくします。
▼そして、「いろは丸事件」という、紀州徳川藩の居船と竜馬の船の海上事故の交渉物語を交えながら‥‥。「後藤象二郎登場」→「幕府びいきだとまずいと思った土佐藩が、竜馬に連携をお願いする」→「それに応えて、大政奉還案を竜馬が出す」「船中八策で、倒幕後の国のありかたを示す」というのが中盤~終盤のわくわく。
▼これまでに比べて、竜馬さんが天下の名士になっている。その落差みたいなものも楽しい。ちょっと眩暈がするような、
「思えば遠くに来たもんだ(©中也)感傷」
を味わえるのが、大長編だけが持つ醍醐味。
それにしても中原中也の日本語センスのなんて良いことでしょうねえ。
Posted by ブクログ 2023年10月18日
歴史弱者の自分でも名前だけは知っている大政奉還。
竜馬がこんなに中心になって推し進めていたとはしらなかった。
竜馬の思想が一〜七巻をかけてどのように変わってきたか、この七巻でようやくはっきり見えてきました。
この巻は特に竜馬が何か考えている描写が多いように感じました。今まで血を流してきた同志や、対立...続きを読む勢力のことを思っていたのかと思うと胸が熱くなります。
八巻も楽しみです。
Posted by ブクログ 2022年07月24日
人間それぞれに多彩な能力があるが、1人で何かをなすことができるわけではなく、同じ志を持った有能な仲間と協力すること、運、情報が重要なのだと思った。
長崎に行きたくなってきた。
Posted by ブクログ 2022年06月28日
幕府は長州藩との海戦に敗れ小倉城も陥落しいよいよ窮地に追い込まれてゆく。勝海舟は幕府の使者として長州藩との停戦交渉に厳島へ派遣される。将軍慶喜からはやり方は全て任せると言われ、だったひとりでこの命がけの任務に就いた。
果たして勝の誠意あふれる態度は長州藩の心を捉え、停戦は無事に実った。しかし慶喜は勝...続きを読むが無条件和睦を約束したことを不服に思い、任務を果たした勝をねぎらいもせず無視した。負け戦の停戦であるにも関わらず幕府の対面を保つために懲罰を与えるべきだったとは、それも全てを任せると言っておきながら。まさに「なんと虫のいい…」である。
しかもその上さらに幕府は勝とは別方向で朝廷に働きかけ、勅定という形で長州藩に停戦命令を出した。その高圧的な命令は戦いはいつでも再開するという意思を含んでおり、和睦を約束した勝は長州を裏切ることになってしまった。こんなにひどい話があるだろうか。
使命を果たした勝は、それを喜び合う同僚も従者もいないため厳島の宿でたったひとり、宿の老婆を相手に飲めない酒を呑み、「婆あ、酔った」と管を巻く。この下りが勝の宿命を象徴しているようで、可笑しいながらも物悲しくて仕方なかった。
Posted by ブクログ 2022年05月14日
亀山社中解散の危機、労組はもちろん、水夫火夫の食い扶持という固定費を賄う仕組みもない、会社というシステムとしては成り立っていないなぁと思った。が、竜馬が見よう見まねで始めた、というところに価値がある。
その後、西洋のロウを真似て、海援隊の約款を作るあたり、徐々に体制が整っていくのがおもしろい。
海...続きを読む援隊の味方として土佐藩がつく、というところはうまくいきすぎてニヤニヤした。約款もきちんとあるという点がなおよい。
私の出身地である大洲が、いろは丸の章で出てきてうれしい。竜馬が大洲藩からいろは丸を手に入れたが、最初の航海で沈んでしまった、ということは知っていたが、相手が紀州藩で、初の国際法を用いた裁判になったということは知らず、おもしろかった。
大政奉還、無血革命というのは奇策だったのか。日本を戦火から救い、徳川の名を後世に残し、容堂の苦しみを解決しただけでなく、思えば、流血革命なら、日本は列強の植民地になっていただろう。
Posted by ブクログ 2022年04月01日
薩長同盟を成しとげた巻
あと、大政奉還を竜馬が立案した
大政奉還を成し遂げるには大変な根回しが必要だったんだとしみじみ。、
討幕に向けていよいよ盛り上がってきていて、最終巻が楽しみ。ただあと一巻で終わるとなると寂しくもある。
Posted by ブクログ 2021年08月30日
倒幕への動きが具体化してきた7巻。
そんな中、竜馬は徳川家を滅ぼすのでは無く一大名と同じ扱いとする大政奉還を思いつく。
尊皇の志士達がそれぞれの藩の一員として動く中、自分は「日本人」だと言う竜馬。
今では当たり前のことが、鎖国をしていた当時はどれだけぶっ飛んだ考えだったか。
でも、竜馬がそんな考え...続きを読むに至ったのは、学び考えたから。学ぶ・自分の頭で思考することの大切さよ。
Posted by ブクログ 2021年05月17日
p.74
困った、といったとたん、人間は智恵も分別も出ないようになってしまう。
p.157
あれだけの長い酒の座で、ひとことも過去を語らなんだ。ただ将来のみを語った。
p.379
洪水を一人でせきとめて別の方向に流してしまうことが、人間、できるものかどうか
面白くなってきました。次巻でラスト。楽し...続きを読むみです。
Posted by ブクログ 2020年04月12日
◯「惚れずに物事ができるか」と、龍馬はいった。(391p)
◯「言うぜ」龍馬は長岡に合図し、やがて船窓を見た。(411p)
★後藤象二郎が小気味いい。
Posted by ブクログ 2024年03月13日
5寄りの★4つです
竜馬がついて無さ過ぎます。。
また船を無くしてしまい、可哀想です。
後半はとうとう岩倉具視が登場!
