雨宮処凛のレビュー一覧

  • 排除の空気に唾を吐け
    花見の席で正社員が派遣社員に言った「終わってるな」に現れている。
    財政の問題があるから軽々しく言えないが所持金も無い人間を追い返す役所の人間の顔が鬼に思い浮かばれる仕様。
  • 生き地獄天国 ――雨宮処凛自伝
    右翼時代までの雨宮さんの「自伝」。多くの彼女の著作で語られる彼女の半生の詳細が語られています。正直、「痛々しい」。でも現代が多くの彼女のような存在を踏みにじることで「繁栄」してきたわけだし、その中で「この道しかない」という言説が少なくとも多くの人々の支持を受けて彼らに権力を渡してきたことも事実だと思...続きを読む
  • 右翼と左翼はどうちがう?
    14歳に向けた本だと読んでいる最中に気づいた。そのせいなのか、右翼・左翼の呼び名だけしか知らず、両者の区別も全く分かっていなかった大学一年生の私にはとてもわかりやすかった。

    どちらかの立場をただ説明するだけでなく両者を比べて違いを提示してくれたり、活動家とその人のストーリーを紹介しているところが良...続きを読む
  • 右翼と左翼はどうちがう?
    右翼、左翼の両方の活動を実際に行ってきた著者の体験談と、現在の活動家へのインタビューにより構成された本。
    最近のヘイトスピーチにも触れられている。
  • 右翼と左翼はどうちがう?
    両者の思想や理念を比較して社会問題を語ろう、という本ではない。過去の事実や事件をコンパクトに紹介し、現在の行動家たちのインタビューから読者の関心を掻き立てる。理不尽な現実や悲惨な出来事に直面して停滞しがちな我々の思考を活性化させる啓蒙書でもある。2007年の単行本出版から7年後の文庫化に際して付され...続きを読む
  • ともだち刑
    憧れの人と仲良くなれたかと思いきや、ある日を境に、クラブ内で苛められる立場に追い込まれた主人公。
    読んでいて、「似たようなこと、あったなあ」と、忘れかけていた嫌なことを思い出した。

    私はどちらかと言えば苛められる側だったけれど、ここまで酷い目にあったことはない。クラブ活動もしていなかったし。でも、...続きを読む
  • 右翼と左翼はどうちがう?
     右翼は天皇崇拝、戦争も悪いが、それでも良いことがあった。軍国主義で資本主義はまあベストではないが、ベター。
     左翼は自由を主張。資本主義を否定し共産主義を目指す。戦争反対、軍国主義はあり得ない。
     どっちによりすぎても良くないわけだけど、実際に右と左にはいっていた人の体験はやはりどこかリアリズムを...続きを読む
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    対談という形式上、問題提起とその共有が本書の中心だろう。

    その問題提起において、萱野氏は抽象的・一般的な傾向を、雨宮氏は具体的な体験についてお話になる傾向があった。

    特に雨宮氏が提起し、萱野氏が補足する個々の事件(もしくは“それ未満”の体験談)の生々しさは壮絶である。

    ただし、対談の記録である...続きを読む
  • ともだち刑
    成人式を迎える私は、中学時代バレー部で一緒だった「あなた」のことを忘れることができない。いじめ。
    今、世間をにぎわすような壮絶なものではない。しかし、中学生という子供が、逃げることもしらず、わずかな友情を信じ、やっと生き抜いた今日の続きがまた明日続くことの苦しみ。
    傷つけられた心を持ったまま生きて来...続きを読む
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    萱野稔人と雨宮処凛の対談本。
    何回かの対談をまとめているので,重複するやり取りが多く見られる。
    編集して,重複する部分を省いてもよかったと思う。

    右傾化とか左傾化とか,リストカットとかODとか,いじめとか,
    空気を読むとか,まぁ,色んな事象があるけど,
    コアなところにあるのは, 自己承認欲求なので...続きを読む
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    「生きづらさ」に対する共感によって社会的弱者の状況を読みあさり、下には下がいることに安堵して自尊心を満たす。
     山の高さではなく谷の深さに目を向けて、今いる場所に納得する。それは極めて利己的な納得であり、心地よい居場所を求めてしまう本能的なものでもある。
     その場所まで登ってきたのではなく、ただ降り...続きを読む
  • バンギャル ア ゴーゴー(1)
    ふと立ち寄った本屋で見つけたので読み始めました.

    少し前のリアルなバンギャ事情ですね.
    自分はそこまでしたことなかったけど,地方ギャの思うこととか,将来の不安と葛藤とか,どんなジャンルの子でも悩みは同じなのかと思う作品でした.
  • 「生きづらさ」について~貧困、アイデンティティ、ナショナリズム~
    データ的な部分がないからエスノグラフィーということになるのかな。「生きづらさ」の正体、過度に「空気を読む」コミュニケーション能力が求められる、絶えず競争に晒される、労働やコミュニティの流動化、などによる生きづらさ。それによるナショナリズムへの傾倒。「自分を責めたら死ぬ」
    レビュー登録日 : 2011...続きを読む
  • 生きのびろ! 生きづらい世界を変える8人のやり方
    この本に書いてあった藤野英明さんは、「金無し、コネなし」でも横須賀市議会選に立候補して当選した。こういう政治家がもっと増えて欲しい。
  • プレカリアートの憂鬱
    数週間前の土日、派遣で働いたばかりだったため妙にリアルに感じてぞっとした。現実をもっと知っていかなくちゃとおもうと同時に、社会主義について考えるようになった。
  • 戦場へ行こう!!雨宮処凛流・地球の歩き方
    世界の当事者でありたい、という考え方は嫌いじゃない。
    北朝鮮やイラクについての細かなレポートも興味深かった。
    ただ、ニュースで伝えられているのが実際で、著者のような考え方の方がマイナーだということは忘れないようにしたい。

    もっとクレイジーな人かと思ってたけど、言ってることは真っ当で、共感してしまっ...続きを読む
  • 生きのびろ! 生きづらい世界を変える8人のやり方
    世の中を変えるには、行動することが一歩となります。その手段は多岐にわたり、読み終えた後には、何かしらのヒントが得られる一冊です。
  • 暴力恋愛
    「なんでお前がそんな本読んでるん?」って言われそうな一冊(笑)雨宮処凛っていう作家さんにちょっと興味があったんで、アンチ恋愛小説やけど、読んでみました。

    これを読み終わった時、正直、主人公は何かに依存していかなければ生きていけない、弱い人間なんやと思った。それは、男(達也君)やったり、リスカやっ...続きを読む
  • バンギャル ア ゴーゴー(1)
    著者の実体験をはんぶん交えて書かれてるんだろうな、だって、メインのバンギャルちゃんたちが辿る思いや進路や友情や親との衝突やら、恐ろしいくらいに元バンギャの私と同じだったもの。

    居場所がなくて、何かつまらなくて、夢中になりたくて、そんな想いを火花が散るほどにライブで弾けさせる。音楽性だの、世界観だの...続きを読む
  • プレカリアートの憂鬱
    プレカリアートとは「不安定さを強いられる人々」の総称だそうです。
    フリーター、派遣、契約社員、ニート、引きこもりの人々とかだけではなく、零細自営業、農業、漁業など生活や雇用の不安定な中に生きている人々のことだそうです。だれもが最低限生きていけるような(憲法にうたわれてますけど)ボトムアップを目指す運...続きを読む