更に大政奉還!
司馬さんの本読みやすいです。
飽きないのが良いですね
Posted by ブクログ 2023年12月16日
後藤象二郎とか山内容堂ってあまり良い印象は無かったのだが、やはり人間の短所ばかりに目を向けてばかりではなく良い点を見つけて適材適所の活躍をさせることが大切なのだと実感
Posted by ブクログ 2023年06月19日
「竜馬がゆく」の第7作目は、討幕へ向けて薩長同盟を実現させた龍馬が次の一手として土佐藩と連携していく様子が記されている。数多の勤王志士達を死へ追いやった土佐藩の上士らと手を取り合おうとする龍馬の行動に初めは違和感を感じた。しかし、そうせざるを得ない程に状況が逼迫していたのも事実である。仲間を思い信念...続きを読むを突き通す事は大事だが、世の中の動きに敏感になり時勢によって信念をも変えてしまうくらいの器の人が新しい時代を作っていくのかなと複雑な気持ちになった。
Posted by ブクログ 2023年04月06日
亀山社中から海援隊に変わり、大政奉還に向け志士が動き出す回。
龍馬が凄いのは、階級をなくし人は平等であり法によってのみ裁かれる時代にしようと行動した所。
先見の明がある。
ついに次で最終巻。
龍馬よ、死ぬなー!
Posted by ブクログ 2022年09月04日
いよいよ大詰め。
自分が知る日本になる礎ができる直前。
多くの人の命と思いをかけて。
心を打たれながら本に入り込んでいたら、
日課のPodcastでちょうど紀州藩と海援隊の話があった。
本は竜馬寄りだけど、Podcastは歴史を今の視点で見て語られているから、
より竜馬側は海賊的な悪どいやり方だと...続きを読む語られていた。
情はない。
そして、そもそも実は海援隊も竜馬も航海技術はあまりなかったとのこと。中途半端だったとも。
なるほど。
本に書かれたことが正しい話だと思い込み過ぎていた。
他の角度から見ることも大切。
人が変われば、時代が変われば、見方が違う。
日頃の仕事や考え方にも取り入れなければと思っている視点を、
なるほど、こういうことかと改めて実感。
そして大政奉還は竜馬の素の案ではなく、
3年前の勝海舟の案だったと。
勝海舟の凄さと、やはり物事にはタイミング(時間)という第3軸があるんだと学ぶ。
Posted by ブクログ 2022年08月16日
最も華々しく活躍した時期にあたる巻だと思います。この巻を読むと、竜馬も「時代の一人物」であることを納得できました。中岡慎太郎も大活躍しており、まさに土佐の巻です。
Posted by ブクログ 2020年08月23日
司馬遼太郎の長編時代小説の7巻目
長州と幕府の戦いを終えた海援隊,戦には勝ったもののお金に困窮するところから始まる.龍馬の人望と展望でまさかの土佐藩と手を組み,時代の活路を見出そうとする.
あくまで日本にとっての未来を考えて動く姿は周りに理解されないかもしれないが,本当にかっこいいと思った.芯の...続きを読むある人なのだなと今作でも感じた.一方で中岡慎太郎も行動家で「足で稼ぐ」ように各地各所へ赴き説きまわり,政治を動かす姿も感動した.
7作にもなると明治維新で活躍する偉人が続々と登場するのも印象に残った.学校で習う歴史の明治の偉人も江戸末期に坂本龍馬と接触・影響を受けて世を動かしたところが面白い.
世が開けるのももうそろそろに感じた.最終作の8作目も楽しみである.
Posted by ブクログ 2020年07月27日
物語はいよいよ佳境へ。真に動き出した竜馬。この先、どんな描き方をされるのか。楽しみだ。
物事には時というものがある。
早すぎても遅すぎてもダメだ。
Posted by ブクログ 2019年11月15日
風雲急を告げる幕末。いよいよここにきて竜馬のバイタリティーが爆発します。揺らぐ幕府の土台に、最後にどんな仕上げを加えるのか。最終巻が楽しみでなりません。
Posted by ブクログ 2019年08月12日
この時代に船中八策をまとめ上げたことは、現代人がいくら時代背景を想像して賞賛しても足りないレベルの偉業だと思う。
あと、山内容堂について今まで漠然と立派な人だという印象を持っていたのですが、本書での書かれっぷりは決して好意的ではない。どういう人だったのか自分なりの見解を持つために、別の立場からの書物...続きを読むを読んでみたくなりました。
Posted by ブクログ 2018年10月08日
竜馬の亀山社中は、女豪商の大浦慶の支援により船を一隻購入、海援隊と名を変える。
薩長の勢いが増すに至る中、中岡慎太郎の地道な啓蒙工作活動も手伝い、土佐の藩内においても勤王派が徐々に増えて来る。山内容堂の惻心であった、乾退助、後藤象二郎もそうである。しかし、土佐、越前、伊予、薩摩の四賢候による合議は失...続きを読む敗に終わる。山内容堂が、佐幕と勤王の両刀を決めきれずに國へと帰ってしまう。そして、竜馬はついに佐幕、勤王の両者が受け入れられ且つ、土佐が存在感を回復しうる妙案を出す。大政奉還。
Posted by ブクログ 2018年10月02日
前巻で薩長同盟が成立したせいか、薩長二国の人物よりも、中岡慎太郎、後藤象二郎、岩崎弥太郎といった土佐の人間が主要な登場人物となるこの1冊。あと1冊。ようやくここまで来た。
Posted by ブクログ 2022年02月13日
心に残ったシーン
高杉晋作「面白き事もなき世を面白く すみなすものは心なりけり」
何度も船を沈められる困難を乗り越えつつ進んでいく
その時々で自分の大志に向けて強みを変えていく、柔軟な考え方と吸収力
Posted by ブクログ 2019年01月16日
他の追随を許さない竜馬の了見、テレビも電話もないこの時代、西郷さんや桂さんさえ見えなかった世界観を持っていたことが本当に凄いことだったんだ!!と実感できる章です。竜馬さんありがとう、あなたがいてくれたから今の日本があるんだね。
Posted by ブクログ 2019年01月16日
社会全般は学生時代の苦手分野。そんな私のうろ覚えの知識でも知っていた“坂本竜馬”の最大の功績は薩長同盟、それから、海援隊の設立と大政奉還の働きかけ。教科書に書かれているこの数行(数ページだった?)の歴史は、こんなにも竜馬が悩んで、決めたら最後、火の玉のように周りを説得して出来上がったものなのかと思う...続きを読むと感動モノでした。
残すもあと一冊。続きが読みたいと思う一方で、あと一冊で終わると思うと読むのが惜しいなぁ。
Posted by ブクログ 2020年07月15日
(人の世に、道は一つということはない。道は百も千も万もある。道は一つだと信じて猪突する中岡とは、いずれおれは袂をわかたねばならぬときがくるかもしれない。しかし倒幕まではこの男と同じ道を進めるだろう)(p.197)
「談ずる前に」
と、退助はいった。
「解決しておかねばならぬことがある。でなければ胸襟...続きを読むをひらくわけにはいかない」
「胸襟を」
「そう。今年のはじめのことだ。わしが京にあったとき、ぬしゃ、わしを斬ろうと企てていたな」
「いや、左様なことは」
と中岡は顔色を変えずにいうと、退助は大喝一声して、
「中岡慎太郎は男児ではないか」
といった。中岡は退助の気魄にうたれ、参った、そのとおりである、といった。退助はうなずき、されば天下の事を談じようとはじめて微笑した。(p.343)
Posted by ブクログ 2020年07月19日
時勢は利によって動く。
確かにそうだ。人は、旨味がなければ動かない。これは、人は集団で行動するからだと思う。孤立すればハブられる。富の名目でまとまり、人は動く。
困ったとは言わない。
窮地が死地になり、活路が見出せなくなるから。
窮地であれば、活路はまだある。だから、困ったとは言わない高杉も、...続きを読む己に一本筋を持っている。
面白き、こともなき世を、おもしろく
高杉の辞世の句は、生きるとは何かを教えてくれる。
船中八策は日本酒の名前と思ってたけど、大政奉還後の指針でしたとさ。